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劇薬
処方箋医薬品注)
閉塞性肥大型心筋症
通常、成人にはマバカムテンとして2.5mgを1日1回経口投与から開始し、患者の状態に応じて適宜増減する。ただし、最大投与量は1回15mgとする。
段階
1
2
3
4
5
投与量
1mg
2.5mg
5mg
10mg
15mg
心エコー検査
投与量の調節
投与開始4週間後
バルサルバLVOT圧較差が20mmHg未満かつLVEFが50%以上
1段階減量
バルサルバLVOT圧較差が20mmHg以上かつLVEFが50%以上
維持
投与開始12週間以降
バルサルバLVOT圧較差が30mmHg以上かつLVEFが55%以上
1段階増量
バルサルバLVOT圧較差にかかわらず、LVEFが50%以上、55%未満
バルサルバLVOT圧較差が30mmHg未満かつLVEFが55%以上
休薬基準
LVEFが50%未満の場合、LVEFが50%以上に回復するまで少なくとも4週間休薬する。LVEFが50%以上に回復した後、休薬時より1段階減量して投与を再開する。ただし、1mg投与中に休薬した場合は1mgで投与を再開する。投与再開から4週間後及び12週間後にLVEFを確認する。
中止基準
1mg投与中にLVEFが50%未満により休薬し、1mgでの投与再開から4週間後にLVEFが50%未満になった場合、投与を中止する。
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験(ラット及びウサギ)において、臨床最大曝露量と同程度の曝露量で胚致死作用及び催奇形性が認められている1)。,
授乳しないことが望ましい。本剤は乳汁中に移行する可能性がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
イトラコナゾール(イトリゾール)
クラリスロマイシン含有製剤(クラリス、クラリシッド、ボノサップ、ラベキュア)
ボリコナゾール(ブイフェンド)
ポサコナゾール(ノクサフィル)
リトナビル含有製剤(カレトラ、ノービア、パキロビッド)
コビシスタット含有製剤(シムツーザ、ゲンボイヤ、プレジコビックス)
セリチニブ(ジカディア)
エンシトレルビル フマル酸(ゾコーバ)
ロナファルニブ(ゾキンヴィ)
ジョサマイシン(ジョサマイ)
ミフェプリストン・ミソプロストール(メフィーゴ)
本剤の副作用が増強され、収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある。
これらの薬剤がCYP3A4を強力に阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
強い又は中程度のCYP2C19阻害剤
,
これらの薬剤がCYP2C19を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
弱いCYP2C19阻害剤
本剤の副作用が増強され、収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある。本剤投与中にこれらの薬剤の投与を開始又は増量する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
中程度又は弱いCYP3A4阻害剤
,,
これらの薬剤がCYP3A4を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
強い又は中程度のCYP2C19誘導剤
本剤の有効性が減弱するおそれがある。本剤と併用中にこれらの薬剤の投与を中止又は減量すると収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある。
これらの薬剤がCYP2C19を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
強い、中程度又は弱いCYP3A4誘導剤
これらの薬剤がCYP3A4を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
β遮断薬
非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬
これらの薬剤と併用する場合、患者の状態を慎重に観察しながら投与すること。特に本剤とβ遮断薬及び非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬との併用の場合には注意すること。本剤投与中にこれらの薬剤の投与を開始又は増量する場合は、薬剤の投与量及び患者の状態が安定するまで心エコー検査によるLVEFのモニタリング等を定期的に実施し、患者の状態を慎重に観察しながら投与すること。
相加的に陰性変力作用を増強させ、左室収縮力を過度に低下させる可能性がある。
クラスⅠA抗不整脈薬
これらの薬剤と併用する場合、患者の状態を慎重に観察しながら投与すること。本剤投与中にこれらの薬剤の投与を開始又は増量する場合は、薬剤の投与量及び患者の状態が安定するまで心エコー検査によるLVEFのモニタリング等を定期的に実施し、患者の状態を慎重に観察しながら投与すること。
収縮機能障害により心不全を起こすことがある。ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)の上昇が見られた場合、又は呼吸困難、胸痛、疲労、動悸、下肢浮腫等が発現又は増悪した場合は、速やかに心機能の評価を行い、休薬又は中止等適切な処置を行うこと。,
