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日本薬局方
エプレレノン錠
処方箋医薬品注)
高血圧症
下記の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者慢性心不全
通常、成人にはエプレレノンとして1日1回50mgから投与を開始し、効果不十分な場合は100mgまで増量することができる。
通常、成人にはエプレレノンとして1日1回25mgから投与を開始し、血清カリウム値、患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に1日1回50mgへ増量する。ただし、中等度の腎機能障害のある患者では、1日1回隔日25mgから投与を開始し、最大用量は1日1回25mgとする。なお、血清カリウム値、患者の状態に応じて適宜減量又は中断する。
血清カリウム値 mEq/L
用法・用量調節
5.0未満
50mg1日1回の場合:維持25mg1日1回の場合:50mg1日1回に増量25mg隔日の場合:25mg1日1回に増量
5.0~5.4
維持
5.5~5.9
50mg1日1回の場合:25mg1日1回に減量25mg1日1回の場合:25mg隔日に減量25mg隔日の場合:中断
6.0以上
中断
より頻回に血清カリウム値を測定すること。高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある。
投与しないこと。高カリウム血症を誘発させるおそれがある。
投与しないこと。高カリウム血症等の電解質異常が発現するおそれがある。
高カリウム血症等の電解質異常の発現頻度が高まるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ラット及びウサギにエプレレノンを経口投与した試験において、胎児に移行することが確認された。この時、催奇形性はみられなかったが、ウサギでは早期吸収胚数の増加が認められた。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおける本剤の乳汁中移行性については不明である。分娩後の哺育中ラットに14C-エプレレノンを経口投与した後の放射能は乳汁に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
カリウム保持性利尿薬
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
血清カリウム値が上昇するおそれがある。
カリウム貯留作用が増強するおそれがある。
イトラコナゾール(イトリゾール)リトナビル含有製剤(ノービア、パキロビッド)エンシトレルビル フマル酸(ゾコーバ),
本剤の血漿中濃度が上昇し、血清カリウム値の上昇を誘発するおそれがある。
強力なCYP3A4阻害薬は本剤の代謝を阻害する。
**カリウム製剤
ACE阻害薬
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬
アリスキレンフマル酸塩シクロスポリンタクロリムス水和物ドロスピレノン
血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値をより頻回に測定するなど十分に注意すること。
フィネレノン
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、治療上必要と判断される場合にのみ併用すること。併用する場合には、血清カリウム値をより頻回に測定するなど患者の状態を慎重に観察すること。
CYP3A4阻害薬
本剤の血漿中濃度が上昇し、血清カリウム値の上昇を誘発するおそれがあるので、血清カリウム値をより頻回に測定するなど十分に注意すること。
CYP3A4阻害薬は本剤の代謝を阻害する。
CYP3A4誘導薬
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血漿中濃度が減少するおそれがある。本剤投与時は、これらの薬剤及びセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないことが望ましい。
これらの薬剤及びセイヨウオトギリソウにより誘導された代謝酵素により、本剤の代謝が促進されるおそれがある。
リチウム製剤
利尿薬又はACE阻害薬との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。
明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。
非ステロイド性消炎鎮痛薬
カリウム保持性利尿薬との併用により、その降圧作用の減弱、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症の発現が報告されている。
明確な機序は不明であるが、プロスタグランジン産生が抑制されることによって、ナトリウム貯留作用による降圧作用の減弱、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる。 危険因子:腎機能障害
