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下記患者における高リン血症の改善
本剤は血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので、食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること。
通常、成人には、沈降炭酸カルシウムとして1日3.0gを3回に分割して、食直後、経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
2週間で効果が認められない場合には、本剤の投与を中止し、リン摂取の制限等、他の適切な治療法に切り替えること。
血中カルシウム濃度の上昇により、心・肺機能をさらに抑制し、症状を増悪させることがある。
カルシウム及びリンの排泄が阻害され血中リン、カルシウム濃度が上昇するおそれがある。
血中カルシウム濃度がさらに上昇し、副作用があらわれやすくなる。,
本剤中の沈降炭酸カルシウムの溶解性が低下し、リンとの結合能が低下するため、効果が期待できない場合がある。
減量するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
テトラサイクリン系抗生物質
ニューキノロン系抗菌剤
本剤のキレート作用により、相互に吸収が低下し、効果が減弱することがある。併用する場合には本剤服用後2時間以上間隔をあけるなど注意すること。
これらの薬剤は、カルシウムと難溶性の塩を生成し、抗生物質の腸管吸収を妨げる。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムポリスチレンスルホン酸カルシウム
これらの薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、慎重に投与すること。
本剤は、無機質の微細な粉末を錠剤としたもので、種々の物質と結合する性質があり、また、二価の金属イオンとしてのキレート作用もある。同時に服用した他の併用薬剤の吸収を阻害することがある。さらに、本剤は、アルカリ性であるため、消化管内のpHを上昇させ、あるいは体内に吸収後に体液のpHを上昇させることが考えられる。
キニジン硫酸塩水和物
本剤は、アルカリ性であるため、消化管内のpHを上昇させ、あるいは体内に吸収後に体液のpHを上昇させることが考えられる。
大量の牛乳
milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれることがある。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
機序は不明である。
活性型ビタミンD剤
高カルシウム血症があらわれやすくなるので、異常が認められた場合には、これらの薬剤又は本剤を減量あるいは投与を中止すること。
活性型ビタミンD製剤はカルシウムの吸収を促進する。
ロキサデュスタット
ロキサデュスタットと併用した場合、ロキサデュスタットの作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上あけて本剤を服用すること。
ロキサデュスタットを酢酸カルシウムと同時投与したところ、ロキサデュスタットのAUCinfが低下した。
0.1〜5%未満
頻度不明
代謝異常
アルカローシス等の電解質失調、高カルシウム血症(血中カルシウム濃度として11mg/dL以上)注)
長期・大量投与
腎結石、尿路結石
消化器
便秘
下痢、悪心、胃酸の反動性分泌等
過敏症
そう痒感
肝臓
Al-P、γ-GTP、LDH、トリグリセライド、ASTの上昇
高リン血症を呈する透析患者(1群30例)を対象に、本剤を炭酸カルシウムとして1日1.5g、3.0g又はプラセボ錠を投与し、血清リン値を指標として二重盲検比較試験を行った結果、有効率は1.5g/日投与群で57.1%(16/28例)、3.0g/日投与群で82.1%(23/28例)を示した1)。また、実薬群では副作用は報告されなかった。
保存期及び透析中の慢性腎不全患者116例を対象に、本剤を炭酸カルシウムとして1日1.0g〜4.5gを投与した結果、血清リン値改善効果(有効以上)は80.0%(84/105例)を示し、本剤投与中の血清リン値は良好にコントロールされた2)。また、副作用として、γ-GTP上昇(2例)、TG上昇、AST上昇、LDH上昇、ALP上昇(各1例)が報告された。
保存期及び透析中の慢性腎不全患者30例を対象に、本剤を炭酸カルシウムとして1日1.5g〜3.0gを6ヵ月間投与した結果、血清リン値改善効果(有効以上)は78.6%(22/28例)を示し、本剤投与中の血清リン値は持続的で安定的にコントロールされた3)。また、副作用として、便秘(1例)が報告された。
炭酸カルシウムは、消化管内で食物由来のリン酸イオンと結合して難溶性のリン酸カルシウムを形成し、腸管からのリンの吸収を抑制することにより、血中リン濃度を低減させる。in vitro試験において、カルタン錠500 1錠(沈降炭酸カルシウムとして500mg)は、317.8mgのリン酸イオンを結合する4)。リン吸収阻害作用はアルミニウムで強く、次いでカルシウム、マグネシウムの順に弱くなるが、アルミニウムは血中に蓄積され重大な副作用をあらわすことから腎不全患者の長期投与には禁忌とされている。なお、本剤の薬理効果は、胃液の酸度、食事内容(特にマグネシウム等の無機イオン)等により影響を受けることが知られている。
カルタンOD錠500mgとカルタン錠500を、それぞれ6錠(沈降炭酸カルシウムとして3.0g)健康成人男子(水なし19名、水あり20名)にリン負荷(高リン食摂取)後に経口単回投与し、無投与群を含む3群に対し、累積尿中リン排泄量を測定した。得られたパラメータ(Ae)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。
Ae0-10h(mg)
カルタンOD錠500mg
793.9±238.3
カルタン錠500
769.5±181.6
無投与
1012.6±215.1
Ae:累積尿中リン排泄量 (mean±SD、n=19)
796.1±114.7
835.9±138.4
992.2±171.7
Ae:累積尿中リン排泄量 (mean±SD、n=20)
尿中リン排泄量並びにAe等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
沈降炭酸カルシウム(Precipitated Calcium Carbonate)
Calcium Carbonate
CaCO3
100.09
白色の微細な結晶性の粉末で、におい及び味はない。水にほとんど溶けないが、二酸化炭素が存在すると溶解性を増す。エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希酢酸、希塩酸又は希硝酸に泡立って溶ける。
1) 鈴木正司ほか:腎と骨代謝. 1996;9(4):461-477
2) 鈴木正司ほか:薬理と臨床. 1997;7(2):125-139
3) 井上聖士:薬理と臨床. 1997;7(2):111-123
4) 社内資料:薬効薬理資料
5) 社内資料:生物学的同等性試験(カルタンOD錠500mg)
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