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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の抗利尿作用により過剰な水分貯留に伴う低ナトリウム血症を引き起こす可能性があり、また、デスモプレシン酢酸塩水和物を使用した患者で重篤な低ナトリウム血症による痙攣が報告されていることから、患者及びその家族に対して、水中毒(低ナトリウム血症)が発現する場合があること、水分摂取管理の重要性について十分説明・指導すること。,,
男性における夜間多尿による夜間頻尿
本剤投与は、以下の精査及び治療等を行った上でも、夜間多尿指数注)が33%以上、且つ夜間排尿回数が2回以上の場合にのみ考慮すること。
注)夜間多尿指数:24時間の尿排出量に対する夜間の尿排出量の割合
成人男性には、通常、1日1回就寝前にデスモプレシンとして50µgを経口投与する。
血圧上昇により症状を悪化させるおそれがある。
低ナトリウム血症が発現しやすい。
投与しないこと。血中半減期の延長、血中濃度の増加が認められ重篤な副作用が発現することがある。,
血中半減期の延長、血中濃度の増加が認められ重篤な副作用が発現することがある。
患者の状態を勘案してデスモプレシンとして25µgから投与を開始することも十分に検討すること。また、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。低ナトリウム血症が発現しやすい傾向がある。,,
*チアジド系利尿剤
チアジド系類似剤
ループ利尿剤
,
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
*副腎皮質ステロイド剤(注射剤、経口剤、吸入剤、注腸剤、坐剤)プレドニゾロン(プレドニン)、プレドニゾロンリン酸エステルナトリウム(プレドネマ)、プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(水溶性プレドニン)、ベタメタゾン含有製剤(リンデロン、セレスタミン)、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム(リンデロン)、デキサメタゾン(デカドロン)、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム(デカドロン)、デキサメタゾンパルミチン酸エステル(リメタゾン)、ヒドロコルチゾン(コートリル)、ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム(ハイドロコートン)、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム(ソル・コーテフ)、トリアムシノロン(レダコート)、トリアムシノロンアセトニド(ケナコルト-A)、ブデソニド含有製剤(パルミコート、シムビコート、ビレーズトリエアロスフィア)、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(キュバール)、メチルプレドニゾロン(メドロール)、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(ソル・メドロール)、メチルプレドニゾロン酢酸エステル(デポ・メドロール)、モメタゾンフランカルボン酸エステル含有製剤(アズマネックス、エナジア、アテキュラ)、フルチカゾンプロピオン酸エステル含有製剤(フルタイド、アドエア、フルティフォーム)、フルチカゾンフランカルボン酸エステル含有製剤(アニュイティ、レルベア、テリルジー)、シクレソニド(オルベスコ)、コルチゾン酢酸エステル(コートン)、フルドロコルチゾン酢酸エステル(フロリネフ),
機序不明。
三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩等)選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミンマレイン酸塩等)その他の抗利尿ホルモン不適合分泌症候群を惹起する薬剤(クロルプロマジン、カルバマゼピン、クロルプロパミド等)
低ナトリウム血症による痙攣発作の報告があるので、血清ナトリウム値等をモニターすること。
抗利尿ホルモンを分泌し、体液貯留のリスクを増すことがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)
低ナトリウム血症による水中毒症状が発現するおそれがあるため、倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等の発現に注意すること。
体液貯留のリスクを増すことがある。
ロペラミド塩酸塩,
本剤の血中濃度が増加し、薬効が延長するおそれがある。
抗利尿作用が持続することで、体液貯留/低ナトリウム血症のリスクを増すおそれがある。
低ナトリウム血症を起こすおそれがある薬剤(スピロノラクトン、オメプラゾール等)
低ナトリウム血症による脳浮腫、昏睡、痙攣等の重篤な水中毒症状があらわれることがある。異常が認められた場合には投与を中止して、水分摂取を制限し、必要な場合は対症療法を行うなど、患者の状況に応じて処置すること。低ナトリウム血症が認められた患者では、投与を再開しないこと。,,,,,,,,,,,,
