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劇薬
処方箋医薬品注)
中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)
過去の治療において、他の薬物療法(5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド等)で適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に本剤を投与すること。
通常、成人にはオザニモドとして1~4日目は0.23mg、5~7日目は0.46mg、8日目以降は0.92mgを1日1回経口投与する。
本剤投与による有益性と危険性を考慮した上で、投与の可否を慎重に検討すること。本剤の投与を考慮する場合には、本剤の投与開始前に12誘導心電図及びバイタルサインを測定し、初回投与後6時間は継続してバイタルサインの測定を行うこと。投与から6時間経過後に12誘導心電図を測定し、異常が認められる場合には、12誘導心電図及びバイタルサインの測定を継続すること。また、初回投与後の患者の状態に応じて、漸増期間中も12誘導心電図及びバイタルサインを測定することを検討すること。なお、本剤を休薬し、再度漸増を行う場合も、同様の測定を行うこと。本剤の投与により心拍数低下、房室伝導の遅延が生じることがあり、特に本剤の漸増期間中に生じる可能性が高い。,,,,,,,,
,,,
本剤投与開始前に眼底検査を含む眼科学的検査を実施し、投与中にも定期的な眼科学的検査を実施すること。,
症状が増悪するおそれがある。
投与しないこと。重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。血中濃度が上昇するおそれがある。また、肝機能障害がさらに悪化するおそれがある。,
投与しないことが望ましい。やむを得ず投与する場合には、用量を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。血中濃度が上昇するおそれがある。また、肝機能障害がさらに悪化するおそれがある。,,,
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。本剤投与中に妊娠が確認された場合には直ちに投与を中止すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ウサギにおいて、オザニモドの臨床曝露量の5倍以上の曝露量で、胚・胎児死亡、骨化遅延、並びに大血管及び骨格の異常が認められている。,
授乳しないことが望ましい。ヒト乳汁中への本剤の移行、授乳児への影響及び乳汁産生への影響に関するデータはないが、ラットで本剤及びその代謝物が乳汁中へ移行することが認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では、生理機能が低下している。
生ワクチン
生ワクチンを接種すると発症するおそれがある。本剤の投与中及び投与終了後最低3ヵ月間は接種を避けること。生ワクチンによる免疫獲得が必要な場合は、本剤投与開始1ヵ月以上前に接種すること。
本剤は免疫系に抑制的に作用するため、生ワクチンを接種すると、病原性をあらわすおそれがある。
CYP2C8阻害作用を有する薬剤
本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇し、副作用が増強する可能性がある。これらの薬剤と併用する際には注意すること。
本剤の活性代謝物の代謝が阻害され血中濃度が上昇する。
CYP2C8誘導作用を有する薬剤
本剤の活性代謝物の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤と併用しないことが望ましい。
本剤の活性代謝物の代謝が促進され血中濃度が低下する。
MAO阻害剤
本剤の活性代謝物の血中濃度が変動するおそれがある。これらの薬剤と併用しないことが望ましい。
本剤の活性代謝物の生成が阻害され血中濃度が低下する、又は本剤の活性代謝物の代謝が阻害され血中濃度が上昇する。
QT延長作用のある薬剤クラスⅠa抗不整脈剤
クラスⅢ抗不整脈剤
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心拍数の減少により、Torsades de pointes等の重篤な不整脈を生じるおそれがある。本剤の投与開始時に、これらの薬剤と併用しないことが望ましい。
本剤の投与により心拍数が減少するため、併用により不整脈を増強するおそれがある。
心拍数を低下させる可能性のある薬剤
心拍数の減少により、徐脈や心ブロックが発現する可能性がある。本剤の投与開始時に、これらの薬剤と併用しないことが望ましい。
心拍数減少に対して潜在的な相加作用がある。
β遮断剤
カルシウムチャネル拮抗剤
心拍数の減少により、徐脈や心ブロックが発現する可能性がある。本剤の投与開始時に、これらの薬剤と併用する際には注意すること。なお、本剤の投与開始時に、β遮断剤とカルシウムチャネル拮抗剤との3剤併用はしないことが望ましい。
不活化ワクチン
