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レスミット錠2/レスミット錠5

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.2製造販売後調査等
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2薬理作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

レスミット錠2/レスミット錠5

添付文書番号

1124021F1054_2_02

企業コード

672173

作成又は改訂年月

2022年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

871124

薬効分類名

抗不安剤

承認等

レスミット錠2

販売名コード

YJコード

1124021F1054

販売名英語表記

Resmit Tablets

承認番号等

承認番号

14600AMZ01027

販売開始年月

1971年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

レスミット錠5

販売名コード

YJコード

1124021F2166

販売名英語表記

Resmit Tablets

承認番号等

承認番号

14600AMZ01026

販売開始年月

1971年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

一般的名称

メダゼパム

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  3. 2.3 重症筋無力症の患者[重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

レスミット錠2

有効成分1錠中、日局メダゼパム   2mgを含有する。
添加剤乳糖水和物、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、白糖、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム末、デンプングリコール酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、カルナウバロウ

レスミット錠5

有効成分1錠中、日局メダゼパム   5mgを含有する。
添加剤乳糖水和物、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、白糖、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム末、デンプングリコール酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、カルナウバロウ

3.2 製剤の性状

レスミット錠2

外形
大きさ直径約6.1mm
厚さ約3.7mm
質量約0.12g
識別コードKW RM 2
性状・剤形白色の糖衣錠である。

レスミット錠5

外形
大きさ直径約6.1mm
厚さ約3.7mm
質量約0.12g
識別コードKW RM 5
性状・剤形白色の糖衣錠である。

4. 効能又は効果

  • 神経症における不安・緊張・抑うつ
  • 心身症(消化器疾患、循環器疾患、内分泌系疾患、自律神経失調症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ

6. 用法及び用量

通常、成人にはメダゼパムとして1日10~30mgを経口投与する。
ただし、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
  2. 8.2 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心障害のある患者

    症状が悪化するおそれがある。

  2. 9.1.2 脳に器質的障害のある患者

    作用が強くあらわれる。

  3. 9.1.3 衰弱者

    作用が強くあらわれる。

  4. 9.1.4 中等度又は重篤な呼吸不全のある患者

    呼吸不全を増悪するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

一般に排泄が遅延する傾向があるので、薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。

9.3 肝機能障害患者

一般に排泄が遅延する傾向があるので、薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  1. 9.5.1 妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤の投与を受けた患者の中に、奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
  2. 9.5.2 ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
  3. 9.5.3 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されている。また、黄疸を増強する可能性がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど注意すること。運動失調等の副作用があらわれやすい。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    アルコール
    中枢神経抑制剤

    • フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等

    中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。

    共に中枢神経抑制作用を有する。

    MAO阻害剤

    中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。

    本剤の代謝が抑制される。

    シメチジン

    本剤の作用が増強されるおそれがある。

    本剤の代謝が抑制される。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 依存性(0.1%未満)

      連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作(0.1%未満)、譫妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

    2. 11.1.2 刺激興奮、錯乱(いずれも頻度不明)

    11.2 その他の副作用

    5%以上

    0.1~5%未満

    0.1%未満

    過敏症

    発疹等

    精神神経系

    眠気

    ふらつき、眩暈、歩行失調、頭重

    気分昂揚感、調節障害、振戦、しびれ、浅眠多夢、言語障害

    肝臓

    黄疸、Al-P上昇

    血液

    貧血、白血球減少

    循環器

    発汗、熱感、のぼせ

    消化器

    食欲不振、便秘、下痢、悪心・嘔吐、胸やけ、胃腸障害、口渇

    骨格筋

    筋弛緩、易疲労感等の筋緊張低下症状

    その他

    尿蛋白

    浮腫、性欲への影響、生理異常

    13. 過量投与

    1. 13.1 処置

      本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 単回投与
      1. (1) 健康成人男性4例にメダゼパム錠10mgを軽食2時間後単回経口投与した。メダゼパムの薬物動態パラメータを表16-1に示す1)(外国人データ)。
        表16-1 薬物動態パラメータ

        投与量
        (mg)

        n

        Cmax
        (μg/mL)

        Tmax
        (hr)

        10

        4

        0.14~0.26

        0.5~1.5

        (測定法:GLC)

      2. (2) メダゼパムの主活性代謝物のジアゼパムは0.5時間後から検出され、少なくとも48時間は低い濃度を維持した。同じくN-デスメチルジアゼパムは0.5~9時間後に出現し、24~72時間以上にわたってジアゼパムより血漿中濃度が高かった2)

    16.4 代謝

    N-脱メチル化によりN-デスメチルメダゼパムを生じる経路と、酸化によりジアゼパムを生成し更にN-脱メチル化されN-デスメチルジアゼパムを生成する経路がある2)(外国人データ)。

    16.5 排泄

    健康成人2例に14C-標識メダゼパム30mgを単回経口投与後、尿中及び糞中排泄率を測定した。1例は18日間の尿中及び糞中排泄率がそれぞれ62.6%、22.1%、他例は24日間の測定値がそれぞれ55.6%、7.8%であった2)(外国人データ)。

    17. 臨床成績

    17.2 製造販売後調査等

    再評価結果における有効性評価対象例は442例であり、有効率は67.2%(297例)であった3),4),5),6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19),20),21)

