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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
通常,成人には,投与初日に負荷投与としてアバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の点滴静注を行った後,同日中に本剤125mgの皮下注射を行い,その後,本剤125mgを週1回,皮下注射する。また,本剤125mgの週1回皮下注射から開始することもできる。
感染症の発現や増悪に十分注意すること。
感染症を誘発するおそれがある。
患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い,B型肝炎の再燃の徴候に注意すること。なお,臨床試験では,ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外された。
定期的に問診を行うなど,注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。
慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現したとの報告がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット及びウサギ)において本薬の胎盤通過性が認められている。また,動物実験では最高投与量(マウスで300mg/kg,ラット及びウサギで200mg/kg)まで催奇形性は認められなかったが,ラットにおいて200mg/kg(ヒトに125mgを皮下投与した場合の全身曝露量(AUC)の25倍のAUC)で雌出生児に自己免疫様の所見が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行については不明である。動物実験(ラット)で本薬の乳汁移行が認められている。
小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
敗血症(0.1%),肺炎(ニューモシスチス肺炎を含む)(0.9%),蜂巣炎(0.4%),局所感染(0.1%未満),尿路感染(0.3%),気管支炎(1.2%),憩室炎(0.1%未満),急性腎盂腎炎(0.1%未満)等の重篤な感染症があらわれることがあり,致命的な経過をたどることがある。重篤な感染症の多くは,免疫抑制療法を併用している患者において認められている。
ショック,アナフィラキシー(0.1%未満)及び低血圧,蕁麻疹,呼吸困難等の重篤な過敏症があらわれることがある。
発熱,咳嗽,呼吸困難等の呼吸器症状に十分注意し,異常が認められた場合には,速やかに胸部レントゲン検査,胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し,本剤の投与を中止するとともに適切な処置を行うこと。
1%以上
0.1〜1%未満
0.1%未満
頻度不明
血液・リンパ系
白血球増加,リンパ球減少,白血球減少,血小板減少,好中球減少,好酸球増加,貧血,鉄欠乏性貧血
赤芽球癆
精神・神経系
頭痛,浮動性めまい,睡眠障害(不眠症を含む),末梢性ニューロパチー
錯感覚,うつ病,味覚異常,片頭痛,脳梗塞,脳炎
不安
眼
結膜炎,眼乾燥,角膜炎,結膜出血
麦粒腫,眼瞼炎,眼痛,細菌性結膜炎
視力低下
耳
回転性めまい,中耳炎
耳鳴,耳不快感
循環器
血圧上昇,血圧低下,高血圧,動悸
徐脈,潮紅,頻脈,低血圧,ほてり,上室性期外収縮
呼吸器
上気道感染(鼻咽頭炎を含む),上気道の炎症, 下気道感染(気管支炎を含む)
咳嗽,鼻炎,副鼻腔炎,鼻漏,口腔咽頭痛,アレルギー性鼻炎
気管支痙攣,咽頭膿瘍,高炭酸ガス血症,鼻閉
咽頭絞扼感
消化器
口内炎
悪心,下痢,胃炎,腹痛,便秘,嘔吐,胃腸炎,齲歯,歯周炎,胃潰瘍,胃ポリープ,腹部不快感,腸炎,感染性腸炎,歯肉炎,逆流性食道炎
消化不良,アフタ性口内炎,歯感染,歯周病,舌炎,口唇炎,胃腸出血,歯痛,口腔内潰瘍形成
皮膚
発疹(湿疹,痒疹,紅斑を含む)
爪真菌症,白癬感染,爪囲炎,蕁麻疹,乾癬
脱毛症,ざ瘡,皮膚嚢腫,毛包炎,膿皮症,皮下組織膿瘍,発汗障害,白血球破砕性血管炎,爪の障害
感染性皮膚潰瘍,皮膚乾燥,挫傷発生の増加傾向,多汗症
筋・骨格系
筋痙縮,背部痛
関節痛,骨髄炎,細菌性関節炎
四肢痛
生殖器
無月経,月経過多
泌尿器
尿中白血球陽性,膀胱炎,尿中赤血球陽性,尿中血陽性,BUN増加,尿中ブドウ糖陽性,血中クレアチニン増加,尿中蛋白陽性,腎盂腎炎
膿尿,頻尿,血尿,排尿困難
代謝
血中カリウム減少,血中ブドウ糖増加,高コレステロール血症
高脂血症,血中コレステロール増加,糖尿病,血中カリウム増加
肝臓
ALT増加,AST増加,γ–GTP増加,脂肪肝,血中アルカリホスファターゼ増加,胆嚢ポリープ
胆石症,血中ビリルビン増加,胆管炎
投与部位
注射部位反応(そう痒感,紅斑,疼痛,丘疹,発疹等)
抵抗機構
帯状疱疹
