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処方箋医薬品注)
閉経後骨粗鬆症
通常、バゼドキシフェンとして、1日1回20mgを経口投与する。
本剤服用により血清トリグリセリド上昇がみられることがある。なお、本剤の臨床試験において、トリグリセリド>300mg/dLの患者には投与されていない。
腎機能障害患者を対象とした国内臨床試験は実施していない。
血中濃度が上昇するおそれがある。肝機能障害患者を対象とした国内臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤投与中に、妊娠した場合、胎児に悪影響を及ぼす可能性があることを、あらかじめ説明しておくこと。本剤投与中に妊娠した場合は、直ちに本剤を中止すること。非臨床試験の結果から、妊婦に本剤を投与した場合、胎児に悪影響を及ぼすおそれがある。ウサギでは、≧0.5mg/kg/日(AUCに基づく用量比較で臨床用量の1.4倍)で、流産及び胎児の心奇形(心室中隔欠損)及び骨格異常(脊柱又は頭蓋骨における骨化遅延あるいは奇形)の発生増加が認められた。また、ラットでは、≧1mg/kg/日(AUCに基づく用量比較で臨床用量の0.25倍)で、生存児数の減少及び胎児の体重減少が認められた。
授乳を避けさせること。本剤がヒト母乳中へ移行するかどうかは不明である。
深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症、表在性血栓性静脈炎があらわれることがあるので、下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等の症状が認められた場合には投与を中止すること。,,
1~5%未満
1%未満
頻度不明
眼
霧視・視力低下等の視力障害
皮膚
発疹
じん麻疹、そう痒症
循環器
血管拡張(ほてり)
消化器
腹痛、口渇
口内乾燥
血液
貧血
肝臓
ALT上昇
AST上昇
精神神経系
傾眠
乳房
線維嚢胞性乳腺疾患
筋・骨格系
筋痙縮(下肢痙攣を含む)、関節痛
その他
耳鳴
末梢性浮腫
過敏症、トリグリセリド上昇
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人健康閉経後女性48例にバゼドキシフェン2.5、5、10、20、40、80mg注1)を空腹時に単回経口投与したとき、バゼドキシフェンは投与後約2~3時間で最高血漿中濃度に達し、消失半減期は23~35時間であった1) 。
Cmax(ng/mL)
tmax(h)
t1/2(h)
AUC(ng・h/mL)
CL/F(L/h/kg)
Vz/F(L/kg)
20mg
4.0±1.3
3.0±3.1
23±6
79±23
5.6±1.9
182±46
平均値±標準偏差
健康閉経後女性28例にバゼドキシフェン20mgを高脂肪食摂食下で単回経口投与したとき、絶食下投与と比較してCmaxは28%、AUCは22%増加した。また、健康閉経後女性20例にバゼドキシフェン20mgを標準脂肪食下で7日間反復経口投与したとき、絶食下投与と比較して、Cmaxは42%、AUCは35%増加した3) (外国人データ)。
健康閉経後女性18例にバゼドキシフェン3mgを静脈内投与注2)及び10mg注1)を経口投与したときの血漿中濃度を比較したところ、バゼドキシフェンの絶対的バイオアベイラビリティは約6%であった3) (外国人データ)。
健康閉経後女性18例にバゼドキシフェン3mgを静脈内投与注2)したときの分布容積は14.7±3.9L/kgであった。in vitro試験でバゼドキシフェンの血漿タンパク質との結合を検討したところ、タンパク結合率は高く、約98~99%であった3),4) (外国人データ)。
健康閉経後女性6例に14C-標識バゼドキシフェン20mgを単回経口投与したとき、投与10日後までに投与した放射能の約85%が糞中に排泄され、尿中への排泄は1%未満であった。糞中の主な放射性成分はバゼドキシフェンであった1) (外国人データ)。
健康閉経後女性24例にバゼドキシフェン20mgを単回経口投与したときのバゼドキシフェンのAUCは、51~64歳の女性8例では59.2ng・h/mL、65~74歳の女性8例では87.4ng・h/mL、75歳以上の女性8例では157ng・h/mLであった1) (外国人データ)。
