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処方箋医薬品注)
ヒドロキシジン塩酸塩として、通常成人1回25~50mgを必要に応じ4~6時間毎に静脈内注射するか又は点滴静注する。ただし、1回の静注量は100mgを超えてはならず、25mg/分以上の速度で注入しないこと。なお、年齢、症状により適宜増減する。
ヒドロキシジン塩酸塩として、通常成人1回50~100mgを必要に応じ4~6時間毎に筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
痙攣閾値を低下させることがある。
QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすことがある。,
中等度又は重度の腎障害のある患者で血中濃度半減期が延長したとの報告がある。
血中濃度半減期が延長したとの報告がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠初期(約3ヵ月)に本剤を投与された女性が、口蓋裂等の奇形を有する児を出産したとの報告がある4)。また、妊娠中の投与により、出産後新生児に傾眠、筋緊張低下、離脱症状、錐体外路障害、間代性運動、中枢神経抑制等の精神神経系症状、新生児低酸素症があらわれたとの報告がある4),5)。
授乳を避けさせること。本剤がヒト母乳中に移行するかどうかは知られていないが、授乳中の新生児に中枢神経抑制、緊張低下があらわれたとの報告がある。
低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。
減量するなど注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
バルビツール酸誘導体・麻酔剤・麻薬系鎮痛剤等の中枢神経抑制剤、アルコール、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
相互に作用を増強するおそれがある3)ので減量するなど慎重に投与すること。
両剤ともに中枢神経抑制作用を有するため、併用により作用が増強されるおそれがある。
ベタヒスチン、抗コリンエステラーゼ剤(ネオスチグミン臭化物等)
これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある6)。
本剤はこれらの薬剤の作用と拮抗することがある。
シメチジン
シメチジンとの併用により、本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある7)。
シメチジンは本剤の肝臓での主な代謝酵素であるCYP1A2、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4、CYP3A5を阻害し、本剤の代謝、排泄を遅延させる。
不整脈を引き起こすおそれのある薬剤(シベンゾリンコハク酸塩等)
併用により心室性不整脈等の副作用があらわれたとの報告がある。
ともに心血管系の副作用を起こすおそれがある。
QT延長を起こすことが知られている薬剤,
QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある。
併用によりQT延長作用が増強されるおそれがある。
蕁麻疹、胸部不快感、喉頭浮腫、呼吸困難、顔面蒼白、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
,
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
注射部位の壊死、皮膚潰瘍があらわれ、瘢痕が形成されることがある。重度の場合には壊死組織の切除、皮膚移植が必要になることがあるので、注射部位の疼痛、腫脹、硬結等があらわれた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。,
1%以上a)
1%未満a)
頻度不明
精神・神経系
眠気
不安、めまい
倦怠感、不随意運動、振戦、痙攣、頭痛、幻覚、興奮、錯乱、不眠、傾眠
消化器
口渇
嘔気・嘔吐
食欲不振b)、胃部不快感b)、便秘
循環器
血圧降下、頻脈
過敏症
発疹、紅斑、多形滲出性紅斑、浮腫性紅斑、紅皮症、そう痒、蕁麻疹
注射部位
疼痛
腫脹、硬結、静脈炎、しびれ、知覚異常、筋萎縮、筋拘縮
その他
霧視、尿閉、発熱
本剤はアレルゲン反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査又は気道過敏性試験を実施する少なくとも5日前より本剤の投与を中止することが望ましい。
過度の鎮静、また、まれに振戦、痙攣、低血圧、意識レベルの低下、嘔気・嘔吐等があらわれることがある。
エピネフリンは昇圧作用を逆転させるおそれがあるので投与しないことが望ましい。
注射方法等に十分注意し25mg/分未満の注射速度でできるだけ遅くすること。皮内又は皮下に薬液が漏出し、静脈炎、一過性の溶血等を起こすおそれがある。
本剤を静注する場合は、点滴静注により行うのが望ましい。また本剤を稀釈せず点滴静注の側管より直接注入することは避けること。
筋肉内投与により、注射部位に壊死、皮膚潰瘍、疼痛、硬結、しびれ、知覚異常、筋萎縮・筋拘縮等の筋肉障害があらわれることがある。筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため下記の点に留意すること。,
ヒドロキシジン塩酸塩100mgを成人患者に筋注投与すると、血中濃度は投与後30分で約90ng/mL、2時間で約110ng/mL、以後漸減し、24時間では約40ng/mLとなり、最高血中濃度到達時間は約2時間であった8)(ガスクロマトグラフィー)(外国人データ)。
注射部位で吸収される。
通過する9),10)。
通過する9),10)。但し、ヒドロキシジン塩酸塩注射の成績により、分娩前投与で新生児のapgar指数に特に影響を与えないと考えられる11)。
ヒドロキシジンは肝で代謝される。
主としてCYP3A4/CYP3A5及びアルコール脱水素酵素で代謝される。
