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劇薬
処方箋医薬品注)
うつ病・うつ状態
通常、成人にはベンラファキシンとして1日37.5mgを初期用量とし、1週後より1日75mgを1日1回食後に経口投与する。なお、年齢、症状に応じ1日225mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として75mgずつ行うこと。
躁転、自殺企図があらわれることがある。
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。
精神症状が増悪することがある。
痙攣発作を起こすことがある。
症状が増悪することがある。
本剤投与前に適切にコントロールし、定期的に血圧・脈拍数等を測定すること。心拍数増加、血圧上昇、高血圧クリーゼがあらわれ、症状を悪化させるおそれがある。
**QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こす可能性がある。
皮膚や粘膜の出血、消化管出血等が報告されており、出血傾向が増強することがある。
ノルアドレナリン再取り込み阻害作用により症状が悪化することがある。
本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。
投与しないこと。また、本剤は透析ではほとんど除去されない。
投与しないこと。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラット及びヒトで乳汁中に移行することが報告されている3),4)。
肝機能、腎機能の低下を考慮し、用量等に注意して投与すること。一般的に高齢者では生理機能が低下していることが多い。また、高齢者において低ナトリウム血症及び抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の危険性が高くなることがある。
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
本剤又は他の抗うつ剤で、併用により発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれることがある。なお、MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合は14日間以上、本剤投与後にMAO阻害剤を投与する場合は7日間以上の間隔をおくこと。
主にMAO阻害剤による神経外アミン総量の増加及び抗うつ剤によるモノアミン作動性神経終末におけるアミン再取り込み阻害によると考えられる。
**アルコール(飲酒)
本剤投与中は、飲酒を避けることが望ましい。
相互に中枢神経抑制作用を増強させる可能性がある。
メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
セロトニン症候群があらわれるおそれがある。
左記薬剤のMAO阻害作用によりセロトニン作用が増強されると考えられる。
セロトニン作用薬
相互にセロトニン作用を増強することにより、セロトニン症候群等があらわれるおそれがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。
本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、相互にセロトニン作用が増強することがある。
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等
本剤及びO-脱メチル体の血中濃度が低下するおそれがあるので注意して投与すること。
セイヨウオトギリソウが本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導すると考えられる。
アドレナリン、ノルアドレナリン
これらの薬剤(特に注射剤)との併用により、心血管作用(血圧上昇等)が増強することがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。
本剤はノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、アドレナリン作用が増強することがある。
出血傾向が増強する薬剤
出血傾向が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。
SNRIの投与により血小板凝集能が阻害され、これらの薬剤との併用により出血傾向が増強することがある。
ハロペリドール
ハロペリドールの血中濃度が上昇するおそれがあるので、注意して投与すること。
機序不明
イミプラミン塩酸塩
イミプラミンの活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがあるので、注意して投与すること。
シメチジン