ミトタン
ミトタンの作用を阻害するおそれがある。
ミトタンの薬効を類薬(スピロノラクトン)が阻害するとの報告がある。
**ヨウ化カリウム(放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減に使用する場合)
血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること。
カリウム製剤
,
1%以上
0.5~1%未満
0.5%未満
血液およびリンパ系障害
貧血、溢血斑
代謝および栄養障害
高尿酸血症
高トリグリセリド血症
高血糖、口渇、痛風、高カルシウム血症、脱水、糖尿病悪化、低ナトリウム血症、食欲亢進
精神障害
不眠症、うつ病、神経過敏、不安
神経系障害
頭痛、めまい
異常感覚、起立性低血圧、傾眠、知覚減退、眩暈、片頭痛、失神、健忘
心臓障害
心悸亢進
頻脈、期外収縮、不整脈、狭心症
血管障害
低血圧、脳血管障害
呼吸器、胸郭および縦隔障害
咳、感冒症状・上気道感染
呼吸困難、咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎、鼻出血、喘息・喘鳴
胃腸障害
嘔気、消化不良
下痢、腹痛、便秘
嘔吐、口内乾燥、胃食道逆流、鼓腸放屁、味覚倒錯
肝胆道系障害
脂肪肝、肝機能異常
皮膚および皮下組織障害
発疹、多汗
そう痒症、皮膚疾患、蕁麻疹、皮膚乾燥、血管神経性浮腫
筋骨格系および結合組織障害
筋痙攣
関節痛、筋痛、四肢疼痛、背部痛、筋脱力、攣縮
腎および尿路障害
頻尿
多尿、蛋白尿、夜間頻尿、血尿、尿路感染
一般・全身障害および投与部位の状態
疲労
末梢性浮腫、無力症、胸痛
潮紅、ほてり、疼痛、倦怠感
臨床検査
ALT上昇、γ-GTP上昇、AST上昇
CK上昇、BUN上昇
ECG異常、血中クレアチニン上昇、単球増多、コレステロール増加、尿比重減少、Al-P上昇、好酸球増多、プロトロンビン減少、尿比重増加、リンパ球増多、好塩基球増多、LDH上昇、白血球増多、尿糖、ビリルビン増加、ヘモグロビン増加
眼障害
眼痛、視覚異常、眼球乾燥、霧視
耳および迷路障害
耳鳴
生殖系および乳房障害
勃起障害
女性化乳房、リビドー減退、月経異常
頻度不明
感染症および寄生虫症
限局性感染、ウイルス感染、耳感染、上気道感染
咽頭炎
貧血
好酸球増加症
内分泌障害
甲状腺機能低下症
脱水、痛風、高尿酸血症、食欲減退、高カルシウム血症、糖尿病、高トリグリセリド血症、低ナトリウム血症
高コレステロール血症
不眠症、うつ病
めまい
頭痛
失神、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー、記憶障害
心不全増悪
動悸、徐脈、心室細動、心房細動、頻脈
左室不全
低血圧
起立性低血圧、静脈障害
呼吸困難、咳嗽
腹痛、嘔気
下痢、腹部不快感、嘔吐、胃炎、口内炎、便秘、口内乾燥、放屁
肝機能異常
胆嚢炎
そう痒症
多汗症、発疹
血管浮腫
筋骨格痛、筋痙縮
背部痛
腎機能障害
腎不全
頻尿、慢性腎臓病
疼痛、倦怠感、胸痛、発熱
無力症
血中クレアチニン増加、BUN上昇
上皮成長因子受容体減少、糸球体濾過率減少、体重増加
血中ブドウ糖増加
女性化乳房
良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポリープを含む)
膀胱新生物
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
エプレレノンを欧米人健康成人男性に単回経口投与したところ、約1.5時間後に平均最高血漿中濃度(Cmax)に達した。25~100mgまでの用量ではCmax及び血漿中濃度曲線下面積(AUC)はともに用量に比例して増加した1) (外国人データ)。
エプレレノンを欧米人健康成人男性に1日1回反復経口投与したところ、エプレレノンは2日以内に定常状態に達した。反復投与後のエプレレノン血漿中濃度に蓄積性は認められなかった2) (外国人データ)。日本人健康成人男性に100mg反復投与後のCmax、AUC0-24、tmax及びt1/2は、それぞれ1.78±0.34μg/mL、12.3±3.7μg・h/mL、1.46±0.84h及び5.00±1.74hであり、これらの値は欧米人にエプレレノン100mgを反復投与した時の値に類似していた。100mg反復投与後の血漿中濃度推移を図に示す3) 。
高脂肪含有食を摂取した欧米人健康成人における2種の試験において、エプレレノン100mg単回投与後のCmax及びAUCの平均値は、空腹時と比較してそれぞれCmaxにて0.8及び1.0倍、AUCにて1.1及び1.0倍であった4)(外国人データ)。
経口投与時のバイオアベイラビリティは69%であった5)(外国人データ)。
