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気管支喘息治療における長期管理の基本は、吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の使用であり、吸入ステロイド剤等により症状の改善が得られない場合、あるいは患者の重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された場合にのみ、本剤と吸入ステロイド剤等を併用して使用すること。
通常、成人1回1錠、1日2回経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。
通常、小児に対し、ドライシロップとして、1日40mg/kg(ツロブテロール塩酸塩として0.04mg/kg)を2回に分け、用時溶解して経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。なお、標準投与量は、通常、下記の用量を1日2回に分け、用時溶解して経口投与する。
年齢
ドライシロップとして1日量(ツロブテロール塩酸塩として1日量)
0.5~3歳未満3~9歳未満9~15歳
0.25~0.5g(0.25~0.5mg)0.5~1g(0.5~1mg)1~2g(1~2mg)
症状が増悪するおそれがある。
血圧が上昇することがある。
心悸亢進、不整脈等があらわれることがある。
糖代謝が亢進し、血中グルコースが増加するおそれがある。
血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
カテコールアミン製剤
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。
本剤及びカテコールアミン製剤はともに交感神経刺激作用を持つ。
キサンチン誘導体
低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。
本剤及びキサンチン誘導体はともに細胞内へのカリウム移行作用を持つ。
ステロイド剤
ステロイド剤及び利尿剤は尿中へのカリウム排泄を増加させる。
利尿剤
キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。,
0.1~5%未満
0.1%未満
過敏症
そう痒感、発疹等
循環器
心悸亢進、顔面紅潮等
不整脈等
精神神経系
振戦、めまい、頭痛等
全身倦怠感、熱感、不眠等
消化器
嘔気・悪心、胃不快感、食欲不振等
下痢、嘔吐等
その他
口渇
CK上昇
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、 更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人10例に錠剤(ツロブテロール塩酸塩2mg)を単回経口投与したとき、血清中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。注)本剤の承認された1回用量は1mgである。
投与量(mg)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
AUC0~10(ng・hr/mL)
T1/2(hr)
2
6
3
30.5
3.19
小児患者(6歳5ヵ月~11歳10ヵ月)5例にドライシロップ剤20mg/kg(ツロブテロール塩酸塩0.02mg/kg)を空腹時単回経口投与したときの血中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。
投与量(mg/kg)
0.02
4.46
1
3.56
14C-ツロブテロール塩酸塩10mg/kgを経口投与したとき、組織内分布は、肝臓、消化管、腎臓で高濃度であり、肺にも若干の移行が認められた。また、気管では長時間にわたり一定量が持続した(ラット)3)。
ヒト血清での血清蛋白結合率は28.1%であった4)(in vitro)。
健康成人3例に錠剤(ツロブテロール塩酸塩1mg)を単回経口投与したときの尿中代謝物について検討した結果、未変化体、3-hydroxy体、4-hydroxy体、4-hydroxy-5methoxy体、5-hydroxy体及びそれらの抱合体が認められた5)。
健康成人男子に本剤1mg(1例)、2mg(3例)、4mg(3例)を経口投与した後の尿中未変化体の割合は48時間までにそれぞれ2.74%、4.14%、5.18%であった6)。
気管支喘息を除く16歳以上の慢性気管支炎、肺気腫、珪肺症及び塵肺症患者57例を対象とした本剤1mg/日(本剤1mg及びプラセボ、朝夕、20例)、本剤2mg/日(1mg/回、朝夕、19例)及びプラセボ(18例)の3群での二重盲検比較試験(頓用試験(60分後、120分後に効果判定)並びに連用試験(1週間後に効果判定))における総合評価について、頓用試験で「中等度改善」以上を示した有効率はそれぞれ17.7%、21.0%、5.6%、「軽度改善」以上を示した有効率はそれぞれ70.6%、63.1%、27.8%であった。また、連用試験で「中等度改善」以上を示した有効率はそれぞれ21.1%、36.8%、5.6%、「軽度改善」以上を示した有効率はそれぞれ73.7%、63.1%、50.0%であった。副作用発現率は、頓用試験で1mg/日群5.9%(1/17例)、2mg/日10.5%(2/19例)、連用試験で1mg/日群15.8%(3/19例)、2mg/日群 10.5%(2/19例)であった。発現した事象は頓用試験1mg/日群でめまい5.9%(1/17例)、2mg/日群で心悸亢進、不整脈、全身倦怠感がそれぞれ5.3%(1/19例)、連用試験1mg/日群で心悸亢進、振戦、頭痛がそれぞれ5.3%(1/19例)、2mg/日群で心悸亢進、振戦がそれぞれ5.3%(1/19例)であった7)。
