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処方箋医薬品注)
膵外分泌機能不全における膵消化酵素の補充
非代償期の慢性膵炎、膵切除、膵嚢胞線維症等を原疾患とする膵外分泌機能不全により、脂肪便等の症状を呈する患者に投与すること。
通常、パンクレリパーゼとして1回600mgを1日3回、食直後に経口投与する。なお、患者の状態に応じて、適宜増減する。
用法及び用量の調整に際しては、患者の年齢、体重、食事量、食事内容、食事回数等を考慮すること。,
海外において、高用量のパンクレアチン製剤を服用している膵嚢胞線維症の患者で、回盲部及び大腸の狭窄(線維化性結腸疾患)が報告されているので、観察を十分に行い、異常な腹部症状又は腹部症状の変化があった場合には、適切な処置を行うこと。特に膵嚢胞線維症による膵外分泌機能不全患者に対し、1日体重1kg当たりパンクレリパーゼとして150mg(1/2包又は1カプセル)を超えた用量を投与する場合は注意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
1~5%未満
頻度不明
過敏症
そう痒感
発疹、蕁麻疹
血液
白血球数増加
肝臓
AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、ALP上昇、肝機能異常
消化器
悪心、嘔吐、腹部膨満、鼓腸、下痢、便秘、食欲不振、腹痛
臨床検査
BUN上昇、血中カリウム増加、血中コレステロール減少、血中トリグリセリド増加、血中ブドウ糖増加、尿中ブドウ糖陽性、血中アミラーゼ増加
その他
倦怠感、高血糖、低血糖、糖尿病、体重減少、背部痛、発熱、鼻咽頭炎、高血圧
海外において、極めて高用量のパンクレアチン製剤で、高尿酸尿症及び高尿酸血症を生じることが報告されている1),2)(本剤を含む膵消化酵素製剤はプリン体を含有している)。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤は砕いたり、噛んだりしないこと。腸溶コーティングの保護が破壊され、口腔粘膜を刺激したり、酵素活性が失われたりする。また、本剤が口内に残らないよう注意すること。
非代償期の慢性膵炎又は膵切除を原疾患とする膵外分泌機能不全患者を対象とした二重盲検比較試験(7日間投与)において、パンクレリパーゼ投与前後の脂肪吸収率の差は、プラセボ群で8.5±27.5%、パンクレリパーゼ1,800mg/日群で27.4±19.6%と脂肪吸収率の改善が認められた。副作用発現頻度はプラセボ群16.1%(5/31例)、パンクレリパーゼ1,800mg/日群で18.2%(6/33例)であった3)。
投与群
例数
投与前
投与後
差
プラセボ群
30例
50.2±20.7
58.7±22.7
8.5±27.5
1,800mg/日群
32例
50.8±16.0
78.2±14.7
27.4±19.6
平均値±標準偏差
非代償期の慢性膵炎又は膵切除を原疾患とする膵外分泌機能不全患者を対象とした長期投与試験において、79例にパンクレリパーゼ(900~3,600mg/日注))を最大52週間にわたり投与した時、BMI、血清総蛋白、アルブミン、プレアルブミン、総コレステロール、トランスフェリン、レチノール結合蛋白の各栄養評価項目は改善・維持される傾向が認められた。副作用発現頻度は47.5%(38/80例)であった。主な副作用は、便秘5例(6.3%)、下痢4例(5.0%)、悪心4例(5.0%)、発熱4例(5.0%)、鼻咽頭炎4例(5.0%)、糖尿病4例(5.0%)であった4)。
膵嚢胞線維症を原疾患とする膵外分泌機能不全患者5例(6~16歳)に対して、患者の体重(体重の中央値24.1kg:15.0~45.5kg)から計算したパンクレリパーゼ約640~1,730mg/日(リパーゼ活性:2,500FIP単位/kg/日)を開始用量として1週間投与し、3週後まで1週間毎に投与量を増量し、各患者の至適用量(60~139mg/kg)である900~3,600mg/日注)を48週間投与した結果、いずれの症例も脂肪吸収率の改善が認められた。治療期間中、1例に肛門潰瘍の副作用が認められた5)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、パンクレリパーゼとして1回600mgを1日3回、食直後に経口投与する。なお、患者の状態に応じて、適宜増減する。」である。
パンクレリパーゼは、リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼを含むブタ膵臓由来の消化酵素である。消化管内において脂肪、蛋白質及びデンプンを分解し、消化吸収率を増加させる6)。膵酵素は胃内で失活することから、本製剤は耐酸性を持たせ、胃内での酵素の失活を防ぐために腸溶性剤皮が施されている7)。
膵管を結紮した膵外分泌機能不全ミニブタ及び膵管を結紮しなかったミニブタに、高脂肪食300g(1回給餌あたり脂肪75.4g、蛋白質36.2g及びデンプン92.7g;飼料分析に基づく値)を1日2回与え、脂肪、蛋白質及びデンプンの消化吸収に及ぼす本剤の混餌投与による効果について検討した。糞便検体から算出された各栄養素の消化吸収率は、下表のとおりであり、本剤により、脂肪及び蛋白質の消化吸収率の用量依存的な増加が認められたが、デンプンの消化吸収率に対する影響は認められなかった6)。
膵管結紮a)
膵管非結紮b)
本剤c)0g
本剤0.53gd)
本剤2.12ge)
本剤6.35gf)
本剤0g
脂肪
22.15±5.28
55.67±5.17
66.64±6.83
74.10±5.98
91.38±2.88
蛋白質
43.72±8.38
57.00±3.73
67.15±4.82
78.90±3.65
87.28±2.42
デンプン
98.64±0.90
99.69±0.13
99.69±0.09
99.80±0.12
99.72±0.06
平均値±標準偏差a)n=6b)n=3c)n=5(摂餌を拒絶した1例を除外)d)1回の摂餌あたりリパーゼ25,043FIP単位、プロテアーゼ1,581FIP単位及びアミラーゼ24,450FIP単位e)1回の摂餌あたりリパーゼ100,172FIP単位、プロテアーゼ6,324FIP単位及びアミラーゼ97,800FIP単位f)1回の摂餌あたりリパーゼ300,044FIP単位、プロテアーゼ18,942FIP単位及びアミラーゼ292,938FIP単位
パンクレリパーゼ(Pancrelipase)
淡褐色の粉末である。
120包[0.5g×120]
120カプセル[12カプセル(PTP)×10]
1) Stapleton FB,et al.:N Engl J Med. 1976;295(5):246-248
2) Niessen KH,et al.:J Pediatr Gastroenterol Nutr. 1982;1(3):349-354
3) 社内資料:慢性膵炎非代償期又は膵切除による膵外分泌機能不全患者を対象にした二重盲検比較試験(承認年月日:2011.4.22、CTD2.7.6.4.5)
4) 社内資料:慢性膵炎非代償期又は膵切除による膵外分泌機能不全患者を対象にした長期投与試験(承認年月日:2011.4.22、CTD2.7.6.4.6)
5) 社内資料:嚢胞性線維症による膵外分泌機能不全患者を対象にした一般臨床試験(承認年月日:2011.4.22、CTD2.7.6.3.2)
6) 社内資料:ミニブタ膵外分泌機能不全モデルにおける高脂肪食摂取時の消化吸収に対する作用(承認年月日:2011.4.22、CTD2.6.2.2.1)
7) 社内資料:起原又は発見の経緯及び開発の経緯(承認年月日:2011.4.22、CTD1.5.1.1)
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