本剤の投与中及び投与終了後3ヵ月間はワクチン接種の効果が減弱するおそれがある。
本剤は免疫系に抑制的に作用するため、ワクチン接種の効果が減弱する可能性がある。
帯状疱疹(2.8%)、口腔ヘルペス(0.6%)等の感染症があらわれることがある。,,,,
本剤の投与中及び投与中止後は患者の状態を十分に観察すること。意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害、視覚障害等のPMLが疑われる症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
異常が認められた場合には眼科学的検査を実施すること。黄斑浮腫が確認された場合には、本剤の投与を中止すること。,,
悪心、嘔吐、腹痛、疲労、食欲不振、黄疸、褐色尿等の肝機能障害が疑われる症状があらわれた場合には、肝機能検査を実施し、肝機能障害が確認された場合は、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。,,,
本剤投与後に徐脈性不整脈に関連する徴候又は症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。 ,,,,,,,,,
頭痛、意識障害、痙攣、視力障害等の症状があらわれた場合は、MRI等による画像診断を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
1%以上
1%未満
頻度不明
感染症および寄生虫症
上咽頭炎
免疫系障害
過敏症(発疹、蕁麻疹を含む)
神経系障害
頭痛
血管障害
高血圧
一般・全身障害および投与部位の状態
末梢性浮腫
臨床検査
γ-GTP増加、ALT増加
努力呼気量減少、努力肺活量減少
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤のカプセルを噛んだり、開けたりせずにそのまま飲み込んで服用すること。
本剤との因果関係は明確ではないが、国内外の臨床試験において悪性腫瘍が報告されている。他のS1P受容体調節剤において皮膚悪性腫瘍のリスクの増加が報告されている。
ラット及びサルを用いた一般毒性試験において、肺重量の増加及び肺胞の単核細胞浸潤の発現率の増加が認められた。
日本人健康成人(33例)にオザニモド0.23mgを低脂肪食摂取後に単回経口投与したときのオザニモド及び主要活性代謝物CC112273の薬物動態パラメータを下表に示す1)。
測定対象
時点
オザニモド投与量
薬物動態パラメータ
Cmax(pg/mL)
Tmax(h)
AUC(0-24h)(pg・h/mL)
オザニモド
投与1日目
0.23mg(N=33)
39.0±10.1
12.0[6.03-16.0]※
592±163
CC112273
102±17.8
16.0[8.00-24.0]※
1555±306
平均値±標準偏差、※Tmaxは中央値[範囲]
日本人健康成人(33例)にオザニモド0.46、0.92、1.84mg注)を4~10日間の漸増期間を設け1日1回、28日間反復経口投与したときのオザニモド及びCC112273の薬物動態パラメータを下表に示す1)。
AUC(TAU)(pg・h/mL)
投与28日目
0.46mg(N=11)
126±22.0
10.0[6.00-14.0]※
2290±450
0.92mg(N=10)
300±81.5
9.00[0.00-14.0]※
5587±1405
1.84mg(N=12)
599±115
8.00[6.00-14.0]※
11212±2471
1972±626
10.0[8.00-14.0]※
42137±13123
4108±1196
10.0[0.00-16.0]※
86856±24446
7998±1760
10.1[8.00-24.0]※
167850±37765
投薬スケジュール:[0.46mg反復投与]1~4日目は0.23mg、5~28日目は0.46mgを1日1回経口投与[0.92mg反復投与]1~4日目は0.23mg、5~7日目は0.46mg、8~28日目は0.92mgを1日1回経口投与[1.84mg反復投与]1~4日目は0.23mg、5~7日目は0.46mg、8~10日目は0.92mg、11~28日目は1.84mgを1日1回経口投与平均値±標準偏差、※Tmaxは中央値[範囲]
母集団薬物動態解析から推定された日本人の潰瘍性大腸炎患者にオザニモド0.92mgを1日1回反復経口投与したときの定常状態におけるオザニモド及びCC112273の薬物動態パラメータを下表に示す2)。オザニモドの血漿中濃度は投与開始後7日以内に定常状態に到達し、累積率は約2であった。CC112273の血漿中濃度は投与開始後約57日で定常状態に到達し、累積率は約18であった3)。
オザニモド(N=127)
454±82.4
8280±1560
CC112273(N=131)
8270±3990
195000±95200
平均値±標準偏差
健康成人(24例)にオザニモド0.92mgを高脂肪食又は低脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時と比較してオザニモドのCmax及びAUCに食事の影響は認められなかった4)(外国人データ)。
