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劇薬
処方箋医薬品注)
妊娠37週以降の子宮頸管熟化不全における熟化の促進
子宮頸管熟化の状態を診断して、慎重に適応を判断すること。
本剤1個を後腟円蓋に挿入し、最長12時間腟内に留置する。
過強陣痛やそれに伴う胎児機能不全、子宮破裂、頸管裂傷、羊水塞栓等が起こることがある。また、過強陣痛を伴わない胎児機能不全が起こることもある。これらが生じた結果、母体や児の生命を脅かす状態に至ることがあるので、本剤を用いた子宮頸管熟化にあたっては、母体及び胎児の状態を十分に監視するため、分娩監視装置を用いた連続的なモニタリングの実施に加えて、定期的にバイタルサインのモニターを行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお、分娩監視装置を用いた連続的なモニタリング中であっても、トイレ歩行時等、医師が必要と認めた場合に短時間のモニタリングの一時中断は可能であるが、長時間のモニタリングの中断は行わないこと。,,
腟内の羊水の曝露状況に応じて本剤投与の適否及び本剤除去の要否を慎重に判断すること。子宮からの羊水流出により、腟内のpHが上昇している患者では、本剤からのPGE2放出速度が上昇するおそれがある。
過強陣痛が生じるおそれがある。
緑内障が悪化もしくは再発するおそれがある。動物実験(ウサギ)で眼圧上昇が報告されている。
喘息が悪化もしくは再発するおそれがある。気管支を収縮させるとの報告がある。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。子宮が脆弱になっていることがあり、強い子宮収縮を生じると子宮破裂のおそれがある。臨床試験は実施していない。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
オキシトシン
ジノプロスト(PGF2α)
ジノプロストン(PGE2)
,,,
同時併用することにより過強陣痛を起こしやすい。本剤投与終了後に分娩誘発・促進のためにこれらの薬剤を使用する場合、過強陣痛を起こしやすいので1時間以上の間隔をあけ、十分な分娩監視を行い、慎重に投与すること。
子宮収縮が発現するおそれがあるため、子宮収縮作用を持つ薬剤を併用することにより子宮収縮作用を増強する。
吸湿性頸管拡張材
メトロイリンテル
プラステロン硫酸エステルナトリウム
,,
同時併用することにより過強陣痛を起こすおそれがある。本剤投与終了後にこれらを使用する場合、過強陣痛を起こすおそれがあるので1時間以上の間隔をあけ、十分な分娩監視を行い、慎重に使用すること。
子宮収縮が発現するおそれがあるため、子宮収縮を促すおそれのある処置を併用することにより子宮収縮作用を増強するおそれがある。
過強陣痛に伴い、胎児機能不全、子宮破裂、頸管裂傷、羊水塞栓等があらわれることがある。,,,,,
胎児機能不全(胎児心拍障害等)があらわれることがある。また、胎児機能不全に伴い、羊水中胎便、代謝性アシドーシス、アプガースコア低値等があらわれることがある。,,,
1~5%未満
1%未満
頻度不明
免疫性障害
過敏症
神経系障害
頭痛
血管障害
血圧上昇
低血圧
胃腸障害
悪心
腹痛、嘔吐、下痢
皮膚及び皮下組織障害
そう痒症
妊娠、産褥及び周産期の状態
分娩後出血、臨床的絨毛膜羊膜炎、子宮弛緩
生殖系及び乳房障害
外陰腟灼熱感、性器(陰唇部)浮腫
一般・全身障害及び投与部位の状態
発熱
新生児
新生児呼吸窮迫関連症状
日本人健康成人女性10例に本剤1個を12時間腟内に留置したとき、血漿中ジノプロストン濃度は、定量下限(1pg/mL)付近であり、内因性レベルからの上昇はほとんどみられなかった1)。
Cmax(pg/mL)
Tmaxa)(h)
AUC0-t(pg・h/mL)
2.6(93.8%)
12.2
5.8(130.4%)b)
実測値からベースライン値を減じた値を用いて算出a)中央値、b)7例
日本人妊婦を対象とした臨床薬理試験2試験の結果より、本剤からのジノプロストンの放出速度は0.294mg/hと推定された。
妊娠ラットに3Hで標識したジノプロストンを含有する製剤を12時間腟内投与したとき、胎盤や胎児を含む多くの組織にはわずかな放射能しか認められず、投与部位(腟及び子宮頸管)に高濃度の放射能が認められた2)。
ジノプロストンは、ヒトにおいて脱水素酵素(prostaglandin 15-OH dehydrogenase)により15位のケト化を受けた後、13位が還元され、PGEmとなる。その後、PGEmがβ酸化やω酸化を受け、ジカルボン酸に代謝される3)。
妊娠ラットに3Hで標識したジノプロストンを含有する製剤を12時間腟内投与したとき、投与後24時間までの尿中及び糞中に投与量の46.1%及び35.6%の放射能がそれぞれ排泄された2)。雌イヌに3Hで標識したジノプロストンを含有する製剤を8時間腟内投与したとき、投与後7日間までの尿中及び糞中に投与量の65.4%及び13.7%の放射能がそれぞれ排泄された4)。
