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注射用メソトレキセート5mg


処方せん医薬品


作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
日本標準商品分類番号等
薬効分類名
承認等
販売名 注射用メソトレキセート5mg
承認・許可番号
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
規制区分
組成
性状
一般的名称
警告
禁忌
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
用法及び用量
用法及び用量
用法及び用量
用法及び用量に関連する使用上の注意
用法及び用量に関連する使用上の注意
用法及び用量に関連する使用上の注意
使用上の注意
慎重投与
重要な基本的注意
相互作用
併用注意
副作用
副作用等発現状況の概要
重大な副作用
その他の副作用
高齢者への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
小児等への投与
臨床検査結果に及ぼす影響
過量投与
適用上の注意
その他の注意
薬物動態
臨床成績
薬効薬理
有効成分に関する理化学的知見
包装
主要文献及び文献請求先
主要文献
文献請求先
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

注射用メソトレキセート5mg


作成又は改訂年月

** 2021年10月改訂 (第16版)

* 2018年10月改訂

日本標準商品分類番号

874222

日本標準商品分類番号等

効能又は効果追加承認年月(最新)
2004年1月

国際誕生年月
1953年12月

薬効分類名

葉酸代謝拮抗剤

承認等

販売名
注射用メソトレキセート5mg

販売名コード

4222400D1024

承認・許可番号

承認番号
14300AMY00053
商標名
METHOTREXATE PARENTERAL 5mg

薬価基準収載年月

1968年5月

販売開始年月

1968年4月

貯法・使用期限等

*貯法

室温保存、遮光保存

使用期限

最終年月を外箱等に記載

規制区分

劇薬

処方箋医薬品注)

注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1バイアル中:
有効成分

日局 メトトレキサート 5mg

添加物

pH調節剤
等張化剤

性状

本剤は淡黄色〜黄色の結晶性の粉末又は塊である。

pH

7.0〜9.0(2.5mg/mL注射用蒸留水)

浸透圧比(生理食塩液に対する比)

約1(2.5mg/mL注射用蒸留水)

一般的名称

**日本薬局方 注射用メトトレキサート

警告

M-VAC療法
M-VAC療法は毒性を有する薬剤の併用療法であるので、緊急時に十分対応できる医療施設において、癌化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ本療法を実施すること。また、各併用薬剤の添付文書を参照して適応患者の選択に十分注意すること。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

2.
肝障害のある患者[肝障害を増悪させるおそれがある。]

3.
腎障害のある患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。]

4.
胸水、腹水等のある患者[胸水、腹水等に長時間貯留して毒性が増強されることがある。]

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

◇メトトレキサート通常療法

下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解

急性白血病

慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病

絨毛性疾患(絨毛癌、破壊胞状奇胎、胞状奇胎)

用法及び用量

本剤は静脈内、髄腔内又は筋肉内に注射する。
また、必要に応じて動脈内又は腫瘍内に注射する。

・急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病
メトトレキサートとして、通常、次の量を1日量として、1週間に3〜6回注射する。

幼児 1.25〜2.5mg
小児 2.5〜5mg
成人 5〜10mg

白血病の髄膜浸潤による髄膜症状(髄膜白血病)には、1回の注射量を体重1kg当たり0.2〜0.4mgとして、髄腔内に2〜7日ごとに1回注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

・絨毛性疾患
1クールを5日間とし、メトトレキサートとして、通常、成人1日10〜30mgを注射する。休薬期間は通常、7〜12日間であるが、前回の投与によって副作用があらわれた場合は、副作用が消失するまで休薬する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

(注射液の調製法)
通常、本剤に注射用蒸留水2mLを加えて溶解し、1mL中メトトレキサートとして2.5mgになるように調製する。
本剤は防腐剤を含有しないので、調製にあたっては細菌汚染に注意すること。
なお、調製後は速やかに使用すること。

効能又は効果/用法及び用量
◇CMF療法
乳癌

用法及び用量

シクロホスファミド及びフルオロウラシルとの併用において、メトトレキサートとして、通常、成人1回40mg/m2を静脈内注射する。前回の投与によって副作用があらわれた場合は、減量するか又は副作用が消失するまで休薬する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
標準的な投与量及び投与方法は、シクロホスファミドを1日量として65mg/m2を14日間連日経口投与、メトトレキサートを1日量として40mg/m2を第1日目と第8日目に静脈内投与、及びフルオロウラシルを1日量として500mg/m2を第1日目と第8日目に静脈内投与する。これを1クールとして4週ごとに繰り返す。