うっ血性心不全の初期症状(下腿浮腫、急激な体重増加、労作時息切れ、起座呼吸など) の発現に注意し、これらの症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。うっ血性心不全が認められた患者では、投与を再開しないこと。
0.5~5%未満
0.5%未満
頻度不明
代謝および栄養障害
血中ナトリウム減少、BNP増加
神経系障害
頭痛、浮動性めまい、傾眠
情動障害、攻撃性、悪夢、異常行動
胃腸障害
便秘、口内乾燥、下痢
悪心、腹部不快感、口腔浮腫、口唇浮腫
一般・全身障害および投与部位の状態
末梢性浮腫、顔面浮腫、浮腫
疲労
血管障害
血圧上昇
腎および尿路障害
血中尿素増加
肝胆道系障害
肝機能異常
皮膚および皮下組織障害
発疹、じん麻疹、全身性そう痒感、湿疹
過量投与(用法及び用量を超える量)による過剰な水分貯留に伴い低ナトリウム血症のリスクが高まり、倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐、痙攣、意識喪失等があらわれることがある。
投与を中止して、水分摂取を制限し、必要な場合は対症療法を行うなど、患者の状況に応じて処置すること。また、症状の改善がみられない場合には専門的な知識を有する医師による治療を考慮すること。
日本人健康成人男性に本剤60、120、240µg注)(各6人)を水負荷の条件下で単回経口投与したときの血漿中デスモプレシン濃度推移は下図のとおりである。
薬物動態パラメータを下表に示した。投与量60、120、240µgに応じてAUC及びCmaxの増加が認められた1)。
パラメータ
60µg
120µg
240µg
AUCt (pg・h/mL)
23.25±4.48
50.84±7.46
139.90±10.99
AUCinf (pg・h/mL)
35.61±9.01
61.95±9.96
150.24±14.17
Cmax (pg/mL)
16.57±2.52
33.26±1.46
56.80±8.80
Tmax (h)
0.71±0.10
0.88±0.14
0.79±0.19
t1/2 (h)
1.63±0.56
2.13±0.66
2.00±0.15
本剤を水を用いずに舌下で溶解して投与 (平均値±標準偏差)
日本人健康成人男性16人に本剤120µg注)を食後に経口投与したとき、空腹時と比較し平均AUCtは27%に、平均Cmaxは26%に減少した2)。
外国人健康成人男性23人にデスモプレシン1.78µgを単回静脈内投与注)した結果、定常状態における分布容積は26.5Lであった3)。ラットに125Iで標識したデスモプレシン0.2µgを点鼻投与し、30分後に放射能濃度を測定したところ、甲状腺>膀胱>腎臓>肝臓の順での分布が認められた4)。
限外ろ過法により、ヒト血清タンパクに対する2~100pg/mLの125Iで標識したデスモプレシンの結合率をin vitro試験にて検討したところ、結合率は74.0%~76.3%であった5)。
ヒト及びラット肝ミクロソームを用いたin vitro試験においてデスモプレシンは肝臓ではCYP450による代謝はほとんどないことが示された。したがって、in vivoにおいてヒトのCYP450で代謝される可能性は低いと考えられた。一方、ラット肝臓組織ホモジネートを用いたin vitro試験においては、デスモプレシンの代謝物の生成が認められており、本剤の一部は肝臓で代謝されると考えられる6),7)。
外国人健康成人男性23人にデスモプレシン1.78µgを単回静脈内投与注)した結果、全身クリアランスは7.6L/hであった3) 。外国人健康成人男女6人にデスモプレシン1.78µgを単回静脈内投与した結果、52%(44%~60%)が未変化体として尿中に排泄された8)。
外国人成人男女22人を対象として、デスモプレシンの薬物動態に対する腎機能障害の影響を検討した。デスモプレシン1.78µgを腎機能の正常者(クレアチニンクリアランス:>80mL/分、5人)、軽度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス:50~80mL/分、6人)、中等度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス:30~49mL/分、5人)及び高度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス:5~29mL/分、6人)に単回静脈内投与注)した結果、腎機能障害の重症度に応じて全身クリアランスが低下し、正常者に比べ軽度、中等度及び高度の腎機能障害患者ではそれぞれ0.7倍、0.4倍、0.3倍に低下した。また、正常者に比べ軽度、中等度及び高度の腎機能障害患者では、AUCはそれぞれ1.5倍、2.4倍、3.7倍に増加し、消失相半減期はそれぞれ1.4倍、2.4倍、3.2倍に延長した8)。,
外国人健康成人男女20人にロペラミド投与後にデスモプレシン400µg注)を含有する錠剤(デスモプレシン錠:国内未承認)を経口投与した場合、デスモプレシン錠を単独で投与した場合と比較して、デスモプレシンのAUC、Cmaxはそれぞれ3.1倍、2.3倍に増加した。また、エリスロマイシン投与後にデスモプレシン錠を投与した場合には、デスモプレシンのAUC、Cmaxに有意な変化は認められなかった9)。注) 本剤の承認された用法及び用量は「成人男性には、通常、1日1回就寝前にデスモプレシンとして50µgを経口投与する。」である。
