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劇薬
処方箋医薬品注)
デスモプレシン酢酸塩水和物を夜尿症に対し使用した患者で重篤な低ナトリウム血症による痙攣が報告されていることから、患者及びその家族に対して、水中毒(低ナトリウム血症)が発現する場合があること、水分摂取管理の重要性について十分説明・指導すること。,,
〈製剤共通〉中枢性尿崩症〈OD錠 120µg、OD錠 240µg〉尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症
通常、1日1回就寝前にデスモプレシンとして120µgから経口投与し、効果不十分な場合は、1日1回就寝前にデスモプレシンとして240µgに増量することができる。
通常、デスモプレシンとして1回60~120µgを1日1~3回経口投与する。投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減するが、1回投与量は240µgまでとし、1日投与量は720µgを超えないこと。
血圧上昇により症状を悪化させるおそれがある。
低ナトリウム血症が発現しやすい。
投与しないこと。血中半減期の延長、血中濃度の増加が認められる。,
血中半減期の延長、血中濃度の増加が認められる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中の投与に関する観察研究において、新生児1例に奇形が認められ、また、文献報告にて、新生児6例に本剤投与と直接的な影響は考えにくいが低出生体重児・先天性奇形等の異常が認められている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
低出生体重児、新生児、乳児及び6歳未満の幼児を対象とした国内臨床試験は実施していない。,
症状を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下している。
三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩等)選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミンマレイン酸塩等)その他の抗利尿ホルモン不適合分泌症候群を惹起する薬剤(クロルプロマジン、カルバマゼピン、クロルプロパミド等)
低ナトリウム血症性の痙攣発作の報告があるので、血清ナトリウム、血漿浸透圧等をモニターすること。
抗利尿ホルモンを分泌し、水分貯留のリスクを増すことがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)
水中毒が発現しやすい可能性があるため、浮腫等の発現に注意すること。
水分貯留のリスクを増すことがある。
ロペラミド塩酸塩,
本剤の血中濃度が増加し、薬効が延長する可能性がある。
抗利尿作用が持続することで、水分貯留/低ナトリウム血症のリスクを増す可能性がある。
低ナトリウム血症を起こすおそれがある薬剤チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)チアジド系類似剤(インダパミド等)ループ利尿剤(フロセミド等)スピロノラクトンオメプラゾール等
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
異常が認められた場合には投与を中止して、水分摂取を制限し、必要な場合は対症療法を行うなど、患者の状況に応じて処置すること。,,,,,,,,,,,
10%以上
1~2%未満
頻度不明
代謝
低ナトリウム血症
浮腫
精神神経系
頭痛
強直性痙攣、眠気、めまい、不眠、情動障害、攻撃性、悪夢、異常行動
過敏症
全身そう痒感、発疹、顔面浮腫、じん麻疹
消化器
腹痛
悪心・嘔吐、食欲不振
循環器
顔面蒼白、のぼせ
その他
全身倦怠感、口渇、肝機能異常
発汗、発熱
過量投与(用法・用量を超える量)により水分貯留並びに低ナトリウム血症のリスクが高まり、頭痛、冷感、悪心、痙攣、意識喪失等があらわれることがある。
投与を中止して、水分摂取を制限し、必要な場合は対症療法を行うなど、患者の状況に応じて処置すること。また、症状の改善がみられない場合には専門的な知識を有する医師による治療を考慮すること。
夜間頻尿を対象とした経鼻製剤の海外臨床試験において、因果関係は明らかではないが、血清ナトリウム値が125mmol/L以下となった5例のうち4例に副腎皮質ステロイド剤が併用されていたとの報告がある2),3)。
動物実験(ラット)で泌乳低下(母乳の出が悪くなる)の可能性が示唆されている。
健康成人に本剤60,120,240µg(各6人)を水負荷の条件下で単回経口投与したときの血漿中デスモプレシン濃度推移は下図のとおりである4)。
また、薬物動態パラメータは表のとおりであり、投与量60,120,240µgでは用量に応じたAUC及びCmaxの増加が認められた。
パラメータ
60µg
120µg
240µg
AUCt(pg・h/mL)
23.25±4.48
50.84±7.46
139.90±10.99
AUCinf(pg・h/mL)
35.61±9.01
61.95±9.96
150.24±14.17
Cmax(pg/mL)
16.57±2.52
33.26±1.46
56.80±8.80
Tmax(h)
0.71±0.10
0.88±0.14
