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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合には手術療法等、他の適切な処置を考慮すること。
プラゾシンとして通常、成人1日1~1.5mg(1回0.5mg 1日2~3回)より投与を始め、効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて1.5~6mgまで漸増し、1日2~3回に分割経口投与する。まれに1日15mgまで漸増することもある。なお、年齢、症状により適宜増減する。
プラゾシンとして通常、成人1日1~1.5mg(1回0.5mg 1日2~3回)より投与を始め、効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて1.5~6mgまで漸増し、1日2~3回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
主として肝臓で代謝されるため血中濃度が上昇するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている1)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に過度の降圧は脳梗塞等が起こるおそれがある。
利尿剤、他の降圧剤
相互に作用を増強することがあるので、減量するなど注意すること。
相互に作用を増強することがある。
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
併用によりめまい等の自覚症状を伴う症候性低血圧を来したとの報告がある。
血管拡張作用による降圧作用を有するため、本剤の降圧作用を増強することがある。
一過性の血圧低下に伴う失神・意識喪失があらわれることがある。
1%以上注1)
0.1~1%未満注1)
0.1%未満注1)
頻度不明
肝臓
ALT、ASTの上昇、肝機能異常
循環器
動悸・心悸亢進、頻脈、起立性めまい、起立性低血圧、低血圧、ほてり
潮紅
徐脈
精神・神経系
めまい、頭痛・頭重
眠気、眩暈
不眠、耳鳴、四肢のしびれ
抑うつ、幻覚、神経過敏(症)
消化器
食欲不振、下痢、便秘、腹痛、口渇、悪心・嘔吐
膵炎
泌尿・生殖器
頻尿、陰萎、尿失禁
持続勃起、女性化乳房
過敏症
発疹
蕁麻疹、瘙痒感
扁平苔癬、血管炎
呼吸器
鼻閉
息苦しさ
呼吸困難、鼻出血、鼻充血
眼
かすみ目
強膜変色、眼痛、術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)
その他
浮腫、胸痛、倦怠感、脱力感
発汗、疲労
脱毛、発熱、疼痛、関節痛、異常感覚、抗核因子試験陽性
過量投与により低血圧を起こす可能性がある。
本剤は蛋白結合率が高いため、透析による除去は有効ではない。また、2歳の小児がプラゾシンを少なくとも50mg服用した事故では、深い眠気及び反射の低下を招いたが、血圧の低下はみられず、回復は順調であった。その他、下表の報告もある4)。
年齢、性
投与量
症状、徴候
処置
転帰
19歳、男性
200mg
頻脈
36時間臥床
回復
25歳、男性
150mg
持続勃起
亀頭陰茎海綿体シャント
75歳、男性
80mg
嗜眠状態、低血圧
胃洗浄、活性炭、輸液
18時間後回復
72歳、男性
120mg
昏睡、低血圧、チェーンストークス型呼吸、呼吸不全、アシドーシス、肺水腫
ドパミン、アンジオテンシン、集中治療室に搬入後換気、膠質輸液、アトロピン
48時間後回復
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健常成人6名にプラゾシン錠2mgを経口投与した場合、1.2時間後に最高血中濃度21.1ng/mLを示し、その半減期は約2時間であった5)。
健常成人18名にプラゾシン錠2mgをクロスオーバー法により空腹時又は食後に単回経口投与したときの血中濃度・時間曲線下面積(AUC)に有意差は認められず、本剤の吸収に及ぼす食事の影響は少ないものと考えられる6)。
健常成人6名にプラゾシン錠2mgを経口投与したときの血中濃度から求めた分布容積は平均75.3Lであり組織への移行性は高いと考えられる5)。
健常成人6名にプラゾシン錠2mgを経口投与したときの24時間迄の尿中排泄率は2.4%であった5)。
単独投与時、利尿降圧剤併用投与時ともに大部分の症例が投与開始後1~2週間は初期投与量を固定して投与され、以降は症例ごとに血圧の変動に応じ1~2週間の間隔をおいて、多くは漸増しながら投与量の調節が行われた。血圧降下は徐々に始まり、4週目以降には収縮期血圧、拡張期血圧ともにすぐれた降圧効果が得られ、投与開始後8~10週時までにはほぼ投与量の調節が終わり、安定した降圧効果が維持された。また6ヵ月以上の長期投与においても良好な降圧効果が持続し、長期療法に耐え得る有用な薬剤と評価されている。プラゾシン単独投与及び利尿降圧剤又はその他の降圧剤併用時の臨床効果は下表に示すとおりである7)。
効果判定投与方法
改善以上
軽度改善以上
単独投与
51.1%(204/399)
73.2%(292/399)
併用投与
55.7%(123/221)
79.6%(176/221)
計
52.7%(327/620)
75.5%(468/620)
1日1~1.5mgより投与を始め、以降1~2週間の間隔を置いて、1.5~6mgまで増量する漸増法にて投与を行った結果、3~4週の投与により自覚症状及びウロダイナミクス検査(残尿量、最大尿流量率、尿道内圧等)で投与前に比べ有意の改善が得られた。一般臨床試験及び二重盲検比較試験の結果、本剤の臨床的有用性が認められた8),9)。
