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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設において,造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し,同意を得てから投与を開始すること。
再発又は難治性の多発性骨髄腫
通常,成人にはエロツズマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kgを点滴静注する。28日間を1サイクルとし,最初の2サイクルは1週間間隔で4回(1,8,15,22日目),3サイクル以降は2週間間隔で2回(1,15日目)点滴静注する。
通常,成人にはエロツズマブ(遺伝子組換え)として,28日間を1サイクルとし,最初の2サイクルは1回10mg/kgを1週間間隔で4回(1,8,15,22日目),3サイクル以降は1回20mg/kgを4週間間隔(1日目)で点滴静注する。
投与時期
投与速度(mL/分)
投与開始0~30分
投与開始30~60分
投与開始60分以降
第1サイクル
初回投与
0.5
1
2
2回目投与
3
4
3及び4回目投与
5
第2サイクル以降
投与開始30分以降
1回目投与
2回目投与以降
NCI-CTCAE*によるGrade判定
処置
Grade 4
直ちに本剤の投与を中止すること。
Grade 3
直ちに本剤の投与を中断すること。原則,再投与しないこと。
Grade 2
直ちに本剤の投与を中断すること。Grade 1以下に回復した場合には,本剤の投与速度を0.5mL/分とし,再投与できる。本剤の投与速度を0.5mL/分とし,患者の忍容性が十分に確認された場合には,30分ごとに0.5mL/分ずつ本剤の投与速度を上げることができる。ただし,infusion reactionが発現した投与回ではinfusion reactionが発現した投与速度を超えないこと。本剤の再投与後に,infusion reactionが再発現した場合には,直ちに本剤の投与を再中断し,中断日に再投与しないこと。
Grade 1
回復するまで本剤の投与速度を0.5mL/分とすること。本剤の投与速度を0.5mL/分とし,患者の忍容性が十分に確認された場合には,30分ごとに0.5mL/分ずつ本剤の投与速度を上げることができる。
*:NCI-CTCAE v4.0によりGradeを判定
妊娠する可能性のある女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性には,本剤投与中及び本剤投与後一定期間,適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。生殖発生毒性試験は実施されていない(本剤がヒトSLAMF7特異的で動物実験が実施できないため)。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが,ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
発熱,悪寒,高血圧等のinfusion reactionがあらわれることがある。異常が認められた場合には投与中止等の適切な処置を行うとともに,症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。,,,
肺炎(7.9%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
10%以上
10%未満
全身
疲労(25.9%),末梢性浮腫,発熱,無力症
胸痛
消化器
下痢,便秘,悪心
免疫系
過敏症
血液
好中球減少(27.2%),血小板減少,貧血
眼
白内障
精神・神経系
不眠症
気分変化,感覚鈍麻
感染症
帯状疱疹,鼻咽頭炎,上気道感染
代謝
高血糖
皮膚
寝汗
筋骨格
筋痙縮
呼吸器
咳嗽,湿性咳嗽
その他
体重減少,皮膚有棘細胞癌,基底細胞癌
本剤は,ヒト化IgGκモノクローナル抗体であることから,血清中Mタンパクの血清蛋白電気泳動法及び免疫固定法の両方で検出される可能性がある。この干渉が,IgGκ型の多発性骨髄腫患者において,完全奏効の評価及び完全奏効からの再発の評価に影響を及ぼす可能性があることに注意すること。
体重
希釈液量
50kg未満
150mL
50kg~90kg
250mL
90kg超
350mL
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした国際共同第3相試験(CA204004試験)及び国際共同第2相試験(CA204125試験)において,本剤に対する結合抗体がそれぞれ299例中45例(15.1%),53例中19例(35.8%)で検出され,そのうち中和抗体の発現がそれぞれ19例,2例で認められた。
多発性骨髄腫患者8例に本剤10mg/kgをレナリドミド及びデキサメタゾンと併用投与したときの血清中濃度推移及び血清中濃度から算出した薬物動態パラメータを以下に示す1)(外国人における成績)。
Cmaxa(μg/mL)
Tmaxb(h)
AUC(0-T)a(μg・h/mL)
AUC(INF)a(μg・h/mL)
T-HALFa(h)
CLTa(mL/h/kg)
Vza(mL/kg)
217(24)
3.23(2.9-4.9)
39559(28)
46401(39)
