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日本薬局方
ドロキシドパカプセル
処方箋医薬品注)
通常成人に対し、ドロキシドパとして1日量100mg、1日1回の経口投与より始め、隔日に100mgずつ増量、最適投与量を定め維持量とする(標準維持量は1日600mg、1日3回分割投与)。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日900mgを超えないこととする。
通常成人に対し、ドロキシドパとして1日量200~300mgを2~3回に分けて経口投与より始め、数日から1週間毎に1日量100mgずつ増量、最適投与量を定め維持量とする(標準維持量は1日300~600mg、1日3回分割投与)。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日900mgを超えないこととする。
通常成人に対し、ドロキシドパとして1回量200~400mgを透析開始30分から1時間前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。1回量は400mgを超えないこととする。
1ヵ月間投与しても効果が認められない場合には、投与を中止すること。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。コカインは神経終末においてカテコールアミンの再取り込みを阻害するため、本剤の作用が増強するおそれがある。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。症状が悪化するおそれがある。
高血圧を悪化させることがある。
過度の昇圧反応が起こるおそれがある。
頻脈等の症状が悪化するおそれがある。
症状が悪化するおそれがある。
これらの症状が悪化するおそれがある。
眼圧が上昇するおそれがある。
糖尿病の程度(末梢循環、血圧、血糖管理などの状態や、血管合併症の程度など)に十分留意すること。重度の糖尿病を合併した血液透析患者では末梢循環障害を生じるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で胎児の波状肋骨の増加が、また、他剤(dl-ノルアドレナリン)で子宮血管の収縮により胎児が仮死状態となることが報告されている。
SD系ラットに60、200、600mg/kg/日連続経口投与した実験で、200mg/kg以上で胎児の体重低値及び波状肋骨の発現頻度の増加が認められたが、生後に修復する程度のものであった1)。
SD系ラットに60、200、600mg/kg/日連続経口投与した実験で、600mg/kgで妊娠期間の短縮が認められた1)。
妊娠20日目のラットに14C-ドロキシドパを10mg/kg1回経口投与した場合、投与後1時間目の胎児の脳、肝臓、腎臓及び血清中の14C放射活性は母体と同じか少し低いレベルであった2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験で乳汁中への移行が、また、母獣への授乳期投与において児の発育抑制が報告されている。
SD系ラットに60、200、600mg/kg/日連続経口投与した実験で、60mg/kg以上で出生児の生後発育の抑制が認められた1)。
授乳中の母ラットに14C-ドロキシドパを10mg/kg1回経口投与した場合、乳汁中に14Cの移行が認められた2)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
過量投与にならないように注意すること。一般に生理機能が低下している。
ハロタン等のハロゲン含有吸入麻酔剤
頻脈、心室細動の危険が増大する。
ハロゲン含有吸入麻酔剤は、心筋のノルアドレナリンに対する感受性を高める。
イソプレナリン等のカテコールアミン製剤
不整脈、場合により心停止を起こすおそれがある。
相加的に作用(心臓刺激作用)を増加させる。
モノアミン酸化酵素阻害剤
本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。
ノルアドレナリンの代謝が抑制され、ノルアドレナリンの濃度が増加する。
三環系抗うつ剤
神経終末でのノルアドレナリンの再吸収が阻害され、ノルアドレナリンの濃度が増加する。
分娩促進剤
エルゴタミン抗ヒスタミン剤
相加的に作用(末梢血管収縮作用)を増強させる。
α1-受容体遮断作用のある薬剤
本剤の作用が減弱される可能性がある。
これらの薬剤はα1受容体遮断作用を有する。
アメジニウム
神経終末でのノルアドレナリンの再吸収・代謝が阻害され、ノルアドレナリンの濃度が増加する。
レセルピン誘導体
レセルピンは脳内ノルアドレナリン、ドパミンを減少させる。
レボドパアマンタジン 等
これらの医薬品の作用を増強することがある。
動物実験でレボドパ、アマンタジンの作用を増強することが認められている。
フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤
本剤の作用が減弱することがある。
これらの薬剤は抗ドパミン作用のほかに末梢のα受容体遮断作用を有する。
鉄剤
動物実験でキレートを形成し、本剤の吸収が減少するとの報告がある。