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、注意して投与すること。
シメチジンの薬物代謝酵素(CYP3A4、CYP2D6)阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇すると考えられる。
CYP3A4阻害剤
本剤及びO-脱メチル体の血中濃度が上昇するおそれがあるので注意して投与すること。
CYP3A4阻害剤であるケトコナゾール(経口剤)の併用による本剤の副代謝経路の阻害が報告されている。
メトプロロール酒石酸塩
メトプロロールの血中濃度が上昇するおそれがあるので注意して投与すること。
メトプロロールの降圧作用が減弱するおそれがあるので注意して投与すること。
本剤のノルアドレナリン再取り込み阻害作用によると考えられる。
インジナビル硫酸塩エタノール付加物
インジナビルの血中濃度が低下するおそれがあるので注意して投与すること。
リスペリドン
リスペリドンの血中濃度が上昇するおそれがあるので注意して投与すること。
本剤の薬物代謝酵素(CYP2D6)の阻害作用により、リスペリドンの代謝が阻害され、血中濃度が上昇すると考えられる。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
QT延長を起こすおそれがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクローヌス、自律神経失調等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合がある。抗精神病剤との併用時にあらわれることが多いため、特に注意すること。異常が認められた場合には、抗精神病剤及び本剤の投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発現時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、これらの症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等)があらわれることがある。
異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
必要に応じて血液検査を行うこと。
血圧の推移等に十分注意しながら投与すること。
導尿を実施するなど適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒症
じん麻疹
血管浮腫、光線過敏性反応
精神神経系
傾眠(26.9%)、浮動性めまい(24.4%)、頭痛(19.3%)、不眠症(16.0%)
易刺激性、異常感覚(錯感覚、感覚鈍麻等)、筋緊張亢進(筋骨格硬直、筋痙縮等)、振戦
躁病、激越、落ち着きのなさ、幻覚、せん妄、異常な夢(悪夢等)、無感情、失神、味覚異常、リビドー減退、アカシジア、ジスキネジー、ミオクローヌス
錯乱状態、神経過敏、鎮静、離人症、錐体外路障害(ジストニーを含む)、協調運動障害、平衡障害
消化器
悪心(33.5%)、腹部不快感(腹痛、膨満、便秘等)(27.2%)、口内乾燥(24.3%)、嘔吐、下痢
食欲減退
膵炎、歯ぎしり
感覚器
調節障害
耳鳴、視覚障害
散瞳、閉塞隅角緑内障
循環器
動悸(13.2%)
血圧上昇、頻脈
血圧低下、起立性低血圧
血液
異常出血(斑状出血、粘膜出血、胃腸出血等)
出血時間延長
肝臓
肝機能検査値異常(ALT・AST・γ-GTP・LDH・Al-P・血中ビリルビンの上昇等)(10.0%)
肝炎
泌尿器・生殖器
排尿困難
頻尿
月経障害、射精障害、勃起不全
尿失禁、オルガズム障害、無オルガズム症
代謝・内分泌
血中コレステロール増加
低ナトリウム血症
血中プロラクチン増加
その他
体重減少、発汗(寝汗等)、無力症(疲労、倦怠感等)
ほてり、体重増加
あくび、悪寒、呼吸困難、脱毛症、骨折
**市販後において、本剤の過量投与、又は他剤やアルコールを併用した本剤の過量投与が報告されている。
**主な症状として、頻脈、意識レベルの変化、散瞳、発作、嘔吐であり、心電図の変化(QT延長、脚ブロック、QRSの延長)、心室性頻脈、徐脈、低血圧、横紋筋融解症、回転性めまい、肝臓壊死、セロトニン症候群及び死亡も報告されている。
特異的な解毒剤は知られていない。必要に応じて活性炭投与等の適切な処置を行うこと。催吐は薦められない。本剤は分布容積が大きいので、強制利尿、透析、血液灌流及び交換輸血はあまり効果的でない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
カプセルの内容物を砕いたり、すりつぶしたりせず、そのまま噛まずに服用するよう指導すること。砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われ、血中濃度が上昇するおそれがある。
