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プロ・バンサイン錠15mg

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.2その他の副作用
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.4代謝
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗コリン作用
18.3自律神経節遮断作用
18.4消化管運動抑制作用
18.5胃液分泌抑制作用
18.6ペプシン分泌抑制作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

プロ・バンサイン錠15mg

添付文書番号

1231008F1032_3_03

企業コード

672212

作成又は改訂年月

2022年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

871231

薬効分類名

抗コリン性鎮痙剤

承認等

プロ・バンサイン錠15mg

販売名コード

YJコード

1231008F1032

販売名英語表記

Pro-Banthine Tablets 15mg

販売名ひらがな

ぷろ・ばんさいんじょう15mg

承認番号等

承認番号

22000AMX02056

販売開始年月

1953年8月

貯法・有効期間

貯法

2~8℃保存

有効期間

3年

一般的名称

プロパンテリン臭化物

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  2. 2.2 前立腺肥大による排尿障害のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
  3. 2.3 重篤な心疾患のある患者[心悸亢進を起こすおそれがある。]
  4. 2.4 麻痺性イレウスのある患者[閉塞状態を悪化させるおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

プロ・バンサイン錠15mg

有効成分1錠中
日局 プロパンテリン臭化物    15mg
添加剤アラビアゴム末、カルナウバロウ、軽質流動パラフィン、三二酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、タルク、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、白糖、パラフィン、ヒマシ油、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート

3.2 製剤の性状

プロ・バンサイン錠15mg

外形上面
下面
側面
直径6.3mm
厚さ3.2mm
重量92mg
識別コード
色調等黄味のある淡赤色の糖衣錠

4. 効能又は効果

  • 下記疾患における分泌・運動亢進ならびに疼痛

    胃・十二指腸潰瘍、胃酸過多症、幽門痙攣、胃炎、腸炎、過敏大腸症(イリタブルコロン)、膵炎、胆道ジスキネジー
    夜尿症または遺尿症
    多汗症

6. 用法及び用量

通常、成人には1回1錠(プロパンテリン臭化物として15mg)を1日3~4回経口投与する。
なお、年令、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

眼の調節障害、眠気を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 前立腺肥大(排尿障害がある場合を除く)のある患者

    排尿障害を起こすおそれがある。

  2. 9.1.2 甲状腺機能亢進症、うっ血性心不全、不整脈のある患者

    心悸亢進を起こすおそれがある。

  3. 9.1.3 潰瘍性大腸炎のある患者

    中毒性巨大結腸を起こすおそれがある。

  4. 9.1.4 開放隅角緑内障の患者

    抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

  5. 9.1.5 高温環境にある患者

    発汗抑制が起こり、体温上昇のおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

抗コリン作用による眼の調節障害、口渇、便秘、排尿障害等があらわれやすい。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    三環系抗うつ剤

    • イミプラミン
      アミトリプチリン

    フェノチアジン系薬剤

    • プロクロルペラジン
      クロルプロマジン等

    本剤の作用が増強されることがあるので、用量を調節するなど注意する。

    抗コリン作用が相加的に増強されるおそれがある。

    モノアミン酸化酵素阻害剤

    本剤の作用が増強されることがあるので、用量を調節するなど注意する。

    モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤は、MAO以外の薬物代謝酵素も非特異的に抑制することがあるため、同時に投与された抗コリン剤の作用を増強するおそれがある。

    ジゴキシン
    メチルジゴキシン

    ジゴキシン、メチルジゴキシンの作用を増強するおそれがあるので、併用する場合は、血中濃度の推移、自覚症状、心電図等に注意し、慎重に投与する。

    本剤の抗コリン作用に基づく消化管運動の抑制により、ジゴキシン、メチルジゴキシンの消化管内の滞留時間を延長し、吸収を高めるおそれがある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    5%以上

    0.1~5%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    眼の調節障害等

    精神神経系

    頭痛・頭重、眩暈、眠気、不眠等

    消化器

    口渇、便秘

    腹部膨満・不快感、胸やけ等

    呼吸器・
    循環器

    胸内苦悶等

    心悸亢進

    過敏症

    発疹等

    泌尿器

    排尿障害

    その他

    倦怠感、顔面潮紅、ほてり、嗄声

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 単回投与

      健康人にプロパンテリン臭化物30mgあるいは60mgを空腹時に単回経口投与したとき、それぞれ1時間後に平均最高血漿中濃度に達し、その血漿中濃度は30mg群及び60mg群で、それぞれ20.6ng/mL及び53.1ng/mLであった。30mg群における平均吸収半減期0.22時間、平均排泄半減期は1.57時間であり、60mg群においてはそれぞれ0.29時間及び1.56時間であった1)(外国人データ)。

    16.4 代謝

    健康人に14C、3H二重ラベル体のプロパンテリン臭化物を経口投与したとき、尿中代謝物として、キサンテン酸、ハイドロキシキサンテン酸及びプロパンテリンが認められた。プロパンテリン臭化物のヒトでの主要代謝経路は、キサンテン酸と4級ジイソプロピルメチルエタノールアミンとに加水分解され、その後グルクロン酸抱合によって、キサンテノイルグルクロン酸となるものと考えられている2)(外国人データ)。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    合成副交感神経遮断薬で、副交感神経支配器官である平滑筋、心筋、分泌腺等においてアセチルコリンの作用を競合的に遮断する。

    18.2 抗コリン作用

    プロパンテリン臭化物はモルモット摘出回腸のアセチルコリンによる収縮運動を抑制し、その強さはアトロピンの1.95~2倍である3),4)

    18.3 自律神経節遮断作用

    プロパンテリン臭化物は上頸交感神経節の節前線維電気刺激によるネコ瞬膜の収縮運動を抑制し、その強さはヘキサメトニウムの0.63倍である3)

    18.4 消化管運動抑制作用

    健康人(性別不明)において、プロパンテリン臭化物の経口投与により、造影剤の胃排出時間及び小腸内通過時間の延長が認められている5)

    18.5 胃液分泌抑制作用

    十二指腸潰瘍患者(男子)において、プロパンテリン臭化物の経口投与により、胃液分泌量の減少が認められている6)

    18.6 ペプシン分泌抑制作用

    消化性潰瘍患者(性別不明)において、プロパンテリン臭化物の経口投与により、ペプシンの濃度低下及び分泌量減少が、基礎分泌時及びインスリン刺激時のいずれの場合にも認められている7)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    プロパンテリン臭化物(Propantheline Bromide)

    化学名

    N-Methyl-N,N-bis(1-methylethyl)-2-[(9H-xanthen-9-ylcarbonyl)oxy]ethylaminium bromide

    分子式

    C23H30BrNO3

    分子量

    448.39

    性状

    白色~帯黄白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は極めて苦い。水、エタノール(95)、酢酸(100)又はクロロホルムに極めて溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
    1.0gを水50mLに溶かした液のpHは5.0~6.0である。

    化学構造式

    融点

    約161℃(分解、ただし乾燥後)。

    22. 包装

    100錠[10錠(SP)×10]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    ファイザー株式会社
    Pfizer Connect/メディカル・インフォメーション

    〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7

    TEL 0120-664-467

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    ファイザー株式会社

    東京都渋谷区代々木3-22-7

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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