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処方箋医薬品注)
生物由来製品
骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症
本剤の適用は、成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された患者に限定すること。診断にあたっては、最新の「厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断と治療の手引き」を参照すること。
通常、ソムアトロゴン(遺伝子組換え)として0.66mg/kgを1週間に1回皮下投与する。
糖尿病患者では、投与開始前に血糖(血糖値、HbA1c等)及び糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)の病勢をコントロールしておくこと。投与開始後は定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、また、糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)を含め、患者の状態を注意深く観察すること。必要に応じて、糖尿病用薬の投与量の調整を行うこと。投与開始後に糖尿病の症状の顕在化又は悪化が認められた場合は、本剤の投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと。耐糖能異常のある患者又は糖尿病の危険因子を持つ患者(肥満、家族歴に糖尿病を持つ患者等)では、慎重に観察すること。糖尿病が顕在化することがある。,,
定期的に画像診断を実施し、脳腫瘍の発現や再発の有無を注意深く観察すること。成長ホルモンは、細胞増殖作用を有し、国内及び海外臨床試験において成長ホルモン投与後に脳腫瘍の再発が報告されている。
ときに一過性の浮腫があらわれることがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ヒトにおける妊娠、胎児又は出生児への影響は不明である。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中への移行については不明である。
主にCYP3Aで代謝される薬剤
性ホルモン製剤
抗てんかん薬
シクロスポリン 等
これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、これらの薬剤の用量に注意すること。
成長ホルモンがCYP3Aにより代謝される化合物のクリアランスを増加させる可能性があるため。
糖質コルチコイド
成長ホルモンの成長促進作用が抑制されることがある。
糖質コルチコイドが成長抑制効果を有するため。
血清コルチゾール濃度が低下することがあるので、糖質コルチコイドの用量に注意すること。
成長ホルモンが11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD-1)を抑制することにより、コルチゾンからコルチゾールへの変換を減少させるため。
経口エストロゲン
エストロゲンがIGF-I産生を抑制するため。
*糖尿病用薬
インスリン製剤
ビグアナイド系薬剤
スルホニルウレア剤
速効型インスリン分泌促進薬
α-グルコシダーゼ阻害剤
チアゾリジン系薬剤
DPP-4阻害剤
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害剤 等
本剤投与により、血糖値が上昇することがある。定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、これらの薬剤の投与量の調整を行うこと。
成長ホルモンがインスリン感受性を低下させるため。
甲状腺ホルモン
本剤投与により甲状腺機能低下が顕在化又は悪化することがあるので、甲状腺ホルモンの用量に注意すること。
成長ホルモンの投与により、中枢性(二次性)甲状腺機能低下症があらわれることがあるため。
耐糖能低下があらわれ、糖尿病を発症することがある。,
1%以上
1%未満
頻度不明
胃腸障害
嘔吐
一般・全身障害及び投与部位の状態
注射部位疼痛(47.7%)、注射部位紅斑(7.3%)、注射部位そう痒感、注射部位腫脹、注射部位硬結、注射部位出血、注射部位内出血、注射部位熱感
注射部位炎症、注射部位肥厚
注射部位変形、注射部位蕁麻疹
眼障害
眼瞼浮腫
筋骨格系及び結合組織障害
四肢痛
滑膜炎、成長痛
血液及びリンパ系障害
貧血
好酸球増加症
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
扁桃肥大
神経系障害
頭痛