効果判定試験方法
中等度改善以上
一般臨床試験
54.1%(40/74)
87.8%(65/74)
二重盲検比較試験
62.3%(48/77)
84.4%(65/77)
58.3%(88/151)
86.1%(130/151)
本態性高血圧症患者にプラゾシンを12週間から1年間投与した報告によれば、高比重リポ蛋白(HDL)コレステロールの増加とともにコレステロール比(HDLコレステロール/VLDLコレステロール+LDLコレステロール)の上昇が認められている10),11)。
慢性閉塞性肺疾患を合併した高血圧症患者にプラゾシンを投与した報告によればFEV1.0などの呼吸機能に改善が認められている12)。
末梢血管にあるα1受容体を選択的に遮断することにより、末梢血管を拡張させ、全末梢抵抗を減少させる。
α1受容体を選択的に遮断することにより後部尿道・前立腺・膀胱三角部平滑筋を弛緩させ、尿道抵抗を減少させる。
プラゾシンは高血圧自然発症ラット、腎性高血圧ラット、DOCA高血圧ラットのいずれにおいても優れた降圧作用が認められている13)。プラゾシンの降圧作用はα受容体を遮断することにより末梢血管を拡張させ、その抵抗を減少させることによるが、従来のα遮断薬と異なり、シナプス後α受容体を選択的に遮断し、シナプス前α受容体にはほとんど作用しない。このためシナプス前α受容体を介するノルアドレナリン放出の負のフィードバック機構を抑制せず、過剰のノルアドレナリン放出をおこさないことがin vitroにおけるウサギ肺動脈の試験で認められている14)。シナプス後α受容体に対するプラゾシンの選択的な作用は本態性高血圧症患者に反射性頻脈をほとんどきたさないこと、レニン活性に及ぼす影響が少ないこと、長期連用による耐性発現がみられないことなどの特性に関連するものと考えられている10),15)。
本態性高血圧症患者にプラゾシンを1~13ヵ月経口投与した試験では、収縮期血圧、拡張期血圧ともに有意の下降をみたが、心拍数には変化がなく、心拍出量は不変もしくは軽度上昇を示した。プラゾシンは心筋収縮性、心筋酸素消費量、心仕事量に変化を与えず、心機能への影響は少ないと考えられる。また長期投与の場合も運動負荷時の循環動態の反応性に影響を与えていない15),16),17)。
腎機能が正常な本態性高血圧症患者に対して、プラゾシン投薬前後の糸球体濾過量などを測定し、降圧後の腎機能の変動を検討したが、有意の変動を認めず、降圧効果に伴う腎血流量の低下はないものと推測される。またBUN、クレアチニン、PSPにも有意の変動はみられていない18)。
プラゾシンはウサギ摘出前立腺、尿道及び膀胱三角部平滑筋標本でのノルアドレナリン収縮を用量依存的に抑制し、その作用はフェントラミンの約2.5~3.1倍である。プラゾシンは麻酔イヌの下腹部神経刺激による尿道内圧の上昇を著明に抑制し、その作用はフェントラミンの約10倍であった。また、プラゾシンはラット排尿反射による膀胱収縮を抑制し、膀胱容量増加が示唆される19)。
プラゾシン塩酸塩(Prazosin Hydrochloride)
1-(4-Amino-6,7-dimethoxy-quinazolin-2-yl)-4-(2-furoyl)piperazine monohydrochloride
C19H21N5O4・HCl
419.86
白色の結晶性の粉末である。メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に微黄白色になる。
約270℃(分解)
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[瓶、乾燥剤入り]
1) 竹田省ほか:産科と婦人科.1989;56(12):2516-2520
2) 厚生省薬務局:医薬品副作用情報.1989;(94):17-19
3) 厚生省薬務局:医薬品研究.1995;26(1):37-43
4) Lip GYH,et al.:J Hum Hypertens.1995;9(7):523-526
5) 林正弘ほか:臨床薬理.1978;9(4):385-394
6) Verbesselt R,et al.:Acta Ther.1976;2(1):27-39
7) 社内資料:高血圧症に対する臨床効果[L20040217224]
8) 社内資料:一般臨床試験の成績に関する資料[L20040217226]
9) 山口脩ほか:医学と薬学.1988;19(2):411-429
10) 高畠利一ほか:医学と薬学.1983;9(3):873-880
11) 国府達郎ほか:循環器科.1982;12(4):396-404
12) 西澤芳男:医学と薬学.1982;7(7):1899-1909
13) 大槻勲夫ほか:応用薬理.1979;17(3):403-422
14) Cambridge D,et al.:Med J Aust.1977;2(Specl. Suppl.):2-6
15) 築山久一郎ほか:臨床成人病.1978;8(2):227-233
16) 新谷冨士雄ほか:臨牀と研究.1978;55(2):629-633
17) 後藤哲也ほか:臨床成人病.1977;7(6):926-935
18) 篠田知璋:診療と新薬.1978;15(12):3111-3118
19) 社内資料:実験動物における尿道、前立腺および膀胱に対するPrazosinの作用[L20040217227]
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