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日本薬局方
カルベジロール錠
処方箋医薬品注)
慢性心不全治療の経験が十分にある医師のもとで使用すること。
効能又は効果
錠1.25mg
錠2.5mg
錠10mg
錠20mg
本態性高血圧症(軽症~中等症)
-
○
腎実質性高血圧症
狭心症
虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全
頻脈性心房細動
○:効能あり -:効能なし
カルベジロールとして、通常、成人1回10~20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
カルベジロールとして、通常、成人1回20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
カルベジロールとして、通常、成人1回1.25mg、1日2回食後経口投与から開始する。1回1.25mg、1日2回の用量に忍容性がある場合には、1週間以上の間隔で忍容性をみながら段階的に増量し、忍容性がない場合は減量する。用量の増減は必ず段階的に行い、1回投与量は1.25mg、2.5mg、5mg又は10mgのいずれかとし、いずれの用量においても、1日2回食後経口投与とする。通常、維持量として1回2.5~10mgを1日2回食後経口投与する。なお、年齢、症状により、開始用量はさらに低用量としてもよい。また、患者の本剤に対する反応性により、維持量は適宜増減する。
カルベジロールとして、通常、成人1回5mgを1日1回経口投与から開始し、効果が不十分な場合には10mgを1日1回、20mgを1日1回へ段階的に増量する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最大投与量は20mgを1日1回までとする。
血糖値に注意すること。低血糖症状を起こしやすく、かつその症状をマスクしやすい。
血糖値が変動するおそれがある。
臨床症状に注意し、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を行う等、観察を十分に行うこと。心不全を悪化させる可能性がある。
房室伝導時間が延長し、症状が悪化するおそれがある。
症状が悪化するおそれがある。
末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。
血圧をさらに低下させるおそれがある。
本剤の単独投与により急激に血圧が上昇するおそれがある。,
本剤の中止を要する場合は原則として1~2週間かけて段階的に減量し、観察を十分に行うこと。急に投与を中止すると、症状を悪化させることがある。
血中濃度の上昇傾向が報告されている。特に慢性心不全の患者では腎機能が悪化するおそれがある。
投与量を減量するか投与間隔をあけて使用すること。本剤は主として肝臓で代謝される薬剤であり、肝硬変患者において血中濃度の上昇が報告されている。肝機能が悪化するおそれがある。
*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与に際しては、母体及び胎児の状態を十分に観察すること。また、出生後も新生児の状態を十分に観察し、新生児の低血糖、徐脈、哺乳不良等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
*妊婦にβ遮断薬を投与した場合に、胎児の発育不全、新生児の低血糖、徐脈、哺乳不良等が認められたとの報告がある。また、ラットにおける妊娠前及び妊娠初期投与試験において、体表面積換算で臨床用量の約150倍(300mg/kg)で黄体数の減少及び骨格異常(13肋骨の短小)の増加が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
重篤な低血糖症状があらわれ、死亡に至った例が報告されている。
低用量から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与することが望ましい。肝機能が低下していることが多いため血中濃度が上昇するおそれがあり、また過度な降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。
本剤の副作用が生じやすい。
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
交感神経系に対し、過剰の抑制をきたすことがある。用量を調節する。
相互に交感神経抑制作用を増強すると考えられている。
血糖降下薬
血糖降下作用が増強されることがある。
非選択性β遮断薬はカテコールアミンと競合的に拮抗することにより、肝臓での糖新生を抑制すると考えられている。
カルシウム拮抗薬
心不全や低血圧を引き起こすことがある。
相互に心収縮力・刺激伝導系の抑制作用、血圧低下作用を増強すると考えられている。