オザニモドの見かけの分布容積(Vz/F)は5590Lであり、組織に広範囲に分布することが示された5)(外国人データ)。オザニモド(500~1,000nmol/L)のヒト血漿蛋白結合率は97.8~98.7%であった。CC112273及び活性代謝物CC1084037(いずれも500nmol/L)のヒト血漿蛋白結合率は、それぞれ99.1%及び99.3%であった6)。
オザニモドはアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)/アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)及びCYP3A4による一次代謝によりそれぞれC-酸化体及びN-脱アルキル化体へと代謝され、N-脱アルキル化体はN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)-2によりN-アセチル化体が生成するか、MAO-Bにより脱アミノ化されて主要活性代謝物CC112273が生成する。CC112273はカルボニルレダクターゼ(CBR)により還元されて活性代謝物CC1084037が生成するか、CYP2C8による酸化を受けC-酸化体が生成する。CC1084037はアルド・ケトレダクターゼ(AKR)1C1/1C2及び/又は3β-及び11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(HSD)により速やかに酸化されてCC112273となる。CC112273とCC1084037は酸化還元反応により相互変換される。さらに、オキサジアゾール環の嫌気性還元代謝による多くの不活性代謝物の形成に腸内細菌叢が関与する5)。健康成人(28例)にオザニモド1.84mg注)を反復投与したとき、オザニモド、CC112273及びCC1084037の循環血中の曝露量はそれぞれ活性薬物の総曝露量の6%、73%及び15%であり、オザニモド、CC112273及びCC1084037を合わせると循環血中の活性薬物の総曝露量の約94%を占めた7)(外国人データ)。
健康成人(6例)に14C標識したオザニモド0.92mgを単回経口投与したとき、投与放射能の約26%及び37%がそれぞれ投与240時間後までの尿中及び投与504時間後までの糞中に、主に不活性代謝物として排泄された5)(外国人データ)。
末期腎不全(ESRD)の被験者(8例)及び腎機能正常被験者(8例)にオザニモド0.23mgを単回経口投与したとき、腎機能障害がオザニモド及びCC112273の薬物動態に及ぼす影響は下表のとおりであった8)(外国人データ)。
薬物動態パラメータの幾何平均比[90%信頼区間]末期腎不全被験者/腎機能正常被験者
Cmax
AUC(TAU)
0.922[0.682-1.247]
1.270[0.951-1.696]
0.781[0.666-0.917]
0.766[0.606-0.969]
軽度(Child-Pugh分類A)及び中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害被験者(各8例)並びに肝機能正常被験者(10例)にオザニモドを投与1~4日目に0.23mg、5~7日目に0.46mg、8日目に0.92mgを1日1回反復経口投与したとき、肝機能障害が投与8日目のオザニモド、CC112273及びCC1084037の薬物動態に及ぼす影響は下表のとおりであった9)(外国人データ)。重度の肝機能障害被験者(Child-Pugh分類C)における試験は実施していない。,
肝機能障害の程度
薬物動態パラメータの幾何平均比[90%信頼区間]肝機能障害被験者/肝機能正常被験者
総Cmax非結合形Cmax
総AUC(LAST)非結合形AUC(LAST)
軽度肝機能障害被験者(Child-Pugh分類A、スコア5~6)
1.6338[0.9660-2.7633]1.8648[1.0375-3.3519]
1.5993[0.7704-3.3197]1.8253[0.8197-4.0646]
1.3163[0.8703-1.9908]1.4745[0.8715-2.4947]
1.9767[1.0240-3.8155]2.2143[1.0661-4.5988]
CC1084037
1.3085[0.8819-1.9414]1.4526[0.9038-2.3345]
2.0695[0.8946-4.7872]2.2974[0.9324-5.6610]
中等度肝機能障害被験者(Child-Pugh分類B、スコア7~9)
1.3569[0.8252-2.2310]1.6891[0.9572-2.9809]
1.1718[0.5799-2.3679]1.4587[0.6828-3.1164]
0.9222[0.6338-1.3417]1.3371[0.8478-2.1088]
1.3769[0.8782-2.1586]1.9964[1.1955-3.3337]
1.0321[0.7374-1.4447]1.3577[0.9420-1.9568]
1.6144[0.9823-2.6534]2.1236[1.1815-3.8170]
