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ピトレシン注射液20

添付文書番号

2414402A1035_2_01

企業コード

672212

作成又は改訂年月

2022年12月改訂(第2版)
2022年4月改訂

日本標準商品分類番号

872414

薬効分類名

脳下垂体後葉ホルモン剤

承認等

ピトレシン注射液20

販売名コード

YJコード

2414402A1035

販売名英語表記

PITRESSIN INJECTION

承認番号等

承認番号

22000AMX01517

販売開始年月

1959年11月

貯法・有効期間

貯法

凍結を避け、冷所に保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

バソプレシン注射液

一般的名称

合成バソプレシン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対しアナフィラキシー又は過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 冠動脈硬化症(心筋梗塞症、狭心症等)の患者[心筋虚血を延長させることがある。]
  3. 2.3 急速な細胞外水分の増加が危険となるような病態(心不全、喘息、妊娠高血圧症候群、片頭痛、てんかん等)のある患者[水中毒を起こすことにより、それらの病態を悪化させるおそれがある。]
  4. 2.4 血中窒素貯留のある慢性腎炎の患者[水分貯留を起こすことにより、血中窒素の排泄が抑制されるおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

ピトレシン注射液20

有効成分1アンプル中
合成バソプレシン   20単位
(バソプレシンとして   20単位 )
添加剤クロロブタノール5mg、pH調節剤

3.2 製剤の性状

ピトレシン注射液20

pH3.0~4.0
浸透圧比
(生理食塩液対比)
約0.1
性状無色澄明の液

4. 効能又は効果

下垂体性尿崩症、下垂体性又は腎性尿崩症の鑑別診断、腸内ガスの除去(鼓腸、胆のう撮影の前処置、腎盂撮影の前処置)、食道静脈瘤出血の緊急処置

6. 用法及び用量

  • 〈下垂体性尿崩症〉

    通常、成人にはバソプレシンとして1回2~10単位を必要に応じて1日2~3回皮下又は筋肉内注射する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

  • 〈下垂体性又は腎性尿崩症の鑑別診断〉

    通常、成人にはバソプレシンとして5~10単位を皮下又は筋肉内注射するか、0.1単位を静脈内注射し、その後尿量の減少が著しく、かつ尿比重が1.010以上にまで上昇すれば、バソプレシン反応性尿崩症が考えられる。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

  • 〈腸内ガスの除去(鼓腸、胆のう撮影の前処置、腎盂撮影の前処置)〉

    通常、成人にはバソプレシンとして5~10単位を皮下又は筋肉内注射する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

  • 〈食道静脈瘤出血の緊急処置〉

    通常、成人にはバソプレシンとして20単位を5%ブドウ糖液など100~200mLに混和し、0.1~0.4単位/分の注入速度で持続的に静脈内注射する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 ショック等の反応を予測するため、十分な問診をすること。
  • 〈食道静脈瘤出血の緊急処置〉
    1. 8.2 頻回に臨床検査(心電図検査、血圧測定、尿量測定等)を行うなど、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。また、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講ずること。
    2. 8.3 食道静脈瘤破裂による出血の患者は、一般に肝機能に異常をきたしているので、本剤投与により肝血流量が更に減少し、不可逆性肝不全になるおそれがある。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 冠動脈硬化症以外の動脈硬化性疾患のある患者

    全身の血管を収縮させ、血圧を高めることがある。

  2. 9.1.2 高血圧を伴う循環器疾患のある患者

    高血圧を亢進させるおそれがある。

  3. 9.1.3 動脈硬化に起因しない虚血性心疾患のある患者

    冠血流が減少し、狭心痛を強めるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。子宮収縮を起こすことがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック(頻度不明)
  2. 11.1.2 横紋筋融解症(頻度不明)

    筋肉痛、脱力感、CKの上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴うことがある。

  3. 11.1.3 心不全(頻度不明)、心拍動停止(頻度不明)
  4. 11.1.4 精神錯乱(頻度不明)、昏睡(頻度不明)
  5. 11.1.5 水中毒(頻度不明)

  6. 11.1.6 中枢性神経障害(頻度不明)

    重篤な低ナトリウム血症に至った場合、本剤の投与を急に中止するとナトリウム値が急速に上昇し、中心性橋脱髄症(不可逆性の中枢性神経障害)を引き起こすことがあるので、徐々に減量し、ナトリウム値を緩徐に上昇させるなど、その補正速度に十分注意すること。

  7. 11.1.7 無尿(頻度不明)
  8. 11.1.8 心室頻拍(torsades de pointesを含む)(頻度不明)

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症

発疹、蕁麻疹、潮紅

循環器

心筋虚血、心室性期外収縮、冠動脈攣縮、血管攣縮、胸痛、徐脈、不整脈、動悸、体温下降、血圧上昇

呼吸器

気管支攣縮、呼吸困難、喘鳴

精神神経系

頭痛、めまい、失神、不安、嗜眠、振戦

消化器

悪心・嘔吐、下痢、腹痛、排便切迫、おくび、鼓腸、腹鳴、腸管痙攣

子宮

子宮収縮、月経過多

その他

乏尿、衰弱、脱力感、体重増加、皮膚蒼白、皮膚壊死、悪寒、発熱、発汗

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    水分貯留による低ナトリウム血症(初期症候:体重の急速な増加、頭痛、脱力感、眠気等)を起こすことがある。

  2. 13.2 処置

    水分貯留による低ナトリウム血症があらわれた場合には投与を中止すること。なお、重篤な低ナトリウム血症に至った場合、本剤の投与を急に中止すると、中枢性神経障害等を引き起こすことがあるので、徐々に減量し、その補正速度に十分注意すること。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

  1. 14.1.1 筋肉内注射時

    組織・神経等への影響を避けるため、次の点に配慮すること。

    • 神経走行部位を避けるよう注意して注射すること。
    • 繰り返し注射する場合には、同一注射部位を避けること。特に小児等には連用しないことが望ましい。
    • 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き部位をかえて注射すること。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

バソプレシンは主として抗利尿作用、平滑筋収縮作用および血管収縮作用を有する1)

18.2 抗利尿作用

遠位尿細管における水の再吸収を促進することにより、抗利尿作用を発揮する2)

18.3 腸管平滑筋に対する作用

腸管平滑筋に直接作用してこれを収縮させる2)

18.4 止血作用

腹部内臓の細動脈を収縮させ、門脈血流を減少させるので、一時的に門脈圧が下降するため、門脈圧亢進による食道出血時に止血作用を発揮する3)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

合成バソプレシン(Vasopressin)

分子式

C46H65N15O12S2

分子量

1084.23

性状

白色の粉末又は薄片である。

化学構造式

22. 包装

1mL 10アンプル

24. 文献請求先及び問い合わせ先

*ファイザー株式会社 製品情報センター

*〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7

*学術情報ダイヤル 0120-664-467
FAX 03-3379-3053

26. 製造販売業者等

26.1 *製造販売元

ファイザー株式会社

東京都渋谷区代々木3-22-7

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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