    表17-1臨床成績

    疾患名

    有効例数/有効性評価対象例数

    有効率(%)

    神経症

    不安神経症
    ヒステリー
    恐怖症
    神経衰弱
    心気症
    抑うつ神経症

    66/85
    8/11
    6/7
    12/18
    22/42
    27/47

    77.6
    72.7

    66.7
    52.4
    57.4

    141/210

    67.1

    心身症

    消化器疾患
    循環器疾患
    内分泌疾患
    自律神経失調症

    120/181
    23/34
    3/4
    10/13

    66.3
    67.6

    76.9

    156/232

    67.2

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    作用部位は、大脳辺縁系(扁桃核、海馬)、視床下部、脊髄のGABAニューロンシナプス後膜である22)。GABAニューロンの機能増強を介して、大脳辺縁系、視床下部の過剰興奮を鎮めることにより、抗不安作用、鎮静・催眠作用、抗痙攣作用、自律神経調整作用等を示す22),23),24)

    18.2 薬理作用

    各動物実験(ラット、マウス)において、クロルジアゼポキシド、ジアゼパムとの効力比は表18-1のとおりであった25)

    表18-1クロルジアゼポキシド、ジアゼパムとの効力比

    項目

    動物

    クロルジアゼポキシド

    メダゼパム

    ジアゼパム

    条件反射抑制作用

    弁別回避

    ラット

    1

    >1

    非弁別回避
    (1レバー型)

    ラット

    1

    1

    1

    非弁別回避
    (2レバー型)

    1

    1

    馴化作用

    ラット

    1

    1

    >1

    自発運動抑制作用

    マウス

    1

    0.7

    3.6

    懸垂試験

    マウス

    1

    0.9

    3.2

    回転棒試験

    マウス

    1

    0.7

    1.9

    強化麻酔作用

    マウス

    1

    0.8

    1.9

    体温下降作用

    マウス

    1

    1

    >1

    抗痙攣作用

    抗最大電撃痙攣作用

    マウス

    1

    0.5

    3.0

    抗メトラゾール痙攣作用

    1

    2.3

    5.3

    (クロルジアゼポキシドのED50値で各薬剤のED50値を除した値)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    メダゼパム(Medazepam)

    化学名

    7-Chloro-1-methyl-5-phenyl-2,3-dihydro-1H-1,4-benzodiazepine

    分子式

    C16H15ClN2

    分子量

    270.76

    性状

    白色~淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
    メタノール、エタノール(99.5)、酢酸(100)又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
    光によって徐々に黄色に着色する。

    化学構造式

    融点

    101~104℃

    分配係数

    25704[1-オクタノール/水]

    22. 包装

    • 〈レスミット錠2〉

      100錠[10錠(PTP)×10]

    • 〈レスミット錠5〉

      100錠[10錠(PTP)×10]

    23. 主要文献

    1) Hailey, D. M., et al.:Br. J. Anaesth. 1979;51:493-496

    2) Rieder, J., et al.:Arzneim.-Forsch. 1968;18(12):1545-1556

    3) 西園昌久, 他:精神医学. 1970;12(10):59-63

    4) 市丸精一, 他:医学のあゆみ. 1970;73(2):92-104

    5) 堺俊明, 他:基礎と臨床. 1971;5(11):1768-1775

    6) 増田正典, 他:診療と保険. 1972;14(11):1299-1309

    7) 河合春雄, 他:診療と新薬. 1974;11(7):1421-1432

    8) 田中弘允, 他:最新医学. 1970;25(5):1128-1136

    9) 近藤寿郎, 他:基礎と臨床. 1971;5(11):1678-1684

    10) 田中弘允, 他:精神身体医学. 1971;12(1):59-64

    11) 福田市蔵, 他:最新医学. 1971;26(8):1564-1567

    12) 山内祐一, 他:臨牀と研究. 1973;50(5):1502-1509

    13) 甲斐沼正:診療と保険. 1973;15(3):260-273

    14) 佐久間有寿, 他:診療と保険. 1973;15(4):467-474

    15) 井上卓, 他:薬物療法. 1974;7(2):249-261

    16) 末松弘行, 他:医学のあゆみ. 1975;94(11):710-721

    17) 石原隆雄, 他:臨牀と研究. 1976;53(4):1169-1181

    18) 五島雄一郎, 他:薬理と治療. 1978;6(7):2039-2057

    19) 阿部達夫, 他:現代医療. 1978;10(3):371-382

    20) 長谷川直義, 他:臨牀と研究. 1977;54(6):2075-2085

    21) 須賀昭二, 他:臨牀と研究. 1977;54(5):952-956

    22) 田中正敏:精神医学. 1994;36(1):43-48

    23) 山本研一, 他:応用薬理. 1971;5(3):377-387

    24) 城戸良之助, 他:応用薬理. 1972;6(4):627-633

    25) 城戸良之助, 他:応用薬理. 1970;4(2):185-193

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    共和薬品工業株式会社 お問い合わせ窓口

    〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4

     0120-041-189
    FAX 06-6121-2858

    25. 保険給付上の注意

    本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回30日分を限度として投薬する。

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    共和薬品工業株式会社

    大阪市北区中之島3-2-4

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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