オザニモドは複数の生体内変換経路を介して広範に代謝され、一部CYP3A4により代謝される。主要活性代謝物CC112273はMAO-Bにより生成し、その代謝にはCYP2C8が関与する。オザニモドはP-gpの基質である。薬物相互作用試験の結果は下表のとおりであった10)(外国人データ)。,
併用薬
併用薬投与量
薬物動態パラメータの幾何平均比[90%信頼区間]併用/非併用
AUC(LAST)又はAUC(INF)
シクロスポリン(P-gp/BCRP阻害薬)
600mg単回
0.46mg単回
1.008[0.881-1.153]
1.193[0.997-1.427]
0.865[0.746-1.003]
1.020[0.850-1.223]
0.992[0.865-1.139]
1.109[0.714-1.724]
ゲムフィブロジル(国内未承認)(CYP2C8阻害薬)
600mg1日2回
1.083[0.9455-1.2402]
0.972[0.8499-1.1110]
1.265[1.0782-1.4830]
1.470[1.1083-1.9502]
1.353[1.1368-1.6096]
1.687[1.2545-2.2697]
イトラコナゾール(CYP3A/P-gp阻害薬)
200mg1日1回
0.92mg単回
1.026[0.8984-1.1719]
1.125[0.9702-1.3048]
0.786[0.6942-0.8889]
0.945[0.8112-1.1016]
0.775[0.6649-0.9041]
0.883[0.7547-1.0322]
リファンピシン(CYP3A/2C8誘導薬)
600mg1日1回
0.789[0.6759-0.9199]
0.758[0.6409-0.8970]
0.868[0.7467-1.0093]
0.402[0.3193-0.5057]
0.848[0.7201-0.9981]
0.446[0.3456-0.5767]
母集団薬物動態解析より、潰瘍性大腸炎患者にオザニモド0.92mgを1日1回反復投与したときの定常状態におけるCC112273のAUC(TAU)は、プレドニゾン又はプレドニゾロンの非併用時及び併用時でそれぞれ93400pg・h/mL及び97800pg・h/mLと推定された10)。
オザニモドが併用薬の薬物動態に及ぼす影響は以下のとおりであった11)(外国人データ)。
AUC(INF)
エチニルエストラジオール(経口避妊薬)
35μg単回
0.92mg1日1回
0.999[0.937-1.065]
0.948[0.917-0.981]
ノルエチステロン(経口避妊薬)
1mg単回
0.924[0.839-1.017]
0.922[0.873-0.974]
健康成人(56例)に、プラセボ又はオザニモド1.84mg注)を10日間の漸増期間を設け1日1回、30日間反復経口投与し、投与30日目にプソイドエフェドリン60mgを併用で単回経口投与し、オザニモドとプソイドエフェドリンの併用投与が血圧に及ぼす影響を評価した。オザニモドとプソイドエフェドリンを併用投与したときとプソイドエフェドリンを単独投与したときの収縮期血圧及び拡張期血圧の最小二乗平均値の差[90%信頼区間]は、それぞれ0.86[-1.81,3.53]mmHg及び0.64[-1.23,2.51]mmHgであった7)(外国人データ)。
健康成人(18例)に、プロプラノロール80mgを1日1回5日間反復経口投与、投与5日目にオザニモド0.23mgを併用で単回経口投与し、オザニモドとプロプラノロールの併用投与の陰性変時作用を評価した。プロプラノロールの定常状態時にオザニモドを併用投与したときの投与12時間までの心拍数の最低値の最小二乗平均値について、オザニモド単独投与時との差[95%信頼区間]は0.47[-2.18,3.12]bpm、プロプラノロール単独投与時との差[95%信頼区間]は-3.60[-5.09,-2.12]bpmであった12)(外国人データ)。オザニモド0.92mgを反復投与したときの定常状態における評価並びにオザニモド、プロプラノロール及びカルシウムチャネル拮抗薬の3剤を併用したときの評価は実施していない。
健康成人(18例)に、ジルチアゼム240mgを1日1回5日間反復経口投与、投与5日目にオザニモド0.23mgを併用で単回経口投与し、オザニモドとジルチアゼムの併用投与の陰性変時作用を評価した。ジルチアゼムの定常状態時にオザニモドを併用投与したときの投与12時間までの心拍数の最低値の最小二乗平均値について、オザニモド単独投与時との差[95%信頼区間]は-1.39[-3.17,0.39]bpm、ジルチアゼム単独投与時との差[95%信頼区間]は-4.60[-7.49,-1.71]bpmであった12)(外国人データ)。オザニモド0.92mgを反復投与したときの定常状態における評価並びにオザニモド、ジルチアゼム及びβ遮断薬の3剤を併用したときの評価は実施していない。注)本剤の承認された用法及び用量は「オザニモドとして1~4日目は0.23mg、5~7日目は0.46mg、8日目以降は0.92mgを1日1回経口投与」である。