0.79±0.19
t1/2(h)
1.63±0.56
2.13±0.66
2.00±0.15
本剤を水を用いずに舌下で溶解して投与(平均値±標準偏差)
健康成人(16人)に本剤120µgをクロスオーバー法にて空腹時及び食後に経口投与したとき、平均AUCtは44.94及び12.03pg・h/mL、平均Cmaxは14.89及び3.90pg/mLであった5)。,
ラットに125Iで標識したデスモプレシン0.2µgを点鼻投与したとき、30分後の放射能濃度は、甲状腺>膀胱>腎臓>肝臓の順であった6)。
In vitroでのヒト血清蛋白結合率は以下のとおりであった7)。
添加濃度(pg/mL)
2
50
100
血清蛋白結合率(%)
76.3±3.3
74.2±2.8
74.0±3.4
限外ろ過法による平均値±標準偏差(n=4)
ヒト及びラット肝ミクロソームを用いたin vitro試験においてデスモプレシンは肝臓ではCYP450による代謝はほとんどないことが示されていることから、in vivoにおいてヒト肝ミクロソームで代謝される可能性は低いと考えられた。一方、ラット肝臓組織ホモジネートを用いたin vitro試験においては、デスモプレシンの代謝物の生成が認められており、本剤の一部は肝臓で代謝されると考えられる8),9)。
デスモプレシンの総クリアランスは7.6L/hであった。健常成人被験者において、52%(44%~60%)が未変化体として排泄された10),11)。
デスモプレシン2µg静脈内単回投与時注)のPKに対する腎機能障害の影響を腎機能(クレアチニンクリアランス)に基づき、外国人被験者を腎機能正常(>80mL/分)、腎機能障害が軽度(50~80mL/分)、中等度(30~49mL/分)及び高度(5~29mL/分)の4群に層別し検討したところ、腎機能障害の重症度に応じて全身クリアランスが低下し、中等度及び高度の腎機能障害患者では、腎機能正常者と比較して統計学的な有意差が認められた。腎機能正常者のAUCは186.1±64.1pg・h/mL(平均値±標準偏差)であったが、軽度、中等度及び高度の腎機能障害患者では、それぞれ280.8±31.7、453.3±174.7及び681.5±226.1pg・h/mLに増加した。分布相の半減期(t1/2λ1)は腎機能障害の程度に影響されなかった。一方、消失相の半減期(t1/2λ2)は、腎機能正常者で2.77時間であったのに対し、軽度、中等度及び高度の腎機能障害患者ではそれぞれ3.99、6.57及び8.74時間に延長した11)。,
外国人にロペラミド投与後にデスモプレシン400µg注)を含有する錠剤(デスモプレシン錠:国内未承認)を経口投与した場合、デスモプレシン錠を単独で投与した場合と比較して、デスモプレシンのAUC、AUCt、Cmaxがそれぞれ3.1倍(95%CI:2.3~4.2)、3.2倍(2.3~4.4)、2.3倍(1.6~3.2)上昇した。また、エリスロマイシン投与後にデスモプレシン錠を投与した場合には、デスモプレシンのAUC、AUCt、Cmaxに有意な変化は認められなかった12)。注)本剤の承認された用量は、デスモプレシンとして経口投与で60µgから240µgである。
夜尿症患児(夜尿翌朝の起床時尿の平均尿浸透圧800mOsm/L以下あるいは平均尿比重1.022以下)を対象とし、プラセボを対照薬とした二重盲検比較試験において、年齢8.1±1.5歳(平均±標準偏差)、年齢範囲6~11歳の患児に対して、1日1回就寝前に、120µg(又はプラセボ)を2週間投与した。十分な効果が認められた場合(ベースラインからの夜尿日数減少率が75%以上の場合)は同用量を更に2週間継続し、十分な効果が認められない場合(ベースラインからの夜尿日数減少率が75%未満の場合)は240µg(又はプラセボ)を2週間投与した。主要評価項目である投与第3~4週の14日間あたりの夜尿日数のベースラインからの減少量は、本剤が3.3日、プラセボが1.5日であったことから、本剤はプラセボに比べ有意に夜尿日数を減少させることが確認された(P=0.009)13)。,
投与直前14日間の夜尿日数(ベースライン値)
投与後3,4週目の14日間の夜尿日数の減少
本剤(n=44)
12.2日
3.3日(95%信頼区間:2.1~4.4)
プラセボ(n=44)
12.4日
1.5日(95%信頼区間:0.3~2.6)
本剤を水を用いずに舌下で溶解して投与
本剤の国内で実施された臨床試験において45例中、副作用及び臨床検査値異常の発現例は1例(発現率2.2%)、2件で、腹痛、倦怠感各1件(2.2%)であった。
デスモプレシン点鼻液又はスプレー剤の治療により尿崩症の症状がコントロールされている中枢性尿崩症の成人患者16例及び8歳~17歳の小児患者4例を対象として、第Ⅲ相オープン試験を実施した。本剤に切換えた投与後4週目の24時間尿量は、点鼻液又はスプレー剤の治療時と同様にコントロールされており、本剤投与による24時間尿量、1時間当たりの尿量、尿浸透圧及び尿比重は、点鼻液又はスプレー剤の治療時と同様にコントロールされていた。また、19例(成人15例及び小児4例)の患者は12ヵ月の長期安全性評価を実施し、問題は認められなかった14)。
平均24時間尿量(mL)
点鼻液又はスプレー剤
2219.6±1165.3成人(16例)
1325.5±334.1小児(4例)
2040.8±1106.5全体(20例)
本剤
1854.0±1102.1成人(15例)
1225.0±554.5小児(4例)
