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処方箋医薬品注)
国内では、本療法による手術後の補助療法については有効性及び安全性は確立していない。
通常、成人にはレボホリナートとして1回250mg/m2(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射開始1時間後にフルオロウラシルとして1回600mg/m2(体表面積)を3分以内で緩徐に静脈内注射する。1週間ごとに6回繰り返した後、2週間休薬する。これを1クールとする。
通常、成人にはレボホリナートとして1回200mg/m2(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/m2(体表面積)を静脈内注射するとともに、フルオロウラシルとして2400mg/m2(体表面積)を46時間かけて持続静脈内注射する。これを2週間ごとに繰り返す。
骨髄抑制の増悪により重症感染症が併発することがある。,,,,
骨髄抑制により感染症が増悪することがある。,,,,
症状を増悪又は再発させることがある。
血小板減少があらわれることがある。
症状を増悪させることがある。
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。
副作用が強くあらわれるおそれがある。
生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。フルオロウラシルの動物実験(ラット、マウス)で多指症、口蓋裂等の催奇形作用が報告されている。
授乳しないことが望ましい。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
用量並びに投与間隔に留意するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、特に骨髄抑制、消化器障害(激しい下痢、重篤な口内炎等)、皮膚障害、精神神経系の副作用があらわれやすい。
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(ティーエスワン),
早期に重篤な血液障害や下痢、口内炎等の消化管障害等が発現するおそれがあるので、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中及び投与中止後少なくとも7日以内は本療法を施行しないこと。
ギメラシルがフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇する。
フェニトイン
構音障害、運動失調、意識障害等のフェニトイン中毒があらわれることがある。
機序は不明であるがフルオロウラシルがフェニトインの血中濃度を上昇させる。
ワルファリンカリウム
フルオロウラシルがワルファリンカリウムの作用を増強させることがあるので、凝固能の変動に注意すること。
機序は不明である。
他の化学療法、放射線治療
血液障害、消化管障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
副作用が相互に増強される。
葉酸代謝拮抗剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム等)
これらの薬剤の作用が減弱することがある。
ホリナートによって葉酸代謝拮抗作用が減弱するためと考えられる。
激しい下痢があらわれ、脱水症状にまで至ることがあるので、下痢があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。
出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあるので、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少等の骨髄抑制があらわれることがある。,,,,,
発疹、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
白質脳症(初期症状:歩行時のふらつき、四肢末端のしびれ感、舌のもつれ等)、また、錐体外路症状、言語障害、運動失調、眼振、意識障害、痙攣、顔面麻痺、見当識障害、せん妄、記憶力低下、自発性低下、尿失禁等の精神神経症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
うっ血性心不全、心筋梗塞、安静狭心症があらわれることがある。
AST、ALT、Al-P、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれ、肝不全に至ることがある。
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
手足症候群(手掌、足蹠の紅斑、疼痛性発赤腫脹、知覚過敏等)があらわれることがある。
嗅覚障害(長期投与症例に多い)があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがある。
意識障害を伴う高アンモニア血症があらわれることがある。
腹痛、血清アミラーゼ上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
食欲不振、悪心・嘔吐
味覚異常、腹痛、心窩部痛、口渇、便秘、歯肉炎、口唇炎・口角炎a)、舌炎a)、腹部膨満感a)
下血a)
胸やけ
肝臓
AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇
Al-P上昇、LDH上昇
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿、血尿a)
クレアチニンクリアランス低下
精神神経系
しびれ、めまいa)、末梢神経障害a)
皮膚
色素沈着、脱毛
落屑、紅斑、表皮剥離、角化、そう痒感a)、爪の異常a)
浮腫a)、紅潮a)、光線過敏症a)、糜爛a)
水疱
過敏症
発疹
循環器
胸痛a)
心電図異常(ST上昇、T逆転、不整脈等)a)
胸内苦悶
眼
流涙、眼充血、眼脂
結膜炎a)
その他
発熱、低蛋白血症、低アルブミン血症
倦怠感、糖尿、頭重感、呼吸困難、顔面浮腫、手指の腫脹、鼻出血、筋肉痛、電解質異常(低ナトリウム血症、低カリウム血症、高カリウム血症、低クロール血症、高クロール血症、低カルシウム血症)、頭痛a)、白血球増多a)、CRP上昇a)、好酸球増多a)
耐糖能異常
レボホリナートを投与する際には、25mg製剤の場合は3~5mL、100mg製剤の場合は10~15mLの5%ブドウ糖液、生理食塩液又は電解質維持液等の溶解液を用いてレボホリナートの各バイアル内容物を溶解・採取した後、同一の溶解液を用いて全量を200~500mL(レボホリナートとして約0.75mg/mL)とし点滴静脈内注射する。なお、本剤は防腐剤を含有していないので、調製にあたっては細菌汚染に十分注意し、調製後は24時間以内に使用すること。
本剤は点滴静脈内投与とし、皮下、筋肉内に投与しないこと。
本剤の静脈内投与により、血管痛、血栓性静脈炎を起こすおそれがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意すること。