高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、血清CKの上昇等があらわれることがあるので、このような場合には、投与開始初期の場合は中止し、また、継続投与中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの投与量に戻した後慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。
1%以上
0.3~1%未満
0.3%未満
頻度不明
精神神経系
幻覚、頭痛・頭重感(3.4%)、めまい
妄想、神経過敏(いらいら感、焦燥感、興奮等)、不安、抑うつ、不眠、不随意運動、頭がぼーっとする
精神症状の増悪、悪夢、感情失禁、パーキンソン症状の増悪、知覚異常、振戦、固縮、すくみ、言語障害の悪化、眠気
夜間せん妄、健忘
消化器
悪心、食欲不振、胃痛(胃部不快感等)
嘔吐、口渇、腹痛、消化不良(胸やけ等)、便秘、下痢、流涎
腹部膨満感、舌のあれ
循環器
血圧上昇(2.2%)、動悸
胸痛(胸部不快感、胸部絞扼感等)
不整脈、チアノーゼ、四肢冷感
狭心症
肝臓
AST、ALTの上昇
ALP、LDHの上昇
過敏症
発疹
そう痒
眼
羞明
泌尿器
頻尿、尿失禁、尿閉
その他
倦怠感、ほてり(顔面潮紅等)
浮腫、眼瞼浮腫、脱力感、発熱、両手の痛み、肩こり
のぼせ、発汗、CK上昇
過度の昇圧反応を起こすことがある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
ドロキシドパカプセル100mg又は300mgを1回経口投与した場合、未変化体の血漿中濃度は投与2時間後に最高値(それぞれ0.8μg/mL、2.2μg/mL)に達し、その後比較的速やかに減少し、12時間後にはほとんど消失した。
投 与 量(mg)
例数
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
100
4
0.8
2
300
5
2.2
また、血漿中ノルアドレナリン濃度は未変化体の最高値到達時間より遅れ、投与4時間後に最高値(投与前値のそれぞれ約2倍、約3倍)に達した3)。
ドロキシドパカプセル300mgを1回経口投与した場合、未変化体の最高値到達時間は投与4~5時間で健康成人に比べ遅れる傾向にあったが、最高血漿中濃度はほぼ同じ値を示した4),5)。
対象
パーキンソン病
9
2.5
家族性アミロイドポリニューロパチー
7
1.14
血液透析患者5例にドロキシドパカプセル1回300mgを透析開始1時間前に経口投与した場合、未変化体の血漿中濃度は投与6時間後に最高値(1.43μg/mL)を示し、投与36時間後に定量限界以下(0.05μg/mL)となった。また、血漿中ノルアドレナリン濃度は投与3時間以降、投与前値に対し有意な高値を認め、以後投与6~36時間まで持続した6),7)。
健康成人4例にドロキシドパカプセル1回300mg、1日2回、5日間反復経口投与した場合、投与開始後1、3及び5日目の投与4時間後の血漿中未変化体濃度はいずれも約1μg/mLであった。また、それぞれの投与前及び5日目の24時間後には血漿中からほとんど消失しており、反復投与による影響は認められなかった3)。
ドロキシドパカプセル100mg「アメル」及びドロキシドパカプセル200mg「アメル」と各標準製剤について、下記のとおりクロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された8)。
標準製剤
試験投与量
ドロキシドパカプセル100mg「アメル」
ドプスカプセル100mg
それぞれ1カプセル(ドロキシドパとして100mg)
ドロキシドパカプセル200mg「アメル」
ドプスカプセル200mg
それぞれ1カプセル(ドロキシドパとして200mg)
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC(0→24)(μg・hr/mL)
T1/2(hr)
4.03±0.77
1.11±0.27
2.16±0.71
1.77±0.30
4.04±1.40
1.12±0.38
1.84±0.71
1.77±0.27
(Mean±S.D.,n=22)
7.42±2.02
1.74±0.52
2.48±0.78
2.05±0.33
8.00±2.23
1.83±0.50
2.47±0.84
2.07±0.27
(Mean±S.D.,n=30)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
マウス、ラット、イヌ及びアカゲザルに14C-ドロキシドパを10mg/kg1回経口投与した場合、投与後1時間目(マウスでは0.5時間目)の組織中14C放射活性は腎臓、肝臓で高く、脳、脊髄への移行も認められた。なおマウス及びラットでは膵臓でも高かった9)。
プラセボを対照薬とした二重盲検比較試験において、すくみ足、たちくらみを指標とした臨床改善度は29.4%(15/51)であった10),11)。
プラセボを対照薬とした二重盲検比較試験において、有用性における層別解析では有用以上40.9%(9/22)であった12)。