ヒト血漿を用いたin vitro蛋白結合試験において、14C-エプレレノンの平均蛋白結合率は0.02~60μg/mLの濃度範囲にて60.6%以下と低値を示した。エプレレノンの結合蛋白質は血清アルブミン及びα1-酸性糖蛋白質であり、それぞれの平均蛋白結合率は11.5%及び53.7%以下であった。エプレレノンと血球との特異的な結合は認められなかった6) 。Long-Evans系雄性ラットに14C-エプレレノンを20mg/kgにて単回経口投与した後、消化管を除いた組織において、組織内放射能濃度が高値を示した組織は肝臓、膵臓及び腎臓であった。また、組織内放射能濃度が低値を示した組織は眼(水晶体以外)、脳及び脊髄であった。白色及び有色皮膚における組織内放射能濃度は同様な値を示したが、有色皮膚中放射能の消失半減期は白色皮膚中の消失半減期よりも高値を示した7) 。
エプレレノンは主としてCYP3A4にて代謝される。In vitro試験においてエプレレノンはCYP1A2、CYP3A4、CYP2C19、CYP2C9及びCYP2D6活性を阻害しなかった。臨床投与量にてヒト血漿中には抗アルドステロン作用を示す代謝物は認められなかった。14C-エプレレノンを単回経口投与後、糞中及び尿中にはそれぞれ投与した放射能の32%及び67%が排泄された。また未変化体として糞中及び尿中に投与量の2.5%が回収された。エプレレノンはP-糖蛋白の基質ではなく、阻害作用も認められなかった8),9),10),11),12) (外国人データ)。
重度腎機能障害患者にエプレレノン100mgを反復投与した時、定常状態においてエプレレノンのAUC0-24及びCmaxは健康成人と比較してそれぞれ32%及び19%高値を示したが、有意な差ではなかった。エプレレノン反復投与後の血漿クリアランスとクレアチニンクリアランスに相関性は認められなかった。また、これらの患者において反復投与によるクレアチニンクリアランスの減少は認められなかった。エプレレノンは血液透析では除去されなかった13) (外国人データ)。
中等度の肝機能障害患者において、エプレレノン400mg注)を反復投与した時の薬物動態について検討した。肝機能障害患者では、エプレレノン400mgを反復投与した時、定常状態においてエプレレノンのAUC0-24は、健康成人と比較して42%高値を示した。重度の肝機能障害患者における試験は行われていない14) (外国人データ)。注)本剤の国内承認用量は高血圧症では1日1回50~100mg、慢性心不全では1日1回25~50mgである。
エプレレノン100mgを反復投与した時、非高齢者(18~45歳)に比べて高齢者(65歳以上)の定常状態におけるエプレレノンのCmax及びAUC0-24はそれぞれ22%及び45%高値を示した15) (外国人データ)。
心不全患者(NYHA心機能分類Ⅱ~Ⅳ)にエプレレノン50mgを反復投与した時の定常状態でのAUC及びCmaxは、年齢、体重、性別を一致させた健康被験者と比較して、それぞれ38%及び30%高値を示した16) (外国人データ)。
エプレレノン100mg及びケトコナゾール(経口剤は国内未承認)200mg(1日2回)を併用投与した時、エプレレノンのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ1.7倍及び5.4倍増加した17) (外国人データ)。
エリスロマイシン500mg(1日2回)、ベラパミル塩酸塩240mg(1日1回)、サキナビル1200mg(1日3回)、フルコナゾール200mg(1日1回)及びクラリスロマイシン500mg(1日2回)とエプレレノン100mgを併用投与した時、エプレレノンのCmaxは1.3~1.6倍に、AUCは2.0~3.3倍に増加した17),18) (外国人データ)。,
グレープフルーツジュースの摂取によりエプレレノン100mgを投与した後のエプレレノンのAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ1.2倍及び1.3倍の増加であった19) (外国人データ)。
エプレレノン100mg及びセイヨウオトギリソウ300mg(1日3回)を併用投与した時、エプレレノンのAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ0.7倍及び0.8倍の減少であった20) (外国人データ)。
本態性高血圧症患者に本剤を8週間投与した二重盲検比較試験において、本剤を1日1回50~100mg投与した94例の患者におけるベースラインに対する最終投与時のトラフ時血圧の変化(収縮期/拡張期)は、本剤50mg群-6.8/-5.1mmHg、本剤100mg群-9.7/-6.9mmHgであった。本剤群の副作用の発現率は23.1%(33/143例)であった。本剤群の主な副作用は、ALT上昇4.9%(7/143例)、AST上昇4.2%(6/143例)、γ-GTP上昇3.5%(5/143例)、高尿酸血症3.5%(5/143例)であった21)(403試験)。
本態性高血圧症患者に本剤を8週間投与した二重盲検比較試験において、本剤を1日1回50~100mg投与した102例の患者におけるベースラインに対する最終投与時のトラフ時血圧の変化(収縮期/拡張期)は、本剤50mg群-4.4/-4.5mmHg、本剤100mg群-7.9/-4.4mmHgであった。本剤群の副作用の発現率は23.7%(75/316例)であった。本剤群の主な副作用は、頭痛7.6%(24/316例)、めまい2.2%(7/316例)、CK上昇1.6%(5/316例)であった22)(010試験)。
