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向精神薬
処方箋医薬品注)
通常、成人1日ロラゼパムとして1~3mgを2~3回に分けて経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
症状が悪化するおそれがある。
作用が強くあらわれるおそれがある。
排泄が遅延するおそれがある。
*授乳を避けさせること。ロラゼパムの乳汁中への移行が報告されている4)。また、他のベンゾジアゼピン系化合物(ジアゼパム)でもヒト母乳中への移行と、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが報告されている。また、黄疸を増強する可能性がある。
少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。
中枢神経抑制剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下を増強することがある。
相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。
アルコール(飲酒)
マプロチリン
(1)眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下を増強することがある。(2)併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作が起こることがある。
(1)相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。(2)本剤の抗痙攣作用により抑制されていたマプロチリン塩酸塩の痙攣誘発作用が本剤の減量・中止によりあらわれることがある。
ダントロレンナトリウム
筋弛緩作用を増強することがある。
相互に筋弛緩作用を増強することがある。
プレガバリン
認知機能障害及び粗大運動機能障害に対して本剤が相加的に作用するおそれがある。
相加的な作用による。
クロザピン
循環虚脱を発現する危険性が高まり、重度の循環虚脱から心停止、呼吸停止に至るおそれがある。
心循環系の副作用が相互に増強されると考えられる。
プロベネシド
ロラゼパムの消失半減期が延長することがあるので、プロベネシドと併用する際は適宜減量すること。
プロベネシドのグルクロン酸抱合阻害による。
バルプロ酸
ロラゼパムの消失半減期が延長することがある。
バルプロ酸のグルクロン酸抱合阻害による。
リファンピシン
ロラゼパムの血中濃度が低下することがある。
リファンピシンの肝薬物代謝酵素誘導による。
経口避妊ステロイド
経口避妊ステロイドのUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)誘導作用によると考えられる。
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
他のベンゾジアゼピン系化合物で、慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制があらわれることが報告されている。
3%以上
0.1~3%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
眠気
ふらつき、めまい、立ちくらみ、頭重、頭痛、不眠
頭部圧迫感、耳鳴、歩行失調、複視、霧視、舌のもつれ等
循環器
動悸
血圧低下
肝臓
肝機能異常
消化器
悪心、下痢、便秘、食欲不振、口渇、胃部不快感
嘔吐、胃部膨満感、上腹部痛、胸焼け等
過敏症
そう痒感、発疹
浮腫・血管性浮腫、呼吸困難
その他
倦怠感、脱力感
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
健常成人にロラゼパム1.0mgを経口投与したとき、未変化体の血中濃度は約2時間で最高値を示し、24時間後に消失した。なお、本剤の半減期は約12時間である5),6)。
ロラゼパムの血漿蛋白結合率は約87%である7)(外国人データ)。
本剤の主代謝経路は肝臓中のUGT2B7及びUGT2B15によるグルクロン酸抱合である。
グルクロン酸抱合されたロラゼパムの大部分は尿中に排泄されるが、一部は胆汁中に排泄され腸肝循環を受けることが報告されている8)。
国内延べ113施設で総計1,448例について、二重盲検比較試験を含む臨床成績の概要は以下のとおりである。神経症に対する有効率は52.7%(490/930例)、自律神経失調症、心臓神経症に対する有効率は59.3%(102/172例)であった9),10)。
本剤の薬理作用から、胃・十二指腸潰瘍、過敏性大腸症候群、慢性胃炎、高血圧症等の適用が類推されるが、本剤は、神経症、心身症(自律神経失調症、心臓神経症)以外の効能について、その効果を裏付ける臨床試験を十分行っていない。
ロラゼパムは脳内に広く存在するγ-アミノ酪酸(GABA)/ベンゾジアゼピン受容体複合体と相互作用し、抑制性神経伝達物質であるGABAの同受容体複合体への親和性を亢進し、その作用を増強する。
ラットでの条件反射抑制実験において、ロラゼパムはジアゼパム、オキサゾラム、クロキサゾラムより低用量で、明瞭な反応を示し、抗不安作用を有する11),12)。
一般行動を抑制しない用量で、マウス、ラットの実験的情動過多に対し、ロラゼパムはジアゼパムよりも強力な馴化作用を認める12)。
ロラゼパム(Lorazepam)
(3RS)-7-Chloro-5-(2-chlorophenyl)-3-hydroxy-1,3-dihydro-2H-1,4-benzodiazepin-2-one
C15H10Cl2N2O2
321.16
本品は白色の結晶性の粉末で、においはない。本品はエタノール(95)又はアセトンにやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。本品は光によって徐々に着色する。
開封後は湿気を避けて保存し、服用直前までPTPシート又は瓶から取り出さないこと。
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]1,000錠[瓶、乾燥剤入り]
1) 江崎 孝三郎ほか.:実中研・前臨床.1975;1:25-34
2) Jurand,A.et al.:Pharmacology & Toxicology.1994;74(6):228-235
3) Pasbakhsh,P.et al.:Acta Medica Iranica.2003;41:29-32
4) Summerfield,RJ.et al.:Br J Anaesth.1985;57(10):1042-1043
5) 林 長蔵ほか.:臨床化学.1975;4(1):99-106
6) Greenblatt,DJ.et al.:Clin Pharmacol Ther.1976;20(3):329-341
7) Chin,PK.et al.:Br J Clin Pharmacol.2011;72(6):985-989
8) Herman,RJ.et al.:Clin Pharmacol Ther.1989;46(1):18-25
9) 日向野 春総ほか.:臨床精神医学.1974;3(11):1245-1255
10) 筒井 末春ほか.:基礎と臨床.1973;7(9):2044-2048
11) 安東 潔ほか.:日本薬理学雑誌.1974;70(5):637-647
12) 五味田 裕ほか.:医学研究.1974;44(6):602-618
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本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回30日分を限度として投薬する。
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