子宮頸管熟化が必要な妊娠末期の妊婦(妊娠37週以上41週未満、ビショップスコアが4点以下)を対象とした多施設共同非盲検試験において、68例の妊婦に対して、本剤1個を後腟円蓋に挿入し、最長12時間腟内に留置した。主要評価項目である、子宮頸管熟化成功(投与後12時間以内にビショップスコアが7点以上又は経腟分娩のいずれかに至った場合)の割合は57.4%(39/68例)であった5)。また、副作用発現割合は、8.8%(6/68例)であった。認められた副作用は、発熱が2.9%(2/68例)、悪心、血圧上昇、胎児機能不全心拍パターン、胎児頻脈及び胎児心拍数異常が各1.5%(1/68例)であった5)。
子宮頸管熟化が必要な妊娠末期の妊婦(妊娠41週、ビショップスコアが4点以下)を対象とした多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験において、本剤群57例、プラセボ群56例、合計113例の妊婦に対して、本剤又はプラセボ1個を後腟円蓋に挿入し、最長12時間腟内に留置した。主要評価項目である、子宮頸管熟化成功(投与後12時間以内にビショップスコアが7点以上又は経腟分娩のいずれかに至った場合)の割合は、本剤が47.4%(27/57例)、プラセボが14.3%(8/56例)であったことから、本剤はプラセボに比べ有意に子宮頸管を熟化させることが確認された(p=0.0002)(Fisherの正確検定)6)。また、副作用発現割合は、本剤群で8.8%(5/57例)であった。認められた副作用は、腹部膨満、妊娠高血圧、子宮収縮異常、子宮出血、胎児一過性徐脈異常、胎児機能不全心拍パターン及び代謝性アシドーシスが各1.8%(1/57例)であった6)。
作用機序の1つとして、ジノプロストンによるコラゲナーゼ活性の上昇が考えられる7)。
妊娠ラットにジノプロストンを0、0.08、0.17、0.34及び0.83mg腟内投与した。投与後に摘出した子宮頸管の湿重量及び水分含量は用量依存的に増加し、0.17mg/匹(約0.7mg/kg)以上の用量で対照群(0mg/匹)に比べて有意な増加を認めた8)。
ジノプロストン(Dinoprostone)
(Z)-7-[(1R,2R,3R)-3-Hydroxy-2-[(1E,3S)-3-hydroxy-1-octenyl]-5-oxocyclopentyl]-5-heptenoic acid
C20H32O5
352.47
ジノプロストンは白色~ほとんど白色の結晶性の粉末、又は無色の結晶である。メタノール、無水エタノール、又は酢酸エチルに溶けやすく、水に極めて溶けにくく、ヘキサンにほとんど溶けない。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1個×5
1) 社内資料:健康成人女性における薬物動態、安全性及び忍容性(2020年1月23日承認、CTD 5.3.3.1-1)
2) 社内資料:妊娠ラットにおける3H-PGE2腟内投与後の血中濃度、組織分布、排泄及びタンパク結合(2020年1月23日承認、CTD 4.2.2.2-3)
3) 山本尚三. ホルモンと臨床 ‘80夏季増刊号. 1980; 28: 186-191.
4) 社内資料:雌イヌにおける3H-PGE2腟内投与後の体内動態(2020年1月23日承認、CTD 4.2.2.2-5)
5) 社内資料:国内多施設共同非盲検第Ⅲ相試験(2020年1月23日承認、CTD 5.3.5.2-1)
6) 社内資料:国内多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相試験(2020年1月23日承認、CTD 5.3.5.1-1)
7) Goshowaki H, Ito A, Mori Y. Prostaglandins. 1988: 36 (1): 107-114.
8) 社内資料:ラットにおける子宮頸管熟化作用の用量反応性(2020年1月23日承認、CTD 4.2.1.1-2)
*富士製薬工業株式会社 富山工場 学術情報課
〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
(TEL)0120-956-792(FAX)076-478-0336
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)
フェリング・ファーマ株式会社
東京都港区虎ノ門二丁目10番4号
富士製薬工業株式会社
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
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