当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
処方箋医薬品注)
通常、成人にはヒドロコルチゾンとして1日10~120mgを1~4回に分割して経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
抗炎症作用及び免疫抑制作用等により、感染症を増悪させるおそれがある。
潰瘍を増悪させるおそれがある。
精神病を増悪させるおそれがある。
白内障を増悪させることがある。,
眼圧を上昇させることがある。,
血圧を上昇させることがある。
電解質代謝障害作用によるNa貯留、浮腫、カリウム排泄増加による低カリウム血症等がおこることがある。
血液凝固能を増加させることが報告されており、血栓症を増悪させるおそれがある。
蛋白異化作用により創傷治癒を障害させるおそれがある。
心破裂を起こしたとの報告がある。
定期的に尿糖、血糖の測定を行うのが望ましい。糖尿病を増悪させることがある。
尿中カルシウム排泄の増加、腸管からのカルシウム吸収の抑制などにより、骨粗鬆症を増悪させることがある。
甲状腺ホルモンの分泌抑制により、甲状腺機能低下を増悪させるおそれがある。
脂肪の貯蔵作用により脂肪肝を増悪させるおそれがある。
脂肪の貯蔵作用により脂肪塞栓症を増悪させるおそれがある。
蛋白質合成抑制により、使用当初、一時症状が増悪することがある。
本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。副腎皮質ホルモン剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。また、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
排泄が低下し、作用が増強するおそれがある。
代謝が低下し、作用が増強するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物(マウス、筋肉内投与)で催奇形作用(口蓋裂)が認められており、また、新生児に副腎不全を起こすことが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。糖質コルチコイドは母乳中へ移行することがある。
長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。
生ワクチン又は弱毒生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、乾燥BCGワクチン等)
ワクチン株の異常増殖又は毒性の復帰があらわれるおそれがある。
免疫抑制が生じる量の副腎皮質ホルモン剤の投与を受けている患者
デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
機序不明
バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシン2),3)
代謝が促進されることにより本剤の作用が減弱することが報告されているので、用量を調節するなど注意すること。
これらの薬剤はCYP3A4を誘導し、本剤の代謝が促進される。
サリチル酸誘導体(アスピリン等)
これらの薬剤との併用時に本剤を減量すると血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加し、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、用量を調節するなど注意すること。
本剤がサリチル酸誘導体の腎排泄及び肝代謝を促進する。
抗凝血剤(ワルファリン等)
これらの薬剤の作用を減弱させることが報告されているので、用量を調節するなど注意すること。
本剤は血液凝固促進作用がある。
糖尿病用剤(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、インスリン製剤等)
本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を阻害する。
利尿剤(カリウム保持性利尿剤を除く:フロセミド等)
低カリウム血症があらわれることがあるので、用量を調節するなど注意すること。
本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
エストロゲン(経口避妊薬を含む)2)
本剤の作用が増強するおそれがある。必要に応じて本剤又はこれらの薬剤を減量するなど用量に注意すること。
これらの薬剤がCYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝が阻害される。
誘発感染症、感染症の増悪等があらわれることがある。,,,
連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがある。,
リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合、腫瘍崩壊症候群があらわれることがある。異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
頻度不明
内分泌系
月経異常
消化器
膵炎、下痢、悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇、食欲亢進
精神・神経系
精神変調、うつ状態、多幸症、不眠、頭痛、眩暈、痙攣
筋・骨格系
筋肉痛、関節痛
脂肪・蛋白質代謝
満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝
体液・電解質
浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカローシス
眼
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出
血液
白血球増多
皮膚
痤瘡、多毛、色素沈着、皮下溢血、紫斑、線条、そう痒、発汗異常、顔面紅斑、創傷治癒障害、皮膚菲薄化・脆弱化、脂肪織炎
過敏症
過敏症状
その他
発熱、疲労感、ステロイド腎症、体重増加、精子数及びその運動性の増減
塩類、水分貯留、電解質バランス不全、血液量の増加、窒素平衡等、微生物に対する抵抗力の低下などがあらわれる。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチン(種痘等)を接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告がある。