1~3%未満
神経系障害
浮動性めまい、頭痛
一般・全身障害および投与部位の状態
疲労、末梢性浮腫
心臓障害
心房細動、動悸
呼吸器、胸郭および縦隔障害
労作性呼吸困難、呼吸困難
筋骨格系および結合組織障害
筋力低下
臨床検査
駆出率減少
健康被験者(20例)にマバカムテン5、15又は25mgを空腹時単回投与注)したときの、マバカムテンの薬物動態パラメータは下表のとおりであった2)。
投与量(例数)
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
AUC(INF)(ng・h/mL)
T1/2(h)
5mg(4例)
141.3(15.5)
1.50(1.00, 2.00)
6277(28.7)
216.3(28.6)
15mg(8例)
289.0(19.8)
1.00(0.50, 4.00)
15410(27.4)
216.3(23.9)
25mg(8例)
504.0(18.3)
1.50(0.50, 3.00)
17370(34.0)
141.4(43.1)
Tmaxの値は中央値(範囲)、T1/2、Cmax及びAUC(INF)の値は、幾何平均値[幾何変動係数(gCV%)]を示す。
健康被験者(40例)にマバカムテンを28日間反復投与注)したときの、マバカムテンの薬物動態パラメータは下表のとおりであった3)(外国人データ)。
日
AUC(TAU)(ng・h/mL)
1mg1日2回(10例)
29.00(58.01)
1.00(0.50, 3.00)
81.10(30.96)
9.69(41.26)
28
76.02(31.66)
0.50(0.50, 1.50)
577.43(40.45)
18.93(78.77)
3mg1日2回(10例)
52.85(62.76)
1.00(0.50, 2.00)
176.62(42.91)
7.01(64.83)
159.08(50.54)
1.75(0.50, 8.00)
1387.28(57.77)
42.62(230.26)
12.5mg1日1回(10例)
208.05(27.06)
1.54(1.50, 3.00)
1194.67(30.80)
24.83(35.05)
411.97(39.68)
2.00(0.50, 24.00)
6184.49(44.66)
45.36(48.32)
18.5mg1日1回(10例)
362.16(31.19)
2220.42(25.84)
16.84(66.25)
943.51(27.77)
2.00(0.50, 4.00)
15818.53(41.83)
78.88(63.05)
Tmaxの値は中央値(範囲)、T1/2、Cmax及びAUC(TAU)の値は、幾何平均値[幾何変動係数(gCV%)]を示す。
マバカムテンは経口投与後速やかに吸収され、経口バイオアベイラビリティは臨床用量範囲内で約85%と推定された4)(外国人データ)。
健康被験者(23例)にマバカムテン15mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、Tmaxは空腹時投与で1時間であったのに対し食後投与では4時間であり、高脂肪食により吸収の遅延が生じた。空腹時投与と比較して食後投与ではAUC(INF)が12.3%、Cmaxが50%減少した5)(外国人データ)。
臨床試験におけるマバカムテンの血漿蛋白結合率は97%から98%であった6)(外国人データ)。マバカムテンの血漿中濃度に対する血中濃度の比は0.79であった7)(in vitroデータ)。マバカムテン18.5mg(4例)又は25mg(6例)を最長28日間投与注)した男性被験者10例の精液中のマバカムテン測定に基づくと、マバカムテンの精液/血漿比の平均値(SD)はそれぞれ0.039(0.0047)及び0.044(0.016)であった3)(外国人データ)。
マバカムテンは広範に代謝され、主にCYP2C19(74%)、CYP3A4(18%)及びCYP2C9(7.6%)を介して代謝される8)(in vitroデータ)。ヒト血漿中に3種類の代謝物が検出されたが、いずれもヒト血漿中総放射能の4%未満であった4)。
健康被験者に14C標識マバカムテン25mgを単回投与後注)、総放射能の7%が糞便中に、85%が尿中に回収された。糞便中及び尿中の未変化体は、投与量のそれぞれ約1%及び3%であった4)(外国人データ)。
母集団薬物動態解析の結果、eGFRが45、75、95mL/min/1.73m2の被験者で曝露量に差は認められなかった9)(外国人データ)。
軽度又は中等度(Child-Pugh分類A又はB)の肝機能障害被験者及び肝機能正常被験者に、マバカムテン25mgを単回経口投与注)したとき、正常な肝機能を有する被験者と比較して、軽度及び中等度の肝機能障害を有する被験者でマバカムテンのAUC(last)はそれぞれ3.24倍及び1.87倍に増加し、Cmaxはそれぞれ1.12倍及び1.10倍であった6)(外国人データ)。
CYP2C19のNormal metabolizer(NM)又はPoor metabolizer(PM)の健康被験者(各8例)にマバカムテン15mgを単回経口投与したとき、CYP2C19 NMに対してPMではCmaxが1.47倍、AUC(INF)が3.41倍に増加した。半減期の幾何平均値はNMで8日、PMで23日であった10)(外国人データ)。
薬物相互作用試験の結果は下表のとおりであった11),12)(外国人データ)。
併用薬
併用薬投与量
マバカムテン投与量
幾何平均比(90%信頼区間)併用/非併用
Cmax
AUC(INF)
