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劇薬
処方箋医薬品注)
非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与時にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍
通常、成人にはミソプロストールとして1回200μgを1日4回(毎食後及び就寝前)経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
類薬(PGE1)で血圧低下作用が報告されている。
肝機能障害を増悪させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤には子宮収縮作用があり、妊婦で完全又は不完全流産及び子宮出血がみられたとの報告がある。ラットに本剤を経口投与したところ、妊娠前及び妊娠初期投与試験では着床数の減少及び生存胎児数の減少がみられ1)、器官形成期投与試験では胎児の生存及び発育に影響はみられず、催奇形性も認められなかった2)。また、周産期及び授乳期投与試験では出生児の体重増加抑制がみられた3)。ウサギに本剤を経口投与した器官形成期投与試験では着床後の死亡率及び第13肋骨の出現頻度(肋骨数の変異)が増加した4)。,,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
下痢等の消化器症状がみられた場合には、減量又は休薬等適切な処置を行うなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
マグネシウム含有制酸剤
下痢が発現しやすくなる。
本剤は、小腸の蠕動運動を亢進させ、小腸からの水・Naの吸収を阻害し、下痢を生じさせる。マグネシウム含有制酸剤には緩下作用があるので、両者の併用で下痢が発現しやすくなる。
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、ふるえ等)があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
下痢、腹痛、嘔気
腹部膨満感、消化不良、嘔吐、食欲不振、おくび、便秘等
軟便
肝臓
ALT上昇、AST上昇、Al-P上昇、LDH上昇
ビリルビン上昇等
総コレステロール上昇、γ-GTP上昇等
腎臓
蛋白尿、クレアチニン上昇
多尿、頻尿、BUN上昇
尿糖
血液
白血球増多、白血球減少、赤血球減少等
貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少)、血小板減少
生殖器
月経異常
閉経後出血、子宮痙攣、月経困難、月経中間期出血
皮膚
発疹
蕁麻疹、そう痒
精神・神経系
めまい、口渇、異常空腹感
頭痛、舌麻痺
その他
ほてり、発熱、胸痛、浮腫、心悸亢進
静脈炎、しびれ感
全身倦怠感
過量投与による臨床症状としては、鎮静、振戦、痙攣、呼吸困難、腹痛、下痢、発熱、心悸亢進、低血圧及び徐脈の報告がある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健常成人(男子)にミソプロストール(200μg)を単回経口投与した場合、主代謝物であるミソプロストール遊離酸の血漿中濃度の推移は以下のとおりであった5)。
tmax
Cmax
消失半減期
約16分
552pg/mL
21分
健常成人(男子)にミソプロストール(400μg)を1日2回注)4日間反復経口投与しても主代謝物であるミソプロストール遊離酸の血漿中への蓄積性は認められなかった6)(外国人データ)。
健常成人(男子)に3H-ミソプロストールを経口投与した場合、投与後24時間以内に総放射活性の約71%が尿中に、約4%が糞中に排泄された。血漿中及び尿中代謝物としてミソプロストール遊離酸、更にこれがβ-酸化されたジノル体、テトラノル体を含め7つの代謝物が同定された7)(外国人データ)。
健常成人(性別不明)にミソプロストールと非ステロイド性消炎鎮痛剤を経口投与した場合、ミソプロストールはアスピリン、ジクロフェナクナトリウム及びイブプロフェンの薬物動態に臨床的に意義のある影響を及ぼさなかった。また、アスピリン、ジクロフェナクナトリウム及びイブプロフェンはミソプロストールの薬物動態に影響を及ぼさなかった8)(外国人データ)。
注)本剤の承認用量はミソプロストールとして1回200μgを1日4回である。
非ステロイド性消炎鎮痛剤の継続投与下で本剤を投与した国内での一般臨床試験において、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍での内視鏡判定治癒率及び有用率は以下のとおりであった。
対象疾患名
内視鏡判定治癒率
有用率(有用以上)
胃潰瘍
65.7%(44/67例)
76.4%(55/72例)
十二指腸潰瘍
83.3%(5/6例)
66.7%(4/6例)
調査症例数3,646例中、副作用発現症例数は356例(9.8%)であり、副作用発現件数は485件であった。その主なものは、下痢・軟便137件(3.8%)、腹痛69件(1.9%)、鼓腸放屁44件(1.2%)、消化不良18件(0.5%)等の消化器症状、Al-P上昇19件(0.5%)、BUN上昇16件(0.4%)等であった。
