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処方箋医薬品注)
生物由来製品
*本剤を用いた不妊治療により、脳梗塞、肺塞栓を含む血栓塞栓症等を伴う重篤な卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。,,,,
生殖補助医療における調節卵巣刺激
本剤の投与の適否は、患者及びパートナーの検査を十分に行った上で判断すること。原発性卵巣不全が認められる場合や妊娠不能な性器奇形又は妊娠に不適切な子宮筋腫の合併等の妊娠に不適当な場合には本剤を投与しないこと。また、甲状腺機能低下、副腎機能低下、高プロラクチン血症及び下垂体又は視床下部腫瘍等が認められた場合、当該疾患の治療を優先すること。,
通常、ホリトロピン デルタ(遺伝子組換え)として、投与開始前の血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)値及び体重に基づき、下表に従い算出した投与量を、月経周期2日目又は3日目から1日1回皮下投与し、卵胞が十分に発育するまで継続する。なお、下表に従い算出した投与量が6µgを下回る場合は6µgを、12µgを上回る場合は12µgを、1日あたりの投与量とする。
血清AMH値(pmol/L)
<15
15~16
17
18
19~20
21~22
23~24
25~27
28~32
33~39
≧40
1日あたりの投与量
12
0.19
0.18
0.17
0.16
0.15
0.14
0.13
0.12
0.11
0.10
µg
µg/kg(体重)
血清AMH値(ng/mL)
~2.03
2.04~2.31
2.32~2.45
2.46~2.59
2.60~2.87
2.88~3.15
3.16~3.43
3.44~3.85
3.86~4.55
4.56~5.53
5.54~
なお、卵巣過剰刺激症候群のリスク因子として、多嚢胞性卵巣症候群、若年、やせ、AMH高値、卵巣過剰刺激症候群の既往、血清エストラジオール高値、発育卵胞数の高値等が知られているので、卵巣過剰刺激症候群のリスク因子を有する患者への対応は慎重に行うこと。卵巣過剰刺激症候群の徴候が認められた場合には、本剤の投与中断などを行うとともに、少なくとも4日間は性交を控えるように患者に指導すること。また、卵胞の最終成熟の延期や中止等の要否を含め実施中の不妊治療の継続の可否を慎重に判断すること。卵巣過剰刺激症候群は、本剤投与中だけではなく、本剤投与後に発現し、軽症又は中等症であっても急速に進行して重症化することがあるため、本剤の最終投与後も少なくとも2週間の経過観察を行い、卵巣過剰刺激症候群の重症度に応じた適切な処置を行うこと。なお、卵巣過剰刺激症候群は、妊娠によって重症化し、長期化することがあることにも留意すること。,,,,
子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合がある。
子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。
症状が増悪するおそれがある。
乳癌が再発するおそれがある。
本剤の投与の可否については、本剤が血栓塞栓症の発現リスクを増加させることを考慮して判断すること。なお、妊娠自体によっても血栓塞栓症のリスクは高くなることに留意すること。,,,,,
不妊治療の有無にかかわらず異所性妊娠のリスクが高くなる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。他の遺伝子組換えヒト卵巣刺激ホルモン製剤において、動物実験(ラット)で、分娩障害、妊娠期間の延長、吸収胚数の増加及び出生率の低下が認められている。また、動物実験(ウサギ)で、流産、着床後死亡率の増加が認められている。しかし、両種の動物実験で、催奇形性は認められていない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。FSHは乳汁中に移行することから、本剤も乳汁中に移行する可能性がある。
* 卵胞の最終成熟に使用する薬剤ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤等,,,,
卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。
卵巣への過剰刺激に伴う過剰なエストロゲンにより、血管透過性が亢進される。