オメプラゾール(弱いCYP2C19阻害薬)
20mg1日1回
15mg単回
0.99(0.75, 1.30)
1.48(1.16, 1.88)
ベラパミル(中程度CYP3A4阻害薬)
240mg1日1回
25mg単回注)
1.518(1.160, 1.985)
1.155(0.844, 1.582)
薬物相互作用試験の結果は下表のとおりであった13),14)(外国人データ)。
マバカムテン投与量注)
ミダゾラム(CYP3A4基質)
5mg単回
25mg 1日1回2日間投与後、15mg 1日1回
0.93(0.77, 1.13)
0.87(0.68, 1.10)
エチニルエストラジオール(CYP3A4基質)
35μg単回
1.05(0.945, 1.16)
1.20(1.08, 1.33)
ノルエチンドロン(CYP3A4基質)
1mg単回
1.14(0.979, 1.33)
1.12(1.01, 1.24)
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはマバカムテンとして2.5mgを1日1回経口投与から開始し、患者の状態に応じて適宜増減する。ただし、最大投与量は1回15mgとする」である。
閉塞性肥大型心筋症患者注1)38例を対象とした非盲検非対照試験を実施した15)。本剤は1日1回経口投与することとされ、2.5mgより投与開始し、2~6週間の間隔で実施した心エコー検査の結果(バルサルバLVOT圧較差、LVEF)に基づき、1mg~15mgの範囲で用量調節した。本剤初回投与前35日間に前治療としてβ遮断薬又はCa拮抗薬のいずれかが投与されていた患者割合は、94.7%であった。また、試験期間中に併用薬としてβ遮断薬又はCa拮抗薬のいずれかが投与されていた患者割合は、94.7%(β遮断薬89.5%、Ca拮抗薬7.9%)であった。主要評価項目であるベースラインから投与30週後までの運動負荷後LVOT圧較差のベースラインからの変化量は下表のとおりであった。
全体(N=38)
ベースライン値(mmHg)平均値[標準偏差](例数)
85.1[29.24](38)
投与30週後の測定値(mmHg)平均値[標準偏差](例数)
28.4[26.46](35)
ベースラインからの変化量(mmHg)平均値[標準偏差](95%信頼区間)
-60.7[31.56](-71.54, -49.86)
注1)主な選択基準は以下のとおり・NYHA心機能分類Ⅱ度又はⅢ度・スクリーニング時のLVEFが60%以上・スクリーニング時のバルサルバLVOT圧較差が30mmHg以上・スクリーニング時の安静時、バルサルバ又は運動負荷後のLVOT圧較差が50mmHg以上投与54週後までの副作用発現頻度は2.6%(1/38例)であり、認められた副作用は動悸であった。
閉塞性肥大型心筋症患者注2)251例(プラセボ群128例、本剤群123例)を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検比較試験を実施した16)。本剤は1日1回経口投与することとされ、5mgより投与開始し、2~6週間の間隔で実施した心エコー検査の結果(バルサルバLVOT圧較差、LVEF)及び血漿中薬物トラフ濃度に基づく基準に従い、2.5mg~15mgの範囲で用量調節した。本剤初回投与前30日間に前治療としてβ遮断薬又はCa拮抗薬のいずれかが投与されていた患者割合は、本剤群で96.7%であった。また、試験期間中に併用薬としてβ遮断薬又はCa拮抗薬のいずれかが投与されていた患者割合は、本剤群で96.7%(β遮断薬76.4%、Ca拮抗薬20.3%)であった。主要評価項目である投与30週後における臨床的奏効(「pVO2の1.5mL/kg/min以上の増加、かつNYHA心機能分類のⅠ度以上の改善」又は「pVO2の3.0mL/kg/min以上の増加、かつNYHA心機能分類の悪化なし」のいずれかを満たす)割合は下表のとおりであり、プラセボ群に対する本剤群の優越性が示された。
本剤群(N=123)
プラセボ群(N=128)
プラセボとの差(95%信頼区間)
主要評価項目
臨床的奏効aを達成した割合%(例数)
36.6(45)
17.2(22)
19.4(8.67, 30.13)p=0.0005b
pVO2の1.5mL/kg/min以上の増加かつNYHA心機能分類のⅠ度以上の改善, %(例数)
33.3(41)
14.1(18)
-
pVO2の3.0mL/kg/min以上の増加かつNYHA心機能分類の悪化なし, %(例数)
23.6(29)
10.9(14)
副次評価項目
ベースラインから投与30週後までのpVO2変化量(mL/kg/min)平均値[標準偏差]
1.40[3.12]
-0.05[3.02]
1.35(0.58, 2.12)c
ベースラインから投与30週後までの運動負荷後LVOT圧較差変化量(mmHg)平均値[標準偏差]
-47.2[40.31]
-10.4[29.59]
-35.6(-43.15, -28.06)c
a 投与30週後のpVO2が欠測の患者は奏効なしとして取り扱った。投与30週後のpVO2は測定されているがNYHA心機能分類が欠測の場合は、投与26週後のNYHA心機能分類の結果で補完し、補完後も欠測の場合は奏効なしとして取り扱った。b NYHA心機能分類(Ⅱ度/Ⅲ度)、β遮断薬の使用(有/無)、運動負荷方法(トレッドミル/自転車エルゴメーター)を層別因子としたCochran-Mantel-Haenszel(CMH)検定、有意水準5%(両側)c 最小二乗平均値(投与群、ベースライン値、NYHA心機能分類(Ⅱ度/Ⅲ度)、β遮断薬の使用(有/無)、運動負荷法(トレッドミル/自転車エルゴメーター)を共変量とした共分散分析