本態性高血圧症患者に本剤を12週間投与した二重盲検比較試験において、本剤を1日1回25~100mg投与した216例の患者におけるベースラインに対する最終投与時のトラフ時血圧の変化(収縮期/拡張期)は、本剤50mg群-6.7/-4.6mmHg、本剤100mg群-10.4/-6.3mmHgであった。本剤群の副作用の発現率は19.4%(60/310例)であった。本剤群の主な副作用は、頭痛5.8%(18/310例)、めまい1.9%(6/310例)、嘔気1.0%(3/310例)、心悸亢進1.0%(3/310例)であった23)(049試験)。
本態性高血圧症患者に本剤を16週間投与した二重盲検比較試験において、本剤を1日1回50mg投与した174例の患者におけるベースラインに対する最終投与時のトラフ時血圧の変化(収縮期/拡張期)は、本剤群-12.8/-10.3mmHgであった。本剤群の副作用の発現率は15.9%(29/182例)であった。本剤群の主な副作用は、頭痛5.5%(10/182例)、めまい2.2%(4/182例)、疲労2.2%(4/182例)であった24)(020試験)。
本態性高血圧症患者に本剤を16週間投与した二重盲検比較試験において、本剤を1日1回50~200mg注)投与した84例の患者におけるベースラインに対する最終投与時のトラフ時血圧の変化(収縮期/拡張期)は-15.0/-10.5mmHgであった。本剤群の副作用の発現率は19.3%(17/88例)であった。本剤群の主な副作用は、頭痛3.4%(3/88例)、腹痛3.4%(3/88例)、めまい2.3%(2/88例)、嘔気2.3%(2/88例)であった25)(026試験)。注)本剤の国内承認用量は高血圧症では1日1回50~100mgである。
本態性高血圧症患者を対象とした二重盲検比較試験において、本剤を1日1回50~200mg注)投与した250例の患者におけるベースラインに対する投与24週間後のトラフ時血圧の変化(収縮期/拡張期)は-14.5/-11.2mmHgであった。本剤群の副作用の発現率は29.2%(74/253例)であった。本剤群の主な副作用は、頭痛10.7%(27/253例)、めまい2.4%(6/253例)、嘔気1.6%(4/253例)、咳1.6%(4/253例)であった26)(016試験)。注)本剤の国内承認用量は高血圧症では1日1回50~100mgである。
低レニン性高血圧症患者を対象とした二重盲検比較試験において、本剤を1日1回100~200mg注)投与した80例の患者におけるベースラインに対する投与8週間後のトラフ時血圧の変化(収縮期/拡張期)は-15.8/-9.3mmHgであった。本剤群の副作用の発現率は33.7%(29/86例)であった。本剤群の主な副作用は、頭痛11.6%(10/86例)、めまい4.7%(4/86例)、多汗3.5%(3/86例)、両下腿痙直3.5%(3/86例)、高尿酸血症3.5%(3/86例)であった27)(019試験)。注)本剤の国内承認用量は高血圧症では1日1回50~100mgである。
収縮期高血圧症患者に本剤を24週間投与した二重盲検比較試験において、本剤を1日1回50~200mg注)投与した128例の患者におけるベースラインに対する最終投与時のトラフ時血圧の変化(収縮期/拡張期)は-20.5/-4.5mmHgであった。本剤群の副作用の発現率は28.4%(38/134例)であった。本剤群の主な副作用は、頭痛9.0%(12/134例)、両下腿痙直3.0%(4/134例)、末梢性浮腫3.0%(4/134例)であった28)(022試験)。注)本剤の国内承認用量は高血圧症では1日1回50~100mgである。
本態性高血圧症患者に本剤を8週間投与した二重盲検比較試験において、ACE阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬に追加して本剤又はプラセボを1日1回50~100mg投与した336例の患者におけるベースラインに対する最終投与時のトラフ時血圧の変化(収縮期/拡張期)は、本剤とACE阻害薬の併用群-13.4/-9.9mmHg(85例)、ACE阻害薬の単独群-7.5/-8.0mmHg(89例)、本剤とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬の併用群-16.0/-12.7mmHg(82例)、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬の単独群-9.2/-9.3mmHg(80例)であった。本剤群の副作用の発現率は、本剤とACE阻害薬の併用群で24.1%(21/87例)、本剤とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬の併用群で30.1%(25/83例)であった。本剤群の主な副作用は、本剤とACE阻害薬の併用群で頭痛10.3%(9/87例)、めまい4.6%(4/87例)、嘔気4.6%(4/87例)、本剤とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬の併用群で頭痛20.5%(17/83例)、嘔気7.2%(6/83例)、腹痛2.4%(2/83例)、消化不良2.4%(2/83例)、高尿酸血症2.4%(2/83例)、無力症2.4%(2/83例)であった29)(023試験)。
