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日本薬局方
注射用テセロイキン(遺伝子組換え)
劇薬
処方箋医薬品注)
○ 血管肉腫
○ 腎癌
○ 神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強
通常、成人にはテセロイキン(遺伝子組換え)として1日70万単位を、1日1~2回に分けて連日点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減するが最大投与量は1日140万単位とする。
通常、成人にはテセロイキン(遺伝子組換え)として1日70万単位を、1日1~2回に分けて連日点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減するが最大投与量は1日210万単位とする。増量することにより、肝機能検査値異常、体液貯留が発現しやすくなるため、注意すること。
ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)及びフィルグラスチム(遺伝子組換え)との併用において、通常、テセロイキン(遺伝子組換え)として1日1回75万単位/m2(体表面積)又は1日1回100万単位/m2(体表面積)を24時間持続点滴静注する。28日間を1サイクルとし、2、4、6サイクルの1~4日目に1日1回75万単位/m2(体表面積)、8~11日目に1日1回100万単位/m2(体表面積)を投与する。
心疾患が悪化することがある。
症状が悪化することがある。また、本剤は主として腎において代謝・排泄されるため、腎機能低下例では副作用が強く発現する可能性がある。
症状が悪化することがある。
妊婦又は妊娠の可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物試験(ウサギ)で流産並びに母動物に対する毒性の二次的な影響と思われる胎児奇形の報告がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁中移行の報告がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。本剤は主として腎において代謝・排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。なお、承認時(血管肉腫及び腎癌)において、65歳以上の高齢者103例中、副作用は発熱72例(69.9%)、体液貯留13例(12.6%)、血圧低下5例(4.9%)に認められ、臨床検査値の異常変動は、好酸球増多74例(71.8%)、肝機能検査値異常19例(18.4%)、腎機能検査値異常6例(5.8%)であった。
副腎皮質ホルモン剤
インターロイキン-2製剤の抗腫瘍効果を減弱させる可能性があるので併用を避けること1)。
やむを得ず併用する場合は慎重に投与すること。
機序は不明である。
ヨード系X線造影剤
インターロイキン-2製剤を含む治療を受けた患者が、引き続きヨード系X線造影剤を投与されたときに、およそ1~4時間後に発熱、悪寒・戦慄、悪心・嘔吐、紅斑、低血圧、浮腫等があらわれたとの報告がある2)。
毛細血管漏出症候群(capillary leak syndrome)によると思われる体液貯留〔体重増加(5.8%)、浮腫(4.3%)、胸水・腹水・肺水腫等の水分貯留(3.5%)、尿量減少(1.6%)〕あるいは循環血漿量の減少による血圧低下(2.7%)等があらわれることがある。なお、体液貯留は投与開始1~2週目に発現することが多いので注意すること。
抑うつ、自殺企図があらわれたとの報告がある3)。
大量投与により、好中球機能が抑制され、誘発感染症、感染症の増悪を起こしやすくなるとの報告がある4)。
自己免疫現象によると思われる症状・徴候(強皮症、溶血性貧血、糖尿病)があらわれたとの報告がある5),6),7)。
10%以上
5~10%未満
0.1~5%未満
頻度不明
循環器
血圧低下、不整脈、動悸、頻脈、下肢冷感
インフルエンザ様症状注1)
発熱(73.3%)、悪寒・戦慄(39.9%)、全身倦怠感(34.9%)、頭痛・頭重感
筋肉痛、関節痛
血液
好酸球増多(69.4%)
好中球減少、白血球増加、白血球減少、リンパ球減少、貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少)、血小板減少、フィブリノーゲン減少
肝臓
ALT上昇、AST上昇
Al-P上昇
γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、LDH上昇、コリンエステラーゼ低下
腎臓
BUN上昇、血清クレアチニン上昇
消化器
食欲不振(36.8%)、悪心・嘔吐
下痢、腹部膨満感、腹痛、腹部不快感、胃潰瘍、口内乾燥、口腔内アフタ
皮膚
そう痒感
紅斑、発疹、脂漏性皮膚炎、潮紅、皮膚腫脹、皮膚落屑
呼吸器
呼吸困難、喘息発作、咳・痰、鼻閉、鼻汁
精神神経系
見当識障害、発汗、しびれ感、めまい、ふらつき
注射部位
発赤
静脈炎、疼痛
その他
膀胱炎様症状、耳鳴、血清総蛋白の減少、血清アルブミン減少、蛋白尿、CRP上昇、高カリウム血症、LAP上昇、IgG増多、IgA増多、IgE増多
通常投与量の10倍以上の投与により、重篤な低血圧、腎不全、呼吸不全、肺うっ血、精神状態の変化、心筋虚血、心筋炎・壊死、消化管出血、腸管穿孔・閉塞等が認められている。
海外において、他の遺伝子組換え型インターロイキン-2製剤の過量投与による生命にかかわる重篤な副作用が、副腎皮質ホルモン剤の静脈内投与により、緩和されたとの報告がある。
臨床において、本剤によりリンパ系腫瘍の増悪を来したとの報告はないが、in vitroにおいてリンパ系腫瘍細胞の増殖を促進したとの報告があるため、リンパ系腫瘍を合併している症例に投与するときには注意すること。
悪性腫瘍患者(成人)4例に、注射用テセロイキン1回70万単位を、正確に2時間かけて定速静注したとき、血清中濃度は投与終了時が最も高く、その後の消失は2相性を示した8)。
投与量(単位)
例数
Cmax(単位/mL)
AUC0-∞(単位・hr/mL)
T1/2(α)(hr)
T1/2(β)(hr)