注2)主な選択基準は以下のとおり・NYHA心機能分類Ⅱ度又はⅢ度・スクリーニング時のLVEFが55%以上・スクリーニング時のバルサルバLVOT圧較差が30mmHg以上・スクリーニング時の安静時、バルサルバ又は運動負荷後のLVOT圧較差が50mmHg以上投与38週後までに認められた副作用発現頻度は、本剤投与群で15.4%(19/123例)であった。主な副作用は、浮動性めまい4.1%(5/123例)、頭痛3.3%(4/123例)、心房細動、不眠症、呼吸困難各1.6%(2/123例)であった。
中隔縮小治療(SRT)の適応がある閉塞性肥大型心筋症患者注3)112例(プラセボ群56例、本剤群56例)を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検比較試験を実施した17)。本剤は1日1回経口投与することとされ、5mgより投与開始し、4週又は12週間隔で実施した心エコー検査の結果(バルサルバLVOT圧較差、LVEF)に基づき、2.5mg~15mgの範囲で用量調節した。本剤初回投与前30日間に前治療としてβ遮断薬又はCa拮抗薬が投与されていた患者割合は、本剤群でそれぞれ80.4%、28.6%であった。また、試験期間中に併用薬としてβ遮断薬、Ca拮抗薬又はNa遮断薬が投与されていた患者割合は、本剤群でそれぞれ80.4%、28.6%及び25.0%であった。本試験は、16週間の二重盲検での投与後、プラセボ群は本剤投与に切り替え、その後全ての患者に本剤を長期投与した。主要評価項目である「投与16週後以前にSRTの実施が決定されること」又は「投与16週後時点においてAmerican College of Cardiology Foundation/American Heart Association(ACCF/AHA)ガイドライン(2011年)のSRTの適応となる基準に該当すること」のいずれかを満たした患者の割合は下表のとおりであり、プラセボ群に対する本剤群の優越性が示された。
本剤群(N=56)
プラセボ群(N=56)
プラセボとの差(95%信頼区間)b
主要評価項目a, %(例数)
17.9(10)
76.8(43)
58.9(43.99, 73.87)p<0.0001c
投与16週後までにSRT実施が決定された患者の割合%(例数)
3.6(2)
-
投与16週後時点においてACCF/AHAガイドラインのSRTの適応となる基準に該当した患者の割合%(例数)
14.3(8)
69.6(39)
a 投与16週後より前の早期中止又は追跡不能等により主要評価項目が評価できなかった患者は、主要評価項目の要件(投与16週後時点においてACCF/AHAガイドライン(2011年)のSRTの適応となる基準に該当)を満たした患者として取り扱った。b SRTの種類(中隔心筋切除術/経皮的中隔心筋焼灼術)を層別因子としたMantel-Haenszel法c SRTの種類(中隔心筋切除術/経皮的中隔心筋焼灼術)を層別因子としたCMH検定、有意水準5%(両側)
注3)主な選択基準は以下のとおり・ACCF/AHAガイドライン(2011年)の診断基準に基づく、侵襲的SRT治療に関する以下の基準を満たす閉塞性肥大型心筋症患者。・臨床基準:最適な薬物療法を受けたにもかかわらず、重度の呼吸困難若しくは胸痛が認められる(通常NYHA心機能分類Ⅲ度又はⅣ度)、又は労作性失神若しくは失神寸前の状態が認められる・血行動態基準:安静時、バルサルバ又は運動負荷後のLVOT圧較差が50mmHg以上である・解剖学的基準:治験担当医師が、SRTを安全かつ効果的に実施するのに十分であると判断した標的前壁側中隔厚がある・LVEFが60%以上本剤を投与された患者の長期投与時(本剤群の二重盲検期を含む)の副作用発現頻度は、15.7%(17/108例)であった(中間解析時)。主な副作用は、駆出率減少4.6%(5/108例)、疲労、労作性呼吸困難各3.7%(4/108例)、心房細動、悪心、末梢性浮腫、筋力低下、平衡障害、浮動性めまい、呼吸困難各1.9%(2/108例)であった。
マバカムテンは、心筋ミオシンに対する選択的かつ可逆的なアロステリック阻害剤である。マバカムテンは、ミオシンヘッドからの無機リン酸(Pi)放出の抑制及びsuper relaxed(SRX)18)状態のミオシンヘッドの増加を介してアデノシン三リン酸(ATP)加水分解サイクルを阻害することにより、肥大型心筋症における左室での心筋の過収縮を抑制し、閉塞性肥大型心筋症患者における拡張機能障害やLVOT狭窄を改善する。
マバカムテンは、in vitroにおいて、野生型のヒト心筋ミオシンのATP加水分解サイクルを阻害し、その50%阻害濃度(IC50値)は0.52~0.73μMであった。また、マバカムテンは、ミオシン重鎖(MYH7)に肥大型心筋症の病因性変異(R403Q、R453C、R719W、R723G、G741R)を有するヒト心筋ミオシンの同サイクルを阻害し、IC50値は0.65~1.31μMであった19)。
正常ラット及びイヌにおいて、マバカムテンは心筋の収縮力を低下させ、心室容積を増大させる一方で、全身の血行動態及び左室圧には顕著な影響を及ぼさなかった20)。
βアドレナリン受容体作動薬投与によりLVOT狭窄を誘導した閉塞性肥大型心筋症モデルネコにおいて、マバカムテンは曝露量依存的にLVOT圧較差を減少させた21)。
マバカムテン(Mavacamten)
6-{[(1S)-1-Phenylethyl]amino}-3-(propan-2-yl)pyrimidine-2,4(1H,3H)-dione