本態性高血圧症患者に本剤を8週間投与した二重盲検比較試験において、カルシウム拮抗薬又はβ遮断薬に追加して本剤又はプラセボを1日1回50~100mg投与した268例の患者におけるベースラインに対する最終投与時のトラフ時血圧の変化(収縮期/拡張期)は、本剤とカルシウム拮抗薬の併用群-17.2/-11.7mmHg(67例)、カルシウム拮抗薬の単独群-10.5/-9.8mmHg(66例)、本剤とβ遮断薬の併用群-19.1/-12.3mmHg(69例)、β遮断薬の単独群-11.0/-8.8mmHg(66例)であった。本剤群の副作用の発現率は、本剤とカルシウム拮抗薬の併用群で12.9%(9/70例)、本剤とβ遮断薬の併用群で11.6%(8/69例)であった。本剤群の主な副作用は、本剤とカルシウム拮抗薬の併用群で頭痛7.1%(5/70例)、嘔気4.3%(3/70例)、疲労2.9%(2/70例)、本剤とβ遮断薬の併用群で高カリウム血症5.8%(4/69例)、疲労2.9%(2/69例)、頭痛1.4%(1/69例)、嘔気1.4%(1/69例)、無力症1.4%(1/69例)であった30)(024試験)。
本態性高血圧症患者に本剤を最長60週間投与したオープン試験において、本剤を1日1回50~200mg注)単独又は他の降圧剤と併用投与した103例の患者におけるトラフ時血圧(収縮期/拡張期)は、24週間まで経時的に低下し、24週以降はほぼ一定であった。本剤群の副作用の発現率は55.8%(58/104例)であった。本剤群の主な副作用は、尿異常14.4%(15/104例)、高トリグリセライド血症12.5%(13/104例)、γ-GTP上昇10.6%(11/104例)であった31)(061試験)。注)本剤の国内承認用量は高血圧症では1日1回50~100mgである。
本態性高血圧症患者に本剤を最長64週間投与したオープン試験において、本剤を1日1回50~200mg注)単独又は他の降圧剤と併用投与した582例の患者におけるトラフ時血圧(収縮期/拡張期)は、12週間まで経時的に低下し、12週以降はほぼ一定であった。本剤群の副作用の発現率は29.9%(175/586例)であった。本剤群の主な副作用は、頭痛6.3%(37/586例)、嘔気3.6%(21/586例)、めまい3.2%(19/586例)であった32)(025試験)。注)本剤の国内承認用量は高血圧症では1日1回50~100mgである。
収縮不全を伴う慢性心不全患者(NYHA心機能分類Ⅱ~Ⅳ)を対象に、標準治療に加えて本剤を投与した二重盲検比較試験を実施した。本剤1日1回25mgで投与開始し(ただし、eGFRが30~<50mL/分/1.73m2の被験者には、本剤隔日25mgで投与開始)、試験期間を通して投与量の調節は、直近の血清カリウム値に基づいて決定した。なお、eGFR≥50mL/分/1.73m2の場合は1日1回50mgを、eGFR30~<50mL/分/1.73m2の場合は1日1回25mgを超えないこととした。主要評価項目である心血管死又は心不全による入院は、本剤群で29.7%(33/111例)、プラセボ群で32.7%(36/110例)にみられ、本剤群のプラセボ群に対するハザード比(95%信頼区間)は0.85(0.53-1.36)であった。投与期間(中央値)は本剤群で749.0日、プラセボ群で741.5日であった。本剤群の副作用の発現率は30.6%であった。本剤群の主な副作用は、浮動性めまい5.4%(6 /111例)、血圧低下3.6%(4/111例)、脱水3.6%(4/111例)、高カリウム血症3.6%(4/111例)、低血圧3.6%(4/111例)であった33)(A6141114試験、J-EMPHASIS-HF試験)。
収縮不全を伴う慢性心不全患者(NYHA心機能分類Ⅱ)を対象に、標準治療に加えて本剤を投与した二重盲検比較試験を実施した。本剤1日1回25mgで投与開始し(ただし、eGFRが30~<50mL/分/1.73m2の被験者には、本剤隔日25mgで投与開始)、試験期間を通して投与量の調節は、直近の血清カリウム値に基づいて決定した。なお、eGFR≥50mL/分/1.73m2の場合は1日1回50mgを、eGFR30~<50mL/分/1.73m2の場合は1日1回25mgを超えないこととした。主要評価項目である心血管死又は心不全による入院は、本剤群で18.3%(249/1364例)、プラセボ群で25.9%(356/1373例)にみられ、本剤群のプラセボ群に対するハザード比(95%信頼区間)は0.63(0.54-0.74)であり、本剤群でプラセボ群と比較し統計的に有意な低下を認めた(p<0.0001、Wald検定)。投与期間(中央値)は本剤群で533.0日、プラセボ群で494.0日であった。本剤群の副作用の発現率は20.6%(280/1360例)であり、2%以上の被験者に認められた副作用は高カリウム血症6.6%(90/1360例)のみであった34)(A6141079試験、EMPHASIS-HF試験)。
