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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
骨髄異形成症候群に伴う貧血
通常、成人にはルスパテルセプト(遺伝子組換え)として1回1.0mg/kgを3週間間隔で皮下投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1回1.75mg/kgを超えないこと。
基準
処置
同一用量を2回(6週間)以上連続投与した後に、十分なヘモグロビン濃度の上昇が認められない場合又は赤血球輸血から離脱できない場合
1用量レベル増量する。
赤血球輸血を受けていない状態で、ヘモグロビン濃度が11.5g/dL以上の場合
本剤を休薬する。ヘモグロビン濃度が11g/dL以下になった場合、休薬前の用量で投与を再開する。
赤血球輸血を受けていない状態で、ヘモグロビン濃度が3週間以内に2g/dLを超える急激な上昇が認められた場合
1用量レベル減量する。
Grade3注)以上の副作用
Grade1又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は1用量レベル減量して投与を再開する。
注)GradeはNCI-CTCAE v4.03に準じる。
用量レベル
投与量
レベル2
1.75mg/kg
レベル1
1.33mg/kg
レベル0
1.0mg/kg
レベル-1
0.8mg/kg
レベル-2
0.6mg/kg
レベル-3
0.45mg/kg
レベル-4
投与中止
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。動物実験(ラット)でルスパテルセプトの胎児への移行が認められ、ラット及びウサギで臨床曝露量の約5.0倍(ラット)又は11.7倍(ウサギ)に相当する投与量で、胚・胎児発生への影響(吸収胚数及び着床後胚損失率の増加、同腹児数の減少及び骨格変異の発現頻度増加)が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、動物実験(ラット)で本剤の乳汁中移行が認められている(乳汁中濃度/血清中濃度比:0.06~0.17)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
3%以上
1~3%未満
1%未満
消化器
悪心
下痢、嘔吐
神経系
頭痛
浮動性めまい
失神寸前の状態
筋骨格系
筋肉痛、骨痛
背部痛、関節痛
血液
好中球減少症、血小板減少症
肝臓
ALT増加、AST増加
腎臓
血中クレアチニン増加、急性腎障害
呼吸器
呼吸困難
労作性呼吸困難、肺塞栓症
循環器
高血圧
急性心筋梗塞
投与部位
注射部位反応(紅斑、疼痛、そう痒感、発疹、腫脹)
過敏症
顔面浮腫、眼瞼浮腫、眼窩周囲浮腫
その他
疲労
無力症、そう痒症、疼痛、高尿酸血症
末梢性浮腫
幼若ラット(生後7日)を用いた毒性試験において、臨床曝露量の約3.1倍に相当する投与量で、造血器悪性腫瘍(リンパ腫、骨髄性白血病、リンパ性白血病)の発生が認められている。また、ラットを用いた次世代に及ぼす影響に関する毒性試験において、臨床曝露量の約1.1倍に相当する投与量で、出生児の腎臓に軽微な糸球体腎炎等の組織学的変化が認められている。
日本人骨髄異形成症候群患者に、本剤1.0mg/kgを開始用量として3週間間隔で皮下投与したときの初回投与後の血清中濃度推移及び薬物動態パラメータ(ノンコンパートメント解析)は以下のとおりであった2)。
投与量(mg/kg)
Cmaxa(µg/mL)
Tmaxb(day)
AUC21da,c(day・µg/mL)
1.0(n=9)
5.713(29.27)
7.921(2.884-13.75)
94.28(29.31)
a 幾何平均値(変動係数%)b 中央値(最小値-最大値)c 投与開始から投与後21日までの濃度時間曲線下面積
骨髄異形成症候群患者に、本剤0.125~1.75mg/kgを3週間間隔で皮下投与注)したとき、ルスパテルセプトは0.125~1.75mg/kgの用量範囲で、線形の薬物動態を示した。また、血清中ルスパテルセプト濃度は3回投与後に定常状態に達し、ルスパテルセプトの累積係数は約1.5であった(外国人データ)3)。
母集団薬物動態解析の結果、鉄キレート剤の併用は、ルスパテルセプトの薬物動態に影響を及ぼさなかった4)。注) 本剤の承認された用法及び用量は「1回1.0mg/kgを3週間間隔で皮下投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1回1.75mg/kgを超えないこと。」である。