C15H19N3O2
273.33
白色~類白色の固体である。
30カプセル[10カプセル(PTP)×3]
1) 社内資料:胚・胎児発生に関する試験(2025年3月27日承認、CTD 2.6.6.6.2)
2) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(MYK-461-011)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.6.3.7)
3) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(MYK-461-003)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.6.3.2)
4) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(MYK-461-013)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.2.2.8)
5) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(MYK-461-014)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.1.2.1)
6) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(MYK-461-015)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.2.2.10)
7) 社内資料:血球移行性(2025年3月27日承認、CTD 2.6.4.4.4)
8) 社内資料:CYP分子種の同定(2025年3月27日承認、CTD 2.6.4.5.3)
9) 社内資料:母集団薬物動態解析(2025年3月27日承認、CTD 2.7.2.3.5.1)
10) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(MYK-461-012)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.2.2.7)
11) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(MYK-461-018)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.2.2.12)
12) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(MYK-461-009)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.2.2.4)
13) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(MYK-461-016)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.2.2.11)
14) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(MYK-461-010)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.2.2.5)
15) 社内資料:国内第Ⅲ相試験(CV027004/HORIZON-HCM)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.6.5.4)
16) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(MYK-461-005/EXPLORER-HCM)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.6.5.1)
17) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(MYK-461-017/VALOR-HCM)(2025年3月27日承認、CTD 2.7.6.5.2)
18) Barrick SK, et al.:J Biol Chem. 2021;297:101297.
19) 社内資料:In vitro薬効薬理試験(2025年3月27日承認、CTD 2.6.2.3.1)
20) 社内資料:In vivo薬効薬理試験(2025年3月27日承認、CTD 2.6.2.3.2)
21) 社内資料:In vivo薬効薬理試験(2025年3月27日承認、CTD 2.6.2.3.3)
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 メディカル情報グループ
(住所)東京都千代田区大手町1-2-1
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*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2026年5月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
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