エプレレノンはミネラルコルチコイド受容体に結合し、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)のホルモンであるアルドステロンの結合を阻害する。アルドステロンは腎などの上皮組織並びに心臓、血管及び脳などの非上皮組織におけるミネラルコルチコイド受容体に結合し、ナトリウム再吸収及びその他の機序を介して血圧を上昇させる。エプレレノンはこれらのアルドステロンの作用を阻害することで降圧作用を発揮するものと考えられる。エプレレノンはレニン分泌へのアルドステロンによるネガティブフィードバックを抑制するため、血漿中レニン活性及び血清中アルドステロン濃度を持続的に上昇させるが、これらの上昇はエプレレノンの作用を減弱しない35),36),37),38) 。
エプレレノンは、ラット及びヒトのミネラルコルチコイド受容体に選択的に結合する。糖質コルチコイド受容体、アンドロゲン受容体、プロゲステロン受容体等、他のステロイドホルモン受容体に対する親和性は、ミネラルコルチコイド受容体に対する親和性と比べて1/20以下であった。ラットを用いた試験で、臨床投与量のエプレレノンには、ミネラルコルチコイド受容体以外のステロイドホルモン受容体への作用に起因する副作用は認められなかった35),36) 。
エプレレノンは心不全動物モデル(マウス、ラット、イヌ)において、心機能関連のパラメータ(左室駆出分画など)を改善し、心保護作用(心肥大、左室リモデリングの抑制)を示した41),42) 。
エプレレノン(Eplerenone)
9,11α-Epoxy-7α-(methoxycarbonyl)-3-oxo-17α-pregn-4-ene-21,17-carbolactone
C24H30O6
414.49
白色の結晶性の粉末である。アセトニトリルに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール(99.5)に極めて溶けにくい。結晶多形が認められる。
100錠[10錠(PTP)×10]
100錠[10錠(PTP)×10]、700錠[14錠(PTP)×50]、500錠(瓶)
1) 社内資料:欧米人健康成人男性を対象とした単回投与試験(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要へ.3.(2).1).(ⅰ).ⅰ))
2) 社内資料:欧米人健康成人男性を対象とした反復投与試験(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要へ.3.(2).1).(ⅱ))
3) 社内資料:日本人健康(未治療軽度高血圧症を含む)成人男性を対象とした反復投与試験(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要ト.1.(2).3))
4) 社内資料:欧米人健康成人における単回投与後の薬物動態に及ぼす食事の影響(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要ト.1.(3).3))
5) 社内資料:単回経口投与後のバイオアベイラビリティの検討(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要へ.3.(2).1).(ⅰ).ⅰ))
6) 社内資料:In vitroにおける蛋白結合率及び結合蛋白質(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要へ.2.(2).4).(ⅰ))
7) 社内資料:ラットにおける単回経口投与後の臓器・組織内濃度(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要へ.2.(2).1).(ⅰ))
8) Cook CS,et al.:Drug Metab Dispos. 2002;30(12):1344-1351
9) 社内資料:肝薬物代謝酵素活性に及ぼす影響(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要へ.2.(3).3))
10) 社内資料:ヒト血漿中代謝物(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要へ.2.(3).1).ⅳ))
11) Cook CS,et al.:Drug Metab Dispos. 2003;31(11):1448-1455
12) 社内資料:排出トランスポーターに関連した薬物相互作用(承認年月日:2016.12.19、CTD2.7.2.2.1.1)
