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処方箋医薬品注)
活動期潰瘍性大腸炎(重症を除く)
「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、メサラジン3,600mgを対照とした国内臨床試験で非劣性が検証されていないことを十分に理解した上で、本剤投与の適否を判断すること。,
通常、成人にはブデソニドとして9mgを1日1回朝経口投与する。
本剤投与中は患者の病態を十分観察し、投与開始8週間を目安に本剤の必要性を検討し、漫然と投与を継続しないこと。
症状が増悪するおそれがある。
本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、他の副腎皮質ステロイド剤投与後にB型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。肝機能障害患者を対象とした本剤の臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で催奇形性及び胚・胎児への影響が認められている1),2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤は乳汁中へ移行するとの報告がある3)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
機序不明。
CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、エリスロマイシン、シクロスポリン、コビシスタット等)
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。
CYP3A4による本剤の代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
グレープフルーツ、グレープフルーツジュース
発現機序の詳細は不明であるが、グレープフルーツに含まれる成分が、CYP3A4を抑制するためと考えられる。
2~5%未満
2%未満
頻度不明
感染症及び寄生虫症
乳房膿瘍、感染性腸炎、乳腺炎、口腔ヘルペス
インフルエンザ
血液及びリンパ系障害
白血球増加症
免疫性障害
アナフィラキシー反応
内分泌障害
クッシング様症状、小児の成長遅延
代謝及び栄養障害
低カリウム血症
精神障害
不眠症、睡眠障害
気分変化、神経過敏、気分動揺、うつ病、精神運動亢進、不安、攻撃性
神経系障害
頭痛、浮動性めまい、振戦
眼障害
白内障、緑内障、霧視
心臓障害
動悸
胃腸障害
潰瘍性大腸炎増悪
腹部膨満、口唇炎
悪心、上腹部痛、腹痛、口内乾燥、消化不良、鼓腸
皮膚及び皮下組織障害
ざ瘡、湿疹
蕁麻疹、発疹、斑状出血
筋骨格系及び結合組織障害
筋肉痛、背部痛、筋痙縮
腎及び尿路障害
蛋白尿
生殖系及び乳房障害
月経障害
一般・全身障害及び投与部位の状態
末梢性浮腫
疲労
臨床検査
白血球数増加、尿中白血球陽性
血中コルチゾール減少
本剤を分割したり、乳鉢による粉砕は行わないこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤は放出制御製剤であることより、かまずに服用すること。
便中に錠剤が認められることがある。
日本人健康成人男性に本剤9mgを単回経口投与したとき、血漿中ブデソニド濃度は投与後14.8時間で最高濃度1110.5±628.7pg/mLに達し、5.5±1.3時間の消失半減期で消失した4)。
Cmax(pg/mL)
Tmax(h)
AUC∞(h・pg/mL)
t1/2(h)
1110.5±628.7
14.8±5.9(14.0)
12203.8±7777.1
5.5±1.3
Cmax及びTmax:n=12、AUC∞及びt1/2:n=11、平均値±標準偏差(Tmax:中央値)
健康成人男性に本剤9mgを1日1回、7日間反復経口投与した際の定常時の血漿中ブデソニド濃度は投与後11時間で最高濃度891.3±394.1pg/mLに達し、反復投与に伴う蓄積性は認められなかった5)(外国人データ)。
891.3±394.1
11±4.9(12)
9295.2±3694.2
n=12、平均値±標準偏差(Tmax:中央値)
単回経口投与後のバイオアベイラビリティは約10~20%であった6),7)(外国人データ)。
ブデソニドの分布容積は大きく(約3~4L/kg)、ヒト血漿における蛋白結合率は85~90%であった7)。
ブデソニドは肝初回通過効果を大きく受け(~90%)、糖質コルチコイド活性の低い代謝物となる。主な代謝物である6β-ヒドロキシブデソニド及び16α-ヒドロキシプレドニゾロンの糖質コルチコイド活性は未変化体の1%未満である8)。ブデソニドは主にチトクロームP450のCYP3A4により代謝される9)。
健康成人男性に3H標識ブデソニドを静脈内投与注1)したとき、投与量の60%が尿中に排泄され、尿中に未変化体ブデソニドは認められなかった10)(外国人データ)。
軽度から中等度の肝硬変患者男女8名に微細化ブデソニド4mg注1)を単回経口投与した際の全身バイオアベイラビリティは、健康成人と比較して、軽度肝硬変患者では同程度、中等度肝硬変患者では3.5倍高かった7)(外国人データ)。
健康成人にブデソニド3mg(カプセル製剤)注1)とケトコナゾール200mgを併用経口投与したとき、ブデソニドの平均AUCはブデソニド単剤投与時と比較して6.5倍に上昇した7),11)(外国人データ)。グレープフルーツジュース摂取時に、健康成人にブデソニド3mg(カプセル製剤)注1)を投与したときの全身曝露量は、単独投与したときに比べ約2倍に上昇した7)(外国人データ)。注1)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはブデソニドとして9mgを1日1回朝経口投与する。」である。
軽症から中等症の活動期潰瘍性大腸炎患者注2)を対象に無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。本剤9mg又はメサラジン3,600mgを8週間経口投与した。主要評価項目であるUCDAIスコアの変化量について、本剤群と対照群とされたメサラジン群との差の95%信頼区間上限値が1.3を下回ることが非劣性を示すための基準とされた。メサラジン群におけるUCDAIスコアの変化量が想定よりも小さかったため、非劣性に関する検証を行うことができなかった12)。
投与群
UCDAIスコアa)の変化量
平均値[95%信頼区間]
メサラジン群との差[95%信頼区間]
本剤9mg/日91例
-0.87[-1.42 ; -0.31]
0.53[-0.26 ; 1.31]
メサラジン3,600mg/日90例
-1.39[-1.95 ; -0.84]