ヒトの主要代謝物として、中枢抑制作用がなく抗ヒスタミン作用をもつ活性物質セチリジンがあるが、代謝過程等の詳細については明らかでない12)。
ヒドロキシジンを腎機能障害患者に投与し、体内薬物動態を検討した報告はない。但し、以下の結果より、腎機能障害患者ではヒドロキシジンの活性代謝産物であるセチリジンの投与時に、セチリジンのt1/2を延長させること等が報告されているので、腎機能障害患者への投与は、ヒドロキシジンの作用が延長する可能性がある。セチリジン10mgを、健康成人(Normal, Group Ⅰ)、腎機能障害患者(Mild, Group Ⅱ、Moderate, Group Ⅲ)に投与し、体内動態を検討した結果、健康成人に比較し、腎機能障害患者では、分布容積Vd/Fには、差がみられないが、t1/2は延長し、総クリアランスTBC/Fは低値となった13)(外国人データ)。
Normal, Group Ⅰ(n=5)
Mild, Group Ⅱ(n=5)
Moderate, Group Ⅲ(n=5)
Tmax(hr)
0.9±0.2
1.1±0.2
2.2±1.1
Cmax(ng/mL)
313±45
356±64
357±172
AUC(mg・hr/L)
2.7±0.4
6.9±1.8
10.7±2.4
t1/2(hr)
7.4±3.0
19.2±3.3
20.9±4.4
TBC/F(mL/hr/kg)
47±7
17±4
15±4
Vd/F(L/kg)
0.50±0.07
0.46±0.1
0.54±0.21
腎クリアランス(mL/min)
40.5±10.1
7.1±3.6
2.8±1.5
クレアチニンクリアランス(mL/min)
122±16
44±11
19±10
ヒドロキシジン塩酸塩0.7mg/kg(シロップ液)を原発性胆汁性肝硬変の患者8人に単回投与した結果、t1/2の平均値は36.6±13.1hrであり、健康成人のt1/2 20.0±4.1hrに比較して延長した。また、ヒドロキシジンの活性代謝産物であるセチリジンのt1/2も同患者群では健康成人のt1/2 11.4±3.1hrと比較し25.0±8.2hrに延長した14)(外国人データ)。
健康成人(n=7)
肝機能障害患者(n=8)
年齢(yr)
29.3±9.4
53.4±11.2
ヒドロキシジン
72.5±11.1
116.5±60.6
2.1±0.4
2.3±0.7
20.0±4.1
36.6±13.1
クリアランス(mL/min/kg)
9.8±3.2
8.7±7.5
Vd(L/kg)
16.0±3.0
22.7±13.3
セチリジン
373.8±157.6
500.4±302.0
3.8±0.9
4.8±2.8
11.4±3.1
25.0±8.2
ヒドロキシジン塩酸塩を高齢健康者9名(平均69.5歳)に0.7mg/kg(平均49mg)単回経口投与した結果、加齢による分布容積の増加から半減期の延長が認められた15),16)(外国人データ)。
分布容積(L)
AUC(ng・hr/mL)
高齢健康者
22.5±6.3
9.6±3.2
29.3±10.1
1383.1±1039.0
若年健康者
9.8±3.3
642.0±1581.2
ヒドロキシジンは、視床、視床下部、大脳辺縁系などに作用し、中枢抑制作用を示すものと考えられている17)。
ヒドロキシジンは、アポモルヒネ及びベラトルムアルカロイドによるイヌ嘔吐に対し抑制作用を示す。
ヒドロキシジンは、電気刺激によるマウス情動行動に対し優れた静穏効果を示す。電撃闘争ラットにおける馴化作用は、クロルジアゼポキシドとほぼ同等である18)。ヒドロキシジンは、ラットのアポモルヒネによるそしゃく運動に対して抑制作用を示すが、カタレプシー作用は認められていない19)。
ヒドロキシジンは、アポモルヒネ及びベラトルムアルカロイドによるイヌ嘔吐に対し、それぞれ20mg/kg(p.o.)、40mg/kg(s.c.)で抗嘔吐作用を示す。
ヒドロキシジン塩酸塩(Hydroxyzine Hydrochloride)
2-(2-{4-[(RS)-(4-Chlorophenyl)phenylmethyl]piperazin-1-yl}ethoxy)ethanol dihydrochloride
C21H27ClN2O2・2HCl
447.83
ヒドロキシジン塩酸塩は、白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
10アンプル
50アンプル
1) Zuidema, J.:Pharm Weekbl Sci. 1985;7(4):134-140
2) Moore, M. R. et al.:Clin Biochem. 1989;22(3):181-188
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12) Gengo, F. M. et al.:Clin Pharmacol Ther. 1987;42(3):265-272
13) Matzke, G. R. et al.:Ann Allergy. 1987;59(6 Pt 2):25-30
14) Simons, F. E. R. et al.:J Clin Pharmacol. 1989;29(9):809-815
15) Simons, F. E. R. et al.:J Allergy Clin Immunol. 1984;73(1 Pt 1):69-75
16) Simons, K. J. et al.:Clin Pharmacol Ther. 1989;45(1):9-14
17) 渡辺 繁紀ほか.:日本薬理学雑誌. 1974;70(1):19-37
18) Morren, H. G. et al.:Psychopharmacological Agents Gordon, M. ed. Vol.4. Academic Press. 1964:251-285
19) Levis, S. et al.:Arch Int Pharmacodyn Ther. 1957;109(1-2):127-142
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