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劇薬
処方箋医薬品注)
うつ病・うつ状態
通常、成人には、ミルナシプラン塩酸塩として1日25mgを初期用量とし、1日100mgまで漸増し、1日2~3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、高齢者には、1日25mgを初期用量とし、1日60mgまで漸増し、1日2~3回に分けて食後に経口投与する。
本剤はノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため、症状を悪化させるおそれがある。
症状を悪化させるおそれがある。
定期的に血圧・脈拍数等を測定すること。血圧上昇、頻脈等があらわれ、症状を悪化させるおそれがある。
定期的に血圧・脈拍数等を測定すること。高血圧クリーゼがあらわれることがある。,
痙攣を起こすことがある。
躁転、自殺企図があらわれることがある。,,,,,,
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。,,,,,,
精神症状を増悪させることがある。,,
投与量を減じて使用すること。外国における腎機能障害患者での体内薬物動態試験で、高い血中濃度が持続する傾向が認められている。
高い血中濃度が持続するおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットに経口投与した実験で、乳汁への移行(乳汁中濃度は血漿中濃度の3倍)が報告されている。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では、血中濃度が上昇し、薬物の消失が遅延する傾向が認められている。また、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群は主に高齢者において報告されている。,
モノアミン酸化酵素阻害剤
他の抗うつ剤で併用により発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれることが報告されている。モノアミン酸化酵素阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また、本剤からモノアミン酸化酵素阻害剤に切り替えるときは2~3日間の間隔をおくことが望ましい。
主にモノアミン酸化酵素阻害剤による神経外アミン総量の増加及び抗うつ剤によるモノアミン作動性神経終末におけるアミン再取り込み阻害によると考えられている。
アルコール
他の抗うつ剤で相互に作用を増強することが報告されている。
アルコールは中枢神経抑制作用を有する。
中枢神経抑制剤
相互に作用を増強するおそれがある。
機序は不明。
降圧剤
降圧剤の作用を減弱する可能性があるので、観察を十分に行うこと。
本剤のノルアドレナリン再取り込み阻害作用によると考えられる。
炭酸リチウム
他の抗うつ剤で併用によりセロトニン症候群があらわれることが報告されている。
5-HT1B/1D受容体作動薬
他の抗うつ剤で併用により高血圧、冠動脈収縮があらわれることが報告されている。
本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用によりセロトニン作用が増強するおそれがある。
リスデキサンフェタミンメシル酸塩
セロトニン症候群があらわれるおそれがある。
メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
左記薬剤のMAO阻害作用によりセロトニン作用が増強される。
ジゴキシン
ジゴキシンの静脈内投与との併用により起立性低血圧、頻脈があらわれたとの報告がある。
アドレナリンノルアドレナリン
これらの薬剤(特に注射剤)との併用により、心血管作用(血圧上昇等)を増強するおそれがある。
本剤はノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため、併用によりアドレナリン作用が増強するおそれがある。
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる悪性症候群があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
激越、錯乱、発汗、幻覚、反射亢進、ミオクロヌス、戦慄、頻脈、振戦、発熱、協調異常等が認められた場合には、投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
血液検査等の観察を十分に行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)等の重篤な皮膚障害があらわれることがある。発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム増加、高張尿、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群があらわれることがあるので、食欲不振、頭痛、嘔気、嘔吐、全身倦怠感等があらわれた場合には電解質の測定を行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、水分摂取制限等の適切な処置を行うこと。
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
血圧の推移等に十分注意しながら投与すること。,
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