健康成人男性に本剤を空腹時単回経口投与したとき、ベンラファキシン未変化体の血漿中濃度は投与6時間後に最高値に達した。本剤の主代謝物であり薬理活性を有するO-脱メチルベンラファキシン(ODV)の血漿中濃度は投与8~10時間後に最高値に達した。未変化体の最高血漿中濃度(Cmax)及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC0-∞)は用量比例性を示さなかった10)。
投与量(mg)
測定物質
Cmax(ng/mL)
t1/2(h)
AUC0-∞(ng・h/mL)
37.5
未変化体
12±7
9.3±3.3
206±178
ODVa)
54±6
11.8±3.2
1316±311
75
33±15
7.9±2.3
505±257
98±19
12.3±2.1
2462±391
150
89±65
9.7±2.5
1830±1753
176±42
11.1±2.7
4598±995
225
101±20
7.6±1.6
1471±238
322±22
11.7±1.1
8254±547
a)ベンラファキシン換算平均値±標準偏差、例数:各用量6例
健康成人男性に本剤を1日1回7日間反復経口投与したとき、未変化体及びODVのいずれも反復投与開始3日目には定常状態に到達した11)。
AUC0-24h(ng・h/mL)
1日目
7日目
38±20
46±24
485±321
630±403
ODVb)
104±20
149±26
1732±272
2697±430
108±58
143±90
1521±1021
2186±1680
196±64
276±87
3316±1056
5237±1728
b)ベンラファキシン換算平均値±標準偏差、例数:各用量6例
健康成人男性6例に本剤75mgを空腹時及び食後に単回経口投与し、食事の影響を検討した結果、未変化体及びODVのCmax及びAUCに空腹時投与時と食後投与時の差は認められなかった12)。
ヒト血漿又は血清を用いて平衡透析法により測定したベンラファキシン及びODVの蛋白結合率は、いずれも約30%であった13)。
ベンラファキシン(非徐放化製剤)を服薬中(平均投与量244mg/日)の授乳婦6例の定常状態におけるベンラファキシンとODVの乳汁中濃度は血漿中濃度のそれぞれ2.5倍と2.7倍であった4)(外国人データ)。
健康成人男性9例に14C標識ベンラファキシン50mg(非徐放化製剤)を単回経口投与したとき、投与後48時間で総放射能の87%が尿中に排泄され、その内訳は未変化体(4.7%)、ODV(29.4%)、ODVのグルクロン酸抱合体(26.4%)、その他の代謝物(26.5%)であった14)(外国人データ)。
腎機能障害患者にベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgを単回経口投与したとき、未変化体及びODVのAUC0-∞は腎機能の低下に伴い増大する傾向がみられた15)(外国人データ)。
対象
例数
CL/Fc)(L/h/kg)
CLr(mL/h/kg)
健康成人
18
494±483
2.1±1.4
73±37
ODV
2044±880
0.36±0.15
96±36
軽度腎障害
6
458±244
2.1±1.8
36±12
2821±886
0.26±0.07
65±26
中等度腎障害
5
844±839
1.3±0.6
37±16
2047±1045
0.46±0.25
46±17
c)ODVではCL/F/fm平均値±標準偏差
Child-PughA又はBの肝機能障害患者にベンラファキシン(非徐放化製剤)を単回経口投与したとき、肝機能がより低い集団で未変化体のAUC0-∞は高い値を示したが、ODVのAUC0-∞には一定の傾向はみられなかった16)(外国人データ)。
CL/Fd)(L/h/kg)
20
769±763
2.25±1.75
2861±1039
0.46±0.53
Child-PughA
8
1823±1265e)
0.90±0.83
4231±2289e)
0.28±0.09
Child-PughB
11
2407±1874e)
0.62±0.55
2651±977e)
0.94±2.10
d)ODVではCL/F/fme)投与量を75mgとした場合の換算値として表記平均値±標準偏差
CYP2D6の遺伝子型より高代謝型(EM)と低代謝型(PM)に分類された健康成人にそれぞれ本剤75mgを空腹時単回経口投与したとき、未変化体とODVの血漿中濃度はCYP2D6表現型の影響を受けることが示唆された17)(外国人データ)。
CYP2D6表現型
EM
7
40±14
10.9±2.4
591±246
104±27
13.6±3.2
3078±838
PM
99±11
12.7±1.8
2548±451
23±12
14.4±3.6
844±329
平均値±標準偏差
健康成人25例にベンラファキシン(非徐放化製剤)75mgの1日2回反復経口投与下において、ハロペリドール2mgを併用単回投与し薬物動態を検討した。併用によりハロペリドールのAUCは約70%増加した18)(外国人データ)。