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a)排便回数、血便、内視鏡検査による粘膜所見、医師による全般的評価の4つの評価項目をそれぞれ0~3の4段階でスコア化し、合計したスコア(スコアの範囲:0~12)。
本剤9mg群の安全性評価対象例92例中12例(13.0%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主なものは、潰瘍性大腸炎(原疾患の悪化)2例(2.2%)であった12)。
軽症から中等症の活動期潰瘍性大腸炎患者注2)を対象に無作為化二重盲検並行群間比較試験を2試験実施した。本剤9mg又はプラセボを8週間経口投与した。両試験ともに主要評価項目である臨床的・内視鏡的寛解率において、本剤9mg群はプラセボ群に対し統計学的な有意差を認めた13),14)。
臨床的・内視鏡的寛解a)に至った患者数
臨床的・内視鏡的寛解率b)[95%信頼区間]
p値c)
本剤9mg/日123例
22例
17.9%[11.1 ; 24.7]
0.0143
プラセボ121例
9例
7.4%[2.8 ; 12.1]
本剤9mg/日109例
19例
17.4%[10.3 ; 24.6]
0.0047
プラセボ89例
4例
4.5%[0.2 ; 8.8]
a)UCDAIスコアが1以下、血便、排便回数、粘膜所見サブスコアが0かつ内視鏡評価スコアが1以上改善を「臨床的・内視鏡的寛解」と定義した。b)臨床的・内視鏡的寛解率(%)=(臨床的・内視鏡的寛解に至った被験者数÷総被験者数)×100c)両側有意水準2.5%
試験Ⅰにおいて、本剤9mg群の安全性評価対象例127例中36例(28.3%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主なものは、潰瘍性大腸炎(原疾患の悪化)7例(5.5%)、頭痛4例(3.1%)、血中コルチゾール減少4例(3.1%)であった13)。試験Ⅱにおいて、本剤9mg群の安全性評価対象例128例中33例(25.8%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主なものは、潰瘍性大腸炎(原疾患の悪化)7例(5.5%)、頭痛7例(5.5%)、血中コルチゾール減少6例(4.7%)であった14)。注2)病変が直腸のみに限局している患者は除外された。
ブデソニドは、強力な合成副腎皮質ホルモンであり、抗アレルギー作用及び抗炎症作用を示す。各種メディエータ及びサイトカインの産生及び遊離15)(in vitro)、好酸球増加16)(イヌ、ラット)、血管透過性亢進17)(ハムスター)並びに炎症性浮腫形成18)(ラット)などの抑制が知られている。
ラット2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)誘発急性大腸炎に対して、再発誘発後ブデソニド(150μg)を3回直腸内投与したところ、結腸損傷の減少が認められた。胸腺のT細胞数は減少させなかった18)。ハムスターTNBS誘発回腸炎に対して、回腸持続放出ブデソニド(200μg/kg/day)を経口投与したところ炎症の軽減が認められた。抗炎症作用は局所的であり全身的でないことが示された19)。
ブデソニド(Budesonide)(JAN)
16α,17-[(1RS)-Butylidenebis(oxy)]-11β,21-dihydroxypregna-1,4-diene-3,20-dione
C25H34O6
430.53
ブデソニドは白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノールにやや溶けやすく、アセトニトリル又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
約240℃(分解)
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
50錠[10錠(PTP)×5]
1) 迚野勲 他. 基礎と臨床. 1985; 19(10): 5093-5118.
2) Kihlström I, et al. Arzneimittelforschung. 1987; 37(1): 43-46.
3) Fält A, et al. J Allergy Clin Immunol. 2007; 120(4): 798-802.
4) 社内資料:国内第Ⅰ相試験(2023年6月26日承認、CTD 2.7.6.2)
5) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(2023年6月26日承認、CTD 2.7.6.4)
6) Edsbäcker S, et al. Aliment Pharmacol Ther. 2003; 17(4): 525-536.
7) Edsbäcker S, et al. Clin Pharmacokinet. 2004; 43(12): 803-821.
8) Dahlberg E, et al. Mol Pharmacol. 1984; 25(1):70-78.
9) Jönsson G, et al. Drug Metab Dispos. 1995; 23(1): 137-142.
10) Szefler SJ. J Allergy Clin Immunol. 1999; 104(4 Pt 2): 175-183.
11) Seidegård J. Clin Pharmacol Ther. 2000; 68(1): 13-17.
12) 社内資料:国内第Ⅲ相試験(2023年6月26日承認、CTD 2.7.6.5)
13) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(2023年6月26日承認、CTD 2.7.6.8)
14) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(2023年6月26日承認、CTD 2.7.6.9)
15) Linden M, et al. Pulm Pharmacol. 1994; 7(1): 43-47.
16) Woolley MJ, et al. J Appl Physiol(1985). 1994; 77(3): 1303-1308.
17) Svensjö E, et al. Prog Resp Res. 1985; 19: 173-180.
18) Palmen MJHJ, et al. Dig Dis Sci. 1998; 43(11): 2518-2525.
19) Boyd AJ, et al. Scand J Gastroenterol. 1995; 30(10): 974-981.
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