147(66)
0.215(46)
59.4(30)
a:幾何平均値(変動係数%),b:中央値(最小値-最大値)
再発又は難治性の日本人多発性骨髄腫患者3例に本剤10mg/kgをレナリドミド及びデキサメタゾンと併用で毎週投与したときの静脈内投与後の血清中濃度と血清中トラフ濃度推移を以下に示す2)。
多発性骨髄腫患者で腎機能が正常(CrCL 90mL/min以上)な患者8例,重度腎機能障害(CrCL 30mL/min未満)患者7例及び末期腎不全(CrCL 30mL/min未満で血液透析を実施)患者8例に,本剤10mg/kgをレナリドミド及びデキサメタゾンと併用投与したときの本剤の薬物動態を評価した結果,腎機能が正常な患者と,重度腎機能障害及び末期腎不全患者との間に,臨床的に重要な薬物動態の違いは認められなかった1)(外国人における成績)。
1~3レジメンの前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注1)646例(日本人患者60例を含む)を対象とし,本剤注2)及びレナリドミド注3)+デキサメタゾン注4)(E-Ld群)とレナリドミド注3)+デキサメタゾン注4)(Ld群)との有効性及び安全性を比較検討する,ランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)及び奏効割合[修正EBMT(欧州血液骨髄移植グループ)基準により部分奏効以上の効果を示した患者の割合]であり,独立評価委員会による評価を行った。その結果,PFSの中央値は,E-Ld群で19.4ヵ月,Ld群で14.9ヵ月であり,E-Ld群はLd群に比べてPFSが有意に延長した[ハザード比0.70,97.61%信頼区間:0.55, 0.88,層別log-rank検定p=0.0004(有意水準 0.0239)]。奏効割合は,E-Ld群で78.5%(252/321例,95%信頼区間:73.6, 82.9),Ld群で65.5%(213/325例,95%信頼区間:60.1, 70.7)であり,E-Ld群はLd群に比べて奏効割合が有意に改善した[共通オッズ比1.94(99.5%信頼区間:1.17, 3.23),Cochran-Mantel-Haenszel検定p=0.0002(有意水準 0.005)]3)。(2014年10月29日データカットオフ)また,副次評価項目である全生存期間(OS)の中間解析の結果,OSの中央値はE-Ld群で43.7ヵ月(95%信頼区間:40.3, 推定不可),Ld群で39.6ヵ月(95%信頼区間:33.3, 推定不可)であり,統計学的に有意な延長は認められていない[ハザード比:0.77,98.6%信頼区間:0.58, 1.03,層別log-rank検定p=0.0257(有意水準=0.014)]。(2015年10月29日データカットオフ)
注1)レナリドミドの前治療歴を有する場合は,次の条件を満たす患者を対象とした。①最良総合効果が部分奏効以上であること,②レナリドミドと関連のあるGrade 3以上の有害事象によって投与中止となっていないこと,③レナリドミドの投与サイクル数が9サイクル以下,かつレナリドミド投与中又は投与終了後9ヵ月以内に疾患進行がないこと。注2)本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし,1回10mg/kgを,最初の2サイクルは1週間間隔で4回(1,8,15及び22日目),3サイクル以降は2週間間隔で2回(1及び15日目)静脈内投与する。注3)レナリドミドの用法及び用量:28日間を1サイクルとし,1日1回25mgを21日間経口投与した後,7日間休薬する。注4)デキサメタゾンの用法及び用量:E-Ld群では,28日間を1サイクルとし,最初の2サイクルは分割投与(28mgの経口投与と8mgの静脈内投与)を1,8,15及び22日目(本剤投与日)に行う。3サイクル以降は,分割投与を1及び15日目(本剤投与日)に行い,1日1回40mgを8及び22日目に経口投与する。Ld群では,28日間を1サイクルとし,1日1回40mgを1,8,15及び22日目に経口投与する。副作用発現頻度は,E-Ld群で92.1%(293/318例)であった。主な副作用は,疲労28.9%(92/318例),好中球減少28.3%(90/318例),血小板減少20.8%(66/318例),下痢18.6%(59/318例),筋痙縮16.4%(52/318例),不眠症16.0%(51/318例),貧血15.1%(48/318例),便秘14.5%(46/318例),末梢性浮腫14.5%(46/318例),高血糖13.8%(44/318例),発熱12.6%(40/318例),悪心12.3%(39/318例),無力症11.6%(37/318例)であった。
レナリドミド及びプロテアソーム阻害剤を含む2レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注5)117例(日本人患者20例を含む)を対象とし,本剤注6)及びポマリドミド注7)+デキサメタゾン注8)(E-Pd群)とポマリドミド注7)+デキサメタゾン注8)(Pd群)との有効性及び安全性を比較検討する,ランダム化非盲検国際共同第2相試験を実施した。主要評価項目は治験責任医師の評価による無増悪生存期間(PFS)とした。その結果,PFSの中央値は,E-Pd群で10.25ヵ月,Pd群で4.67ヵ月であった[ハザード比:0.54, 95%信頼区間:0.34, 0.86, 層別log-rank検定p=0.0078(有意水準0.2)]4)。(2018年2月21日データカットオフ)全生存期間(OS)の中間評価の結果では,OSの中央値はE-Pd群で未到達(95%信頼区間:24.94, 推定不可),Pd群で17.41ヵ月(95%信頼区間:13.83, 推定不可)であった(ハザード比:0.54, 95%信頼区間:0.30, 0.96)。(2018年11月29日データカットオフ)