感覚鈍麻、失神、浮動性めまい
腎及び尿路障害
多尿
精神障害
易刺激性、初期不眠症
代謝及び栄養障害
低インスリン血症、食欲亢進
高トリグリセリド血症、低コレステロール血症、低血糖、肥満
内分泌障害
甲状腺機能低下症
皮膚及び皮下組織障害
特発性蕁麻疹
良性、悪性及び詳細不明の新生物(嚢胞及びポリープを含む)
メラノサイト性母斑
臨床検査
遊離脂肪酸増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加
低比重リポ蛋白減少
日本人健康成人(17例)に本剤2.5、7.5及び15mgを単回皮下投与したときの血清中薬物濃度-時間推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。
用量(mg)
Cmax(ng/mL)
AUClast(ng・h/mL)
tmax(h)
t1/2(h)
2.5(5例)
21.0±14.2
666.7±292.5
6.0[4.0, 24.0]
22.1±8.2a)
7.5(6例)
53.9±21.9
2249.7±661.6
12.0[6.0, 18.0]
22.4±2.0b)
15(6例)
160.1±133.8
7502.3±5170.5
15.0[10.0, 48.0]
21.9±7.2
平均値±標準偏差、tmaxは中央値[範囲]a)3例b)5例
小児成長ホルモン分泌不全性低身長症患者(11~15例)に本剤を週1回又はジェノトロピン0.034mg/kgを1日1回反復皮下投与したとき、投与2週目における本剤投与時の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。また、投与2週目におけるジェノトロピン投与時のAUClastは、133.6ng・h/mL、Cmaxは17.3ng/mL、t1/2は3.52時間及びtmaxは2時間であった2)(外国人データ)。
用量(mg/kg)
0.25(13例)
460.0
10829.7
12
36.10
0.48(15例)
810.2
20447.6
18.27
0.66(13例)
1150.9
28013.1
6
22.43
平均値
本剤0.25、0.48及び0.66mg/kg注)を投与した日本人及び外国人小児成長ホルモン分泌不全性低身長症患者145例から得られた血清中本薬濃度に基づく母集団薬物動態解析の結果、日本人小児成長ホルモン分泌不全性低身長症患者に本剤0.66mg/kgを週1回反復皮下投与したときの定常状態におけるCmaxは756±295ng/mL、AUCssは26200±9680ng・h/mLと推定された(いずれも平均値±標準偏差)3)。
本剤0.25、0.48及び0.66mg/kg注)を週1回反復皮下投与した小児成長ホルモン分泌不全性低身長症患者41例から得られた血清中本薬濃度及びIGF-I値に基づく母集団薬物動態/薬力学解析に基づくと、定常状態におけるIGF-Iのパラメータは以下のとおり推定された4)(外国人データ)。
IGF-I Cmax(ng/mL)
IGF-I AUClast(ng・h/mL)
IGF-I tmax(day)
0.25
147±71
705±342
2.04[1.54, 2.29]
0.48
183±60
895±285
2.29[2.04, 2.96]
0.66
214±106
1080±530
2.58[2.38, 2.92]
平均値±標準偏差、tmaxは中央値[範囲]
注)本剤の承認された用量は0.66mg/kg/週である。
日本人小児成長ホルモン分泌不全性低身長症患者を対象に本剤投与群22例に本剤0.66mg/kg/週(0.25mg/kg/週から投与を開始し、2週間隔で0.48mg/kg/週、0.66mg/kg/週へと漸増)を週1回皮下投与し、ジェノトロピン投与群22例にジェノトロピン0.025mg/kg/日を毎日皮下投与した。主要評価項目であるベースラインから12ヵ月後の年間成長速度の最小2乗平均値注1)±標準誤差は本剤投与群で9.65±0.29cm/年、ジェノトロピン投与群で7.87±0.29cm/年であり、その差(本剤投与群―ジェノトロピン投与群)の点推定値(95%信頼区間)は1.79(0.97,2.61)cm/年であった。差の点推定値は有効性判定基準-1.8cm/年を上回った。ベースラインから12ヵ月後までのIGF-I SDスコアの変化量の平均値±標準偏差は、本剤投与群で2.89±0.78、ジェノトロピン投与群で0.99±0.70であった。ベースラインから12ヵ月時点までの副作用発現頻度は本剤投与群で77.3%(17/22例)、ジェノトロピン投与群で18.2%(4/22例)であった。報告された主な副作用は、本剤投与群で注射部位疼痛72.7%(16/22例)及び注射部位紅斑9.1%(2/22例)、ジェノトロピン投与群で注射部位疼痛13.6%(3/22例)であった。