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シスタドロップス点眼液0.38%

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2細胞内シスチン低減作用
19.有効成分に関する理化学的知見
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

シスタドロップス点眼液0.38%

添付文書番号

1319765Q1021_1_02

企業コード

671450

作成又は改訂年月

**2024年7月改訂(第3版)
2024年5月改訂(第2版)

日本標準商品分類番号

871319

薬効分類名

シスチン症治療剤

承認等

シスタドロップス点眼液0.38%

販売名コード

YJコード

1319765Q1021

販売名英語表記

Cystadrops Ophthalmic Solution

販売名ひらがな

しすたどろっぷすてんがんえき0.38%

承認番号等

承認番号

30600AMX00132

販売開始年月

2024年5月

貯法・有効期間

貯法

2~8℃

有効期間

6ヵ月

一般的名称

システアミン塩酸塩

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分又はペニシラミンに対し過敏症の既往のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

シスタドロップス点眼液0.38%

有効成分1mL中 システアミン塩酸塩 5.6mg
(システアミンとして3.8mg)  
添加剤カルメロースナトリウム、クエン酸水和物、エデト酸ナトリウム水和物、ベンザルコニウム塩化物、pH調節剤

3.2 製剤の性状

シスタドロップス点眼液0.38%

性状澄明で粘稠性のある液
pH4.5~5.5
浸透圧比1.0~1.3(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

シスチン症における角膜シスチン結晶の減少

6. 用法及び用量

通常、1回1滴、1日4回点眼する。なお、症状により適宜回数を減じる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤投与中に角膜障害(点状角膜炎、角膜潰瘍)があらわれることがあるため、異物感、眼痛等の自覚症状が持続する場合には、速やかに主治医に相談するよう患者に指導すること。
  2. 8.2 本剤の点眼後、一過性の霧視が発現することがあるので、症状が消失するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児及び2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

10%以上注)

頻度不明

眼痛、角膜障害、眼刺激、睫毛変化、眼充血、眼そう痒症

眼の異常感、霧視、流涙増加、眼部不快感、眼瞼刺激、麦粒腫、眼乾燥、角膜血管新生、眼瞼浮腫、眼脂

注)発現頻度は承認時の国内臨床試験(6例)で実施された第Ⅲ相試験の結果に基づいている。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  • 本剤の使用にあたっては、患者及び保護者等に対して、以下の点などを患者及び保護者等向けの説明書を用いるなどの方法によって、十分に説明すること。
    • 本剤は澄明で粘稠性のある液であるが、微量の繊維状物質を含むことがある。
    • 開栓前は外箱に入れ冷蔵(2~8℃)保存すること。
    • 開栓の1時間以上前に常温(15~25℃)に置くこと。
    • 開栓後は外箱に入れて、冷所(1~15℃)を避けて常温(15~25℃)で保存すること。
    • 開栓後7日経過した残液は使用しないこと。
    • 本剤の点眼には、点眼用ノズルをバイアルに装着して使用すること。
    • 薬液汚染防止のため、点眼用ノズル装着時にノズルやバイアルの内側に触れないよう、また、点眼時に点眼用ノズルの先端が直接目に触れないように注意すること。
    • 患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
    • 他の点眼剤と併用する場合には、少なくとも10分間以上の間隔をあけて点眼すること。
    • 本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着することがあるので、コンタクトレンズを装用している場合は点眼前にレンズを外し、点眼15分以上経過後に装用すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

本剤の保存剤であるベンザルコニウム塩化物による過敏症が知られている。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男性(6例)を対象に、本剤1滴を片眼に単回点眼投与したとき、血漿中システアミン濃度(平均値±標準偏差)は投与前で1.41±0.34ng/mL、投与24時間後で1.52±0.24ng/mLであり、本剤点眼投与による血漿中システアミン濃度の明らかな上昇は認められなかった。
また、本剤を1回1滴、両眼に1日4回(4時間間隔)反復点眼投与したとき、投与8日目の1回目投与後の血漿中システアミンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)

血漿中システアミンの薬物動態パラメータ

Cmax(ng/mL)

AUC0-24h(ng・h/mL)

tmax(h)

2.02±0.48

33.17±6.37

0.25(0.083, 0.25)

平均値±標準偏差、tmaxは中央値(範囲)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 海外第Ⅲ相試験(CHOC試験)

    角膜にシスチン結晶の沈着が認められるシスチン症患者(31例)を対象に、システアミン塩酸塩点眼液0.10%(以下、CH0.10%群)を対照とした無作為化非遮蔽並行群間比較試験を実施した。本剤又は対照薬を1回1滴1日4回90日間両眼に点眼した結果、主要評価項目であるin vivo共焦点顕微鏡(In-Vivo Confocal Microscopy, IVCM)合計スコア注1)のベースラインから投与90日目までの変化量(平均値±標準偏差)(評価眼数)は本剤群で-4.60±3.12(20)、CH0.10%群で-0.455±3.38(17)であり、群間で統計学的な有意差が認められた(p<0.0001、Generalized Estimating Equation[GEE]モデル)。
    点眼時の局所有害反応注2)は、本剤群(15例)で100%、CH0.10%群(16例)で68.8%に認められ、本剤群で認められた主な局所有害反応は、眼痛(80.0%)、眼刺激(66.7%)、眼充血(60.0%)、霧視(60.0%)であった。治験薬との関連性を否定できない有害事象(副作用)は、本剤群で13.3%、CH0.10%群で6.3%に認められ、本剤群で認められた副作用は眼刺激、眼痛、流涙増加各1件であった2)