健康成人16例にベンラファキシン(非徐放化製剤)75mgの1日2回反復経口投与下において、アルプラゾラム2mgを併用単回経口投与し薬物動態を検討した。併用によりベンラファキシンの薬物動態にほとんど影響はみられなかったが、アルプラゾラムのAUCは約30%減少した19)(外国人データ)。
デキストロメトルファン(主消失経路はCYP2D6による代謝)及びメフェニトイン(主消失経路はCYP2Cによる代謝)の代謝能が高い健康成人男性27例を2投与群に無作為に割り付け、ベンラファキシン(非徐放化製剤)反復経口投与下において、イミプラミンを併用反復経口投与し薬物動態を検討した。併用によりイミプラミンの薬物動態に影響はみられなかったが、イミプラミンの活性代謝物であるデシプラミンのAUCは35%増加した20)(外国人データ)。
健康成人(CYP2D6高代謝能群[EM]14例、CYP2D6低代謝能群[PM]7例)にケトコナゾール100mgを12時間毎に4回経口投与し、その3回目にベンラファキシン(非徐放化製剤)をEMには50mg、PMには25mgを併用単回投与し薬物動態を検討した。併用により、EMではベンラファキシン及びODVのAUCが平均でそれぞれ21%、23%増加した。PMでは併用によるベンラファキシンのAUC及びCmaxの変化率の範囲は単独投与時と比較して、それぞれ-1.9%~+206%、-4.8%~+119%であり影響が一貫していなかった21)(外国人データ)。
健康成人18例にベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgを1日3回、シメチジン800mgを1日1回併用反復経口投与し薬物動態を検討した。併用により、ベンラファキシンのAUCは約62%増加したが、ODVには影響を与えず、ベンラファキシンとODVのAUCの合算値としては約13%の増加であった22)(外国人データ)。
健康成人18例にベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgを1日3回及びメトプロロール100mgを1日1回併用反復経口投与し薬物動態を検討した。併用により、ベンラファキシンの薬物動態にほとんど影響はみられなかったが、メトプロロールのCmaxとAUCはそれぞれ39%と33%増加した23)(外国人データ)。
健康成人30例にベンラファキシン(非徐放化製剤)75mgの1日2回反復経口投与下において、リスペリドン1mgを併用単回経口投与し薬物動態を検討した。ベンラファキシンの薬物動態にほとんど影響はみられなかった。併用によりリスペリドンのCmaxは29%増加し、AUCは32%増加したが、リスペリドンの主活性代謝物(9-ヒドロキシリスペリドン)及び総活性体(リスペリドンと9-ヒドロキシリスペリドンの合計)としての影響はわずかであった24)(外国人データ)。
健康成人9例にベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgの1日3回反復経口投与下において、インジナビル800mgを併用単回経口投与し薬物動態を検討した。併用によりベンラファキシンの薬物動態にほとんど影響はみられなかったが、インジナビルのCmaxは36%減少し、AUCは28%減少した。しかし、健康成人12例に本剤75mgを1日1回反復経口投与下において、インジナビル800mgを併用単回経口投与したときの薬物動態に関する報告では、ベンラファキシン及びインジナビルの薬物動態にほとんど影響はみられなかった25),26)(外国人データ)。
健康成人12例にベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgを1日3回7日間経口投与後、リチウム600mgを併用単回経口投与し薬物動態を検討した。併用により、リチウムの薬物動態には、ほとんど影響はみられなかった27)(外国人データ)。
健康成人16例にカルバマゼピン200mgを1日2回単独反復経口投与あるいはベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgを1日3回併用反復経口投与し薬物動態を検討した。ベンラファキシンとカルバマゼピンの薬物動態にほとんど影響はみられなかった28)(外国人データ)。
健康成人男性18例にベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgを1日3回反復経口投与後、ジアゼパム10mgを併用単回経口投与し薬物動態を検討した。併用により、ベンラファキシンとジアゼパムの薬物動態にほとんど影響はみられなかった29)(外国人データ)。
健康成人12例にベンラファキシン(非徐放化製剤)37.5mg又は75mgを1日2回反復経口投与後、トルブタミド500mgを併用単回経口投与し薬物動態を検討した。併用により、ベンラファキシン及びトルブタミドの薬物動態にほとんど影響はみられなかった30)(外国人データ)。
承認時における臨床試験成績の概要は以下のとおりであった。