用法及び用量に関連する使用上の注意

(注射液の調製法)
通常、本剤に注射用蒸留水2mLを加えて溶解し用いるか、あるいは生理食塩液又は5%ブドウ糖液20mLを加え溶解して用いる。
本剤は防腐剤を含有しないので、調製にあたっては細菌汚染に注意すること。
なお、調製後は速やかに使用すること。

効能又は効果/用法及び用量
◇M-VAC療法
尿路上皮癌

用法及び用量

ビンブラスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩及びシスプラチンとの併用において、メトトレキサートとして、通常、成人1回30mg/m2を静脈内注射する。前回の投与によって副作用があらわれた場合は、減量するか又は副作用が消失するまで休薬する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。
標準的な投与量及び投与方法は、治療1、15及び22日目にメトトレキサート30mg/m2、治療2、15及び22日目にビンブラスチン硫酸塩3mg/m2、治療2日目にドキソルビシン塩酸塩30mg(力価)/m2及びシスプラチン70mg/m2を静脈内投与する。これを1クールとして4週ごとに繰り返す。

用法及び用量に関連する使用上の注意

(注射液の調製法)
通常、本剤に注射用蒸留水2mLを加えて溶解し用いるか、あるいは生理食塩液又は5%ブドウ糖液20mLを加え溶解して用いる。
本剤は防腐剤を含有しないので、調製にあたっては細菌汚染に注意すること。
なお、調製後は速やかに使用すること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制を増悪させるおそれがある。]

2.
感染症を合併している患者[骨髄機能抑制により感染を増悪させるおそれがある。]

3.
水痘患者[致命的全身障害があらわれることがある。]

重要な基本的注意

1.
骨髄機能抑制、肝・腎機能障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、尿検査等)を行うなど、患者の状態を十分観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。

2.
出血性腸炎、消化管潰瘍・出血等の消化管障害があらわれることがあるので、口内炎、激しい腹痛、嘔吐、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、患者に対し、口内炎があらわれた場合には、直ちに連絡するよう注意を与えること。

3.
感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意し、異常が認められたときには投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、患者に対し発熱、倦怠感があらわれた場合には、直ちに連絡するよう注意を与えること。

4.
小児及び高齢者に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。

5.
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

6.
本剤と放射線療法の併用により軟部組織壊死及び骨壊死の発現頻度が高まるという報告がある。併用治療を行う場合には当該症状の発現を考慮すること。また、併用治療後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

7.
メトトレキサート通常療法、CMF療法、M-VAC療法で本剤によると思われる副作用が発現した場合には、適切な処置を行いながら、本剤の拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。[「その他の注意」の項参照]

8.
免疫機能が抑制された患者への生ワクチン接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中に生ワクチンを接種しないこと。

9.
B型又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者に対する本剤の投与により、重篤な肝炎や肝障害の発現が報告されており、死亡例が認められている。また本剤投与終了後にB型肝炎ウイルスが活性化することによる肝炎等の発現も報告されている。本剤投与に先立って、肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。B型肝炎ウイルスキャリアの患者及び既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者に対し本剤を投与する場合、投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型又はC型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。

10. CMF療法
骨髄機能抑制(白血球、血小板減少等)、肝・腎機能障害等の重篤な副作用が発現した場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等 サリチル酸等の非ステロイド性抗炎症剤

臨床症状・措置方法
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。

機序・危険因子
主として、非ステロイド性抗炎症剤の腎におけるプロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下及びナトリウム、水分貯留傾向のためメトトレキサートの排泄が遅延するためと考えられている。