12ヵ月時点から24ヵ月時点までの期間の年間成長速度の平均値±標準偏差は、ベースラインから本剤を継続投与した群(継続投与群)22例で7.55±1.05cm/年、12ヵ月時点でジェノトロピンから本剤に切り替えた群(切り替え投与群)19例で7.94±1.08cm/年であった。12ヵ月時点から24ヵ月時点までのIGF-I SDスコアの変化量の平均値±標準偏差は、本剤投与群で0.17±0.75、ジェノトロピン投与群で2.32±0.97であった。12ヵ月時点から24ヵ月時点までの副作用発現頻度は、継続投与群で50.0%(11/22例)、切り替え投与群で60.0%(12/20例)であり、報告された副作用は、継続投与群では注射部位疼痛50.0%(11/22例)及び成長痛4.5%(1/22例)、切り替え投与群では注射部位疼痛60.0%(12/20例)であった。注1)共分散分析[質的変数:投与群、性別、量的変数:ベースライン時の身長標準偏差スコア及びベースライン時の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値]
外国人小児成長ホルモン分泌不全性低身長症患者を対象に本剤投与群109例に本剤0.66mg/kg/週を週1回皮下投与し、ジェノトロピン投与群115例にジェノトロピン0.034mg/kg/日を毎日皮下投与した。主要評価項目であるベースラインから12ヵ月後の年間成長速度の最小2乗平均値注2)±標準誤差は本剤投与群で10.10±0.27cm/年、ジェノトロピン投与群で9.78±0.25cm/年であり、その差(本剤投与群―ジェノトロピン投与群)の点推定値(95%信頼区間)は0.33(-0.24,0.89)cm/年であった。差の95%信頼区間の下限値が非劣性マージン-1.8cm/年を上回ったため、本剤投与群のジェノトロピン投与群に対する非劣性が検証された。ベースラインから12ヵ月後までのIGF-I SDスコアの変化量の平均値±標準偏差は、本剤投与群で2.60±1.26、ジェノトロピン投与群で1.02±0.87であった。副作用発現頻度は本剤投与群で54.1%(59/109例)、ジェノトロピン投与群で39.1%(45/115例)であった。報告された主な副作用は、本剤投与群で注射部位疼痛39.4%(43/109例)、注射部位紅斑8.3%(9/109例)、注射部位そう痒感5.5%(6/109例)、ジェノトロピン投与群で注射部位疼痛25.2%(29/115例)であった。注2)共分散分析[質的変数:投与群、年齢群、性別、ベースライン時の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値及び地域、量的変数:ベースライン時の身長標準偏差スコア]
ソムアトロゴンは半減期を延長させるためにヒト成長ホルモンにヒト絨毛性性腺刺激ホルモンのβサブユニットのC末端ペプチドを融合した糖タンパク質であり、成長ホルモン受容体に結合後、STAT5bシグナル伝達経路の活性化及び血中IGF-I濃度の上昇を引き起こし、その結果、小児成長ホルモン分泌不全性低身長症患者の成長速度を高める。
下垂体切除及び正常ラットにソムアトロゴンを皮下投与したところ、用量依存的に体重増加作用を示した。
ラット及びアカゲザルにソムアトロゴンを皮下投与したところ、血清中IGF-I濃度が上昇した。
ソムアトロゴン(遺伝子組換え)Somatrogon(genetical recombination)
C1359H2125N361O420S7
約40,000
ソムアトロゴンは、遺伝子組換え融合糖タンパク質であり、1~28、220~247及び248~275番目は、それぞれヒト絨毛性性腺刺激ホルモンβサブユニットのC末端ペプチド、29~219番目はヒト成長ホルモンからなる。ソムアトロゴンは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。ソムアトロゴンは、275個のアミノ酸残基からなる糖タンパク質である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1筒
1) 日本人及び外国人健康成人の薬物動態(2022年1月20日承認、CTD2.7.2.2.1.2)
2) 日本人小児成長ホルモン分泌不全性低身長症患者の薬物動態(2022年1月20日承認、CTD2.7.2.2.2.1)
3) 社内資料:日本人及び外国人成長ホルモン分泌不全性低身長症患者における母集団PK解析の結果
4) 社内資料:日本人成長ホルモン分泌不全性低身長症患者における母集団PD解析によるIGF-Iパラメータのシミュレーション
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