赤血球輸血非依存注1)で、環状鉄芽球(RS)陽性又は陰性を問わない、IPSS-Rによるリスク分類のVery low、Low又はIntermediateに分類される骨髄異形成症候群患者21例を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討した5)。本剤1.0mg/kgを開始用量として3週間間隔で皮下投与し、目標ヘモグロビン濃度(10.0~12.0g/dL)を達成するよう0.45~1.75mg/kgの3週間間隔投与の範囲で調節可能とした注2)。主要評価項目である、24週間以内に国際ワーキンググループ2006基準に基づく血液学的改善‐赤血球反応(赤血球輸血を受けることなく、連続8週間以上、ヘモグロビン濃度がベースライン値より1.5g/dL以上増加)を達成した患者の割合[95%信頼区間]は、47.6%[25.7, 70.2](10/21例)であった。副作用発現頻度は、33.3%(7/21例)であった。副作用は、注射部位反応、下痢、口内炎、血中クレアチニン増加、高尿酸血症、高トリグリセリド血症、低リン血症、高血圧、網膜出血及び膀胱炎各4.8%(1/21例)であった。注1)組入れ前16週間に赤血球輸血を受けておらず、かつ組入れ前のヘモグロビン濃度(2回測定の平均値)が10.0g/dL未満の貧血症状を有する患者を対象とした。注2)増量は2回目投与以降に実施可能とし、1.33、1.75mg/kgの順で漸増することとした。
赤血球輸血依存注3)で、赤血球造血刺激因子製剤の治療歴がなく、RS陽性又は陰性を問わない、IPSS-Rによるリスク分類のVery low、Low又はIntermediateに分類される骨髄異形成症候群注4)(環状鉄芽球と血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍を含む)患者356例(日本人患者20例を含む)を対象に、エポエチン アルファ(遺伝子組換え)(骨髄異形成症候群に伴う貧血に対して国内未承認)を対照として、本剤の有効性及び安全性を比較した6)。本剤群では、本剤1.0mg/kgを開始用量として3週間間隔で皮下投与し、目標ヘモグロビン濃度(10.0~12.0g/dL)を達成するよう0.45~1.75mg/kgの3週間間隔投与の範囲で調節可能とした注5)。対照群では、エポエチン アルファ(遺伝子組換え)450IU/kgを開始用量として、1週間間隔で皮下投与し、目標ヘモグロビン濃度(10.0~12.0g/dL)を達成するよう337.5~1,050IU/kgの1週間間隔投与の範囲で調節可能とした。主要評価項目である24週間以内に連続12週間以上の赤血球輸血非依存(赤血球輸血を必要としない状態)を達成し、かつ平均ヘモグロビン濃度がベースライン値より1.5g/dL以上増加した患者の割合[95%信頼区間]の中間解析結果は、本剤群で58.5%[50.1, 66.6](86/147例)、対照群で31.2%[24.0, 39.1](48/154例)であり、本剤はエポエチン アルファ(遺伝子組換え)に対して統計学的に有意な改善を示した[共通リスク差(95%信頼区間)26.6(15.8, 37.4)、p<0.0001(Cochran-Mantel-Haenszel検定)](2022年8月31日データカットオフ)。副作用発現頻度は、本剤群で30.3%(54/178例)であった。主な副作用は、悪心5.1%(9/178例)、疲労3.9%(7/178例)、呼吸困難及び高血圧各3.4%(6/178例)であった。注3) 無作為化前8週間の赤血球輸血量が2~6単位の患者を対象とした。なお、当該赤血球輸血は、赤血球輸血時又は輸血実施前7日以内のヘモグロビン濃度が9.0g/dL以下(貧血症状がある場合)又はヘモグロビン濃度が7.0g/dL以下(貧血症状がない場合)でなければならないとした。また、無作為化前の最後の赤血球輸血実施後のヘモグロビン濃度が11.0g/dL未満の患者を対象とした。注4)5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群患者は除外した。注5)増量は2回目投与以降に実施可能とし、1.33、1.75mg/kgの順で漸増することとした。
