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劇薬
処方箋医薬品注)
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤との併用により、重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので、併用を行わないこと。,
クリプトコックス、カンジダ、アスペルギルス、ヒアロホーラ、ホンセカエア
真菌血症、真菌性髄膜炎、真菌性呼吸器感染症、黒色真菌症、尿路真菌症、消化管真菌症
通常フルシトシンとして1日100~200mg/kgを4回に分割経口投与する。
通常フルシトシンとして1日50~100mg/kgを4回に分割経口投与する。なお、患者の症状に応じて適宜増減する。
本剤の投与に際しては血液検査、腎機能検査(BUN、クレアチニン・クリアランス、尿検査等)・肝機能検査等を定期的に行うこと。
重篤な血液障害があらわれることがある。
投与前にクレアチニン・クリアランス試験を行い、用量並びに投与間隔に留意して使用すること。腎排泄の障害により本剤が蓄積する。
重篤な肝障害があらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラットで外形、骨格異常(40mg/kg/日以上)が、マウスで外形異常(400mg/kg/日)の催奇形作用が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
用量並びに投与間隔に留意するなど注意すること。本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(ティーエスワン),
早期に重篤な血液障害や下痢、口内炎等の消化管障害等が発現するおそれがあるので、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中及び投与中止後少なくとも7日以内は本剤を投与しないこと。
ギメラシルがフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇する。
骨髄抑制を起こすおそれのある薬剤
放射線照射
血液障害等の副作用が増強するおそれがある
骨髄抑制作用を増強するためと考えられている。
アムホテリシンB
本剤の毒性(骨髄抑制作用)が増強されるおそれがある。
アムホテリシンBによるフルシトシンの細胞内取り込み促進や腎排泄障害作用により、本剤の毒性が増強される可能性がある。
トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤
重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある。
本剤との併用により、トリフルリジンのDNA取り込みが増加する可能性がある。チピラシル塩酸塩がチミジンホスホリラーゼを阻害することにより、本剤の代謝に影響を及ぼす可能性がある。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
血液
白血球減少
貧血、顆粒球減少、血小板減少
腎臓
BUN上昇
クレアチニン上昇、腎障害
肝臓
AST、ALTの上昇
Al-P上昇
消化器
食欲不振、嘔気
胃部不快感、下痢
嘔吐、腹痛
神経系
頭痛、しびれ感、視力低下、幻覚、難聴、傾眠、不随意運動、痙攣
過敏症
発疹
光線過敏症
その他
血清カリウム低下
血清カルシウム、血清リンの低下
酵素法によるクレアチニン値の測定ではみかけ上の高値を呈することがあるので注意すること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
フルオロウラシルの異化代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)欠損等の患者がごくまれに存在し、このような患者に他のフッ化ピリミジン系薬剤を投与した場合、投与初期に重篤な副作用(口内炎、下痢、血液障害、神経障害等)が発現したとの報告がある。
健康成人男子12例にフルシトシン1.5g(本剤500mg3錠)を単回経口投与したときの血漿中濃度及び各種パラメータは以下の表16-1、図16-1のとおりであった1)。
AUC(μg・hr/mL)
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
220.5±7.2
35.7±1.9
1.1±0.2
4.6±0.2
(Mean±S.E.)