1721.6±1032.1全体(19例)*
尿浸透圧(mOsm/kg)
544.8±176.1成人(16例)
806.5±237.6小児(4例)
597.2±212.0全体(20例)
687.3±193.7成人(15例)
803.3±217.7小児(4例)
711.7±198.6全体(19例)*
尿比重
1.0139±0.0053成人(16例)
1.0233±0.0076小児(4例)
1.0158±0.0068全体(20例)
1.0173±0.0058成人(15例)
1.0253±0.0092小児(4例)
1.0189±0.0072全体(19例)*
*成人1例は中止のため、データは19例にて集計(平均値±標準偏差)
本剤の国内で実施された臨床試験において20例中、副作用及び臨床検査値異常の発現例は8例(発現率40.0%)10件で、低ナトリウム血症・血中ナトリウム減少7件(35.0%)、頭痛、口渇、肝機能異常各1件(5.0%)が主なものであった。
デスモプレシンのラットにおけるバソプレシンV1、V2受容体及びオキシトシン受容体に対する結合親和性(Ki)はそれぞれ1748,1.04,481nmol/Lであり、バソプレシンV2受容体に選択的な結合親和性を示した(Ki:1.04nmol/L)。またムスカリン受容体(M1,M2,M3)への結合親和性はほとんど認められなかった(Ki>1×105nmol/L)15)。
単離したゴールデンハムスター腎髄質内層部集合管において、管腔膜側から基底膜側への水及び尿素の透過性を、デスモプレシンはそれぞれ0.01nmol/L以上、0.1nmol/L以上の濃度で亢進した16)。
ラットに蒸留水を25mL/kg経口投与した後、デスモプレシンを皮下投与し、デスモプレシン投与後5時間までの尿量を測定したところ、0.1ng/kg以上で用量の増加に伴い尿量は減少した17)。
デスモプレシン酢酸塩水和物(Desmopressin Acetate Hydrate)
1-Deamino-8-D-arginine-vasopressin acetate trihydrate
C46H64N14O12S2・C2H4O2・3H2O
1183.31
白色の粉末である。水、エタノール(99.5)、酢酸(100)にやや溶けやすく、酢酸エチル、アセトンにほとんど溶けない。
DDAVP
100錠[10錠(ブリスター)×10]
1) Ray JG. Obstet Gynecol Surv. 1998; 53(7): 450-5.
2) Food and Drug Administration. Briefing Document Bone, Reproductive and Urologic Drugs Advisory Committee: The committee will discuss the efficacy and safety of new drug application (NDA) 201656 (desmopressin), 0.75 mcg/0.1 mL and 1.5 mcg/0.1 mL nasal spray, submitted by Serenit Pharmaceuticals, LLC, for the proposed treatment of adult onset nocturia, October 19,2016. Available at https://www.fda.gov/media/100776/download. Accessed September 30, 2019.
3) Kaminetsky J. J Urol. 2018; 200(3): 604-11.
4) 社内資料:健康成人における薬物動態及び薬力学的検討(2012年3月30日承認、CTD 2.7.6.6)
5) 社内資料:薬物動態に及ぼす食事の影響(2012年12月21日承認、CTD 2.7.6.7)
6) 西垣淳子 他. 基礎と臨床. 1995; 29(10): 2517-39.
7) 社内資料:125I-KW-8008のin vitro蛋白結合(2012年3月30日承認、CTD 2.6.4.4.3)
8) 社内資料:ヒト及びラット肝ミクロソームにおける代謝試験(2012年3月30日承認、CTD 2.6.4.5.1)
9) *社内資料:ラット臓器及び組織ホモジネートによる代謝試験(2012年3月30日承認、CTD 2.6.4.5.2)
10) 社内資料:絶対的生物学的利用率(2012年3月30日承認、CTD 2.7.6.2)
11) 社内資料:腎機能障害患者における薬物動態への影響(2012年3月30日承認、CTD 2.7.6.12)
12) Callreus T. Eur J Clin Pharmacol. 1999; 55(4): 305-9.
13) Yokoya S et al. Prog. Med. 2013; 33(11): 2445-54.
14) Arima H. Endocr J. 2013; 60(9): 1085-94.
15) *社内資料:各種受容体に対する結合親和性(2012年3月30日承認、CTD 2.6.2.2.2)
16) 社内資料:水及び尿素透過性亢進作用(2012年3月30日承認、CTD 2.6.2.2.3)
17) *社内資料:水負荷ラットにおける抗利尿作用(2012年3月30日承認、CTD 2.6.2.2.4)
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