ヘルペスウイルス感染,口腔ヘルペス,真菌感染,インフルエンザ
単純ヘルペス,創傷感染,水痘
インフルエンザ様疾患,パルボウイルス感染
その他
異常感,倦怠感,発熱,季節性アレルギー,末梢性浮腫,低体温
無力症,体重増加,胸痛,体重減少,総蛋白減少,胸部不快感,食欲不振
疲労
Cmaxa(µg/mL)
AUCa,b(µg∙h/mL)
43(28)
5889(30)
a 幾何平均値(変動係数%)b 1投与間隔(7日間)における血清中濃度曲線下面積
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした,メトトレキサート併用下(6〜8mg/週)でのランダム化二重盲検並行群間比較試験における6ヵ月後のACR改善基準20%における有効率(ACR20)を表1に示す。6ヵ月後のACR20は本剤投与群と点滴静注用製剤投与群で同様であった5)。
本剤投与群 a
点滴静注用製剤投与群
ACR20(%)b
91.5
83.1
改善例数/有効性評価例数
54/59
49/59
群間差[95%信頼区間](%)c
8.5[-9.3, 26.9]
a 1日目に点滴静注用製剤を体重別固定用量で負荷投与を行った。b ACRコアセットのうち,総疼痛関節数及び総腫脹関節数がともに20%以上改善し,かつ残りの5項目中3項目が20%以上改善した症例の割合。c 正確な95%信頼区間。
二重盲検期間(6ヵ月間)における副作用発現頻度は,本剤投与群で52.5%(31/59例),点滴静注用製剤投与群で59.3%(35/59例)であった。主な副作用は,本剤投与群で,上気道感染16.9%(10/59例),口内炎,口腔咽頭痛 各8.5%(5/59例),点滴静注用製剤投与群で,上気道感染23.7%(14/59例),発疹,高血圧 各6.8%(4/59例)であった。
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした,メトトレキサート併用下(15mg/週以上)でのランダム化二重盲検並行群間比較試験における6ヵ月後のACR20を表2に示す。本剤投与群の有効性は点滴静注用製剤投与群に対して非劣性であることが検証された7)。
本剤投与群a
76.0
75.8
527/693
514/678
0.3[-4.2, 4.8]
a 1日目に点滴静注用製剤を体重別固定用量で負荷投与を行った。b ACRコアセットのうち,総疼痛関節数及び総腫脹関節数がともに20%以上改善し,かつ残りの5項目中3項目が20%以上改善した症例の割合。c 体重<60kg未満・60〜100kg・100kg超>を層とした最小リスクウェイト(Stat. Med. 19:811−825, 2000)に基づき算出,非劣性マージン−7.5%。
二重盲検期間(6ヵ月間)における副作用発現頻度は,本剤投与群で27.7%(204/736例),点滴静注用製剤投与群で29.1%(210/721例)であった。主な副作用は,本剤投与群で,頭痛2.2%(16/736例),上気道感染2.0%(15/736例),傾眠1.8%(13/736例),点滴静注用製剤投与群で,頭痛4.0%(29/721例),下痢2.2%(16/721例),気管支炎2.1%(15/721例)であった。
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした,メトトレキサート併用下(15mg/週以上)での実薬(アダリムマブ)対照ランダム化単盲検並行群間比較試験における12ヵ月後のACR20を表3に,12ヵ月後及び24ヵ月後の関節破壊進行を手及び足のX線スコア(modified Total Sharp Score:mTSS)で評価した結果を表4に示す8),9)。
本剤投与群
アダリムマブ群
ACR20(%)a
64.8
63.4
206/318
208/328
アダリムマブ群との差[95%信頼区間]b
1.8[-5.6, 9.2]
-
a ノンレスポンダー補完法b 本剤投与群とアダリムマブ群の比較の非劣性マージン-12%
ベースライン
19.8±33.0(305)
19.4±28.9(319)
12ヵ月時のベースラインからの変化量
0.56±2.62(295)
0.74±6.57(297)
24ヵ月時のベースラインからの変化量
0.89±4.13(257)
1.13±8.66(260)
平均値±標準偏差(例数)
本剤投与群における副作用発現頻度は,41.5%(132/318例)であった。主な副作用は,上気道感染7.9%(25/318例),気管支炎6.3%(20/318例),鼻咽頭炎,尿路感染 各5.3%(17/318例),副鼻腔炎4.7%(15/318例),頭痛2.8%(9/318例)であった。
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした,メトトレキサート併用下(6mg/週以上),プラセボ対照二重盲検比較試験における4ヵ月後のACR20を表5に示す。点滴静注用製剤投与群注)におけるACR20は,プラセボ群に比較して有意に高かった(p<0.001)10)。
プラセボ群