起立性低血圧、頻脈、動悸、血圧上昇
血圧低下、上室性頻拍
精神神経系
眠気、めまい、ふらつき、立ちくらみ、頭痛、振戦、視調節障害、躁転、焦躁感、知覚減退(しびれ感等)、不眠、頭がボーッとする、筋緊張亢進、アカシジア・口部ジスキネジア・パーキンソン様症状等の錐体外路障害、不安
幻覚、せん妄、被注察感、聴覚過敏、自生思考
過敏症
発疹、そう痒感
消化器
悪心・嘔吐、便秘
口渇、腹痛、腹部膨満感、胸やけ、味覚異常、舌異常、食欲不振、食欲亢進、口内炎、下痢
飲水量増加
肝臓
AST、ALT、γ-GTPの上昇
泌尿器
排尿障害、頻尿、尿蛋白陽性
尿失禁
その他
倦怠感、発汗、熱感、発熱、悪寒、冷感、耳鳴、息苦しい、性機能異常(勃起力減退、射精障害、精巣痛、精液漏等)、トリグリセライドの上昇
鼻閉、関節痛、浮腫、CK上昇、脱力感、胸痛
脱毛
外国において、本剤800mg~1gで、嘔吐、呼吸困難(無呼吸期)、頻脈がみられている。1.9~2.8gを他の薬剤(特にベンゾジアゼピン系薬剤)と併用した場合、傾眠、高炭酸血症、意識障害がみられている。
特異的な解毒剤は知られていない。できるだけ速やかに活性炭投与等の適切な処置を行うこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
空腹時に服用すると嘔気、嘔吐が強く出現するおそれがあるので、空腹時の服用は避けさせること。
健康成人男子にミルナシプラン塩酸塩12.5~100mg注)(各n=5)を食後単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度は、2~3時間後に最高値に達し、半減期約8時間で漸減した。薬物動態パラメータは以下のとおりであった1),2)。
投与量
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
T1/2β(hr)
AUC0-24(ng・hr/mL)
12.5mg
2.0±0.7
40.8±6.4
7.9±1.5
314.2±17.1
25mg
2.0±0.0
74.7±9.4
8.2±1.0
601.0±61.6
50mg
2.6±1.1
161.9±25.2
8.2±1.3
1253.4±227.1
100mg注)
2.6±0.9
326.9±64.0
7.9±1.3
2532.1±396.2
Mean±S.D.
健康成人男子(n=4)にミルナシプラン塩酸塩25mgを1日2回8日間、食後反復経口投与したときの血漿中未変化体濃度推移から、定常状態に達するのは5日目と考えられた。また、最終投与時のCmaxは初回投与時の約1.4倍に上昇したが、Tmax、T1/2βに変化は認められなかった1)。
ミルナシプラン塩酸塩錠15mg「アメル」及びミルナシプラン塩酸塩錠25mg「アメル」と各標準製剤について、下記のとおりクロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)。(注)本剤の承認された用法は、食後投与である。
標準製剤
試験投与量
ミルナシプラン塩酸塩錠15mg「アメル」
トレドミン錠15mg
それぞれ1錠(ミルナシプラン塩酸塩として15mg)
ミルナシプラン塩酸塩錠25mg「アメル」
トレドミン錠25mg
それぞれ1錠(ミルナシプラン塩酸塩として25mg)
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC(0→36)(ng・hr/mL)
T1/2(hr)
343.5±64.2
40.5±12.2
1.4±1.0
7.3±0.7
316.8±54.8
38.8±7.5
1.8±1.7
7.4±0.8
(Mean±S.D.,n=12)
585.2±96.8
66.8±20.5
1.7±1.4
7.6±0.8
568.2±64.8
61.1±9.5
1.8±0.8
(Mean±S.D.,n=19)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人男子(n=8)にミルナシプラン塩酸塩15mgを空腹時注)及び食後に単回経口投与し、食事の影響を検討した結果、空腹時投与時のCmaxは32.3±7.3ng/mLと食後投与時の39.3±8.1ng/mLに比し有意に低かったが、Tmax、T1/2β、AUCに有意な差は認められなかった4)。
健康成人男子(n=3)にミルナシプラン塩酸塩100mg注)を食後単回経口投与したときの血漿蛋白結合率(限外濾過法)は、投与2時間後36.3%、投与9時間後38.5%であった1)。
健康成人男子(n=5)にミルナシプラン塩酸塩50mgを食後単回経口投与したとき、血漿中及び尿中ともに未変化体が最も多く検出され、その他にグルクロン酸抱合体、脱エチル体及び脱エチルグルクロン酸抱合体が認められた1)。
健康成人男子(n=5)にミルナシプラン塩酸塩50mgを食後単回経口投与したとき、尿中には、投与後48時間までに未変化体と代謝物を合わせて約85%が排泄された1)。
腎機能障害患者(n=8)にミルナシプラン塩酸塩50mgを空腹時注)単回経口投与したときの血漿中濃度は、健康成人(n=6)に比し高く推移し、AUC及びT1/2βなどの薬物動態パラメータに有意な差が認められた5)(外国人データ)。
対象
AUC0-∞(ng・hr/mL)
腎機能障害患者
1.9±0.6
190.0±21.8
15.0±2.4*
3,102±430*
健康成人
1.9±0.4
146.7±10.7
8.3±0.9
1,363±142
Mean±S.E. *:P<0.05(t検定)
肝機能障害患者(n=11)にミルナシプラン塩酸塩50mgを食後単回経口投与したときの薬物動態パラメータは健康成人(n=6)に比し有意な差は認められなかったが、Cmaxの上昇、AUCの増加、T1/2βの延長が認められた6)(外国人データ)。