本剤を用いた不妊治療により、卵巣腫大、下腹部痛、下腹部緊迫感、腹水、胸水、呼吸困難を伴う卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあり、卵巣破裂、卵巣茎捻転、脳梗塞、肺塞栓を含む血栓塞栓症、肺水腫、腎不全等が認められることもある。本剤投与後に卵巣過剰刺激症候群が認められた場合には、重症度に応じて、本剤の投与中止、卵胞の最終成熟の延期や中止等の要否を含め、実施中の不妊治療の継続の可否を判断すること。また、卵巣過剰刺激症候群の重症度に応じた適切な処置を行うこと。重度の卵巣過剰刺激症候群が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、入院させて適切な処置を行うこと。,,,,,
2%以上
2%未満
頻度不明
精神障害
気分動揺
神経系障害
頭痛、傾眠
浮動性めまい
胃腸障害
下痢、便秘
悪心、嘔吐、腹部不快感
生殖系及び乳房障害
卵巣腫大、骨盤液貯留
骨盤痛
子宮付属器痛、骨盤不快感、腟出血、乳房痛、乳房圧痛
一般・全身障害および投与部位の状態
疲労
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
日本人健康成人女性(内因性FSH抑制下)を対象に本剤75、150、225及び450IU(4.5、9.0、13.5及び27.0µg注))を単回皮下投与した際の薬物動態パラメータ及び血清中FSH濃度推移は以下のとおりであった。日本人女性において本剤75~450IU(4.5~27.0µg注))の範囲におけるFSH曝露量は投与量に比例して増加した9)。
薬物動態パラメータ
75IU(4.5µg)N=6
150IU(9.0µg)N=6
225IU(13.5µg)N=5
450IU(27.0µg)N=6
AUC(ng・h/mL) a
14±6
30±6
36±6
82±18
Cmax (ng/mL) a
0.2±0.1
0.4±0.1
0.5±0.1
1.1±0.4
tmax (h) b
18(8-20)
20(12-24)
20(20-32)
20(20-24)
t½ (h) a
37.5±12.9
36.8±4.8
40.3±2.2
42.9±11.3
a:平均値±標準偏差、b:中央値(最小値、最大値)、N(例数)
外国人健康成人女性(内因性FSH抑制下)を対象に本剤225IU(13.5µg注))又はホリトロピン アルファ(遺伝子組換え)225IUを1日1回7日間反復皮下投与したとき、投与開始6~7日後に血清FSH濃度は定常状態に達した。また、投与7日後におけるFSHのAUC及びCmaxのホリトロピン アルファ(遺伝子組換え)に対する本剤の比は、それぞれ1.74〔90%CI(1.37, 2.21)〕及び1.60〔90%CI(1.38, 1.86)〕であった10)。
健康成人女性に本剤225IU(13.5µg注))を皮下投与した際の静脈内投与に対する絶対的バイオアベイラビリティは約64%であった(外国人データ)11)。
健康成人女性に本剤225IU(13.5µg注))を静脈内投与した際の分布容積は8.7Lであった(外国人データ)11)。
健康成人女性に本剤225IU(13.5µg注))を静脈内投与した際の全身クリアランスは0.3L/hであり、尿中の未変化体排泄率は投与量の9.4%であった(外国人データ)11)。
調節卵巣刺激を受ける日本人女性を対象とした第Ⅲ相試験の血清FSH濃度を用いた母集団薬物動態解析の結果、投与前のeGFR値は血清FSH濃度に大きな影響を及ぼさなかった12)。
調節卵巣刺激を受ける日本人女性を対象とした第Ⅲ相試験の血清FSH濃度を用いた母集団薬物動態解析の結果、投与前の肝機能検査値(ALT、AST、ビリルビン)は、血清FSH濃度に大きな影響を及ぼさなかった12)。注)これらの試験に用いた製剤の規格は質量単位(µg)でないが、本剤の承認用量である質量単位(µg)に換算した用量を参考情報として併記した。なお、本剤とホリトロピン アルファ(遺伝子組換え)を生物活性単位(IU)として同一量投与した場合にFSHのAUC及びCmaxがそれぞれで異なることから、本剤は「6. 用法及び用量」に従って質量単位(µg)で適切に投与すること。