注5)次の①及び②の条件を満たす患者を対象とした。①直近の治療中又は治療後60日以内に疾患進行が認められた患者,②次のいずれかを満たす患者(ⅰ)レナリドミドとプロテアソーム阻害剤の併用療法による治療中又は治療後60日以内に疾患進行が認められた,(ⅱ)レナリドミド若しくはプロテアソーム阻害剤の単独又は両薬剤の併用療法により少なくとも部分奏効を達成したものの,6カ月以内に疾患進行が認められた。注6)本剤の用法及び用量:28日を1サイクルとし,1回10mg/kgを最初の2サイクルは1週間間隔で4回(1,8,15及び22日目),3サイクル以降は1回20mg/kgを1日目に静脈内投与する。注7)ポマリドミドの用法及び用量:28日間を1サイクルとし,1日1回4mgを21日間経口投与した後,7日間休薬する。注8)デキサメタゾンの用法及び用量:E-Pd群では,28日間を1サイクルとし,最初の2サイクルは分割投与(28mgの経口投与と8mgの静脈内投与。75歳を超える患者には8mgの経口投与と8mgの静脈内投与。)を1,8,15及び22日目(本剤投与日)に行う。3サイクル以降は,分割投与を1日目(本剤投与日)に行い,1日1回40mg(75歳を超える患者には20mg)を8,15及び22日目に経口投与する。Pd群では,28日間を1サイクルとし,1日1回40mg(75歳を超える患者には20mg)を1,8,15及び22日目に経口投与する。副作用発現頻度は,E-Pd群で78.3%(47/60例)であった。主な副作用は,好中球減少21.7%(13/60例),高血糖18.3%(11/60例),血小板減少13.3%(8/60例),発熱11.7%(7/60例),便秘11.7%(7/60例),不眠症11.7%(7/60例),疲労10.0%(6/60例),無力症10.0%(6/60例),貧血10.0%(6/60例),リンパ球減少10.0%(6/60例)であった。
エロツズマブは,ヒトSignaling Lymphocyte Activation Molecule Family Member 7(SLAMF7)に結合するヒト化IgG1モノクローナル抗体である。SLAMF7は多発性骨髄腫細胞に高発現することが報告されている。エロツズマブは骨髄腫細胞膜上のSLAMF7に結合し,Fc受容体を介したナチュラルキラー(NK)細胞との相互作用により抗体依存性細胞傷害(ADCC)を誘導することにより,腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられる5),6)。また,エロツズマブはNK細胞に発現するSLAMF7との結合によりNK細胞を直接活性化する作用を有することが報告されている7)。
エロツズマブはヒト骨髄腫由来OPM2細胞株を移植したマウスにおいて,腫瘍の増殖を抑制した6)。
エロツズマブ(遺伝子組換え)Elotuzumab(Genetical Recombination)
エロツズマブは,遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体であり,マウス抗ヒトSLAMファミリーメンバー7(SLAMF7)抗体の相補性決定部,並びにヒトIgG1のフレームワーク部及び定常部からなる。エロツズマブは,マウスミエローマ(NS0)細胞により産生される。エロツズマブは,449個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約148,000)である。
外箱開封後は遮光して保存すること。
**医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること。
1バイアル
1) 社内資料:海外第1b相臨床試験(C204-007)(平成28年9月28日承認,CTD2.7.2)
2) 社内資料:国内第1相臨床試験(C204-005)(平成28年9月28日承認,CTD2.7.2)
3) Lonial S, et al.:N Engl J Med. 2015;373(7):621-631.
4) Dimopoulos MA, et al.:N Engl J Med. 2018;379(19):1811-1822.
5) Hsi ED, et al.:Clin Cancer Res. 2008;14(9):2775-2784.
6) Tai YT, et al.:Blood. 2008;112(4):1329-1337.
7) Collins SM, et al.:Cancer Immunol Immunother. 2013;62:1841-1849.
*ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 メディカル情報グループ
**(住所)東京都千代田区大手町1-2-1
(TEL)0120-093-507
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