75.4
27.7
153/203
56/202
プラセボ群との差[95%信頼区間]p値b
47.6[38.6, 56.7]p<0.001
a ノンレスポンダー補完法b カイ二乗検定(連続修正あり)
6ヵ月後の関節破壊進行を手及び足のX線スコア(mTSS)で評価した結果を表6に示す。点滴静注用製剤投与群注)におけるmTSSのベースラインからの変化量は,プラセボ群に比較して有意に低かった(p=0.017)。
11.34±19.87(203)
10.73±14.37(202)
6ヵ月時
12.23±20.42(201)
12.02±15.08(199)
ベースラインからの変化量
0.84±3.48(201)
1.26±3.61(199)
プラセボ群との差[95%信頼区間]p値a,b
-0.42[-1.12, 0.27]p=0.017
平均値±標準偏差(例数)a ベースラインからの変化量の順位をVan der Waerdenの正規化変換した値を目的変数とし,投与群,ベースライン値の順位を説明変数とした共分散分析モデルb 有意水準両側5%
点滴静注用製剤投与群における副作用発現頻度は,42.9%(87/203例)であった。主な副作用は,鼻咽頭炎,肝機能異常 各7.4%(15/203例),口内炎6.9%(14/203例)であった。注)点滴静注用製剤投与群の用法・用量は,60kg未満:500mg,60kg以上100kg以下:750mg,100kgを超える:1gを初回投与後,2週,4週に投与し,以後4週間の間隔で投与した。なお,本剤の承認された用法・用量は,125mgを週1回,皮下注射である。
アバタセプトは抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合することでCD28を介した共刺激シグナルを阻害する。その結果,関節リウマチの発症に関与するT細胞の活性化及びサイトカイン産生を抑制し,さらに他の免疫細胞の活性化あるいは関節中の結合組織細胞の活性化によるマトリックスメタロプロテアーゼ,炎症性メディエーターの産生を抑制すると考えられる。
アバタセプトはin vitroにおいて抗原特異的なナイーブT細胞及びメモリーT細胞の増殖を減弱させ,IL–2, TNF–α及びIFN–γなどの炎症性サイトカインの産生を抑制した11)。また,コラーゲン誘発関節炎ラットにおいて,病態の進行,抗コラーゲン抗体の産生及び関節破壊を抑制した12)。
アバタセプト(遺伝子組換え)Abatacept (Genetical Recombination)
アバタセプトは遺伝子組換え融合タンパク質で,1〜125番目はヒト細胞傷害性Tリンパ球抗原–4,及び126〜358番目はヒトIgG1に由来する改変型Fc領域からなり,131,137,140及び149番目のアミノ酸残基がSerに置換されている。アバタセプトはチャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。アバタセプトは358個のアミノ酸残基からなるサブユニット2分子から構成される糖タンパク質(分子量:約92,000)である。
外箱開封後は遮光して保存すること。
1シリンジ
1オートインジェクター
1) 社内資料:関節リウマチ患者を対象とした臨床試験における免疫原性成績(2013年6月28日承認,CTD 2.7.2.4)
2) 社内資料:活動性関節リウマチ患者を対象としたメトトレキサート併用投与又は非併用投与下でのアバタセプト皮下投与時の免疫原性,定常状態のトラフ濃度及び安全性を検討する多施設共同,層別化,非盲検第III相試験(2013年6月28日承認,CTD 2.7.6.2)
3) Kaine, J., et al.:Ann Rheum Dis. 2012;71(1):38
4) 社内資料:海外臨床試験における悪性腫瘍発現頻度
5) Iwahashi M, et al.:Mod Rheumatol. 2014;24(6):885-891
6) 社内資料:日本人関節リウマチ患者における薬物動態解析報告書(2013年6月28日承認,CTD 2.7.2)
7) Genovese MC, et al.:Arthritis Rheum. 2011;63(10):2854-2864
8) Weinblatt ME, et al.:Arthritis Rheum. 2013;65(1):28-38
9) Schiff M, et al.:Ann Rheum Dis. 2014;73:86-94
10) Matsubara T, et al.:RMD Open. 2018;4:e000813
11) 社内資料:CD4陽性T細胞に対するアバタセプトの作用(in vitro)(2010年7月23日承認(点滴静注用製剤),CTD 2.6.2.2.1.3.2)
12) 社内資料:コラーゲン誘発関節炎モデルに対するアバタセプトの作用(in vivo)(2010年7月23日承認(点滴静注用製剤),CTD 2.6.2.2.1.3.4)
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