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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人には1回あたり片側の鼻腔に1噴霧(ナファレリンとして200μg)を1日2回、月経周期1~2日目より投与する。
通常、1回あたり片側の鼻腔に1噴霧(ナファレリンとして200μg)を1日2回投与する。
出血症状を増悪させることがある。
*本剤の投与中断により排卵が起き妊娠する可能性があるため、ホルモン剤によらない避妊法を使用するよう患者に指導すること。本剤投与中に患者が妊娠した場合は、本剤の投与を中止し、胎児の発育に影響を及ぼす可能性について患者に説明すること。,
*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。他のGn-RH誘導体による流産の報告があり、本剤の動物実験で流産などの生殖障害が報告されている。妊娠ラットに本剤6.4μg/kg/日(ヒトに1日400μgを鼻腔内投与したときの10倍に相当)を筋肉内投与したところ、外形及び形態分化への影響が認められたが、妊娠ラットを用いた別の試験並びに妊娠マウス及び妊娠ウサギを用いた試験では認められなかった。妊娠ラットを用いた試験においては、用量依存的な胎児死亡率の増加が認められ、本剤によるホルモン量の変化によるものと考えられた。,,
投与しないこと。動物実験で乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。
性ホルモン製剤
本剤の効果を減弱することがある。
本剤は性ホルモンの分泌を低下させることにより薬効を示す。従って、性ホルモンの投与は本剤の治療効果を減弱する可能性がある。
エストロゲン低下作用に基づく更年期障害様のうつ状態があらわれることがある。
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
大量の不正出血があらわれることがある。
卵巣囊胞が破裂することがあるので、観察を十分に行い、腹部膨満感、下腹部痛(圧痛等)等の異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー(呼吸困難、熱感、全身紅潮等)があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
低エストロゲン症状
ほてり
腟乾燥
リビドー減退、腟炎
*子宮・卵巣
帯下
卵巣過剰刺激症状
卵巣囊腫(胞)、卵巣過剰刺激症候群
乳房
乳房緊満
乳房萎縮、乳房痛
皮膚
痤瘡、脱毛
皮膚乾燥、脂漏、多毛
過敏症
発疹、胸痛
湿疹、蕁麻疹、そう痒、息切れ
消化器
便秘、下痢、口渇、食欲減退、腹痛、悪心・嘔吐
胃部不快感、食欲亢進
筋骨格系
肩こり
疼痛(四肢・肩・腰等)、血清リン上昇、関節痛
筋肉痛
精神神経系
頭痛
めまい、神経過敏、しびれ感、傾眠、不安、発汗、立ちくらみ、耳鳴、不眠
感覚異常
手指のこわばり
循環器
心悸亢進、四肢冷感、血圧上昇
鼻
鼻腔粘膜刺激症状、鼻炎
血液
白血球減少
その他
β-リポ蛋白上昇
浮腫、体重増加、咽喉刺激、倦怠感、コレステロール上昇、トリグリセライド上昇
味覚異常、顔面浮腫、体重減少、嗅覚異常
投与前には吸収を安定にするため鼻をかむ等の指導をすること。
健康成人(正常月経を有する健康な女性)に本剤を単回鼻腔内投与した場合、ナファレリンの血漿中濃度は投与後20~40分で最高値に達し、24時間後にはほとんど消失した。Cmax及びAUCは用量に依存して増大し、半減期は4~7時間であった1) 。
投与量
Cmax(ng/mL)
Tmax(min)
半減期(min)
AUC(ng・min/mL)
100μg
0.59±0.46(0.11~1.30)
34.0±5.48(30~40)
409.8±318.3(234.7~886.3)
95.2±67.9(26.8~196.4)
200μg
0.92±0.66(0.50~2.15)
26.7±8.16(20~40)
245.0±47.7(181.6~298.0)
132.3±62.8(82.4~253.6)
400μg
1.43±0.87(0.58~3.09)
25.7±7.87(20~40)
309.9±119.3(217.5~567.1)
235.2±163.9(84.8~561.5)
上段;平均値±S.D. 下段;実測値(最小~最大)
また、1日400μg(1回200μg:1日2回)を22日間反復投与した場合、ナファレリンの蓄積性は認められなかった1) 。
健康成人(正常月経を有する健康な女性)に本剤を単回鼻腔内投与した場合、ナファレリンの尿中への排泄量(24時間排泄量の平均値)は100、200及び400μg投与群でそれぞれ212、352及び613ngであった。これらの各投与量に対する割合は各々1%以下であった1) 。
二重盲検比較試験を含む総計273例の子宮内膜症患者における臨床試験での最終全般改善率は76.2%であった。投与量は100~400μg/日で、投与期間は6ヵ月以内であった。
本剤の主な症状の改善率は次のとおりである2),3),4),5),6) 。
症 状
例 数
改善以上
月経時症状
199例
177例(88.9%)
自覚総合症状
218例
199例(91.3%)
ダグラス窩の硬結
195例
163例(83.6%)
子宮可動性の制限
