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劇薬
処方箋医薬品注)
歯科領域及び口腔外科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔
歯科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔の場合、通常、成人には0.5~2.5mL(アルチカイン塩酸塩として20~100mg、アドレナリン酒石酸水素塩として0.009~0.045mg)、口腔外科領域における局所麻酔の場合、通常、成人には1.0~5.1mL(アルチカイン塩酸塩として40~204mg、アドレナリン酒石酸水素塩として0.018~0.0918mg)を使用する。なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減するが、増量する場合には注意すること。
症状を悪化させることがある。
生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。
中毒症状が発現しやすくなる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
国内において小児等を対象とした臨床試験は実施していない。海外において4歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。また、本剤に含まれているアドレナリンの作用に対する感受性が高いことがある。
ハロゲン含有吸入麻酔薬
頻脈、不整脈、場合によっては心停止を起こすことがある。
これらの薬剤は、心筋のアドレナリン受容体の感受性を亢進させる。
三環系抗うつ薬
MAO阻害薬
血圧上昇を起こすことがある。
これらの薬剤は、アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを阻害し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させ、アドレナリン作動性神経刺激作用を増強させる。
非選択性β遮断薬
血管収縮、血圧上昇、徐脈を起こすことがある。
これらの薬剤のβ受容体遮断作用により、アドレナリンのα受容体刺激作用が優位になり、血管抵抗性を上昇させる。
抗精神病薬(ブチロフェノン系、フェノチアジン系等)
α遮断薬
過度の血圧低下を起こすことがある。
これらの薬剤のα受容体遮断作用により、アドレナリンのβ受容体刺激作用が優位になり、血圧低下があらわれる。
分娩促進薬
麦角アルカロイド類
併用により血管収縮作用が増強される。
クラスⅢ抗不整脈薬
心機能抑制作用が増強するおそれがある。
作用が増強することが考えられる。
徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告がある。
意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注射針の留置時に神経に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的な異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害等の神経学的疾患があらわれることがある。
頻度不明
中枢神経注1)
眠気、不安、興奮、霧視、眩暈、頭痛
循環器
動悸、頻脈、血圧上昇
消化器注1)
悪心・嘔吐
過敏症
蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫
投与部位
潰瘍、壊死
局所麻酔薬の血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。特に誤って血管内に投与した場合には、数分以内に発現することがある。その症状は、主に中枢神経系及び心血管系の症状としてあらわれる。
初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。
血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。
振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。
本品は一回限り使用のディスポーザブル製剤であるので、再度の使用は避けること。
日本人健常成人男性を対象に、1.7mL(1カートリッジ)又は5.1mL(3カートリッジ)を単回口腔粘膜下投与したときのアルチカインの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータはそれぞれ以下のとおりであった1)。
投与量
評価例数
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)a)
AUC(h・ng/mL)
t1/2(h)
1.7mL(アルチカイン塩酸塩68mg)
6
374.35±97.65
0.25(0.25, 0.25)
361.10±116.10
0.753±0.210
