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日本薬局方
ネオスチグミンメチル硫酸塩注射液
劇薬
処方箋医薬品注)
非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗に本剤を静脈内注射するにあたっては、緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤の作用及び使用法について熟知した医師のみが使用すること。
通常、成人にはネオスチグミンメチル硫酸塩として1回0.25~1.0mgを1日1~3回皮下又は筋肉内注射する。なお、重症筋無力症の場合は症状により、その他の適応の場合は年齢、症状により、それぞれ適宜増減する。
通常、成人にはネオスチグミンメチル硫酸塩として1回0.5~2.0mgを緩徐に静脈内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、アトロピン硫酸塩水和物を静脈内注射により併用すること。
腹痛、下痢、発汗、唾液分泌過多、縮瞳、線維束攣縮等の症状が認められた場合又はエドロホニウム塩化物を投与したとき症状が増悪ないし不変の場合は、直ちに投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物0.5~1mgを静脈内注射する。更に、必要に応じて人工呼吸又は気管切開等を行い気道を確保する。,
呼吸困難、唾液排出困難、チアノーゼ、全身の脱力等の症状が認められた場合又はエドロホニウム塩化物を投与したとき症状の改善が認められた場合は、本剤の投与量を増加する。
気管支平滑筋を収縮させることがある。
甲状腺機能亢進症を悪化させるおそれがある。
冠動脈を収縮させることがある。
徐脈を更に増強させるおそれがある。
胃酸分泌を促進させることがある。
骨格筋の緊張が高まり、痙攣症状を増強させるおそれがある。
不随意運動を増強させるおそれがある。
本剤の排泄が遅延し、作用が増強・持続するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
減量するなど注意すること。一般に高齢者では、生理機能が低下している。
脱分極性筋弛緩剤スキサメトニウム塩化物水和物
脱分極性筋弛緩剤の作用を増強する。
本剤はコリンエステラーゼを阻害し、脱分極性筋弛緩剤の分解を抑制する。
コリン作動薬
相互に作用が増強される。
本剤はコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリン、アクラトニウムナパジシル酸塩の分解を抑制する。
副交感神経抑制剤
副交感神経抑制剤はコリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化し、本剤の過剰投与を招くおそれがあるので、副交感神経抑制剤の常用は避けること。
副交感神経抑制剤は本剤の作用に拮抗する。
,
本剤をアトロピン硫酸塩水和物と併用して静脈内注射した後に、心室性期外収縮、心室頻拍、心房細動等の不整脈や心停止が起こることがある。本剤による徐脈、房室ブロック、心停止等の過度のコリン作動性反応があらわれた場合にはアトロピン硫酸塩水和物を投与すること。
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
過敏症状
循環器
血圧降下、徐脈、頻脈
呼吸器
気管支痙攣、気道分泌の亢進
消化器
唾液の分泌過多、悪心・嘔吐、下痢
腹痛
精神神経系
発汗、めまい、大量投与による不安・興奮・虚脱・脱力・筋攣縮・骨格筋の線維束攣縮等
その他
縮瞳
コリン作動性クリーゼ(腹痛、下痢、発汗、唾液分泌過多、縮瞳、線維束攣縮等)があらわれることがある。,
静脈内注射にあたっては、緩徐に静脈内注射すること。
筋肉内注射にあたっては、組織、神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
バルビタール系薬剤との配合には注意を要する。
重症筋無力症患者5例にネオスチグミンメチル硫酸塩として2mgを単回筋肉内注射したときのネオスチグミンの薬物動態パラメータを表16-1に示す6)(外国人データ)。
投与量(mg)
n
Cmax(ng/mL)
T1/2(hr)
2
5
21±2
1.20±0.11
(測定法:ガスクロマトグラフィー)(mean±S.E.)
重症筋無力症の承認された用法・用量は「通常、成人にはネオスチグミンメチル硫酸塩として1回0.25~1.0mgを1日1~3回皮下又は筋肉内注射する。なお、症状により適宜増減する。」である。
腎機能正常手術患者8例、両側腎摘出患者4例及び腎移植患者6例にネオスチグミンメチル硫酸塩として2mgを単回静脈内注射したときのネオスチグミンの薬物動態パラメータを表16-2に示す7)(外国人データ)。
投与条件
投与対象
T1/2(min)
分布容積(L/kg)
CLt注1(mL/kg/min)
麻酔下
腎機能正常手術患者
8
79.8±48.6
1.4±0.5
16.7±5.4
両側腎摘出患者
4
181.1±54.4注2
1.6±0.2
7.8±2.6注2
腎移植患者
6
104.7±64.0
2.1±1.0
18.8±5.8
注1:全身クリアランス注2:腎機能正常手術患者と有意差ありp<0.05(t検定)(測定法:ガスクロマトグラフィー)(mean±S.D.)
蛋白結合率:15~25%(外国人データ)
重症筋無力症患者3例に14C-標識ネオスチグミンメチル硫酸塩1mgあるいは2mgを単回筋肉内注射したとき、24時間以内に投与放射活性の約82%が尿中に排泄された。その尿中には未変化体約50%、活性代謝物3-ヒドロキシフェニルトリメチルアンモニウム約15%、そのグルクロン酸抱合体0.7%が認められた6)(外国人データ)。重症筋無力症の承認された用法・用量は「通常、成人にはネオスチグミンメチル硫酸塩として1回0.25~1.0mgを1日1~3回皮下又は筋肉内注射する。なお、症状により適宜増減する。」である。
再評価結果における有効性評価対象例は320例であり、有効率は91.6%(293例)であった8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19),20),21),22),23),24),25),26),27),28),29),30)。
疾患名
有効例数/有効性評価対象例数
有効率(%)
重症筋無力症
43/43
100
消化管機能低下のみられる手術後及び分娩後における腸管麻痺
249/276
90.2
手術後及び分娩後における排尿困難
1/1
-
収集した国内2文献において、ネオスチグミンメチル硫酸塩による非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗効果(臨床成績)を評価した症例は34例であり、非脱分極性筋弛緩剤の作用に拮抗した率(有効率)は82.4%(28例)であった31),32)。
アセチルコリンはコリン作動性神経(cholinergic nerve)における刺激伝達物質と考えられているが、これを選択的に分解する生体内酵素コリンエステラーゼによって加水分解され、その作用を消失する。ネオスチグミンは、このコリンエステラーゼを一時的に不活化して、アセチルコリンの分解を抑制し、間接的にアセチルコリンの作用を増強するとともに、自らもアセチルコリン様の作用を有するコリン作動薬(副交感神経興奮剤)である。
ネオスチグミンメチル硫酸塩(Neostigmine Methylsulfate)
3-(Dimethylcarbamoyloxy)-N,N,N-trimethylanilinium methyl sulfate
C13H22N2O6S
334.39
白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、アセトニトリル又はエタノール(95)に溶けやすい。
145~149℃
外箱開封後は遮光して保存すること(光によって徐々に変化することがある)。
1mL[アンプル10管]
4mL[アンプル10管]
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