生殖補助医療を受ける20~40歳の日本人女性を対象に、ゴナドトロピン放出ホルモンアンタゴニスト法(GnRHアンタゴニスト法)による調節卵巣刺激を用いた、フォリトロピンベータ(遺伝子組換え)対照、無作為化、評価者盲検、並行群間比較試験を実施した。本剤投与群の被験者(170例、平均34.2歳)は、血清AMH値及び体重に基づき6~12µgの範囲で決定用量(刺激期間を通じて固定)が投与された。フォリトロピンベータ(遺伝子組換え)投与群の被験者(177例、平均34.0歳)は、開始用量を150IUとし(最初の5日間は固定)、その後は各被験者の反応に基づき75~375IUの範囲で調節(調節幅は75IU)した用量が投与された。卵胞成熟の誘起の基準に達した時点で、尿由来ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)5000IUを投与し、卵胞成熟の誘起を行い採卵した。その結果、主要評価項目である採卵数において、本剤のフォリトロピンベータ(遺伝子組換え)に対する非劣性が検証された(非劣性マージン -3.0)。また採卵後、体外受精(IVF)あるいは卵細胞質内精子注入法(ICSI)により受精させ、胚盤胞を1つ移植し、臨床妊娠率注1)を評価した結果、本剤投与群は25.3%(43/170例)、フォリトロピンベータ(遺伝子組換え)投与群は23.7%(42/177例)であった。卵巣過剰刺激症候群の有害事象の発現率は、本剤投与群は11.2%(19/170例)、フォリトロピンベータ(遺伝子組換え)投与群は19.8%(35/177例)であった。本剤投与群の副作用発現率は18.8%(32/170例)であり、主な副作用は卵巣過剰刺激症候群10.6%(18/170例)、卵巣腫大2.9%(5/170例)及び骨盤液貯留2.4%(4/170例)であった13)。
本剤(N=170)
フォリトロピンベータ(N=177)
差[95%信頼区間]
採卵数
9.3±5.4
10.5±6.1
-1.2[-2.3; -0.1]
平均値±標準偏差
注1)治験薬を投与した被験者における胚移植後5~6週に少なくとも1つの胎嚢を認めた被検者の割合
FSHは、顆粒膜細胞に発現するFSH受容体に結合してエストロゲンの合成を促進し、卵胞の発育及び卵母細胞の成熟に寄与する14)。
ホリトロピン デルタ(遺伝子組換え)Follitropin delta(Genetical recombination)
無色澄明又は僅かに混濁した液である。
ホリトロピン デルタは、遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモンであり、β-ガラクトシドα-2,3-シアル酸転移酵素4の遺伝子が導入されたヒト胚性網膜芽細胞により産生される。ホリトロピン デルタは、92個のアミノ酸残基からなるαサブユニット及び111個のアミノ酸残基からなるβサブユニットから構成される糖タンパク質(C975H1493N267O305S26;分子量:約34,000)である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1本/箱
1) 石原理. 日本産科婦人科学会雑誌. 2019: 71(11), 2509-73.
2) Parazzini F, et al. Gynecol Oncol. 1998; 68: 226-8.
3) Burkman RT, et al. Fertil Steril. 2003; 79: 844-51.
4) Jensen A, et al. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2007; 16: 1400-7.
5) Rupinder KR, et al. The Medical Journal of Malaysia. 2006; 61: 132-7.
6) Hansen M, et al. N Engl J Med. 2002; 346: 725-30.
7) Bonduelle M, et al. Hum Reprod. 2002; 17: 671-94.
8) Peschka B, et al. Hum Reprod. 1999; 14: 2257-63.
9) 社内資料:国内第Ⅰ相試験(2021年3月23日承認、CTD 2.7.6.2)
10) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(2021年3月23日承認、CTD 2.7.6.4)
11) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(2021年3月23日承認、CTD 2.7.6.1)
12) 社内資料:日本人母集団薬物動態解析(2021年3月23日承認、CTD 2.7.2.2)
13) 社内資料:国内第Ⅲ相試験(2021年3月23日承認、CTD 2.7.6.7)
14) Levin ER, et al. Goodman and Gilman’s the Pharmacological Basis of Therapeutics; 2018. 803-31.
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