ヒドララジン塩酸塩
本剤の作用が増強されるおそれがある。
ヒドララジン塩酸塩により、本剤の肝初回通過効果が減少し、血中濃度が上昇する可能性がある。
クロニジン塩酸塩
クロニジン塩酸塩中止後のリバウンド現象を増強する可能性がある。クロニジン塩酸塩から本剤へ変更する場合、クロニジン塩酸塩を中止した数日後から本剤を投与する。また、本剤中止後数日間はクロニジン塩酸塩を中止しない。
クロニジン塩酸塩中止により末梢でのノルアドレナリン遊離が増加するが、β遮断薬併用の場合、ノルアドレナリンの作用のうち、α刺激作用が優位になり、急激な血圧上昇を起こすと考えられている。
クラスⅠ抗不整脈薬
過度の心機能抑制作用があらわれることがある。用量を調節する。
相互に心機能抑制作用を増強すると考えられている。
アミオダロン塩酸塩
心刺激伝導抑制障害(徐脈、心停止等)があらわれるおそれがある。定期的な心電図モニターを実施する。
アミオダロン塩酸塩により、本剤の肝初回通過効果が減少し、血中濃度が上昇する可能性がある。
シクロスポリン
シクロスポリンの血中濃度が上昇するおそれがある。用量を調節する。
機序不明
リファンピシン
本剤の作用が減弱されるおそれがある。
リファンピシンにより、薬物代謝酵素P450(主にCYP3A4)が誘導され、本剤の代謝が亢進し、血中濃度が低下すると考えられている。
シメチジン
これらの薬剤により、薬物代謝酵素P450が阻害され、本剤の代謝が抑制される結果、血中濃度が上昇すると考えられている。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
ジギタリス製剤
心刺激伝導抑制障害(徐脈、房室ブロック等)があらわれるおそれがある。ジギタリスの濃度が上昇し、中毒症状が発現する可能性もある。用量を調節する。
相互に刺激伝導抑制作用を増強する可能性がある。また、ジギタリスの生物学的利用率が上昇し、血中濃度が上昇すると考えられている。
利尿降圧剤
降圧作用が増強することがある。併用する場合は用量に注意する。
相加的に降圧作用を増強させる。
交感神経刺激剤
(1)相互の薬剤の効果が減弱する。(2)血圧上昇、徐脈があらわれることがある。
(1)本剤のβ遮断作用により、アドレナリンの作用が抑制される。また、アドレナリンのβ刺激作用により本剤のβ遮断作用が抑制される。(2)本剤のβ遮断作用により、α刺激作用が優位になると考えられている。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
本剤の降圧作用が減弱するおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する。
重大な循環器系の副作用があらわれることがあるので、これらの症状があらわれた場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒感
循環器
徐脈、顔面潮紅
低血圧、動悸、頻脈、心房細動、期外収縮、脚ブロック、血圧上昇、心胸比増大、四肢冷感、房室ブロック、狭心症
呼吸器
喘息様症状
咳嗽、呼吸困難、息切れ、鼻閉
精神神経系
めまい、眠気、頭痛
失神、不眠、抑うつ、注意力低下、異常感覚(四肢のしびれ感等)、幻覚
消化器
胃部不快感、嘔吐
悪心
便秘、下痢、食欲不振、腹痛
代謝
CK上昇
血糖値上昇、尿酸上昇、総コレステロール上昇、ALP上昇、LDH上昇、低血糖、尿糖、トリグリセリド上昇、カリウム上昇、糖尿病悪化、カリウム低下、ナトリウム低下
肝臓
AST上昇、ALT上昇
腎臓・泌尿器
腎機能障害(BUN上昇、クレアチニン上昇等)、尿失禁、頻尿、蛋白尿
血液
貧血、白血球減少、血小板減少
眼
霧視、涙液分泌減少
その他
倦怠感
浮腫、脱力感、勃起不全、耳鳴、疲労感、胸痛、疼痛、発汗、口渇
5%以上
5%未満
徐脈、動悸、頻脈、心房細動、期外収縮、房室ブロック、脚ブロック、低血圧、血圧上昇、四肢冷感、顔面潮紅
心胸比増大、狭心症
呼吸困難、息切れ
喘息様症状、咳嗽、鼻閉
めまい
不眠、頭痛
眠気、注意力低下、失神、抑うつ、異常感覚(四肢のしびれ感等)、幻覚
悪心、胃部不快感、便秘、下痢、食欲不振
腹痛、嘔吐
血糖値上昇、尿糖、LDH上昇、総コレステロール上昇、CK上昇
糖尿病悪化、ALP上昇、尿酸上昇、カリウム上昇、ナトリウム低下、カリウム低下
低血糖、トリグリセリド上昇
腎機能障害(BUN上昇、クレアチニン上昇等)
蛋白尿
尿失禁、頻尿
貧血、血小板減少、白血球減少
浮腫、倦怠感、疲労感、胸痛
耳鳴、脱力感、勃起不全、疼痛、発汗、口渇
重症低血圧、徐脈、心不全、心原性ショック、心停止に至るおそれがある。また、呼吸器障害、気管支痙攣、嘔吐、意識障害、全身の痙攣発作をきたすおそれがある。
本剤を中止し、次のような処置を行う。なお、本剤は血液透析により除去されにくい。
アトロピン硫酸塩、イソプレナリン塩酸塩等の投与や心臓ペーシングを適用する。
強心薬、昇圧薬、輸液等の投与や補助循環を適用する。