肝機能障害患者
2.7±1.4
170±60
10.0±3.1
1,902±688
2.0±0.9
135±18
8.3±1.7
1,360±296
健康高齢者男子(66~76歳、n=8)にミルナシプラン塩酸塩15mgを食後単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度(AUC)は健康成人男子(n=8)に比し、有意な増加が認められた。薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。
健康高齢者
3.0±1.2
45.1±11.4
9.2±1.7
455.2±97.6*
2.4±0.5
39.3±8.1
7.8±1.1
344.7±49.5
Mean±S.D. *:P<0.05(t検定)
注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人には、ミルナシプラン塩酸塩として1日25mgを初期用量とし、1日100mgまで漸増し、1日2~3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、高齢者には、1日25mgを初期用量とし、1日60mgまで漸増し、1日2~3回に分けて食後に経口投与する。」である。
ミルナシプラン塩酸塩錠12.5mg「アメル」及びミルナシプラン塩酸塩錠50mg「アメル」について、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、錠12.5mg「アメル」はミルナシプラン塩酸塩錠15mg「アメル」を、錠50mg「アメル」はミルナシプラン塩酸塩錠25mg「アメル」をそれぞれ標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた7)。
イミプラミン塩酸塩8)及びミアンセリン塩酸塩9)を対照とした二重盲検比較試験における有効性は下表のとおりであり、同等とみなしうる臨床的に許容できる改善率の差を10%とすると、ミルナシプラン塩酸塩はイミプラミン塩酸塩と同等と判断できなかったが、ミアンセリン塩酸塩とは同等と判断された。
薬剤名
ミルナシプラン塩酸塩群
イミプラミン塩酸塩群
ミアンセリン塩酸塩群
投与量(開始用量→最高用量)
50mg/日→150mg/日注)
50mg/日→150mg/日
50mg/日→100mg/日
30mg/日→60mg/日
全般改善度における「中等度改善以上」の改善率(症例数)
58.1%(36/62)
56.3%(36/64)
48%(40/83)
39%(37/95)
改善率の差の90%信頼区間
-14.3%~17.9%
-3.0%~21.5%
各試験における副作用及び臨床検査値異常変動の発現状況は下表のとおりであった。
副作用発現率(症例数)
41.9%(26/62)
50.8%(33/65)
32.5%(27/83)
43.2%(41/95)
臨床検査値異常変動発現率(症例数)
12.7%(7/55)
10.2%(6/59)
8.9%(5/56)
23.6%(17/72)
ミルナシプラン塩酸塩のうつ病・うつ状態に対する作用機序は、以下の試験結果10),11)よりセロトニン及びノルアドレナリン再取り込みの特異的な阻害であると考えられている。
ラット及びマウス強制水泳試験において、有意な不動時間短縮作用が認められた10)(30mg/kg、p.o.)。
ミルナシプラン塩酸塩(Milnacipran Hydrochloride)
(±)-cis-2-Aminomethyl-N,N-diethyl-1-phenylcyclopropane-carboxamide monohydrochloride
C15H22N2O・HCl
282.81
白色の結晶性の粉末である。水、エタノール(99.5)及びN,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくい。本品の水溶液(1→100)は旋光性を示さない。融点:約170℃(分解)
PTP包装はアルミピロー開封後、バラ包装は開栓後、湿気を避けて保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[瓶、バラ、乾燥剤入り]
1) 高橋明比古, 他:臨床医薬. 1995;11(Suppl. 3):3-69
2) 中道昇, 他:臨床医薬. 1995;11(Suppl. 3):133-143
3) 前田彰, 他:新薬と臨牀. 2008;57(6):952-969
4) 高橋明比古, 他:臨床医薬. 1995;11(Suppl. 3):119-132
5) Puozzo, C. et al.:Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet. 1998;23(2):280-286
6) Puozzo, C. et al.:Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet. 1998;23(2):273-279
7) 社内資料:生物学的同等性試験(溶出挙動比較)
8) 松原良次, 他:臨床医薬. 1995;11(4):819-842
9) 遠藤俊吉, 他:臨床評価. 1995;23(1):39-64
10) 北村佳久, 他:神経精神薬理. 1995;17(1):25-34
11) Mochizuki D. et al.:Psychopharmacology. 2002;162:323-332
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