胃粘膜壁細胞において特異的プロスタグランジンE型受容体との結合を介して、アデニレートシクラーゼの活性を抑制し、cAMPの増加を抑えることにより、酸分泌抑制作用を示す9)。また、胃粘膜の粘液及び十二指腸粘膜の重炭酸イオン分泌を促進し、粘膜血管に作用して血流量を維持し、粘膜層のもつ酸中和能を高めることより、粘膜防御機構の増強作用を示す。さらに、強酸及び無水エタノールなど壊死惹起物質による胃粘膜傷害の発生を、胃酸分泌を抑制しない用量においても抑制する。
健常成人(男子)に本剤200μgを1回経口投与した場合、投与後30~150分の2時間酸分泌量を85.4%抑制した10)。
健常成人(男女)に本剤200μgを1回経口投与した場合、テトラガストリン4μg/kg及び塩酸ベタゾール1mg/kg筋注投与による刺激後の2時間酸分泌量をそれぞれ28.4%、47.9%抑制した11)。
健常成人(男女)に本剤200μgを1回(午後10時)経口投与した場合、夜間の7時間酸分泌量を47.9%抑制した12)。
健常成人(男子)に本剤200μgを1回経口投与した場合、粘膜血液量を8.5~27.3%増加させ、その増加は胃内全体で一様であった14)。
ラットにおいて胃粘膜被覆粘液層の厚さと内腔粘液の糖蛋白量を増加させた15)。
イヌにおいてアスピリンによる胃粘膜電位差の低下を抑制した18)。
ミソプロストール(Misoprostol)
methyl(±)-(1R*,2R*,3R*)-3-hydroxy-2-[(E)-4-hydroxy-4-methyl-1-octenyl]-5-oxocyclopentaneheptanoate
C22H38O5
382.54
淡黄色の粘稠性のある液体で、かび臭いにおいがある。エタノール(95)、ジエチルエーテル、クロロホルム及び酢酸エチルと混和し、水及びヘキサンには極めて溶けにくい。
pH4.0、7.0、9.0の緩衝液-クロロホルム系に分配させた場合、pHによる影響はなく、クロロホルム層への分配はほぼ100%で、水層への分配は全くみられない。
開封後は湿気を避けて取り扱うこと。
100錠[10錠(PTP)×10]乾燥剤入り
1) 江崎孝三郎ほか:実中研・前臨床研究報.1985;11(2):167-187
2) 江崎孝三郎ほか:実中研・前臨床研究報.1985;11(2):189-211
3) 江崎孝三郎ほか:実中研・前臨床研究報.1985;11(2):213-227
4) 江崎孝三郎ほか:実中研・前臨床研究報.1985;11(2):237-248
5) 社内資料:ミソプロストール錠の日本人における生物学的利用性の比較 [L49990101156]
6) 社内資料:ミソプロストールの代謝物(SC-30695)の単回投与および定常状態における血漿中濃度 [L20161201009]
7) 社内資料:健常人における[3H]-ミソプロストール([3H]-SC-29333)の薬物動態試験 [L49990101157]
8) Nicholson,P.A.,et al.:J.Rheumatol.1990;17(suppl.20):33-37
9) Tsai,B.S.,et al.:Am.J.Med.1987;83(Suppl.1A):9-14
10) 中村孝司ほか:医学と薬学.1986;15(1):135-143
11) 丹羽寛文ほか:医学と薬学.1986;15(1):145-157
12) 武藤 弘ほか:医学と薬学.1986;15(1):159-166
13) 社内資料:SC-29333:胃液分泌抑制薬の生物学的研究 [L20161201010]
14) 福田益樹ほか:医学と薬学.1986;15(1):167-173
15) Sellers,L.A.,et al.:Dig.Dis.Sci.1986;31(2):91S-95S
16) Isenberg,J.I.,et al.:Gastroenterology.1986;91(2):370-378
17) 岡部 進ほか:日本薬理学雑誌.1986;87(3):339-350
18) Colton,D.G.,et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther.1979;210(2):283-288
19) Agrawal,N.M.,et al.:Gastrointest.Endosc.1986;32(2):67-70
20) Bauer,R.F.,et al.:Dig.Dis.Sci.1986;31(2):81S-85S
21) 社内資料:Misoprostolのcryoprotectionに関する研究 [L49990122454]
22) Jiranek,G.C.,et al.:Gastroenterology.1989;96(2):656-661
23) Lanza,F.L.,et al.:Am.J.Gastroenterol.1988;83(9):1034
24) Lanza,F.L.,et al.:Dig.Dis.Sci.1986;31(2):131S-136S
25) Aadland,E.,et al.:Am.J.Med.1987;83(suppl.1A):37-40
26) 塩川優一ほか:リウマチ.1991;31(5):554-571
27) Graham,D.Y.,et al.:Lancet.1988;332(8623):1277-1280
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