当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
日本薬局方
リルマザホン塩酸塩錠
習慣性医薬品注)
処方箋医薬品注)
通常、成人にはリルマザホン塩酸塩水和物として1回1~2mgを就寝前に経口投与する。なお、年齢、疾患、症状により適宜増減するが、高齢者には1回2mgまでとする。
通常、成人にはリルマザホン塩酸塩水和物として1回2mgを就寝前又は手術前に経口投与する。なお、年齢、疾患、症状により適宜増減するが、高齢者には1回2mgまでとする。
就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときは服用させないこと。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。
作用が強くあらわれる。
心障害が悪化するおそれがある。
薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。
少量から投与を開始することが望ましい。
授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また黄疸を増強する可能性がある。本剤による動物試験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている1)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。
アルコール中枢神経抑制剤
中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、併用しないことが望ましい。やむを得ず併用する場合には慎重に投与すること。
共に中枢神経抑制作用を有する。
MAO阻害剤
本剤の代謝が抑制される。
呼吸抑制があらわれることがある。また、呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合、炭酸ガスナルコーシスを起こすことがあるので、このような場合には気道を確保し、換気を図るなど適切な処置を行うこと。
連用により薬物依存(0.1%未満)を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作(0.1%未満)、譫妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
本剤を投与する場合には少量から開始するなど、慎重に行うこと。なお、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。
0.1~2%
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹等
精神神経系
眠気、ふらつき、頭重感、めまい、頭痛
頭がぼんやりする、ろれつがまわらない、いらいら感、妄想、興奮、ムズムズ感
肝臓
ALT上昇、AST上昇
Al-P上昇、LDH上昇
循環器
動悸、不整脈
消化器
口渇、食欲不振、悪心・嘔吐
下痢、便秘
骨格筋
倦怠感等の筋緊張低下症状
その他
むくみ、発汗、前胸部痛
覚醒遅延傾向(麻酔前投薬として用いた場合)
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
健康成人男性4例にリルマザホン塩酸塩水和物錠2mgを空腹時経口投与したとき、血漿中に未変化体は認められず、4種の活性代謝物が認められた。活性代謝物の血漿中濃度を図16-1に、総活性代謝物のパラメータを表16-1に示す2)。
投与量(mg)
n
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
T1/2(hr)
2
4
7.6±2.5
3.0±0.0
122.8±42.0
10.5±2.6
(測定法:HPLC)(mean±S.D.)
健康成人男性にリルマザホン塩酸塩水和物錠2mg反復投与(22日間)後の血漿中活性代謝物濃度は、初回投与後の測定値より求めた薬物動態パラメータから予測された血漿中濃度とほぼ等しく、反復投与による薬物動態の変動は認められなかった。活性代謝物のうち、最も遅く生成するM-3の血漿中濃度は投与後3日目に定常状態となり、投与中止後3日目には消失した2)。
健康成人男性にリルマザホン塩酸塩水和物錠2mgを食後あるいは空腹時投与後、各代謝物の血漿中濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータについて分散分析を行った結果、両群間に有意差は認められなかったことから、食事によって代謝物の血漿中濃度は変動しないことが明らかとなった3)。
血漿蛋白結合率:M-1:79.3%、M-2:81.2%、M-A:76.8%、M-3:80.8%、M-4:88.9%である2)。ラットに14C-標識リルマザホン塩酸塩水和物を3mg/kg単回経口投与したとき、血漿中濃度は投与2時間後に、肝臓中濃度は投与30分後に最高値を示し血漿中濃度の24倍となった。また、他の臓器(消化管以外)は投与1時間後に最高値を示し、その後徐々に減少した。排泄に関与する肝臓・腎臓・腸管を除く他の臓器は、いずれも血漿中濃度とほぼ等しい動きを示し、投与72時間後以降は検出限界以下となった4)。