181例
146例(80.7%)
二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められている3) 。
本剤の6ヵ月間投与により、腰椎(L2-L4)の骨密度は平均3.25%低下したが、投薬終了後6ヵ月で回復傾向がみられた。一方、本剤の6ヵ月間投与による大腿骨頸部の骨密度の低下はみられなかった6) 。
二重盲検比較試験を含む総計164例の子宮筋腫患者における臨床試験での最終全般改善率は78.1%(114例/146例)であった。投与量は400μg/日で、投与期間は4ヵ月以内であった。
本剤の主な症状の改善率は次のとおりである7),8) 。
過多月経
69例
67例(97.1%)
月経時下腹痛
56例
53例(94.6%)
月経時腰痛
39例
37例(94.9%)
月経時以外下腹痛
20例
15例(75.0%)
月経時以外腰痛
14例
9例(64.3%)
貧血
61例
37例(60.7%)
筋腫核の縮小度
132例
96例(72.7%)
子宮体積の縮小度
46例(66.7%)
二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められている8) 。
本剤は下垂体-性腺系を一過性に刺激し排卵促進などGn-RH様作用の強いGn-RHアゴニストであるが、反復投与によりGn-RH受容体数は減少(ダウンレギュレーション)し、下垂体のGn-RHに対する反応性が低下してLH、FSH分泌が抑制される。その結果、主に卵巣のエストロゲン産生・分泌が抑制されて子宮内膜症組織の退縮又は子宮筋腫の縮小により、治療効果を示す。
雌サルを用いた実験で、血中LH量及びFSH量の減少で示される下垂体機能の抑制と、正常な性周期に伴う血中プロゲステロン量増加の抑制で示される卵巣機能の抑制が認められた9) 。雌イヌを用いた実験で、正常な性周期に伴う血中プロゲステロン量増加の抑制、排卵の抑制及び無月経で示される卵巣機能の抑制が認められた10) 。実験的子宮内膜症ラットを用いた実験で、下垂体中のGn-RH受容体量の減少及び血中LH量の減少で示される下垂体機能の抑制と血中エストラジオール量の減少で示される卵巣機能の抑制が認められた11) 。
実験的子宮内膜症ラットの実験で、移植子宮内膜片の体積の減少がみられ、子宮内膜症の治癒効果が認められた11) 。
健康成人(正常月経を有する健康な女性)を対象として、本剤を22日間反復投与したとき、投与開始直後にみられたLH、FSHの分泌の亢進は、投与継続により鈍化し、LH、FSHの分泌能は抑制されることが認められた1) 。また、子宮内膜症患者に、本剤を24週間投与したとき、LH、FSHの律動性分泌の抑制と同時にLH、FSH分泌能の著明な抑制がLH-RHテストにより確認された5) 。
本剤の投与継続により、一過性に上昇がみられた血中エストラジオール濃度は、その後閉経レベルにまで低下し、それに伴って排卵の抑制、月経の停止等卵巣機能の抑制が認められた1),2),3),4),5),6),7),8) 。
ナファレリン酢酸塩水和物(nafarelin acetate hydrate)
(-)-5-oxo-L-prolyl-L-histidyl-L-tryptophyl-L-seryl-L-tyrosyl-3-(2-naphthyl)-D-alanyl-L-leucyl-L-arginyl-L-prolylglycinamide acetate hydrate
C66H83N17O13・xC2H4O2・yH2O(1≦x≦2,2≦y≦8)
1322.47(フリー体として)
ナファレリン酢酸塩水和物は白色~淡黄色の粉末である。水に溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、アセトニトリル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品は吸湿性である。
pGlu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Ala(C10H7)-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2・xCH3COOH・yH2O(1≦x≦2,2≦y≦8)
1瓶
1) 小林 拓郎ほか:臨床医薬.1992;8(8):1835-1851
2) 小林 拓郎ほか:臨床医薬.1992;8(8):1853-1875
3) 小林 拓郎ほか:臨床医薬.1992;8(9):2193-2214
4) 小林 拓郎ほか:臨床医薬.1992;8(9):2215-2226
5) 小林 拓郎ほか:臨床医薬.1992;8(10):2357-2374
6) 水口 弘司ほか:臨床医薬.1992;8(10):2345-2356
7) 水口 弘司ほか:臨床医薬.1997;13(1):25-70
8) 水口 弘司ほか:臨床医薬.1997;13(6):1493-1532
9) 社内資料:成熟雌サルの血中LH、FSH量及び性周期に対する作用[L20081204013]
10) 社内資料:成熟雌イヌの性腺機能に対する作用[L20081204018]
11) Mizutani, T. et al.:Int J Fertil. 1995;40(2):106-111
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