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ミノサイクリン塩酸塩歯科用軟膏2%「昭和」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.3分布
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

ミノサイクリン塩酸塩歯科用軟膏2%「昭和」

添付文書番号

2760804M1059_1_03

企業コード

671610

作成又は改訂年月

2024年2月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87276

薬効分類名

歯科用抗生物質製剤〈歯周炎治療薬〉

承認等

ミノサイクリン塩酸塩歯科用軟膏2%「昭和」

販売名コード

YJコード

2760804M1059

販売名英語表記

Minocycline Hydrochloride Dental Ointment 2% “SHOWA”

販売名ひらがな

みのさいくりんえんさんえんしかようなんこう にぱーせんと しょうわ

承認番号等

承認番号

30200AMX00641000

販売開始年月

2000年9月

貯法・有効期間

貯法

冷所保存

有効期間

2年

一般的名称

歯科用塩酸ミノサイクリン軟膏

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

テトラサイクリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ミノサイクリン塩酸塩歯科用軟膏2%「昭和」

有効成分1シリンジ(0.5g)中、(日局)ミノサイクリン塩酸塩   10mg(力価)
添加剤ゲル化炭化水素、ショ糖脂肪酸エステル、ヒプロメロース

3.2 製剤の性状

ミノサイクリン塩酸塩歯科用軟膏2%「昭和」

性状淡黄色の軟膏で、においはなく、味は苦い。シリンジに充填したキット製品である。

4. 効能又は効果

  • 〈適応菌種〉

    ミノサイクリンに感性のアクチノバチラス・アクチノミセテムコミタンス、エイケネラ・コローデンス、カプノサイトファーガ属、プレボテラ属、ポルフィロモナス・ジンジバリス、フソバクテリウム・ヌクレアタム

  • 〈適応症〉

    歯周組織炎

6. 用法及び用量

通常1週に1回、患部歯周ポケット内に充満する量を注入する。

7. 用法及び用量に関連する注意

局所にミノサイクリン耐性菌又は非感性菌による感染症があらわれた場合には投与を中止すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 感作されるおそれがあるので、観察を十分に行い、感作されたことを示す兆候(そう痒、発赤、腫脹、丘疹、小水疱等)があらわれた場合には投与を中止すること。
  2. 8.2 過敏症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
  3. 8.3 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
  4. 8.4 症状の改善が見られない場合は、漫然と使用しないこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦及び妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    蕁麻疹、そう痒、全身潮紅、喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

1%以上

1%未満

頻度不明

口腔・粘膜障害

疼痛

刺激(発赤等)
知覚異常(歯の挺出感)

その他

片頭痛
発疹

倦怠感
発熱
悪心・嘔吐

注)発現頻度は使用成績調査を含む

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

  1. 14.1.1 本剤の投与に際しては、次のことに留意すること。
    1. (1) ブラッシング等の歯肉縁上プラークコントロール下で本剤の投与を行うこと。
    2. (2) 投与前にスケーリングを実施しておくことが望ましい。
    3. (3) 歯周ポケット底に薬物が到達するよう注入器の先端部を十分な深さまで挿入し、注入すること。
    4. (4) 注入直後の激しい洗口及び飲食は避けること。
    5. (5) 本剤はディスポーザブル製品であるので1シリンジは1患者1回限りの使用とすること。
  2. 14.1.2 本剤を注入するとき、患部に一時的な疼痛・刺激があらわれることがあるので注意すること。

16. 薬物動態

16.3 分布

  1. 16.3.1 歯周ポケット内濃度1)

    ミノサイクリン塩酸塩歯科用軟膏2%「昭和」とペリオクリン歯科用軟膏(2%、10mg(力価)0.5g)を、クロスオーバー法によりそれぞれ患部歯周ポケット内に充満する量(ミノサイクリン塩酸塩として1mg(力価))を健康成人男子に注入して滲出液中ミノサイクリン塩酸塩濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC)について統計解析を行った結果、両製剤の生物学的同等性が確認された。

    判定パラメータ

    参考パラメータ

    AUC0-72(μg・hr/mL)

    Tmic90(hr)

    ミノサイクリン塩酸塩歯科用軟膏2%「昭和」

    1508.84±364.83

    35.68±11.04

    ペリオクリン歯科用軟膏

    1474.11±443.82

    33.38±9.74

    (Mean±S.D., n=20)

    滲出液中濃度並びにAUC等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

細菌の蛋白合成阻害により抗菌作用を発揮する。

18.2 抗菌作用

ミノサイクリン塩酸塩の抗菌スペクトルは、他のテトラサイクリン同様にグラム陽性・陰性菌、リケッチア、クラミジアなど広範囲であり、抗菌力はドキシサイクリンと同様にテトラサイクリンなどに比べて1~4倍強い2)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ミノサイクリン塩酸塩(Minocycline Hydrochloride)

化学名

(4S,4aS,5aR,12aS)-4,7-Bis(dimethylamino)-3,10,12,12a-tetrahydroxy-1,11-dioxo-1,4,4a,5,5a,6,11,12a-octahydrotetracene-2-carboxamide monohydrochloride

分子式

C23H27N3O7・HCl

分子量

493.94

性状

黄色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくい。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 本剤は遮光保存のため、アルミ袋は使用直前に開封すること。
  2. 20.2 軟膏部分に空隙が観察されることがあるが、使用上特に問題はない。

22. 包装

1シリンジ(0.5g)×10本
専用ノズル×10個

24. 文献請求先及び問い合わせ先

株式会社ジーシー昭和薬品

〒113-0033 東京都文京区本郷一丁目28番34号

TEL:0120-648-914
〈受付時間〉9:00~17:30(土・日・祝日・弊社休日を除く)

25. 保険給付上の注意

  1. 25.1 歯科診療報酬点数表 区分「I 010」歯周病処置
    1. 25.1.1 歯周病処置は、歯周病の症状の改善を目的として、歯周ポケット内へ特定薬剤を注入した場合に、1口腔を単位として算定する。なお、歯周病処置を算定する場合は、使用薬剤名を診療録に記載すること。
    2. 25.1.2 歯周病処置を算定する歯周ポケット内に特定薬剤を注入する場合は、用法用量に従い使用した場合に限り特定薬剤料として別に算定する。
    3. 25.1.3 歯周基本治療の後の歯周病検査の結果、期待された臨床症状の改善がみられず、かつ歯周ポケットが4ミリメートル以上の部位に対して、十分な薬効が期待できる場合において、計画的に1月間特定薬剤を注入した場合は、本区分により算定する。なお、当該処置後、再度の歯周病検査の結果、臨床症状の改善はあるが、歯周ポケットが4ミリメートル未満に改善されない場合であって、更に1月間継続して薬剤注入を行った場合は同様に算定する。
    4. 25.1.4 歯周病による急性症状時に症状の緩解を目的として、歯周ポケット内へ薬剤注入を行った場合は、本区分により算定する。
    5. 25.1.5 糖尿病を有する患者であって、歯周ポケットが4ミリメートル以上の歯周病を有するものに対して、歯周基本治療と並行して計画的に1月間特定薬剤(歯科用抗生物質製剤に限る。)の注入を行った場合は、本区分により算定する。ただし、医科の保険医療機関又は医科歯科併設の保険医療機関の医師からの診療情報提供(診療情報提供料の様式に準じるもの)に基づく場合に限る。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

株式会社ジーシー昭和薬品

東京都板橋区蓮沼町76番1号



〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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