健康成人男性3名にヒドロコルチゾンを空腹時に単回経口投与したときの平均最高血漿中濃度及び薬物動態パラメーターを以下に示す4)(外国人データ)。
Dose(mg)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
AUC(ng・hr/mL)
t1/2(hr)
10
199±29
1.0±0.5
474
1.50±0.17
30
393
1.0
958
50
419
1.7
1,559
〔内因性ヒドロコルチゾンの分泌抑制のためにデキサメタゾン2mgを経口投与(23時)し、翌朝(8時)にヒドロコルチゾン10、30、50mgを経口投与〕
腸管上部にて吸収される。
通過する。
血液-胎盤関門を通過する。
ラットに〔4-14C〕コルチゾール約13μgを静脈内投与した60分後に比較的高分布を示した器官は、筋(19.3%、18.1%)及び皮層(9.9%、11.3%)であった5)。
主に肝臓で代謝される6)。
肝:グルクロン酸と抱合し、生物学的に作用のないテトラヒドロ化合物となる。胃腸系:胆汁中にフリー体にあるいは抱合型となり、排泄される。腎→尿:尿中に主として不活性の抱合型となって排泄され、ごく一部フリー体でも排泄される。
本剤は主としてCYP3A4及び11β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素2型(11β-HSD2)で代謝される。
尿中及び糞便中に排泄される。
尿中に未代謝のヒドロコルチゾン、コルチゾンはともに1%未満しか回収されない6)。アイソトープでラベルしたヒドロコルチゾンを経口投与した24時間後の尿中累積排泄量は61~70%であった7)。糞便、腎外排泄は極めて少ない4)。健康成人にヒドロコルチゾン200mgを絶食時に経口投与したところ、24時間後に投与量の20~30%が尿中に排泄された。尿中排泄された代謝産物の60~70%はグルクロン酸抱合体、4%は遊離型であった。また、糞便中には投与量の4%が排泄された8)(外国人データ)。
〔4-14C〕ヒドロコルチゾンを静脈内投与した24時間後の尿中排泄累積量(投与量の80%)の半分が排泄されるのに平均3.6時間を要した9)(外国人データ)。
糖質コルチコイドは細胞膜を通過し、細胞内の受容体との結合を介しDNAに働き、遺伝子の転写を調節する。
糖質コルチコイドは、リンパ球の数に対する作用に加え、リンパ球の免疫反応を著明に変化させ、抗炎症作用及び免疫抑制作用を示す。糖質コルチコイドにより炎症反応を誘起する重要な因子の産生が抑制され、血管活性因子及び化学走化性因子の放出が低下することで脂肪分解酵素及びタンパク質分解酵素の分泌が減少し、損傷部位への白血球の血管外遊出が減少し、最終的にフィブリン沈着が抑制される。また、糖質コルチコイドによりリンパ球が減少し、抗体産生、抗原抗体反応及び免疫複合体沈着が抑制されることで、免疫機能が抑制される。さらに、糖質コルチコイドは、炎症及び免疫系に関与するサイトカインの発現も減少させる。
副腎摘出ラットの肝に対する本薬の糖原増加作用はコルチゾンの約1.5倍であり、ラット綿球肉芽腫に対する抗炎症作用はコルチゾンの約1.3倍である10),11)。ヒドロコルチゾンは、ウサギにおける炎症性の血管透過性亢進・白血球遊走の抑制に優れるとともに、卵白アルブミンに対するウサギの抗体産生を抑制する12),13)。また、炎症の本態の一つとして血管外への血漿物質の漏出がある。炎症巣では、血管の透過性が増大しており、ステロイドがこの血管透過性を抑制することは、種々の実験で確かめられている14)。ヒドロコルチゾンの鉱質副腎皮質ホルモンとしての作用は弱く、副腎摘出イヌに対する生命維持作用はデオキシコルチコステロンの約0.04倍である15)。
ヒドロコルチゾン(Hydrocortisone)
*11β,17,21-Trihydroxypregn-4-ene-3,20-dione
C21H30O5
362.46
*白色の結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
212~220℃(分解)
アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]100錠[瓶、バラ]
1) Vimala J,et al.:Int J Cardiol.2011;150(3):e94-95
2) Feldweg AM,et al.:J Clin Rheumatol.1999;5(3):143-150
3) Horn JR,et al.:Pharm Times.2008;74(9):37
4) Toothaker RD,et al.:J Pharm Sci.1982;71(5):573-576
5) Gulyassy P,et al.:PSEBM.1958;98(4):711-715
6) 川合 眞一ほか:最新医学.1984;39(8):1556-1563
7) Hellman L,et al.:J Clin Invest.1956;35(9):1033-1044
8) Peterson RE,et al.:J Clin Invest.1955;34(12):1779-1794
9) Hellman L,et al.:J Clin Invest.1954;33(8):1106-1115
10) Pabst ML,et al.:Endocrinology.1947;41:55-65
11) Silber RH,et al.:Animal and Clinical Pharmacologic Techniques in Drug Evaluation.Nodine JH,et al.ed.:Year Book Medical Publishers Inc.1964;542-550
12) Menkin V.:Science.1954;120(3129):1026-1028
13) Kass EH,et al.:J Exp Med. 1955;102(6):767-774
14) 堀内 淑彦ほか:代謝.1965;2(9):740-749
15) Liddle GW.:Metabolism.1958;7:405-415
ファイザー株式会社 製品情報センター
〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7
学術情報ダイヤル 0120-664-467FAX 03-3379-3053
ファイザー株式会社
東京都渋谷区代々木3-22-7
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.