赤血球輸血依存注6)で、赤血球造血刺激因子製剤に対して不応、不耐容又は不適格で、RS陽性注7)の、IPSS-Rによるリスク分類のVery low、Low又はIntermediateに分類される骨髄異形成症候群注8)[WHO分類改訂第4版(2017年)において定義される環状鉄芽球と血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍に該当する患者を含む]患者229例を対象に、プラセボを対照として、本剤の有効性及び安全性を検討した7)。本剤1.0mg/kg又はプラセボを3週間間隔で皮下投与し、赤血球輸血量の変化注9)等に基づいて0.45~1.75mg/kgの3週間間隔投与の範囲で調節可能とした注10)。主要評価項目である24週間以内に連続8週間以上の赤血球輸血非依存(赤血球輸血を必要としない状態)を達成した患者の割合[95%信頼区間]は、本剤群で37.9%[30.2, 46.1](58/153例)、プラセボ群で13.2%[6.5, 22.9](10/76例)であり、本剤はプラセボに対して統計学的に有意な改善を示した[共通リスク差(95%信頼区間)24.6(14.5, 34.6)、p<0.0001(Cochran-Mantel-Haenszel検定)](2018年5月8日データカットオフ)。副作用発現頻度は、本剤群で46.4%(71/153例)であった。主な副作用は、悪心7.2%(11/153例)、疲労5.9%(9/153例)、筋肉痛5.2%(8/153例)、頭痛4.6%(7/153例)、ALT増加3.9%(6/153例)及び下痢3.3%(5/153例)であった。注6)無作為化前16週間において、①平均赤血球輸血量が8週間あたり2単位以上、②連続8週間無輸血の期間がないこと、及び③赤血球輸血前7日以内のヘモグロビン濃度が10.0g/dL以下を満たす患者を対象とした。注7)骨髄中のRSが赤血球前駆細胞の15%以上(ただし、SF3B1遺伝子変異を有する場合は骨髄中のRSが赤血球前駆細胞の5%以上)の場合をRS陽性、それ以外の場合をRS陰性と定義した。注8)5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群患者は除外した。注9)直近の6週間で1単位以上の赤血球輸血を実施した場合等は増量し、ヘモグロビン濃度が11.5g/dL以上の場合は、11g/dL以下になるまで休薬、ヘモグロビン濃度が3週間で2g/dL以上の上昇を認めた場合等は減量した。注10)増量は2回目投与以降に実施可能とし、1.33、1.75mg/kgの順で漸増することとした。
ルスパテルセプトは、ヒトアクチビン受容体ⅡBの細胞外ドメイン配列を、ヒト免疫グロブリン(Ig)G1のFc領域に融合した組換え糖タンパクである。ルスパテルセプトは、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-βスーパーファミリーと結合し、アクチビン受容体を介した下流のシグナル伝達経路を阻害することで、造血幹細胞から赤血球への分化過程の後期段階における分化を促進し、成熟した赤血球数の増加を誘導すると考えられている8)。
ルスパテルセプトをマウスに反復皮下投与したとき、赤血球数、ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値の増加が認められた8)。
ルスパテルセプト(遺伝子組換え)Luspatercept(Genetical Recombination)
ルスパテルセプトは、遺伝子組換え融合糖タンパク質であり、1~107番目、108~110番目及び111~335番目は、それぞれ改変型ヒトアクチビン受容体ⅡB型の7~113番目のアミノ酸残基(L55D;細胞外ドメイン)、リンカー、及びヒトIgG1のFcドメインに相当する。ルスパテルセプトは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。ルスパテルセプトは、335個のアミノ酸残基からなるサブユニット2個から構成される糖タンパク質(分子量:約94,000)である。
凍結を避けること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1バイアル
1) 社内資料:免疫原性(2024年1月18日承認、CTD 2.7.2.4)
2) 社内資料:骨髄異形成症候群患者を対象とした国内第Ⅱ相試験(2024年1月18日承認、CTD 2.7.2.2.10.1)
3) 社内資料:Low又はIntermediate-1リスクの骨髄異形成症候群患者を対象とした海外第Ⅱ相用量設定・拡大試験(2024年1月18日承認、CTD 2.7.2.2.2)
4) 社内資料:鉄キレート療法併用の影響(2024年1月18日承認、CTD 2.7.2.2.5.8)
5) 社内資料:ACE-536-MDS-003試験(2024年1月18日承認、CTD 2.7.6.5.3)
6) 社内資料:ACE-536-MDS-002試験(2024年1月18日承認、CTD 2.7.6.5.2)
7) 社内資料:ACE-536-MDS-001試験(2024年1月18日承認、CTD 2.7.6.5.1)
8) Suragani RN, et al.:Nat Med. 2014;20:408-414.
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