うつ病・うつ状態の患者を対象として、本剤(75mg又は75~225mg)又はプラセボを8週間投与した結果、主要評価項目であるハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D17)合計点の最終評価時におけるベースラインからの平均変化量は下表のとおりであり、本剤(75mg)のプラセボに対する優越性が示された9)。
投与群
HAM-D17合計点の平均値(標準偏差)
プラセボ群との対比較a)
ベースライン
最終評価時
ベースラインからの変化量
群間差[95%信頼区間]
p値
プラセボ群
184
22.4(4.10)
13.2(6.73)
-9.2(6.78)
-
75mg/日群
174
22.6(4.05)
11.8(7.20)
-10.8(7.26)
1.50[0.14, 2.87]
0.031
75~225mg/日群
177
22.3(4.00)
12.0(6.69)
-10.3(6.55)
1.12[-0.24, 2.48]
0.106
a)治療群を因子、ベースラインのHAM-D17合計点を共変量とした共分散分析モデル
有害事象発現頻度はプラセボ群で67.2%(123/183例)、75 mg/日群で75.3%(131/174例)、75~225 mg/日群で81.7%(147/180例)であった。主な有害事象は、悪心(13.1%、22.4%、29.4%)、鼻咽頭炎(22.4%、20.1%、17.8%)、傾眠(8.2%、12.1%、17.2%)、頭痛(7.7%、9.2%、10.0%)、口渇(7.7%、6.3%、10.0%)であった。
国内第Ⅲ相試験(プラセボ対照試験)を完了した患者(50例)を対象として、本剤(75~225mg)を最大44週間投与した結果、治療を継続できた患者では長期間にわたり抗うつ効果が維持された31)。
評価時期
HAM-D17合計点
50
12.0(6.10)
8週
48
8.4(4.59)
-3.88(4.61)
24週
44
6.8(5.46)
-5.68(5.08)
44週
40
5.7(6.00)
-7.08(5.98)
有害事象は49/50例に認められ、主な事象は、鼻咽頭炎、頭痛、浮動性めまい、傾眠、便秘、悪心及び血圧上昇であった。
国内第Ⅲ相試験(ミルナシプラン対照比較試験)を完了した患者(247例)を対象として、本剤(75~150mg)を最大52週間投与した結果、治療を継続できた患者では長期間にわたり抗うつ効果が維持された31)。
247
10.0(6.09)
238
7.4(5.79)
-2.60(5.56)
26週
201
6.7(5.65)
-3.44(5.64)
52週
167
5.0(4.98)
-5.40(5.54)
有害事象発現頻度は98.4%(243/247例)であった。主な事象は、鼻咽頭炎(66.0%)、悪心(48.6%)、傾眠(48.2%)、浮動性めまい(40.9%)、不眠症(40.9%)、頭痛(38.9%)であった。
ベンラファキシン塩酸塩(Venlafaxine Hydrochloride)
1-[(1RS)-2-Dimethylamino-1-(4-methoxyphenyl)ethyl]cyclohexanol monohydrochloride
C17H27NO2・HCl
313.86
白色の粉末である。水又はメタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすい。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
70カプセル[14カプセル(PTP)×5]100カプセル[10カプセル(PTP)×10]500カプセル[10カプセル(PTP)×50]100カプセル[瓶]
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]500カプセル[10カプセル(PTP)×50]100カプセル[瓶]
1) 社内資料:毒性試験(2015年9月28日承認、CTD2.4.5.3)
2) 社内資料:胎児移行性(ウサギ)(GTR-17290)(2015年9月28日承認、CTD2.6.4.4.4)
3) 社内資料:乳汁中排泄(ラット)(GTR-17952)(2015年9月28日承認、CTD2.6.4.6.3)
4) Ilett KF, et al.:Br J Clin Pharmacol. 2002;53(1):17-22
5) Emslie GJ, et al.:J Am Acad Child Adolesc Psychiatry. 2007;46(4):479-488
6) Hammad TA, et al.:Arch Gen Psychiatry. 2006;63(3):332-339
7) Harvey AT, et al.:Arch Gen Psychiatry. 2000;57(5):503-509
8) Debonnel G, et al.:Int J Neuropsychopharmacol. 2007;10(1):51-61