13) 社内資料:健康成人及び腎機能障害患者における薬物動態(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要ト.1.(3).6))
14) 社内資料:健康成人及び肝機能障害患者における薬物動態(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要ト.1.(3).5))
15) 社内資料:薬物動態に及ぼす年齢の影響(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要ト.1.(3).7))
16) 社内資料:慢性心不全患者における薬物動態(承認年月日:2016.12.19、CTD2.7.2.2.2.1)
17) Cook CS,et al.:Xenobiotica. 2004;34(3):215-228
18) 社内資料:薬物相互作用の検討/クラリスロマイシン(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要へ.3.(2).5).(xvi))
19) 社内資料:薬物相互作用の検討/グレープフルーツジュース(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要へ.3.(2).5).(xv))
20) 社内資料:薬物相互作用の検討/セント・ジョーンズ・ワート(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要へ.3.(2).5).(ⅳ))
21) Saruta T,et al.:J Clin Hypertens. 2004;6(4):175-185
22) Weinberger MH,et al.:Am J Hypertens. 2002;15(8):709-716
23) White WB,et al.:Am J Cardiol. 2003;92(1):38-42
24) Flack JM,et al.:J Am Coll Cardiol. 2003;41(7):1148-1155
25) 社内資料:二重盲検法による本態性高血圧症に対する有効性及び安全性(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要ト.4.(1).5))
26) Williams GH,et al.:Am J Cardiol. 2004;93(8):990-996
27) Weinberger MH,et al.:Am Heart J. 2005;150(3):426-433
28) White WB,et al.:Hypertension. 2003;41(5):1021-1026
29) Krum H,et al.:Hypertension. 2002;40(2):117-123
30) Van Mieghem W,et al.:Eur Heart J. 2002;23(Suppl):211
31) 社内資料:長期投与時の有効性及び安全性(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要ト.4.(4).1))
32) Burgess ED,et al.:Clin Ther. 2003;25(9):2388-2404
33) 社内資料:日本人慢性心不全患者を対象とした第3相試験(承認年月日:2016.12.19、CTD2.7.3.2.2、2.7.3.3.2.2)
34) Zannad F,et al.:N Engl J Med. 2011;364(1):11-21
35) de Gasparo M,et al.:J Pharmacol Exp Ther. 1987;240(2):650-656
36) 社内資料:ヒト由来各種ステロイド受容体における特異性(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要ホ.1.(2).1).(ⅲ))
37) 社内資料:降圧作用の作用機序(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要ホ.1.(2).4))
38) 社内資料:脳卒中易発症性自然発症高血圧ラットに対する作用(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要ホ.1.(1).1).(ⅲ))
39) Blasi ER,et al.:Kidney Int. 2003;63(5):1791-1800
40) 社内資料:Dahl食塩感受性ラットに対する作用(承認年月日:2007.7.31、申請資料概要ホ.1.(1).1).(ⅰ))
41) 社内資料:心不全動物モデルにおける作用(承認年月日:2016.12.19、CTD2.6.2.2.1)
42) Suzuki G,et al.:Circulation. 2002;106(23):2967-2972
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