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オーラ注歯科用カートリッジ1.0mL/オーラ注歯科用カートリッジ1.8mL

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

オーラ注歯科用カートリッジ1.0mL/オーラ注歯科用カートリッジ1.8mL

添付文書番号

2710803U1044_2_06

企業コード

671610

作成又は改訂年月

2024年1月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87271

薬効分類名

歯科用局所麻酔剤

承認等

オーラ注歯科用カートリッジ1.0mL

販売名コード

YJコード

2710803U2032

販売名英語表記

ORA Injection Dental Cartridge 1.0mL

販売名ひらがな

おーらちゅうしかようかーとりっじ

承認番号等

承認番号

22100AMX01485000

販売開始年月

1996年11月

貯法・有効期間

貯法

凍結を避けて15℃以下に保存

有効期間

3年

オーラ注歯科用カートリッジ1.8mL

販売名コード

YJコード

2710803U1044

販売名英語表記

ORA Injection Dental Cartridge 1.8mL

販売名ひらがな

おーらちゅうしかようかーとりっじ

承認番号等

承認番号

22100AMX01486000

販売開始年月

1990年9月

貯法・有効期間

貯法

凍結を避けて15℃以下に保存

有効期間

3年

一般的名称

リドカイン塩酸塩・アドレナリン酒石酸水素塩注射剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

オーラ注歯科用カートリッジ1.0mL

1管(1.0mL)中
有効成分(日局)リドカイン   20mg(リドカイン塩酸塩として)
アドレナリン酒石酸水素塩   0.025mg
添加剤ピロ亜硫酸ナトリウム   0.6mg
塩化ナトリウム   6.5mg
pH調節剤   適量

オーラ注歯科用カートリッジ1.8mL

1管(1.8mL)中
有効成分(日局)リドカイン   36mg(リドカイン塩酸塩として)
アドレナリン酒石酸水素塩   0.045mg
添加剤ピロ亜硫酸ナトリウム   1.08mg
塩化ナトリウム   11.7mg
pH調節剤   適量

3.2 製剤の性状

本剤は無色澄明の液である。

オーラ注歯科用カートリッジ1.0mL

pH3.0~4.5
浸透圧比1.2~1.3
(生理食塩液に対する比)

オーラ注歯科用カートリッジ1.8mL

pH3.0~4.5
浸透圧比1.2~1.3
(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

歯科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔

6. 用法及び用量

浸潤麻酔又は伝達麻酔には、通常成人0.3~1.8mLを使用する。口腔外科領域の麻酔には3~5mLを使用する。
なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減するが、増量する場合には注意すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。
  2. 8.2 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、以下の点に留意すること。
    1. 8.2.1 患者の全身状態の観察を十分に行うこと。
    2. 8.2.2 できるだけ必要最少量にとどめること。
    3. 8.2.3 血管の多い部位(顔面等)に注射する場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を投与すること。
    4. 8.2.4 注射針が、血管に入っていないことを確かめること。
    5. 8.2.5 注射の速度はできるだけ遅くすること。
    6. 8.2.6 前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、これらの薬剤を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい。なお、高齢者、小児、全身状態が不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行うこと。,,
  3. 8.3 注射針が適切に位置していないなどにより、神経障害が生じることがあるので、穿刺に際し異常を認めた場合には本剤の注入を行わないこと。
  4. 8.4 本剤の投与により、誤嚥・口腔内咬傷の危険性を増加させるおそれがあるので注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。これらの症状が悪化するおそれがある。
    1. (1) 高血圧のある患者
    2. (2) 動脈硬化のある患者
    3. (3) 心不全のある患者
    4. (4) 甲状腺機能亢進のある患者
    5. (5) 糖尿病のある患者
    6. (6) 血管攣縮の既往のある患者
  2. 9.1.2 心刺激伝導障害のある患者

    症状を悪化させることがある。

  3. 9.1.3 全身状態が不良な患者

    生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重症の腎機能障害のある患者

    中毒症状が発現しやすくなる。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重症の肝機能障害のある患者

    中毒症状が発現しやすくなる。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。また、本剤に含まれているアドレナリンの作用に対する感受性が高いことがある。

10. 相互作用

  • 本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2及びCYP3A4で代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
  • ハロゲン含有吸入麻酔薬
    • ハロタン等

頻脈、不整脈、場合によっては心停止を起こすことがある。

これらの薬剤は、心筋のアドレナリン受容体の感受性を亢進させる。

  • 三環系抗うつ薬
    • イミプラミン等
  • MAO阻害薬

血圧上昇を起こすことがある。

これらの薬剤は、アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを阻害し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させ、アドレナリン作動性神経刺激作用を増強させる。

  • 非選択性β遮断薬
    • プロプラノロール等

血管収縮、血圧上昇、徐脈を起こすことがある。

これらの薬剤のβ受容体遮断作用により、アドレナリンのα受容体刺激作用が優位になり、血管抵抗性を上昇させる。

  • 抗精神病薬(ブチロフェノン系、フェノチアジン系等)
    • ハロペリドール
    • クロルプロマジン等
  • α遮断薬

過度の血圧低下を起こすことがある。

これらの薬剤のα受容体遮断作用により、アドレナリンのβ受容体刺激作用が優位になり、血圧低下があらわれる。

  • 分娩促進薬
    • オキシトシン等
  • 麦角アルカロイド類
    • エルゴメトリン等

血圧上昇を起こすことがある。

併用により血管収縮作用が増強される。

  • クラスIII抗不整脈薬
    • アミオダロン等

心機能抑制作用が増強するおそれがある。

作用が増強することが考えられる。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック(頻度不明)

    徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告がある。

  2. 11.1.2 意識障害、振戦、痙攣(いずれも頻度不明)

    意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  3. 11.1.3 異常感覚、知覚・運動障害(いずれも頻度不明)

    注射針の留置時に神経に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的な異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害等の神経学的疾患があらわれることがある。

  4. 11.1.4 悪性高熱(頻度不明)

    まれに原因不明の頻脈・不整脈・血圧変動、急激な体温上昇、筋強直、血液の暗赤色化(チアノーゼ)、過呼吸、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、ミオグロビン尿(ポートワイン色尿)等を伴う重篤な悪性高熱があらわれることがある。本剤を投与中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに投与を中止し、ダントロレンナトリウムの静注、全身冷却、純酸素による過換気、酸塩基平衡の是正等、適切な処置を行うこと。また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること。

11.2 その他の副作用

頻度不明

中枢神経1)

眠気、不安、興奮、霧視、眩暈、頭痛等

循環器

動悸、頻脈、血圧上昇等

消化器1)

悪心・嘔吐等

過敏症

蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等

投与部位

潰瘍、壊死等

1) このような症状があらわれた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがあるので、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。

13. 過量投与

局所麻酔薬の血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。特に誤って血管内に投与した場合には、数分以内に発現することがある。その症状は、主に中枢神経系及び心血管系の症状としてあらわれる。

  1. 13.1 症状
    1. 13.1.1 中枢神経系の症状

      初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。

    2. 13.1.2 心血管系の症状

      血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。

  2. 13.2 処置

    振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。

14. 適用上の注意

14.1 使用回数

本剤は一回限り使用のディスポーザブル製剤であるので、再度の使用は避けること。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 使用前にカートリッジの頭部(アルミキャップ)をアルコール綿等で消毒すること。
  2. 14.2.2 本剤は金属を侵す性質があるので、長時間注射針に接触させないことが望ましい。
  3. 14.2.3 強圧がかかると組織の損傷又はカートリッジの破損あるいは液漏れを生じることがあるのでゆっくり注射すること。
  4. 14.2.4 注射器は専用の注射器を使用すること。
  5. 14.2.5 カートリッジのラベルに約0.2mLを示す目盛があるので、使用量の目安となる。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

リドカイン塩酸塩は、知覚受容器及び第一次ニューロンでの神経インパルスの伝達を遮断することにより局所麻酔作用を現す1)。主な作用点は細胞膜である2)。浸潤、伝達麻酔の強さはプロカインの2~4倍である3)
アドレナリンは、血管を収縮させることによりリドカイン塩酸塩の局所からの吸収を抑制し、局所麻酔の作用時間を延長させる4),5)

18.2 局所麻酔効果

健康成人10名にオーラ注歯科用カートリッジ1.0mLと歯科用キシロカインカートリッジを上顎中切歯の根尖相当部の可動粘膜に傍骨膜注射を行い、電気歯髄診断器を用いて刺激度数を測定し比較した。その結果、両製剤とも同様の局所麻酔効果を示し、両製剤の間に有意な差は認められなかった6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1 リドカイン
本剤は(日局)リドカインに対応量の塩酸を加えて製したものであるので、リドカインの理化学的知見を記載する。

一般的名称

リドカイン(Lidocaine)

化学名

2-Diethylamino-N-(2,6-dimethylphenyl)acetamide

分子式

C14H22N2O

分子量

234.34

性状

白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、酢酸(100)又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。

化学構造式

融点

66~69℃

19.2 アドレナリン酒石酸水素塩

一般的名称

アドレナリン酒石酸水素塩(Adrenaline bitartrate)

化学名

(R)-1-(3,4-dihydroxyphenyl)-2-(methylamino)ethanol hydrogentartrate

分子式

C9H13NO3・C4H6O6

分子量

333.29

性状

白色~灰白色の結晶性の粉末で、においはない。水に溶けやすく、エタノールに溶けにくく、ジエチルエーテル又はクロロホルムにほとんど溶けない。空気又は光によって徐々に褐色となる。

化学構造式

融点

147~152℃(分解)

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 凍結するとゴム栓の飛び出し、又はカートリッジが破損することがあるので注意すること。
  2. 20.2 アルミピロー包装開封後は遮光して保存すること。
  3. 20.3 廃棄の際は感染防止に十分配慮すること。

22. 包装

1.0mL×50管(カートリッジ)
1.8mL×50管(カートリッジ)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

株式会社ジーシー昭和薬品

〒113-0033 東京都文京区本郷一丁目28番34号

TEL:0120-648-914
〈受付時間〉9:00~17:30(土・日・祝日・弊社休日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

株式会社ジーシー昭和薬品

東京都板橋区蓮沼町76番1号



〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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