経口5-アミノサリチル酸製剤又はステロイドの投与歴がある中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した13)。オザニモド0.92mg若しくは0.46mg※又はプラセボを1日1回経口投与した。オザニモドは漸増投与し、オザニモド0.46mg群では、1~4日目は0.23mg、以降は0.46mgを1日1回経口投与し、オザニモド0.92mg群では、1~4日目は0.23mg、5~7日目は0.46mg、以降は0.92mgを1日1回経口投与した。主要評価項目である投与12週時点の臨床的改善率注1)は下表のとおりであり、主要評価項目においてオザニモド0.46mg群及びオザニモド0.92mg群はプラセボ群と比較して統計学的に有意に高い改善が認められた。
オザニモド0.46mg群
オザニモド0.92mg群
プラセボ群
投与12週時点の臨床的改善率
52.9%(36/68例)
61.5%(40/65例)
32.3%(21/65例)
プラセボ群との差[95%信頼区間]、p値ab
20.6[4.4,36.7]%、0.0158
30.1[14.0, 46.2]%、0.0006
-
a.生物製剤の使用歴及びステロイドの使用(あり又はなし)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel検定に基づくb.有意水準両側5%。0.92mg群、0.46mg群の順で検定をする固定順序法により多重性を調整
投与12週時点の臨床的寛解率注2)は、オザニモド0.46mg群で17.6%(12/68例)、オザニモド0.92mg群で24.6%(16/65例)、プラセボ群で1.5%(1/65例)であった。投与12週時に臨床的改善が認められた患者は同じ治療を継続した。当該患者における投与52週時点の臨床的寛解率注2)は、オザニモド0.46mg群で17.6%(12/68例)、オザニモド0.92mg群で29.2%(19/65例)、プラセボ群で7.7%(5/65例)であった。投与12週までの副作用発現割合は、オザニモド0.46mg群で14.7%(10/68例)、オザニモド0.92mg群で23.1%(15/65例)及びプラセボ群で13.8%(9/65例)であった。主な副作用は、オザニモド0.46mg群で肝機能検査値上昇2.9%(2/68例)、オザニモド0.92mg群でALT増加3.1%(2/65例)、AST増加3.1%(2/65例)及び肝機能異常3.1%(2/65例)であった。投与52週までの副作用発現割合は、オザニモド0.46mg群で20.6%(14/68例)、オザニモド0.92mg群で32.3%(21/65例)及びプラセボ群で13.8%(9/65例)であった。主な副作用は、オザニモド0.46mg群でγ-GTP増加5.9%(4/68例)、頭痛2.9%(2/68例)及び肝機能検査値上昇2.9%(2/68例)、オザニモド0.92mg群でALT増加4.6%(3/65例)、帯状疱疹3.1%(2/65例)、回転性めまい3.1%(2/65例)、肝機能異常3.1%(2/65例)、γ-GTP増加3.1%(2/65例)、AST増加3.1%(2/65例)及び肝機能検査値上昇3.1%(2/65例)であった。注1)完全Mayoスコアがベースラインから3ポイント以上かつ30%以上低下、かつ直腸出血サブスコアがベースラインから1ポイント以上低下又は絶対値が1ポイント以下となった場合注2)直腸出血サブスコアが0ポイントで、排便回数サブスコアが1ポイント以下で(かつ排便回数サブスコアがベースラインから1ポイント以上低下)、かつ内視鏡所見サブスコアが1ポイント以下の場合
健康成人を対象としたQT/QTc評価試験において、オザニモドを1~4日目に0.23mg、5~7日目に0.46mg、8~10日目に0.92mg、11~14日目に1.84mg※を1日1回反復経口投与したとき、QTcF間隔のベースラインからの変化量(プラセボ補正)の95%片側信頼区間の上限は閾値の10msecを下回り、QTc間隔の延長は認められなかった14)。国内第Ⅱ/Ⅲ相試験では、投与52週時までに500msec超又はベースラインから60msec超のQTcF延長を示した患者がオザニモド0.46mg群で、各々、3.0%(2/67例)及び3.0%(2/67例)に認められた。オザニモド0.92mg群ではいずれも認められなかった15)。
健康成人にオザニモドを1~4日目に0.23mg、5~7日目に0.46mg、8日目以降に0.92mgを1日1回反復経口投与したとき、投与1日目、5日目、8日目の心拍数の推移は以下のとおりであった16)(外国人データ)。,,,,,,,
オザニモドは、スフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体1(S1P1受容体)及びS1P5受容体に対して高い親和性で選択的に結合する。S1P1受容体に結合し活性化が生じるとS1P1受容体の内在化及び分解が誘導されるため、機能的には拮抗作用を示す17),18)。この作用により、リンパ球はリンパ組織と全身循環血間のS1P濃度勾配を感知することができなくなるため、末梢リンパ組織にリンパ球が保持され、循環血中のリンパ球数が減少する。大腸炎の非臨床モデルにおいて、循環血中及び結腸のリンパ球数の減少に伴い、大腸炎の症状及び病理組織学的所見が改善することが示されている19),20),21)。