中等度の腎機能障害のある患者5例(CrCl<50mL/min)にバゼドキシフェン20mgを単回経口投与したときのバゼドキシフェンのAUCは49.9~192.4ng・h/mLであった。また、尿中へのバゼドキシフェンの排泄はほとんどなかった1) (外国人データ)。
肝機能障害のある患者18例と健康閉経後女性18例にバゼドキシフェン20mgを単回経口投与したとき、肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類でグレードCに相当する)のAUCは健康閉経後女性と比較して平均4.3倍であった1) (外国人データ)。
Child-Pugh A
(n=6)
6.2±2.9
1.1±0.2
38±25
205±221
2.9±2.1
Child-Pugh B
4.8±1.7
2.6±2.7
35±2
118±40
3.2±2.0
Child-Pugh C
5.4±5.5
2.8±1.8
50±6
241±202
1.7±1.0
健康閉経後女性
(n=18)
3.8±1.6
1.9±1.4
32±9
56±19
5.9±2.0
健康閉経後女性を対象に本剤と制酸剤、イブプロフェン、アジスロマイシン又はアトルバスタチンを併用したときの薬物間相互作用について評価したところ、本剤や併用薬の薬物動態に臨床上意義のある変動は認められなかった6) (外国人データ)。注1)本剤の1日承認用量は20mgである。注2)本剤の承認用法は経口投与である。
日本人の閉経後骨粗鬆症患者423例に本剤20mg、40mg注)又はプラセボを投与した二重盲検用量反応比較試験を実施した。この試験で、バゼドキシフェン20mg/日を2年間投与した(全ての患者がカルシウム610mg/日、ビタミンD3 400IU/日及びマグネシウム30mg/日を摂取)。有効性の主要評価項目である腰椎骨密度(L1~L4)に関して、プラセボ投与群に比較し有意な増加が認められた。また、有効性の副次評価項目である腰椎骨密度(L2~L4)、大腿骨骨密度、及び骨代謝マーカーに関して、プラセボ投与群に比較し骨密度の有意な増加と骨代謝マーカーの有意な減少が認められた7) 。
20mg投与群
プラセボ投与群
P値a)
腰椎骨密度(L1~L4)
2.432
-0.648
<0.001
腰椎骨密度(L2~L4)
2.517
-0.547
大腿骨骨密度(大腿骨全体)
1.098
-0.965
血清I型コラーゲン架橋C-テロペプチド
-24.576
-0.853
血清I型コラーゲン架橋N-テロペプチド
-11.454
1.410
0.001
血清オステオカルシン
-19.735
3.849
尿I型コラーゲン架橋N-テロペプチド
-16.083
14.456
a):共通分散を用いたt検定
副作用(臨床検査値の異常変動を含む)の発現率は44.2%(125/283例)であった。本剤20mg/日の副作用は46.2%(66/143例)、40mg/日注)の副作用は42.1%(59/140 例)であった。主な副作用は、筋痙縮2.5%(7/283例)、線維嚢胞性乳腺疾患(乳腺症、乳腺嚢胞)2.5%(7/283例)等であった。
外国人の閉経後骨粗鬆症患者7,492例に本剤20mg、40mg注)、実薬対照又はプラセボを投与した二重盲検比較試験を実施した。この試験で、バゼドキシフェン20mg/日を3年間投与した(全ての患者がカルシウム最大1,200mg/日まで及びビタミンD 最大400IU/日までを摂取)。有効性の主要評価項目である投与3年後の新規椎体骨折(T4~L4)の発現頻度に関して、プラセボ投与群(4.07%)に対して、バゼドキシフェン20mg投与群(2.34%)で、有意な減少が認められた(相対リスク減少=42%、p=0.015、ログランク検定)8) 。腰椎骨密度(L1~L4)の投与前値からの変化率は、6ヵ月後に有意な増加が認められ(プラセボ投与群:0.51%、バゼドキシフェン20mg投与群:1.53%)、3年後まで継続した(プラセボ投与群:0.88%、バゼドキシフェン20mg投与群:2.21%)。副作用(臨床検査値の異常変動を含む)の発現率は45.4%(1705/3758 例)であった。本剤20mg/日の副作用は45.1%(850/1886例)、40mg/日注)の副作用は45.7%(855/1872例)であった。主な副作用は、血管拡張(ほてり)10.4%(390/3758例)、便秘6.8%(254/3758例)、下肢痙攣6.4%(239/3758例)等であった。注)本剤の1日承認用量は20mgである。