リルマザホン塩酸塩水和物は、アミノペプチダーゼによって脱グリシンを受け閉環後、順次M-1、M-2、M-A、M-3活性代謝物に変換する5)。M-1からM-2、M-2からM-Aへの変換にはCYP3A4が関与する6)。各活性代謝物はカルボキシエステラーゼによりM-4へ代謝される。,
リルマザホン塩酸塩水和物は主にM-4となって尿中に排泄される。2mg錠を単回投与後及び22日間反復投与後の24時間までのM-4の尿中排泄率は、それぞれ62.3%、61.5%であった2)。
健康成人男性4例にリルマザホン塩酸塩水和物錠2mgを投与した群と腎不全患者5例にリルマザホン塩酸塩水和物錠1mgを投与した群の、血漿中濃度シミュレーションはほぼ同等であった3)。
承認時における一般臨床試験での有効性評価対象例は224例であり、有効率は59.8%(134例)であった7),8),9)。また、長期臨床試験での最終有効率は65.3%(32例/49例)で安定した効果の持続が認められた10)。
精神科領域11)及び心療内科領域12)での不眠症を対象とした二重盲検比較試験において、本剤の有用性が確認された。
手術前夜及び麻酔前投薬を対象とした二重盲検比較試験において、本剤の有用性が確認された13)。
後部視床下部の抑制を介して大脳辺縁系の活動を低下させることにより、鎮静-催眠作用を発揮するものと考えられる14)。
リルマザホン塩酸塩水和物0.3~1mg/kgでは徐波深睡眠(SWDS)に至る時間が著しく短縮し、用量依存的にSWDSの増加と安定した持続が得られた15)。また、4種の代謝物の効力はM-1>M-2>M-A=M-3であった。
マウスの懸垂、回転棒、傾斜板試験におけるED50の比較を表18-1に示す16)。
薬剤\薬理作用
筋弛緩作用(マウス:ED50,mg/kg)
懸垂法
回転棒法
傾斜板法
リルマザホン塩酸塩水和物
185.9
236.9
142.6
ジアゼパム
6.3
17.7
6.9
ニトラゼパム
1.5
5.3
0.8
エスタゾラム
6.4
5.9
トリアゾラム
0.7
2.8
0.9
フルラゼパム
23.3
114.4
15.1
ED50:50%有効量
リルマザホン塩酸塩水和物錠の徐波睡眠量(stage3+4)はニトラゼパムより多く、本剤の誘発睡眠の用量-作用曲線は0.5~4mgで線形性を示した17)。
リルマザホン塩酸塩水和物錠1及び2mgの経口投与で、入眠潜時の短縮、全睡眠時間の延長が認められ、反復投与しても、REM睡眠への影響は極めて少なく、投与を中止してもREM睡眠の反跳はみられなかった18)。
リルマザホン塩酸塩水和物(Rilmazafone Hydrochloride Hydrate)
5-[(2-Aminoacetamido)methyl]-1-[4-chloro-2-(2-chlorobenzoyl)phenyl]-N,N-dimethyl-1H-1,2,4-triazole-3-carboxamide monohydrochloride dihydrate
C21H20Cl2N6O3・HCl・2H2O
547.82
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。メタノールに極めて溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
約104℃
2.1[pH8、酢酸エチル/緩衝液]
100錠[10錠(PTP)×10]
1) 菅野浩一, 他:医薬品研究. 1986;17(5):1046-1052
2) 山田秀雄, 他:臨床薬理. 1988;19(3):607-616
3) 小林真一, 他:臨床薬理. 1992;23(3):573-580
4) 菅野浩一, 他:医薬品研究. 1986;17(5):1019-1035
5) Koike, M. et al.:J. Pharmacobio-Dyn. 1986;9:563-569
6) 馬場隆彦, 他:医薬品研究. 1996;27(6):285-290
7) 吉川政己, 他:最新医学. 1987;42(6):1274-1287
8) 大熊輝雄, 他:精神医学. 1985;27(8):943-958
9) 筒井末春, 他:基礎と臨床. 1987;21(8):3671-3681
10) 菱川泰夫, 他:臨床精神医学. 1986;15(10):1725-1738
11) 大熊輝雄, 他:精神医学. 1985;27(12):1421-1438
12) 筒井末春, 他:基礎と臨床. 1987;21(8):3683-3699
13) 百瀬隆, 他:基礎と臨床. 1987;21(1):467-483
14) 粟山欣也, 他:Neurochem. Int. 1986;9(1):91-98
15) 山本研一, 他:日本薬理学雑誌. 1984;84(1):25-89
16) 山本研一, 他:日本薬理学雑誌. 1984;84(1):109-154
17) 苗村育郎, 他:精神医学. 1983;25(2):145-158
18) 苗村育郎, 他:臨床精神医学. 1985;14(7):1121-1131
共和薬品工業株式会社 お問い合わせ窓口
〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4
0120-041-189FAX 06-6121-2858
共和薬品工業株式会社
大阪市北区中之島3-2-4
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.