2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)誘発、又はナイーブT細胞養子移入による炎症性腸疾患げっ歯類モデルで、オザニモドの投与によって、疾患由来の体重減少、大腸の重量と長さに基づく疾患重症度並びに近位及び遠位結腸の病理組織学的所見の改善が認められた22)。
オザニモド塩酸塩(Ozanimod Hydrochloride)
5-(3-{(1S)-1-[(2-Hydroxyethyl)amino]-2,3-dihydro-1H-inden-4-yl}-1,2,4-oxadiazol-5-yl)-2-[(propan-2-yl)oxy]benzonitrile monohydrochloride
C23H24N4O3・HCl
440.92
白色~類白色の固体である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
7カプセル[(0.23mg×4カプセル、0.46mg×3カプセル)×1パック]
28カプセル[7カプセル(PTP)×4]
1) 社内資料:日本人の薬物動態試験(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.2.2.13)
2) 社内資料:母集団薬物動態解析
3) 社内資料:オザニモドの薬物動態特性(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.3.1.4)
4) 社内資料:食事の影響評価試験(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.2.2.2)
5) 社内資料:マスバランス試験(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.2.2.10)
6) 社内資料:蛋白結合(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.1.2.1.2)
7) 社内資料:Pseudoephedrineとの薬物相互作用試験(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.2.2.16)
8) 社内資料:腎機能障害の影響評価試験(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.2.2.7)
9) 社内資料:肝機能障害の影響評価試験(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.2.2.19)
10) 社内資料:シクロスポリン、ゲムフィブロジル、イトラコナゾール、リファンピシン、プレドニゾン又はプレドニゾロンとの薬物相互作用(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.3.7.3)
11) 社内資料:経口避妊薬との薬物相互作用試験(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.2.2.8)
12) 社内資料:プロプラノロール又はジルチアゼムとの薬物相互作用試験(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.2.2.9)
13) 社内資料:RPC01-3103試験(2024年12月27日承認、CTD 2.7.6.5.1)
14) 社内資料:QT/QTc評価試験(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.4.1)
15) 社内資料:心臓電気生理学(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.3.4.5)
16) 社内資料:心臓への影響評価試験(2024年12月27日承認、CTD 2.7.2.2.2.12)
17) 社内資料:In vitro薬理試験(2024年12月27日承認、CTD 2.6.2.2.1.3)
18) Scott FL, et al. Br J Pharmacol. 2016;173:1778-1792
19) Sanada Y, et al. PLoS One. 2011;6:e23933.
20) Shimano K, et al. PLoS One. 2019;14:e0226154.
21) Song J, et al. J Pharmacol Exp Ther. 2008;324:276-283.
22) 社内資料:In vivo薬理試験(2024年12月27日承認、CTD 2.6.2.2.2)
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*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2026年3月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
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