起立性低血圧症状を伴う透析患者152例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、ドロキシドパ200mg、400mg又はプラセボを透析開始約30分前(週3回)に4週間投与したとき、起立性低血圧を指標とした臨床改善度(中等度改善以上)は、プラセボ群12.8%(6/47)、ドロキシドパ200mg群43.5%(20/46)、ドロキシドパ400mg群60.4%(29/48)であった。ドロキシドパ投与群の副作用発現頻度は200mg群で4.1%(2/49例)、400mg群で5.9%(3/51例)であり、両群いずれにも発現した副作用は、頭重感、血圧上昇2.0%(各群1例)であった13)。
起立性低血圧症状を伴う透析患者107例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、ドロキシドパ400mg又はプラセボを透析開始約30分前(週3回)に4週間投与したとき、起立性低血圧を指標とした臨床改善度(中等度改善以上)は、プラセボ群14.6%(6/41)、ドロキシドパ400mg群53.3%(24/45)であった。ドロキシドパ400mg投与群の副作用発現頻度は5.8%(3/52例)であり、2例以上発現した副作用は嘔気3.8%(2例)、倦怠感3.8%(2例)であった14)。
起立性低血圧症状を伴う透析患者76例を対象とした長期投与試験において、ドロキシドパ200mg~400mgを透析開始約30分前(週3回)に6ヵ月以上(最長1年間)投与したとき、起立性低血圧を指標とした最終臨床改善度(中等度改善以上)は、48.4%(31/64)であった。副作用発現頻度は12.2%(9/74例)であり、主な副作用は血圧上昇5.4%(4例)、頭痛2.7%(2例)等であった7),15)。
ドロキシドパは生体内に広く存在する芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素により直接l-ノルアドレナリンに変換され、薬理作用を示す16)。
ドロキシドパ(Droxidopa)
(2S,3R)-2-Amino-3-(3,4-dihydroxyphenyl)-3-hydroxypropanoic acid
C9H11NO5
213.19
白色~淡褐色の結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
1) 広橋敦子, 他:薬理と治療. 1987;15(Suppl.2):283-299
2) 水野佳子, 他:薬物動態. 1987;2:509-518
3) 鈴木友和, 他:薬理と治療. 1987;15(Suppl.2):381-400
4) 鈴木友和, 他:Eur. J. Clin. Pharmacol. 1982;23:463-468
5) 鈴木友和, 他:Neurology. 1984;34:1446-1450
6) 椿原美治, 他:医学と薬学. 1997;37:401-410
7) 第Ⅲ相試験(ドプスOD錠/細粒:2000年7月3日承認、申請資料概要 ヘ.3.(2)2))
8) 社内資料:生物学的同等性試験[カプセル100mg、カプセル200mg]
9) 庄野文章, 他:薬物動態. 1987;2:53-70
10) 楢林博太郎, 他:臨床評価. 1987;15:423-457
11) 楢林博太郎, 他:薬理と治療. 1987;15(Suppl.2):411-443
12) 祖父江逸郎, 他:医学のあゆみ. 1987;141:353-378
13) 秋澤忠男, 他:腎と透析. 1997;42:527-550
14) 越川昭三, 他:透析会誌. 1997;30:941-959
15) 椿原美治, 他:腎と透析. 1997;43:571-583
16) 加藤照文, 他:Biochem. Pharmacol. 1987;36:3051-3057
17) 中村三孝, 他:薬理と治療. 1987;15(Suppl.2):367-373
18) 仙波純一, 他:Psychiatry Research. 1985;15:319-326
19) 加藤照文, 他:Pharmacol. Biochem. Behav. 1987;26:407-411
20) 笹征史, 他:Brain Research. 1987;420:157-161
21) 加藤照文, 他:Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmacol. 1986;332:243-246
22) 勝山美智子, 他:Arch. Int. Pharmacodyn. Ther. 1986;283:61-70
23) 直井信, 他:J. Neural Transmission. 1987;70:51-61
24) 西野直樹, 他:J. Pharmacol. Exp. Therap. 1987;242:621-628
25) 荒木宏昌, 他:J. Pharm. Pharmacol. 1981;33:772-777
26) 佐藤進, 他:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1989;39:1123-1129
27) 加知輝彦, 他:Neurology. 1988;38:1091-1094
28) 相野博司, 他:基礎と臨床. 1996;30:3141-3150
29) 相野博司, 他:基礎と臨床. 1996;30:3131-3139
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