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日本薬局方
メトトレキサート錠
劇薬
処方箋医薬品注)
メトトレキサートとして、通常、次の量を1日量として1週間に3~6日経口投与する。幼児 1.25~2.5mg小児 2.5~5mg成人 5~10mg
1クールを5日間とし、メトトレキサートとして、通常、成人1日10~30mgを経口投与する。休薬期間は、通常、7~12日間であるが、前回の投与によって副作用があらわれた場合は、副作用が消失するまで休薬する。なお、いずれの場合でも年齢、症状により適宜増減する。
骨髄機能抑制を増悪させるおそれがある。
骨髄機能抑制により感染を増悪させるおそれがある。
致命的全身障害があらわれることがある。
B型肝炎ウイルスキャリアの患者及び既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者に対し本剤を投与する場合、投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型又はC型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。重篤な肝炎や肝障害の発現が報告されており、死亡例が認められている。また本剤投与終了後にB型肝炎ウイルスが活性化することによる肝炎等の発現も報告されている。,
投与しないこと。本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。
投与しないこと。肝障害を増悪させるおそれがある。
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。催奇形性を疑う症例報告があり、また、動物実験(マウス、ラット及びウサギ)で催奇形作用が報告されている。
授乳しないことが望ましい。母乳中への移行が報告されている。
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。低出生体重児、新生児、乳児(1歳未満)に対する臨床試験は実施していない。
腎機能検査値に十分注意し、患者の状態を観察しながら副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。腎機能等生理機能が低下していることが多く、メトトレキサートの排泄遅延により副作用があらわれやすい。
サリチル酸等の非ステロイド性抗炎症剤
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。
主として、非ステロイド性抗炎症剤の腎におけるプロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下及びナトリウム、水分貯留傾向のためメトトレキサートの排泄が遅延するためと考えられている。
スルホンアミド系薬剤テトラサイクリンクロラムフェニコールフェニトインバルビツール酸誘導体
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。
併用薬剤が血漿蛋白と結合しているメトトレキサートを競合的に置換遊離し、メトトレキサートの濃度を上昇させ、その毒性を増強させる。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
両薬剤の葉酸代謝阻害作用が協力的に作用するためと考えられている。
ペニシリン(ピペラシリン等)プロベネシド
併用薬剤がメトトレキサートの腎排泄を競合的に阻害するためと考えられている。
シプロフロキサシン
発現機序の詳細は不明であるが、メトトレキサートの腎尿細管からの排泄が阻害されるためと考えられている。
レフルノミド
併用により骨髄抑制等の副作用を増強するためと考えられている。
プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、ラベプラゾール、ランソプラゾール等)
機序は不明であるが、メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。
ポルフィマーナトリウム
光線過敏症を起こすことがある。
ポルフィマーナトリウムは光感受性を高める作用があるため、光線過敏症を起こしやすい薬剤の作用を増強する。
放射線療法
軟部組織壊死及び骨壊死の発現頻度が高まるという報告がある。
機序不明
冷感、呼吸困難、血圧低下等があらわれることがある。
汎血球減少、無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄抑制、再生不良性貧血があらわれることがある。,
呼吸不全にいたるような肺炎(ニューモシスティス肺炎等を含む)、敗血症、サイトメガロウイルス感染症、帯状疱疹等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、抗生剤、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。,
劇症肝炎、肝不全、肝組織の壊死・線維化、肝硬変等の重篤な肝障害(B型又はC型肝炎ウイルスによるものを含む)があらわれることがある。,,
急性腎障害、尿細管壊死、重症ネフロパチー等の重篤な腎障害があらわれることがある。
間質性肺炎、肺線維症、胸水等があらわれ、呼吸不全にいたることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を行い、本剤の投与を中止するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
出血性腸炎、壊死性腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあるので、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
骨塩量減少等の異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察すること。意識障害、認知機能障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、構音障害、失語等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹、そう痒、発熱
血液
出血、低ガンマグロブリン血症、好酸球増多、リンパ節腫脹
肝臓
黄疸、脂肪肝、AST、ALT、Al-P、LDHの上昇
腎臓
血尿、BUN、クレアチニンの上昇、蛋白尿
消化器
消化管潰瘍・出血、口内炎、腹痛、下痢、食欲不振、嘔気・嘔吐、メレナ、イレウス、舌炎、口唇腫脹
皮膚
光線過敏症、紅斑、色素沈着、色素脱出、皮下斑状出血、ざ瘡、脱毛、結節、皮膚潰瘍
精神神経系
頭痛、眠気、目のかすみ、項部緊張、背部痛、しびれ感、味覚異常、意識障害、めまい、錯感覚
呼吸器
咳嗽、呼吸困難
生殖器
無精子症、卵巣機能不全、月経不全、流産
その他
膀胱炎、倦怠感、耳下腺炎、結膜炎、低蛋白血症、血清アルブミン減少、関節痛、動悸、胸部圧迫感、浮腫、悪寒
トリメトプリム(スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤)を併用した場合、2水素葉酸還元酵素(dihydrofolate reductase:DHFR)を用いたメトトレキサート濃度の測定で見かけ上高値を呈することがあるので注意すること。
外国で過量投与時に報告された主な症状は血液障害及び消化管障害であった。また、重篤な副作用を発現し、致命的な経過をたどった症例が報告されている。
過量投与したときは、すみやかに本剤の拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与するとともに、本剤の排泄を促進するために水分補給と尿のアルカリ化を行うこと。本剤とホリナートカルシウムの投与間隔が長いほど、ホリナートカルシウムの効果が低下することがある。
悪性腫瘍患者17例にメトトレキサートの2.25mg、4.50mg、9.00mg、31.5mgを経口単回投与したときの最高血中濃度は、2.25mg、4.50mg、9.00mg投与時には1時間後に、31.5mg投与時には2時間後にみられた。投与1時間後の最高血中濃度は5.3×10-7mol/L~2.4×10-6mol/Lであり、この濃度範囲内におけるメトトレキサートの血漿中蛋白結合率は約50%であった1)(外国人データ)。
悪性腫瘍患者17例にメトトレキサートの2.25mg、4.50mg、9.00mg、31.5mgを経口投与したときの尿中排泄率は24時間でほぼ100%を示した。また、メトトレキサートの2.25~31.5mgを静脈内に投与したときの尿中排泄率は、最初の1時間で43%、6時間で88%であることが認められており、大部分は未変化体であった1)(外国人データ)。
メトトレキサートは、葉酸を核酸合成に必要な活性型葉酸に還元させる酵素dihydrofolate reductase(DHFR)の働きを阻止し、チミジル酸合成及びプリン合成系を阻害して、細胞増殖を抑制する。メトトレキサートは、正常細胞や感受性の高い癌細胞には能動的に取り込まれ、殺細胞作用を示す2)。
メトトレキサート(Methotrexate)
N-{4-[(2,4-Diaminopteridin-6-ylmethyl)(methyl)amino]benzoyl}-L-glutamic acid
C20H22N8O5
454.44
本品は黄褐色の結晶性の粉末である。本品はピリジンに溶けにくく、水、アセトニトリル、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品は希水酸化ナトリウム試液又は希炭酸ナトリウム試液に溶ける。本品は光によって徐々に変化する。
瓶から取り出した錠剤は遮光して保存すること。
100錠[瓶]
1) Freeman M V.:J Pharmacol Exp Ther. 1958;122(1):154-162
2) Bleyer W A.:Cancer. 1978;41(1):36-51
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