黒色真菌症患者にフルシトシン200mg/kg/日を3日間連続経口投与したとき、血清中及び髄液内濃度の最高値はそれぞれ52μg/mL、40μg/mLであり、血中から髄液への移行率はおよそ80%であった2)。
肺アスペルギローム患者にフルシトシン5g(本剤500mg10錠)を単回経口投与したとき、血清及び喀痰中濃度は、投与3時間後にはそれぞれ113μg/mL、16.5μg/mLであり、投与6時間後にはそれぞれ68μg/mL、26μg/mLであった3)。
健康成人男子にフルシトシン3.5gを単回経口投与したとき、本薬はほとんど代謝されず98%以上が未変化体として尿中に排泄された4)(外国人データ)。
健康成人男子12例にフルシトシン1.5g(本剤500mg3錠)を単回経口投与したときの尿中濃度は、投与後速やかに上昇し、投与後24時間までに約90%が尿中に排泄された1)。
健康成人10例及び腎機能障害患者40例にフルシトシン2gを単回経口投与したときの血清中薬物濃度半減期と血清クレアチニン値の関係、クレアチニン・クリアランス値によるフルシトシンの投与量は以下の表16-2、表16-3のとおりであった5)(外国人データ)。
血清クレアチニン(mg/dL)
例数
半減期(hr)
0.6~1.1(健康成人)
10
2.89
1.0~2.0
13
5.37
2.2~4.5
8
16.8
>4.5(Max 15.3)
14
38.6
無尿患者及び腎摘出患者
5
85.0
クレアチニン・クリアランス値(mL/min)
1回用量(mg/kg)
投与間隔
>40
25~50
6時間(1日4回)
40~20
12時間(1日2回)
20~10
24時間(1日1回)
<10
50
24時間以上※
※:定期的血中濃度測定により決める
血液透析患者にフルシトシンを単回経口投与したところ、蛋白結合率が5%未満であり、血液透析により速やかに除かれ、毎透析後25~50mg/kgを1回投与することにより治療上有効な血中濃度が得られた報告がある6)(外国人データ)。
承認時迄及び効能追加等に実施された一般臨床試験135例における有効率注1)は表17-1、表17-2のとおりであった7)。
疾 患 名
有効率(%)
真菌血症
7
71.4
真菌性髄膜炎
22
54.5
真菌性呼吸器感染症
27
66.7
黒色真菌症
29
72.4
尿路真菌症
41
87.8
消化管真菌症
9
100.0
注1)「治癒、著効、有効、無効」の判定から有効以上を集計した。
菌 種
クリプトコックス
16
43.8
カンジダ
72
86.1
アスペルギルス
15
53.3
ヒアロホーラ
42.9
ホンセカエア
23
78.3
真菌細胞膜のシトシン透過酵素を介して真菌細胞内に選択的に取り込まれた後、脱アミノ化されて5-フルオロウラシルとなり、核酸合成系等を阻害し、抗真菌作用を発揮すると考えられる8),9),10)。
最小発育阻止濃度(MIC、μg/mL)は以下の表18-1のとおりであった11)。
MIC
クリプトコックスカンジダアスペルギルスヒアロホーラホンセカエア
<0.50.5~20.5~41~40.5~32
本剤は単独投与により耐性化が認められた症例が報告されている12)。
フルシトシン(Flucytosine)
5-Fluorocytosine
C4H4FN3O
129.09
白色の結晶性の粉末で、においはない。水にやや溶けにくく、メタノール、エタノール(95)、無水酢酸又は酢酸(100)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは5.5~7.5である。やや吸湿性である。融点:約295℃(分解)。
外箱開封後は遮光して保存すること。本剤は吸湿性が強いので湿気を避けて保存し、服用直前までPTPシートから取り出さないこと。
100錠[10錠(PTP)×10]
1) 社内資料:生物学的同等性試験
2) 小野博久, 他:基礎と臨床. 1976;10:2469-2476
3) 池本秀雄, 他:真菌と真菌症. 1976;17:193-198
4) Polak, A., et al.:Chemotherapy. 1976;22:137-153
5) Block, E. R., et al.:Ann. Intern. Med. 1974;80:613-617
6) Schönebeck, J., et al.:Chemotherapy. 1973;18:321-336
7) 社内資料:臨床試験
8) 新井正, 他:真菌と真菌症. 1975;16:41-49
9) 山口英世, 他:真菌と真菌症. 1977;17:201-211
10) Polak, A., et al.:Chemotherapy. 1975;21:113-130
11) 岩田和夫, 他:真菌と真菌症. 1976;17:156-163
12) 高木繁治, 他:神経内科. 1980;13:426-432
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