    • 注1)角膜7層各層のシスチン結晶の密度スコア(0~4)の合計値(0~28)
    • 注2)治験薬点眼投与後の局所反応のうち、発現時間が1時間を超えたものは有害事象として収集し、1時間以内に消失したものは有害事象とは別に局所有害反応として収集した。
  2. 17.1.2 海外第I/Ⅱa試験(OCT-1試験)

    角膜にシスチン結晶の沈着が認められるシスチン症患者(8例)を対象に、単群非遮蔽試験を実施した。本剤を1回1滴1日3~6回30日間両眼に点眼した後、眼科所見に基づき1日当たりの点眼回数を調節しながら60ヵ月間点眼した。主要評価項目であるIVCM合計スコア注1)のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)(評価眼数)は、投与30日目で-1.50±2.45(16)、投与90日目で-3.19±1.80(16)、投与180日目で-2.75±2.29(16)、投与12ヵ月目で-3.25±2.08(16)、投与60ヵ月目で-3.44±2.78(16)であった。1日当たりの点眼回数の中央値は、投与90日目までは4回、投与90日以降60ヵ月目までは3回であった。
    点眼時の局所有害反応注2)は全例(8例)に認められ、主な局所有害反応は眼痛(87.5%)、霧視(75.0%)、眼刺激(62.5%)であった。治験薬との関連性を否定できない有害事象(副作用)は2例に3件報告され、角膜血管新生、眼乾燥、麦粒腫各1件であった3)

    • 注1)角膜7層各層のシスチン結晶の密度スコア(0~4)の合計値(0~28)
    • 注2)治験薬点眼投与後の局所反応のうち、発現時間が1時間を超えたものは有害事象として収集し、1時間以内に消失したものは有害事象とは別に局所有害反応として収集した。
  3. 17.1.3 国内第Ⅲ相試験

    角膜にシスチン結晶の沈着が認められる日本人シスチン症患者(6例)を対象に、単群非遮蔽試験を実施した。本剤を1回1滴1日4回52週間両眼に点眼した結果、主要評価項目であるIVCM合計スコア注1)のベースラインから投与後13~16週における変化量は、算出不可能であった。一部の角膜層におけるシスチン結晶の密度スコアが得られた2例3眼について、上皮表層及び内皮を除く角膜5層のIVCM合計スコアを算出した結果、1例(1眼)では、ベースライン(9.34)と比較して投与後13~16週(8.70)に減少し、1例(2眼)では、ベースライン(右眼:7.70、左眼:8.40)と比較して投与後13~16週(右眼:5.40、左眼:4.00)に減少が認められた。
    点眼時の局所有害反応注2)は3例(50.0%)に認められ、主な局所有害反応は、眼痛(33.3%)、眼そう痒症(16.7%)、眼刺激(16.7%)、眼充血(16.7%)であった。治験薬との関連性を否定できない有害事象(副作用)は3例に4件報告され、眼痛、睫毛変化、眼刺激、角膜障害各1件であった4)

    • 注1)角膜7層各層のシスチン結晶の密度スコア(0~4)の合計値(0~28)
    • 注2)治験薬点眼投与後の局所反応のうち、発現時間が1時間を超えたものは有害事象として収集し、1時間以内に消失したものは有害事象とは別に局所有害反応として収集した。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

システアミンは、ライソゾームに蓄積するシスチンと反応し、システイン-システアミン混合ジスルフィド及びシステインを生成し(ジスルフィド交換反応)、角膜のシスチン結晶を減少させる。

18.2 細胞内シスチン低減作用

  1. 18.2.1 システアミン存在下でシスチン症患者由来の皮膚線維芽細胞を培養した結果、システアミンの非存在下と比較して細胞内遊離シスチン濃度が低下した5)in vitro)。
  2. 18.2.2 シスチン症モデルマウスであるCtnsヌル(Ctns−/−)マウスに対して、システアミン0.55%溶液を1日4回1ヵ月間点眼した結果、未投与群と比較して角膜のシスチン結晶量の増加が抑制された6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

システアミン塩酸塩(Cysteamine Hydrochloride)

化学名

2-Aminoethanethiol monohydrochloride

分子式

C2H7NS・HCl

分子量

113.61

性状

白色の結晶性の粉末である。

化学構造式

21. 承認条件

  1. 21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 21.2 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、再審査期間中の全投与症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

22. 包装

5mL×1本(アプリケータ1個同梱)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

**ヴィアトリス製薬合同会社 メディカルインフォメーション部

〒106-0041 東京都港区麻布台一丁目3番1号

フリーダイヤル 0120-419-043

25. 保険給付上の注意

*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2025年5月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。

26. 製造販売業者等

26.1 **製造販売元

ヴィアトリス製薬合同会社

東京都港区麻布台一丁目3番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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