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日本薬局方
トリヘキシフェニジル塩酸塩錠
処方箋医薬品注)
抗パーキンソン病薬はフェノチアジン系薬剤、レセルピン誘導体等による口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない。場合によってはこのような症状を増悪顕性化させることがある。
通常成人にはトリヘキシフェニジル塩酸塩として、第1日目1mg、第2日目2mg、以後1日につき2mgずつ増量し、1日量6~10mgを維持量として3~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常成人にはトリヘキシフェニジル塩酸塩として、1日量2~10mgを3~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の投与は、少量から開始し、観察を十分に行い慎重に維持量まで増量すること。また、他剤から本剤に切り替える場合には、他剤を徐々に減量しながら本剤を増量するのが原則である。
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
抗コリン作用により症状を増悪させるおそれがある。
抗コリン作用により発汗抑制が起こりやすい。
精神神経系の副作用が起こりやすい。
悪性症候群が起こりやすい。
副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
せん妄、不安等の精神症状及び抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘等があらわれやすい。
抗コリン作用を有する薬剤(フェノチアジン系薬剤、三環系抗うつ剤等)
腸管麻痺(食欲不振、悪心、嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがある。腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、この悪心、嘔吐はフェノチアジン系薬剤等の制吐作用により不顕性化することもある。
相互に抗コリン作用が増強されるためと考えられている。
中枢神経抑制剤(フェノチアジン系薬剤、三環系抗うつ剤、モノアミン酸化酵素阻害剤等)
本剤の作用が増強されることがある。また、三環系抗うつ剤との併用では、精神錯乱、興奮、幻覚等の副作用が増強されることがある。このような症状があらわれた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
相互に中枢神経抑制作用が増強されるためと考えられている。
他の抗パーキンソン病薬(レボドパ、アマンタジン等)
精神神経系の副作用が増強されることがある。このような場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
作用機序は明らかでない。
抗精神病薬、抗うつ薬及びドパミン作動系抗パーキンソン病薬との併用において、本剤及び併用薬の減量又は中止により、発熱、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇があらわれることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下があらわれることがある。
長期投与により閉塞隅角緑内障があらわれることがある。
頻度不明
精神神経系
興奮、神経過敏、気分高揚、多幸症、見当識障害、眠気、運動失調、眩暈、頭痛、倦怠感
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振、口渇、便秘
泌尿器
排尿困難、尿閉
過敏症
発疹
循環器
心悸亢進
眼
調節障害、散瞳
アトロピン様の口内乾燥(口渇)、呼吸抑制、顔面紅潮、悪心、嘔吐、意識混濁(精神錯乱)、精神障害、残尿感、痙攣、筋の不協調等の症状があらわれる。また、急性器質性神経症(激興、見当識障害、記憶減退を伴う幻覚等)があらわれる。これは服用数時間のうちに症状が最高となる。中毒症状は通常2~3日で消失するが、精神症状の場合、ときには数ヵ月続くこともある1),2),3)。
特異的な解毒剤としてサリチルフィゾスチグミン注)がある。治療は次のように行なう。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
トリヘキシフェニジル塩酸塩8mg(アーテン錠4錠)を、健常成人男子16例に空腹時単回経口投与したときのトリヘキシフェニジル塩酸塩の平均血清中濃度は、下図のような推移を示す4)。
経口投与時の主な吸収部位は小腸である。
健常成人男子にトリヘキシフェニジル塩酸塩水溶液(トリヘキシフェニジル塩酸塩5mg含有)を経口投与したときの尿中排泄率は、72時間で約56%であった5)(外国人データ)。
トリヘキシフェニジル塩酸塩を投与したパーキンソニズム患者において振戦、筋強剛、無動等の神経症状に対し改善が認められている。副作用は口渇が31.0%(9/29例)で最も多く、ついで食思不振24.1%(7/29例)、リビドー亢進24.1%(7/29例)が多かった6)。
平滑筋に対して抗痙攣作用を、副交感神経系に対して抑制作用を示す。平滑筋に対しては、直接的には筋弛緩により、間接的には副交感神経系の抑制により抗痙攣作用を示す。随意筋に対しても、副交感神経抑制作用と脳運動中枢に対する作用により抗痙攣作用を示すと考えられる。筋弛緩作用は瞳孔散大、唾液分泌抑制ならびに迷走神経抑制の各作用よりも強く、これらいずれの作用もアトロピンより弱い。
トリヘキシフェニジル塩酸塩(Trihexyphenidyl Hydrochloride)
(1RS)-1-Cyclohexyl-1-phenyl-3-(piperidin-1-yl)propan-1-ol monohydrochloride
C20H31NO・HCl
337.93
本品は白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。本品はエタノール(95)にやや溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けにくく、水に溶けにくく、無水酢酸に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約250℃(分解)
100錠[瓶、バラ]1,000錠[10錠(PTP)×100]
100g[瓶]
1) Bolin,R.R.:J Nerv Ment Dis.1960;131(3):256-259
2) Hussain,M.Z.:Can Med Assoc J.1971;104(5):420-421
3) Stephens,D.A.:Br J Psychiatry.1967;113(495):213-218
4) 社内資料:アーテン錠の血清中濃度[L70010001707]
5) Nation,R.L.:Xenobiotica.1978;8(3):165-169
6) 井上 尚英.:Intern Med.1972;30(5):907-915
7) Nose,T.et al.:Eur J Pharmacol.1970;10(1):83-86
8) Cunningham,R.W.et al.:J Pharmacol Exp Ther.1949;96(2):151-165
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