9) 社内資料:国内第3相試験(B2411263試験)(2015年9月28日承認、CTD2.7.6.35)
10) 社内資料:健康成人における単回投与時の薬物動態(156-JA試験)(2015年9月28日承認、CTD2.7.6.8)
11) 社内資料:健康成人における反復投与時の薬物動態(153-JA試験)(2015年9月28日承認、CTD2.7.6.9)
12) 社内資料:薬物動態における食事の影響(156-JA試験)(2015年9月28日承認、CTD2.7.1.2.4)
13) 社内資料:タンパク結合率(in vitro)(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.2.1.1)
14) Howell SR, et al.:Xenobiotica. 1993;23(4):349-359
15) 社内資料:腎機能障害患者における薬物動態(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.3.5)
16) 社内資料:肝機能障害患者における薬物動態(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.3.6)
17) Preskorn S, et al.:J Clin Psychopharmacol. 2009;29(1):39-43
18) 社内資料:ハロペリドールとの薬物相互作用(95-059-MA試験)(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.1.2.5.10)
19) Amchin J, et al.:Psychopharmacol Bull. 1998;34(2):211-219
20) 社内資料:イミプラミンとの薬物相互作用(129-US試験)(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.1.2.5.7)
21) Lindh JD, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 2003;59(5-6):401-406
22) Troy SM, et al.:J Clin Pharmacol. 1998;38(5):467-474
23) 社内資料:メトプロロールとの薬物相互作用(132-SW試験)(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.1.2.5.6)
24) Amchin J, et al.:J Clin Pharmacol. 1999;39(3):297-309
25) Levin GM, et al.:Psychopharmacol Bull. 2001;35(2):62-71
26) Jann MW, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 2012;68(5):715-721
27) Troy SM, et al.:J Clin Pharmacol. 1996;36(2):175-181
28) 社内資料:カルバマゼピンとの薬物相互作用(133-UK試験)(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.2.5.2)
29) Troy SM, et al.:J Clin Pharmacol. 1995;35(4):410-419
30) 社内資料:トルブタミドとの薬物相互作用(118-US試験)(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.2.5.11)
31) 社内資料:長期投与試験(B2411264試験、818-JA試験)(2015年9月28日承認、CTD2.7.6.44)
32) 社内資料:ラット脳シナプトソームにおけるモノアミン取り込み阻害作用(2015年9月28日承認、CTD2.6.2.2.1.2)
33) 社内資料:ラット大脳前頭皮質における細胞外5-HTおよびNA濃度増加作用(RPT-43824)(2015年9月28日承認、CTD2.6.2.2.2.1)
34) 社内資料:尾懸垂試験における無動時間短縮作用(マウス)(RPT-43898)(2015年9月28日承認、CTD2.6.2.2.2.2)
35) 社内資料:強制水泳試験における無動時間短縮作用(マウス)(GTR-21946)(2015年9月28日承認、CTD2.6.2.2.2.3)
36) 社内資料:学習性無力モデルにおける回避学習改善効果(ラット)(GTR-21948)(2015年9月28日承認、CTD2.6.2.2.2.4)
37) 社内資料:居住者・侵入者モデルにおける攻撃行動に対する作用(ラット)(2015年9月28日承認、CTD2.6.2.2.2.5)
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