成人気管支喘息患者178例を対象とした本剤4mg/日(2mg/回、朝夕、59例)、メタプロテレノール剤60mg/日(20mg/回、朝昼夕、60例)、及びプラセボ(59例)の3群での二重盲検比較試験(頓用試験(30分後、60分後に効果判定))並びに本剤(67例)及び他剤(76例)による連用試験(1週間後に効果判定)における全般改善度評価について、頓用試験で「中等度改善」以上を示した有効率はそれぞれ50.8%、38.3%、10.2%、「軽度改善」以上を示した有効率はそれぞれ69.5%、63.3%、35.6%であった。また、連用試験で「中等度改善」以上を示した有効率はそれぞれ26.9%、27.6%、「軽度改善」以上を示した有効率はそれぞれ61.2%、53.9%であった。副作用発現率は、頓用試験で22.0%(13/59例)、連用試験で17.7%(11/62例)であった。発現した事象は、頓用試験で動悸15.3%(9/59例)、手指振戦5.1%(3/59例)、口渇3.4%(2/59例)、顔面紅潮、頭痛、鼻血がそれぞれ1.7%(1/59例)、連用試験で手指振戦8.1%(5/62例)、動悸6.5%(4/62例)、嗄声、頭痛、頭重、胃痛、胃部不快感、めまいがそれぞれ1.6%(1/62例)であった8)。
承認時における有効性評価の臨床成績は以下の通りであった9),10),11)。
疾患名
改善率(%)
中等度改善以上
軽度改善以上
急性気管支炎
72.8(150/206例)
91.7(189/206例)
15歳未満の乳幼児並びに小児を対象としたドライシロップ剤の一般臨床試験での有効性評価対象例は429例であり、その臨床成績は以下のとおりであった12),13),14),15),16),17)。一般臨床試験における副作用発現率は1.4%(4/295)であった。発現した事象は、動悸0.7%(2/295例)、手指振戦0.3%(1/295例)、嘔気0.3%(1/295例)であった12),13),14),15),16),17),18)。
気管支喘息急性気管支炎喘息性気管支炎
62.2( 97/156例)61.8( 94/152例)69.4( 84/121例)
83.3(130/156例)86.8(132/152例)92.6(112/121例)
計
64.1(275/429例)
87.2(374/429例)
気管支平滑筋のβ2受容体に作用し、β2受容体と密接に関係のある酵素adenyl cyclaseを賦活化する。それにより細胞内のATPがcyclic AMPに変化し、気管支拡張作用を示す。
ツロブテロール塩酸塩はヒスタミン、アセチルコリン噴霧による喘息及びegg albumin噴霧によるアレルギー喘息を抑制し、その効力はイソプロテレノール、サルブタモール及びクロルプレナリンよりも強かった(モルモット)21)。
ツロブテロール塩酸塩はヒスタミンによる気道狭窄を抑制し、その効力はサルブタモールと同等であった。またその作用は12時間近く持続した(イヌ)。
ツロブテロールは気管筋弛緩作用及び心筋興奮作用を示すが、その気管筋に対する作用選択性(β2受容体に対する選択性)はイソプロテレノール、サルブタモール、プロカテロール、フェノテロールに比し高いことが認められた22)(in vitro)。
ツロブテロール塩酸塩は気管繊毛運動促進作用(ハト)及び鎮咳作用(イヌ)を示した21)。
ツロブテロール塩酸塩(Tulobuterol hydrochloride)
(1RS)-1-(2-Chlorophenyl)-2-(1,1-dimethylethyl)aminoethanol monohydrochloride
C12H18ClNO・HCl
264.19
白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノールに極めて溶けやすく、水、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸にやや溶けにくい。水溶液(1→20)は旋光性を示さない。
約163℃
100錠[10錠(PTP)×10]
100g[ポリ瓶、乾燥剤入り]
1) Matsumura K,et al.:J Chromatogr. 1982;230:148-153
2) 田島公夫ほか:小児科臨床. 1983;36(2):349-356
3) 上坂征夫ほか:医薬品研究. 1976;7(4):548-557
4) 社内資料:ヒトにおける蛋白結合率(承認年月日:1981.5.1、申請資料概要Ⅸ.6)
5) Matsumura K,et al.:J Chromatogr. 1981;222:53-60
6) 社内資料:ヒトにおける尿中排泄(承認年月日:1981.5.1、申請資料概要Ⅸ.4.(1)③)
7) 塩田憲三ほか:臨床と研究. 1978;55(3):868-878
8) 川上保雄ほか:薬理と治療. 1978;6(3):835-853
9) 足立満ほか:Prog Med. 1986;6(10):2850-2859
10) 高瀬恵一郎ほか:Prog Med. 1986;6(10):2869-2876
11) 杉山幸比古ほか:薬理と治療. 1986;14(8):5381-5387
12) 野呂忠夫ほか:現代の診療. 1981;23(6):861-867
13) 山田耕一郎ほか:基礎と臨床. 1981;15(12):6017-6020
14) 平谷美智夫ほか:Prog Med. 1981;1(1):156-160
15) 一色保夫:小児科臨床. 1982;35(1):197-202
16) 高嶋章ほか:Prog Med. 1983;3(1):113-119
17) 岡洋瑚ほか:現代の診療. 1983;25(6):809-813
18) 南場一郎ほか:現代の診察. 1978;20(4):509-513
19) 渡辺勝之延:現代の診療. 1983;25(2):325-329
20) 古賀龍夫ほか:医学と薬学. 1981;6(5):1385-1390
21) Kubo S,et al.:Arzneimittelforschung. 1975;25(7):1028-1037
22) 垣内正人ほか:薬理と治療. 1996;24(4):779-788
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