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小児科領域における解熱・鎮痛
通常、乳児、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10~15mgを直腸内に挿入する。投与間隔は4~6時間以上とし、1日総量として60mg/kgを限度とする。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、成人の用量を超えない。
体重
1回用量
アセトアミノフェン量
50mg製剤
100mg製剤
200mg製剤
5kg
50~75mg
1~1.5個
0.5個
-
10kg
100~150mg
2~3個
20kg
200~300mg
30kg
300~450mg
1.5~2個
症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
血小板機能異常が起こることがある。
症状が悪化又は心不全が増悪するおそれがある。
症状が悪化するおそれがある。
アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられ、症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
肝機能障害があらわれやすくなる。注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
肝機能障害があらわれやすくなる。
必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。
投与量の減量、投与間隔の延長を考慮すること。症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
投与しないこと。重篤な転帰をとるおそれがある。,
肝機能が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、次のリスクを考慮し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
リチウム製剤
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン、イブプロフェン等)で、リチウム中毒を呈したとの報告がある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制することにより、炭酸リチウムの排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている。
チアジド系利尿剤
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)で、チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されている。
非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制して水、塩類貯留が生じ、チアジド系利尿剤の排泄作用に拮抗すると考えられている。
アルコール(飲酒)
アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
クマリン系抗凝血剤
クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
本剤が血漿蛋白結合部位において競合することで、抗凝血剤を遊離させ、その抗凝血作用を増強させる。
カルバマゼピンフェノバルビタールフェニトインプリミドンリファンピシンイソニアジド
これらの薬剤の長期連用者は、肝機能障害を生じやすくなるとの報告がある。
これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
抗生物質、抗菌剤
過度の体温下降を起こす頻度が高くなることから、併用する場合には観察を十分に行い、慎重に投与すること。
機序は不明である。
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
劇症肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。,,,
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
頻度不明
過敏症注)
発疹、チアノーゼ
血液注)
血小板減少
消化器
悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、軟便、便意
肝臓、腎臓、心筋の壊死が起こったとの報告がある。
解毒(肝機能障害の軽減等)には、アセチルシステインの投与を考慮すること。
類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物実験で、腫瘍発生が認められたとの報告がある。
健康成人10例に本剤(アセトアミノフェンとして400mg)を直腸内単回投与したときの血漿中未変化体濃度は以下のとおりであった。
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
AUC0~∞(μg・hr/mL)
T1/2(hr)
4.18±0.31
1.60±0.16
20.36±1.75
2.72±0.26
(平均値±標準誤差、n=10)
グルクロン酸抱合及び硫酸抱合により代謝される。
8ヵ月~6歳4ヵ月の健康な乳児、幼児及び小児に、本剤(アセトアミノフェンとして1歳未満には50mg、1歳以上には100mg)を直腸内投与し、12時間尿中代謝パターンを検討したところ、未変化体の排泄率は0.9~2.7%であった。代謝物としてグルクロン酸抱合体が3.7~22.4%、硫酸抱合体が16.6~37.8%排泄され、それらを含めた総アセトアミノフェン排泄量は尿全量が採取できた1歳以上の小児で63.5~68.1%であった。
38.5℃以上の発熱を有する小児患者132例を対象として本剤又はスルピリン坐剤を投与した。有効性判定は下表のとおりであり、本剤群が有意に優れていた。
著効
有効
やや有効
無効
悪化
U検定
本剤群(N=67)
38(56.7%)
16(80.6%)
9(94.0%)
4
0
P<0.05
スルピリン群(N=65)
25(38.5%)
14(60.0%)
18(87.7%)
8
( ):累積%
両群ともに副作用は認められなかった4)。
38.0℃以上の発熱を有する小児患者120例を対象として本剤又はオキシフェンブタゾン坐剤を投与した。有効性判定は下表のとおりであった。
本剤群(N=60)
34(56.7%)
15(81.7%)
10(98.3%)
1
N.S.
オキシフェンブタゾン群(N=60)
31(51.7%)
9(66.7%)
13(88.3%)
7
両群ともに副作用は認められなかった5)。
シクロオキシゲナーゼ阻害作用はほとんどなく、視床下部の体温調節中枢に作用して皮膚血管を拡張させて体温を下げる。鎮痛作用は視床と大脳皮質の痛覚閾値を高めることによると推定される3)。
アセトアミノフェン(Acetaminophen)
N-(4-Hydroxyphenyl)acetamide
C8H9NO2
151.16
白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、水にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
169~172℃
熱による基剤の溶融を避けるため、直射日光等を避けて冷所に保管すること。
50個[5個×10]
50個[5個×10]100個[5個×20箱]
1) 門間和夫ほか:小児科の進歩. 1983;2:95-101
2) JR Gwilt,et al.:J Pharmacol. 1963;15(7):440-444
3) 第十八改正 日本薬局方解説書. 廣川書店. 2021:C-146-150
4) 吉田清三ほか:現代の診療. 1977;19(10):123-130
5) 栗山達ほか:現代の診療. 1977;19(12):219-223
6) 野呂忠夫ほか:医学と薬学. 1982;7(7):1937-1940
7) 松原一誠ほか:現代の診療. 1979;21(6):215-223
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