夜間多尿による夜間頻尿を有する男性患者を対象に、本剤50µg、25µg又はプラセボを1日1回、就寝前に12週間経口投与して有効性及び安全性を評価する無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。主要評価項目である投与12週間の一晩あたりの平均夜間排尿回数の変化量において、本剤50µg、25µgはプラセボ群に比して有意な減少を認めた10)。
投与群
症例数
変化量(回)(95%信頼区間)
プラセボとの比較(95%信頼区間)
50µg
108
-1.21(-1.33 ; -1.09)
-0.45(-0.61 ; -0.28)
P<0.0001
25µg
113
-0.96(-1.08 ; -0.84)
-0.20(-0.36 ; -0.04)
P=0.0143
プラセボ
117
-0.76(-0.88 ; -0.64)
-
注)最小二乗平均値と95%信頼区間の結果を示す。解析には投与群、Visit(1週、4週、8週、12週)、年齢(65歳未満、65歳以上)を固定効果とし、ベースラインの夜間排尿回数を共変量とした反復測定の共分散分析を用いた。
副作用の発現割合は、本剤25µg 7.0%(8/115)、50µg 5.5% (6/109)、プラセボ6.0%(7/117)で、1%以上に認められた副作用は、本剤25µgで脳性ナトリウム利尿ペプチド増加1.7%(2/115)、50µgで低ナトリウム血症1.8%(2/109)であった10)。
国内臨床試験の併合解析の結果、高齢の患者や低体重の患者では低ナトリウム血症が発現しやすい傾向が認められた。,
デスモプレシンのラットにおけるバソプレシンV1、V2受容体及びオキシトシン受容体に対する結合親和性(Ki)はそれぞれ1748、1.04、481nmol/Lであり、バソプレシンV2受容体に選択的な結合親和性を示した(Ki:1.04nmol/L)。またムスカリン受容体(M1, M2, M3)への結合親和性はほとんど認められなかった(Ki>1×105nmol/L)11)。
単離したゴールデンハムスター腎髄質内層部集合管において、管腔膜側から基底膜側への水及び尿素の透過性を、デスモプレシンはそれぞれ0.01nmol/L以上、0.1nmol/L以上の濃度で亢進した12)。
ラットに蒸留水を25mL/kg経口投与した後、デスモプレシンを皮下投与し、デスモプレシン投与後5時間までの尿量を測定したところ、0.1ng/kg以上で用量の増加に伴い尿量は減少した13)。
デスモプレシン酢酸塩水和物(Desmopressin Acetate Hydrate)
1-Deamino-8-D-arginine-vasopressin acetate trihydrate
C46H64N14O12S2・C2H4O2・3H2O
1183.31
白色の粉末である。水、エタノール(99.5)、酢酸(100)にやや溶けやすく、酢酸エチル、アセトンにほとんど溶けない。
DDAVP
100錠[10 錠(ブリスター)×10]
1) 社内資料:健康成人における薬物動態及び薬力学的検討(2012年3月30日承認、CTD 2.7.6.6) [文献請求番号][FP08533]
2) 社内資料:薬物動態に及ぼす食事の影響(2012年12月21日承認、CTD 2.7.6.7) [文献請求番号][FP03785]
3) 社内資料:絶対的生物学的利用率(2012年3月30日承認、CTD 2.7.6.2) [文献請求番号][FP03780]
4) 西垣淳子,相原道明,向井真, 重松昭世, 桑原隆, 小林智.KW-8008の体内動態(I)- 125I-KW-8008のラットにおける単回鼻腔内投与後の吸収・分布・代謝および排泄 -.基礎と臨床.1995; 29(10): 2517-39. [文献請求番号][FP00484]
5) 社内資料:125I-KW-8008 の in vitro 蛋白結合(2012年3月30日承認、CTD 2.6.4.4.3) [文献請求番号][FP03766]
6) 社内資料:ヒト及びラット肝ミクロソームにおける代謝試験(2012年3月30日承認、CTD2.6.4.5.1) [文献請求番号][FP08531]
7) 社内資料:ラット臓器及び組織ホモジネートによる代謝試験(2012年3月30日承認、CTD2.6.4.5.2) [文献請求番号][FP08534]
8) 社内資料:腎機能障害患者における薬物動態への影響(2012年3月30日承認、CTD 2.7.6.12) [文献請求番号][FP03778]
9) Callréus T, Lundahl J, Höglund P, Bengtsson P. Changes in gastrointestinal motility influence the absorption of desmopressin. Eur J Clin Pharmacol. 1999; 55(4): 305-9. [文献請求番号][FP01186]
10) 社内資料:男性患者国内第Ⅲ相試験(2019年6月18日承認、CTD 2.7.6.8) [文献請求番号][FP08523]
11) 社内資料:各種受容体に対する結合親和性(2012年3月30日承認、CTD 2.6.2.2.2) [文献請求番号][FP03768]
12) 社内資料:水及び尿素透過性亢進作用(2012年3月30日承認、CTD 2.6.2.2.3) [文献請求番号][FP03779]
13) 社内資料:水負荷ラットにおける抗利尿作用(2012年3月30日承認、CTD 2.6.2.2.4) [文献請求番号][FP03784]
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