70万
4
53.6±13.0
129±32
0.23±0.15
1.46±0.79
(測定法:bioassay及びenzyme immunoassay)(平均値±標準偏差)
ラットに静脈内投与されたテセロイキンは各組織から比較的速やかに消失しているが、代謝物に関しては不明である。
主な代謝臓器は腎臓であり、近位尿細管で細胞内に取り込まれ、分子量の小さい代謝物になると考えられる9),10)。
悪性腫瘍患者(成人)7例に、注射用テセロイキンの35万単位(1例)、70万単位(6例)を定速静注したとき、0~4時間の尿中濃度をbioassay及びenzyme immunoassayで測定したが、いずれの測定法でも検出されなかった11),12)。
承認時における一般臨床試験での有効性評価対象例は11例であり、奏効率は36.4%(CR1例及びPR3例)であった13)。
疾患名
有効性評価対象例数
奏効率(%)
臨床評価(評価例数)
CR+PR
CR
PR
MR
NC
PD
血管肉腫
11
36.4
1
3
0
CR:complete response PR:partial response MR:minor response
NC:no change PD:progressive disease
承認時における一般臨床試験での有効性評価対象例は119例であり、奏効率は14.3%(CR3例及びPR14例)であった。そのうち、インターフェロン(IFN)無効例が66例あり、その奏効率は13.6%(CR1例及びPR8例)であった。
NE
腎癌
119
14.3
14
46
44
9
腎癌(IFN無効)
66
13.6
8
29
22
NE:not evaluable、その他の略号は表17-1に同じ
初回診断時に31歳未満の大量化学療法を含む集学的治療施行後に疾患進行が認められない高リスク群神経芽腫患者注2) 35例を対象として、本剤、ジヌツキシマブ及びフィルグラスチムの併用投与注3)(DIN/FIL/TEC群)と、ジヌツキシマブ、sargramostim、aldesleukin及びisotretinoinの併用投与(米国レジメン群)の有効性及び安全性を検討する非盲検無作為化比較試験を実施した。主要評価項目である治験責任医師判定による2年無イベント生存率[95%信頼区間]は、DIN/FIL/TEC群で80.8[51.4~93.4]%、米国レジメン群で62.3[36.7~80.0]%であった。
DIN/FIL/TEC群16例において、副作用が全例(100%)に認められた。主な副作用は、発熱16例(100%)、低アルブミン血症15例(93.8%)、ALT増加14例(87.5%)、GGT増加、嘔吐、好中球数減少、貧血、AST増加、顔面浮腫[以上13例(81.3%)]、血小板数減少、便秘[以上12例(75.0%)]、倦怠感、食欲減退[以上11例(68.8%)]、腹痛、疼痛[以上10例(62.5%)]、下痢9例(56.3%)、血中尿素増加、咳嗽[以上8例(50.0%)]であった(2019年9月6日データカットオフ)14)。
主としてT細胞やNK細胞に結合し、活性化することにより、細胞障害能の高いキラー細胞を誘導して腫瘍を障害する。更にB細胞やマクロファージにも結合し、免疫を賦活する。
テセロイキン(遺伝子組換え)(Teceleukin(Genetical Recombination))
C698H1127N179O204S8
15547.01
無色澄明の液である。
遺伝子組換えヒトインターロイキン-2であり、N末端にメチオニンが結合した134個のアミノ酸残基からなる蛋白質である。
rIL-2
外箱開封後は遮光して保存すること。
1瓶(溶解液として、日局注射用水1mL添付)
1) Papa, M. Z. et al.:Cancer Res. 1986;46:5618-5623
2) Fishman, J. E. et al.:AJR. 1991;156:833-834
3) Baron, D. A. et al.:JAOA. 1993;93:799-800
4) Pockaj, B. A. et al.:J. Clin. Oncol. 1993;11:136-147
5) Böni, R. et al.:Dermatology. 1994;189:330
6) Meloni, G. et al.:Blood. 1995;86:837-838
7) Whitehead, R. P. et al.:Cancer Biotherapy. 1995;10:45-51
8) 金沢春幸, 他:Biotherapy. 1990;4:1182-1187
9) 西内偉格, 他:薬物動態. 1990;5:165-177
10) 西内偉格, 他:薬物動態. 1990;5:179-197
11) 社内資料:Bioassayによる体液内濃度測定
12) 社内資料:Enzyme immunoassayによる血清中及び尿中濃度測定
13) 池田重雄, 他:Biotherapy. 1989;3:811-819
14) 社内資料:国内第Ⅱb相試験(試験番号:GD2-PⅡ試験)(ユニツキシン点滴静注用:2021年6月23日承認、申請資料概要 2.7.6.4)
15) 丹治進, 他:Biotherapy. 1991;5:1250-1255
16) Masumori, N. et al.:Int. J. Urol. 1995;2:6-11
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*〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4
0120-041-189
*FAX 06-6121-2858
本製剤を、神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強に用いる場合は、ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)及びフィルグラスチム(遺伝子組換え)との併用療法を行う場合に限り使用されるものであること。(令和3年6月23日付け保医発0623第1号厚生労働省保険局医療課長通知)
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