バゼドキシフェンは、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)である。本剤は、エストロゲン受容体に結合後、組織に応じて受容体の活性を亢進又は抑制する。骨においては、破骨細胞の分化と機能を調節するサイトカインを介して、エストロゲンアゴニスト活性を示す。また、脂質代謝に対してもエストロゲン様作用を示す。卵巣摘除ラットにバゼドキシフェン(0.15~1.5mg/kg/日)を1年間投与すると、子宮重量はいずれの用量においても溶媒対照群の約1.6倍に増加したが、卵巣摘除サルにバゼドキシフェン(0.2~25mg/kg/日)を18ヵ月間投与しても、本剤投与に関連した子宮重量の増加や乳腺小葉組織重量への影響は認められなかった。
ラットの卵巣摘除モデルにおいて、バゼドキシフェンを6週間経口投与した結果、0.1mg/kg/日以上で脛骨の骨密度低下が、0.3mg/kg/日以上で腰椎の骨強度低下が抑制された。これらの効果は1年間投与でもみられた。サルにおいて、バゼドキシフェン0.2~25mg/kg/日を18ヵ月間投与した結果、卵巣摘除による腰椎及び脛骨の骨密度低下が抑制され、バゼドキシフェンの骨塩量増加作用と骨強度改善作用の間に正の相関が認められた。また、バゼドキシフェンは、骨代謝マーカーや骨微細構造の変動で示される卵巣摘除サルの骨代謝回転の亢進を抑制した9) 。
ラットの卵巣摘除モデルにおいて、バゼドキシフェン1.5mg/kg/日の1年間投与は、海綿骨における骨梁部体積の低下を抑制し、正常な微細構造を有する骨を形成した。また、卵巣摘除サルにバゼドキシフェン25mg/kg/日を18ヵ月間投与しても、骨微細構造に有害な影響はみられなかった9) 。
ラットの卵巣摘除モデルにバゼドキシフェン1mg/kg/日を投与し、大腿骨骨折部位の仮骨形成及び力学的特性を検討したところ、正常な仮骨形成、骨強度の維持等で支持される骨折治癒過程に有害な影響はみられなかった9) 。
バゼドキシフェン酢酸塩(Bazedoxifene Acetate)
1-{4-[2-(Hexahydro-1H-azepin-1-yl)ethoxy]benzyl}-2-(4-hydroxyphenyl)-3-methyl-1H-indol-5-ol monoacetate
C30H34N2O3・C2H4O2
530.65
白色~黄褐色の粉末である。
約176℃
>3(pH6.56、1-オクタノール/水系)
100錠[10錠(PTP)×10]140錠[14錠(PTP)×10]500錠[10錠(PTP)×50]700錠[14錠(PTP)×50]
1) 社内資料:臨床薬理試験(個々の試験結果の要約)(2010年7月23日承認、CTD2.7.2.2)[L20100506093]
2) 社内資料:閉経後骨粗鬆症患者における薬物動態(2010年7月23日承認、CTD2.7.3.2.1.2)[L20100630065]
3) 社内資料:生物薬剤学及び関連する分析法(個々の試験結果の要約)(2010年7月23日承認、CTD2.7.1.2)[L20100506091]
4) 社内資料:分布(2010年7月23日承認、CTD2.6.4.4)[L20100506078]
5) 社内資料:代謝(2010年7月23日承認、CTD2.6.4.5)[L20100506079]
6) 社内資料:臨床薬理試験(試験を通した結果の比較及び分析)(2010年7月23日承認、CTD2.7.2.3)[L20100506094]
7) Itabashi A. et al.:J Bone Miner Res. 2011;26 (3):519-529[L20110217004]
8) Silverman S L. et al.: J Bone Miner Res. 2008;23 (12):1923-1934[L20100406200]
9) 社内資料:薬理試験(効力を裏付ける試験)(2010年7月23日承認、CTD2.6.2.2)[L20100506073]
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