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本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
飲水療法及び尿アルカリ化療法で、尿中シスチン濃度の飽和溶解度(一般に250mg/L)未満に保てない場合に、本剤の使用を検討すること。1日尿量2.5Lの場合、1日尿中シスチン排泄量の目安は600mgである。
チオプロニンとして、通常成人1回100mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
チオプロニンとして1回100~200mgを1日1~2回経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減してもよい。
チオプロニンとして1回100~200mgを1日3回経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減してもよい。
チオプロニンとして、通常、成人には1回100mgから開始し、1日4回(食後および就寝前)経口投与する。最大量は1回500mg(1日2,000mg)とする。通常、小児には1日量として100mgから開始し、最大量として1日40mg/kgとする。ただし、成人最大量(1日2,000mg)を超えないものとする。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
減量するなど注意すること。一般に肝・腎機能が低下していることが多い。
AST・ALT・ALP・ビリルビン等の異常があらわれることがある。
,
関節リウマチ患者等に大量投与した場合、重症筋無力症、多発性筋炎があらわれたとの報告がある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
そう痒感、発疹
発熱、皮膚の発赤
-
皮膚
麻疹様皮疹
扁平苔癬
血液
汎血球減少、白血球減少、血小板減少等の血液障害
消化器
食欲不振、悪心・嘔吐
腹痛、下痢
肝臓
AST・ALT・ALP上昇等の肝機能障害
その他
倦怠感
味覚異常、インスリン自己免疫症候群、手足のしびれ感
ニトロプルシド反応の原理により尿中ケトン体反応が偽陽性を呈することがある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健常成人男性5例にチオプロニン400mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは下表のとおりであった。24時間後には定量限界(10ng/mL)未満となった11)。
Cmax (ng/mL)
Tmax (hr)
T1/2 (hr)
AUC0-∞ (ng・hr/mL)
2605.5±845.8
1.1±0.4
1.2±0.1
4008.2±366.2
平均値±標準偏差、n=5
ラットに35S-チオプロニンを腹腔内投与すると、腎臓、横隔膜、膵臓、副腎、精巣上体脂肪組織、肝臓、脾臓への移行率が高かった。また、投与24時間後の組織残留量は、腎臓、小腸を除き、無視し得る程度であった12)。
健常成人男性5例にチオプロニン400mgを単回経口投与したとき、投与後24時間までに投与量の約50%がチオプロニン及びチオプロニンを含有するジスルフィドとして尿中へ排泄された11)。ラットに35S-チオプロニン50mg/kgを経口投与したとき、72時間後までに尿中に78%、糞中に13%が排泄され、尿中には酸化型チオプロニンを含めて5個の代謝産物が検出された12)。
慢性肝炎76例を対象に、チオプロニン又はプラセボを1日600mg(分3)投与した二重盲検試験の結果、主治医による有用度判定ではプラセボ群の有用率は41.5%(37/38)に対しチオプロニンの有用率は56.6%(43/76)であり、プラセボ投与群に比べ有意差が認められた(P<0.001対比検定)。主な副作用は発疹、発熱等であった13)。注)本剤の承認された成人用量は1日300mgである。
ヘモジデリン沈着の肝障害11例に対し、7例に尿中への排泄鉄量の増加、6例に血清鉄の正常化及び減少が認められ、肝生検所見も改善された。副作用は頭重感(1例)であった14)。
フェノチアジン系薬剤療法に伴う薬物性肝障害に対する有効率は86.7%(26/30)であった15)。
腫瘍性疾患85例を対象にチオプロニン(静脈内または筋肉内)投与を行ったところ、抗腫瘍剤(シクロフォスファミド)による肝障害に対しても肝保護作用を示した16)。
初期老人性皮質白内障患者(本剤139眼、プラセボ136眼)を対象に、1日300mg(分3)を1年間投与した二重盲検試験の結果、本剤投与群はプラセボ投与群と比較し細隙灯顕微鏡所見において有意(P=0.006)に水晶体混濁の進行を抑制し、総合判定も有意(P=0.008)に優れていた。本剤投与群76例中5例に副作用が認められ、主な副作用は発疹、胃部不快感(各2例)であった17)。
人体水銀蓄積患者に、チオプロニン1日600mg(分3)を6ヵ月間投与した水銀尿中排泄効果は、投与前に比べ約3~6倍の増加がみられ、臨床的にアルキル水銀の尿中への排泄促進効果を著しく増加させた18),19),20)。注)本剤の承認された用量は1日400mgである。
尿中シスチン排泄量が600mg/日を超えるシスチン尿症患者(有効性評価対象16例)を対象に、チオプロニンを1日400~2,000mg(分4)24週間投与した結果、尿中シスチン排泄量は無投与時(901.48±162.55mg/日)に比べ、投与期には488.60±111.48mg/日(2週と24週平均値)と有意に低下(P<0.01)し、その低下量に用量依存性がみられた。安全性評価対象22例中副作用は6例13件に認められ、主な副作用はそう痒感、かぜ症状群(各2件)等であった21)。
チオプロニンは肝臓における過酸化脂質の生成抑制並びに肝疾患に伴う代謝障害改善によって肝細胞障害に対して保護作用を示すと考えられる22),23),24)。
チオプロニンは膜機能障害あるいはタンパク質凝集などの白内障進行の原因となる各種の変化を抑制することにより、白内障の進行を防止するものと考えられる25)。
チオプロニンは水銀と可溶性の安定なキレートを形成し、水銀排泄を促進させる26)。
チオプロニンは分子内にSH基を有し、このSH基とシスチンのジスルフィド部分(S-S部分)がSS-SH交換反応を起こすことから、シスチン尿症の結石形成の原因となる難溶性のシスチンを易溶性のシスチン-チオプロニン複合体とシステインに変換され、尿中シスチン排泄量が低下すると考えられている27),28)。
チオプロニンは、牛水晶体蛋白の凝集を抑制した。さらに、ナフタリン及びジニトロフェノールによる家兎の実験的白内障の発症を遅延させた25),29)。
チオプロニンは、ラット及びヒトの体内で重金属と結合して重金属解毒作用をあらわし、特に水銀の排泄促進効果を示した18),30),31)。
チオプロニンは、水溶液(pH7.4、25℃)中でシスチンと化学反応し、シスチン濃度を低下させた27),28)。
チオプロニン(Tiopronin)
N-(2-mercaptopropionyl)glycine
C5H9NO3S
163.20
白色の結晶又は結晶性の粉末で、特異なにおいがあり、酸味がある。水又はエタノール(95)に溶けやすく、酢酸エチルにやや溶けにくく、ジエチルエーテル又はクロロホルムに溶けにくい。アンモニア試液又はpH5.0の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液に溶ける。
96~99℃
本剤は高温・高湿を避けて保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
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