5.1mL(アルチカイン塩酸塩204mg)
694.00±175.23
0.5(0.25, 0.5)
924.27±231.47
0.839±0.127
平均値±標準偏差、a)中央値(最小値, 最大値)
アルチカイン及びアルチカイン酸のヒト血清タンパクとの結合率は、pH7.5及びpH8.5においてアルチカインでそれぞれ54及び76%、アルチカイン酸でそれぞれ51及び83%であった(in vitro)2)。ヒト血清アルブミン、ヒトγグロブリン又はヒトα/β-グロブリンに対するアルチカインの結合率は、それぞれ80.8、23.7又は73.4%であった(in vitro)3)。
アルチカインは主に血中のカルボキシエステラーゼにより非活性代謝物であるアルチカイン酸に代謝される4)。また、肝ミクロソームにおいてもP450各分子種によりアルチカイン酸に代謝される(in vitro)5)。
本剤1.7又は5.1mLを単回口腔粘膜下投与したとき、投与24時間後までに投与量の53~57%がアルチカイン及びアルチカイン酸として尿中に排泄され、うち、95%がアルチカイン酸、2%がアルチカインとして排泄された(外国人データ)6)。
下顎埋伏智歯の抜歯を受ける患者86例(本剤群:42例、リドカイン製剤群:44例)を対象に、アドレナリン酒石酸水素塩を含有するリドカイン塩酸塩製剤を対照とした無作為化単盲検並行群間比較試験を実施した。用法・用量は、浸潤麻酔のみの場合、本剤3.4~5.1mL(2~3カートリッジ)又はリドカイン塩酸塩製剤3.6~5.4mL(2~3カートリッジ)を目安に投与され、浸潤麻酔と伝達麻酔を併用する場合は、伝達麻酔として本剤1.7mL(1カートリッジ)又はリドカイン塩酸塩製剤1.8mL(1カートリッジ)を目安に投与した後、浸潤麻酔として本剤1.7~3.4mL(1~2カートリッジ)又はリドカイン塩酸塩製剤1.8~3.6mL(1~2カートリッジ)を目安に投与するとされた。主要評価項目である治験薬投与後の施術中のVAS(患者評価)の平均値[95%信頼区間]は、本剤群で0.90[0.32, 1.48]、リドカイン製剤群で1.37[0.63, 2.11]であり、これらの群間差[95%信頼区間]は-0.46[-1.39, 0.47]であり、95%信頼区間の上限が非劣性マージン(同等限界)である1.0を下回ったことから、リドカイン製剤群に対する本剤群の非劣性が検証された(2標本非劣性t検定、p=0.0012)7)。
アルチカイン塩酸塩は、アミド型局所麻酔薬であり、神経細胞の細胞膜のナトリウムチャネルと結合し、神経における活動電位の伝導を可逆的に抑制し、神経伝達を遮断する8)。アドレナリンは、血管を収縮させることにより、血管を介したアルチカインの吸収を抑制し、局所麻酔の作用時間を延長させる9)。
下顎埋伏智歯の抜歯を行う患者(41例)に本剤を投与したときの麻酔効果の持続時間(平均値±標準偏差)は3.72±1.28時間であった7)。
アルチカイン塩酸塩 Articaine Hydrochloride(JAN)
Methyl 4-methyl-3-[(2RS)-2-(propylamino)propanoylamino]thiophene-2-carboxylate monohydrochloride
C13H20N2O3S・HCl
320.84
アルチカイン塩酸塩は白色の結晶性の粉末である。水、エタノール又はメタノールに溶けやすく、アセトン又はジクロロメタンに溶けにくい。
アドレナリン酒石酸水素塩 Adrenaline bitartrate
(R)-1-(3,4-dihydroxyphenyl)-2-(methylamino)ethanol hydrogentartrate
C9H13NO3・C4H6O6
333.29
アドレナリン酒石酸水素塩は白色、灰白色又は帯褐灰色の結晶性の粉末で、においはない。水に溶けやすく、エタノールに溶けにくく、ジエチルエーテル又はクロロホルムにほとんど溶けない。空気又は光によって徐々に褐色となる。
1.7mL×50管[カートリッジ]
1) 樋口仁, 若杉優花, 川瀬明子, 前田茂, 宮脇卓也:日本歯科麻酔学会雑誌. 2021;49(3):81-96.
2) Oertel R, Richter K:Pharmazie. 1998;53(9):646-647.
3) 社内資料:LPT Protocol No.10337/97
4) Malamed SF:Handbook of Local Anesthesia 7th ed. ELSEVIER, 2020;142.
5) Leuschner J, Leblanc D:Arzneimittelforschung. 1999;49(2):126-132.
6) 社内資料:Study No. S97001
7) 樋口仁ほか:日本歯科麻酔学会雑誌. 2025;53(1):1-12.
8) Snoeck M:Local Reg Anesth. 2012;5:23-33.
9) 福島和昭監修:歯科麻酔学(第8版). 医歯薬出版, 2019;126-129.
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