健康成人にレボホリナート125mg/m2を2時間点滴静脈内投与した時のレボホリナートの最高血漿中濃度は点滴開始2時間後にみられ、その値は7.5μg/mLである。また、半減期は0.67時間である。癌患者にレボホリナート125、250mg/m2を2時間点滴静脈内投与した時のレボホリナートの最高血漿中濃度はそれぞれ点滴開始2時間後にみられ、その値は9.7、25.9μg/mLである。また、半減期は0.92、1.17時間である3)。
健康成人及び癌患者にレボホリナートを静脈内投与後の血漿中には、代謝物としてS-methyl tetrahydrofolate(S-5-CH3-THF)が検出されている。S-5-CH3-THFのCmax及びAUCは、2時間点滴静脈内投与及び静脈内投与の両投与でレボホリナートの投与量に依存して増加する3),4)。
健康成人にレボホリナート125mg/m2を2時間点滴静脈内投与した時、レボホリナートあるいはS-5-CH3-THFとして尿中に排泄され、それぞれの累積尿中排泄率は投与24時間後で投与量の46.4%、31.8%である3)。
国内で実施されたレボホリナート・フルオロウラシル療法の臨床試験成績の概要は以下のとおりである。
疾患名
奏効率(有効以上例/適格例)
胃癌
29.8%(50/168)
結腸・直腸癌
30.2%(54/179)
化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験5),6)におけるFOLFIRINOX法群(1クールを2週間として第1日目にオキサリプラチン85mg/m2、ホリナート400mg/m2注1)、イリノテカン塩酸塩水和物180mg/m2を点滴静注し、引き続きフルオロウラシル400mg/m2を急速静脈内投与、フルオロウラシル2400mg/m2を46時間かけて持続静注)とゲムシタビン塩酸塩(GEM)単独投与群(GEM1000mg/m2の週1回点滴投与を7週連続し、8週目は休薬する。その後は、週1回点滴投与を3週連続し、4週目は休薬として、これを4週毎に繰り返す)の中間解析時の成績は次表のとおりであった。対象患者はECOG注2)Performance status 0及び1であった。登録において2つの遺伝子多型(UGT1A1*6、UGT1A1*28)に関する基準は設定されなかった。また、登録時の選択基準として、好中球数(1,500/mm3以上)、総ビリルビン値(施設基準値上限の1.5倍以下)等が設定された。
投与群
例数(ITT)
生存期間(主要評価項目)
中央値(月)
ハザード比P値注3)
化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌
FOLFIRINOX法
127
10.5
0.62P<0.001
GEM単独投与
128
6.9
注1:ホリナート400mg/m2は本剤200mg/m2に相当する。注2:Eastern Cooperative Oncology Group注3:log-rank検定
化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌を対象とした第Ⅱ相臨床試験におけるFOLFIRINOX法(1サイクルを2週間として第1日目にオキサリプラチン85mg/m2、本剤200mg/m2、イリノテカン塩酸塩水和物180mg/m2を点滴静注し、引き続きフルオロウラシル400mg/m2を急速静脈内投与、フルオロウラシル2400mg/m2を46時間かけて持続静注)の成績は次表のとおりであった。対象患者はECOG注1)Performance status 0及び1であった。2つの遺伝子多型(UGT1A1*6、UGT1A1*28)について、いずれかをホモ接合体(UGT1A1*6/*6、UGT1A1*28/*28)又はいずれもヘテロ接合体(UGT1A1*6/*28)としてもつ患者は除外された。また、1サイクル目の投与可能条件として、好中球数(2,000/mm3以上)、総ビリルビン値(施設基準値上限以下)等が設定された。
奏効率(有効例/適格例)
38.9%(14/36)
注1:Eastern Cooperative Oncology Group
レボホリナートは、Biochemical Modulationによりフルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強させる。フルオロウラシルは活性代謝物であるフルオロデオキシウリジン一リン酸(FdUMP)が、チミジル酸合成酵素(thymidylate synthase:TS)と結合し、TS活性を阻害することにより、チミジル酸合成を抑制しDNA合成を阻害する。レボホリナートは細胞内で還元され、5,10メチレンテトラヒドロ葉酸(5,10-CH2-THF)となる。この5,10-CH2-THFはFdUMP、TSと強固な三元複合体(ternary complex)を形成し、TSの解離を遅延させることにより、フルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強させる。
ヒト結腸・直腸癌細胞(COLO201)、ヒト胃癌細胞(TMK-1、KATOⅢ、MKN28)に対し20μM濃度のレボホリナートを用いたin vitro試験で、フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強作用が認められている7)。
ヒト大腸癌Co-4細胞及びヒト胃癌H-111細胞を移植したヌードマウスに対し、レボホリナート(200mg/kg)とフルオロウラシル(90mg/kg)の併用で腫瘍細胞増殖抑制効果を示す8),9)。
レボホリナートカルシウム水和物(Calcium Levofolinate Hydrate)
Monocalcium N-[4-({[(6S)-2-amino-5-formyl-4-oxo-1,4,5,6,7,8-hexahydropteridin-6-yl]methyl}amino)benzoyl]-L-glutamate pentahydrate
C20H21CaN7O7・5H2O
601.58
本品は白色~淡黄色の結晶性の粉末である。本品は水にやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。本品は吸湿性である。
〔α〕25D:-10~-15゜(脱水及び脱溶媒物に換算したもの0.25g、pH8.1の0.2mol/Lトリス緩衝液、25mL、100mm)
10バイアル
5バイアル
1) *医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書 レボホリナートカルシウム (小腸癌)
2) *医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書 レボホリナートカルシウム (治癒切除不能な進行・再発の胃癌)
3) 川田 和仁ほか:薬理と治療.1994;22(9):3889-3904
4) 佐々木 常雄ほか:癌と化学療法.1993;20(4):485-491
5) Conroy, T. et al.:N Engl J Med.2011;364(19):1817-1825
6) 社内資料:膵癌FOLFIRINOX法に関する資料[L20131121004]
7) Sugimoto Y. et al.:Cancer Chemother Pharmacol.1992;30:417-422
8) Kase S. et al.:Surg Today.1993;23(7):615-620
9) 加瀬 卓ほか:日本外科学会雑誌.1993;94(6):659
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