β2刺激薬又はアミノフィリンを静注する。
ジアゼパムを徐々に静注する。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
カルベジロール錠2.5mg「アメル」、カルベジロール錠10mg「アメル」及びカルベジロール錠20mg「アメル」と各標準製剤について、下記のとおりクロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して、錠2.5mgは血漿中(S)-カルベジロール濃度を、錠10mg及び錠20mgは血漿中カルベジロール濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)。
標準製剤
試験投与量
カルベジロール錠2.5mg「アメル」
アーチスト錠2.5mg
それぞれ1錠(カルベジロールとして2.5mg)
カルベジロール錠10mg「アメル」
アーチスト錠10mg
それぞれ1錠(カルベジロールとして10mg)
カルベジロール錠20mg「アメル」
アーチスト錠20mg
それぞれ1錠(カルベジロールとして20mg)
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC(0→12)(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
4.76±1.66
1.84±0.72
0.80±0.51
4.52±1.52
4.94±2.09
1.91±0.86
0.91±0.45
4.61±1.08
(Mean±S.D.,n=24)
73.87±32.32
20.72±6.79
1.05±0.43
3.06±1.06
73.36±32.39
21.39±8.25
1.07±0.48
3.03±0.97
(Mean±S.D.,n=20)
159.72±62.41
47.24±17.69
0.89±0.30
3.02±1.07
158.85±58.66
51.96±21.34
0.93±0.40
3.09±0.81
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
カルベジロールの代謝に関与するチトクロームP450の主な分子種はCYP2D6及びCYP2C9であり、次いでCYP3A4、CYP1A2、CYP2E1が関与した2)。
腎実質性高血圧患者9例にカルベジロール5mgを単回及び連続経口投与したとき、血清クレアチニン値が6mg/dL以下の腎機能障害患者では、Cmaxの上昇はみられず、連続投与においても健康成人と同様、蓄積性は認められなかったが、血清クレアチニン値が6mg/dL以上の腎機能障害患者では、健康成人に比べCmaxが上昇する傾向が認められた3)。
透析患者6例にカルベジロール10mgを透析直前に単回経口投与し、投与5時間まで透析を実施したときの血漿中未変化体濃度推移は、健康成人に比してTmaxがやや遅延したが、Cmaxには差がなかった4)。
カルベジロール錠1.25mg「アメル」について、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づき、カルベジロール錠2.5mg「アメル」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた5)。
交感神経α及びβ受容体に拮抗作用を示す薬物であるが、主体はβ遮断作用で、降圧作用も主としてこれに基づく(プロプラノロール)。β遮断薬投与により内因性カテコールアミンのα作用が強まり血管収縮が起こることがあるので、これを抑制するためにα遮断作用を付加した薬物である6)。
カルベジロール(Carvedilol)
(2RS)-1-(9H-Carbazol-4-yloxy)-3-{[2-(2-methoxyphenoxy)ethyl]amino}propan-2-ol
C24H26N2O4
406.47
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。本品のメタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
114~119℃
100錠[10錠(PTP)×10]
1) 社内資料:生物学的同等性試験[錠2.5mg、錠10mg、錠20mg]
2) Oldham HG, et al.:Drug Metab Dispos. 1997;25(8):970-977
3) Hakusui H, et al.:Drugs 1988;36(S-6):144-147
4) 三木茂裕, 他:日本透析医学会雑誌. 1991;24(4):515-521
5) 社内資料:生物学的同等性試験(溶出挙動比較)
6) 第十八改正日本薬局方解説書. 廣川書店. 2021;C-1406
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