2. 薬剤名等 スルホンアミド系薬剤
テトラサイクリン
クロラムフェニコール
フェニトイン
バルビツール酸誘導体

臨床症状・措置方法
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。

機序・危険因子
併用薬剤が血漿蛋白と結合しているメトトレキサートを競合的に置換遊離し、メトトレキサートの濃度を上昇させ、その毒性を増強させる。

3. 薬剤名等 スルファメトキサゾール・トリメトプリム

臨床症状・措置方法
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。

機序・危険因子
両薬剤の葉酸代謝阻害作用が協力的に作用するためと考えられている。

4. 薬剤名等 ペニシリン
(ピペラシリンナトリウム等)
プロベネシド

臨床症状・措置方法
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。

機序・危険因子
併用薬剤がメトトレキサートの腎排泄を競合的に阻害するためと考えられている。

5. 薬剤名等 シプロフロキサシン

臨床症状・措置方法
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。

機序・危険因子
発現機序の詳細は不明であるが、メトトレキサートの腎尿細管からの排泄が阻害されるためと考えられている。

6. 薬剤名等 レフルノミド

臨床症状・措置方法
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。

機序・危険因子
併用により骨髄抑制等の副作用を増強するためと考えられている。

7. 薬剤名等 プロトンポンプ阻害剤

臨床症状・措置方法
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。

機序・危険因子
機序は不明であるが、メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。

8. 薬剤名等 ポルフィマーナトリウム

臨床症状・措置方法
光線過敏症を起こすことがある。

機序・危険因子
ポルフィマーナトリウムは光感受性を高める作用があるため、光線過敏症を起こしやすい薬剤の作用を増強する。

副作用

副作用等発現状況の概要

メトトレキサート通常療法及びM-VAC療法においては、使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
CMF療法において副作用集計対象となった62例中、49例(79.0%)に副作用が認められた。その主なものは嘔気・嘔吐(67.7%)、食欲不振(58.1%)、脱毛(35.5%)、口内炎(17.7%)等であった。臨床検査値異常は61例中、56例(91.8%)に認められた。その主なものは白血球減少(88.5%)、貧血(37.7%)、ALT(GPT)上昇(37.7%)、AST(GOT)上昇(36.1%)等であった。(承認時の集計1)
なお、本項には自発報告等副作用発現頻度が算出できない副作用報告を含む。

重大な副作用

1. ショック、アナフィラキシー(メトトレキサート通常療法、CMF療法及びM-VAC療法いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(冷感、呼吸困難、血圧低下等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2. 骨髄抑制(メトトレキサート通常療法、CMF療法及びM-VAC療法いずれも頻度不明)
汎血球減少、無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄抑制、再生不良性貧血があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

3. 感染症(メトトレキサート通常療法、CMF療法及びM-VAC療法いずれも頻度不明)
呼吸不全にいたるような肺炎(ニューモシスティス肺炎等を含む)、敗血症、サイトメガロウイルス感染症、帯状疱疹等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、抗生剤、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。

4. 劇症肝炎、肝不全(メトトレキサート通常療法、CMF療法及びM-VAC療法いずれも頻度不明)
劇症肝炎、肝不全、肝組織の壊死・線維化、肝硬変等の重篤な肝障害(B型又はC型肝炎ウイルスによるものを含む)があらわれることがあるので、頻回に肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5. 急性腎障害、尿細管壊死、重症ネフロパチー(メトトレキサート通常療法、CMF療法及びM-VAC療法いずれも頻度不明)
急性腎障害、尿細管壊死、重症ネフロパチー等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、頻回に腎機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

6. 間質性肺炎、肺線維症、胸水(メトトレキサート通常療法、CMF療法及びM-VAC療法いずれも頻度不明)
間質性肺炎、肺線維症、胸水等があらわれ、呼吸不全にいたることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を行い、本剤の投与を中止するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

7. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(メトトレキサート通常療法、CMF療法及びM-VAC療法いずれも頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

8. 出血性腸炎、壊死性腸炎(メトトレキサート通常療法、CMF療法及びM-VAC療法いずれも頻度不明)
出血性腸炎、壊死性腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

9. 膵炎(メトトレキサート通常療法、CMF療法及びM-VAC療法いずれも頻度不明)
膵炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

10. 骨粗鬆症(メトトレキサート通常療法、CMF療法及びM-VAC療法いずれも頻度不明)
骨粗鬆症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、骨塩量減少等の異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11. 脳症(白質脳症を含む)、その他の中枢神経障害、ギランバレー症候群(メトトレキサート通常療法、CMF療法及びM-VAC療法いずれも頻度不明)
脳症(白質脳症を含む)、その他の中枢神経障害(痙攣、麻痺、失語、認知症、昏睡)、ギランバレー症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
◇メトトレキサート通常療法及びM-VAC療法

(1) 過敏症注1)(頻度不明)
発疹、蕁麻疹、そう痒、発熱

(2) 血液(頻度不明)
出血、低ガンマグロブリン血症、好酸球増多、リンパ節腫脹

(3) 肝臓(頻度不明)
黄疸、脂肪肝、AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDHの上昇

(4) 腎臓(頻度不明)
血尿、BUN、クレアチニンの上昇、蛋白尿

(5) 消化器(頻度不明)
消化管潰瘍・出血、口内炎、腹痛、下痢、食欲不振、嘔気・嘔吐、メレナ、イレウス、舌炎、口唇腫脹

(6) 皮膚(頻度不明)
光線過敏症注2)、紅斑、色素沈着、色素脱出、皮下斑状出血、ざ瘡、脱毛、結節、皮膚潰瘍

(7) 精神神経系(頻度不明)
頭痛、眠気、目のかすみ、項部緊張、背部痛、しびれ感、味覚異常、意識障害、めまい、錯感覚

(8) 呼吸器(頻度不明)
咳嗽、呼吸困難

(9) 生殖器(頻度不明)
無精子症、卵巣機能不全、月経不全、流産

(10) その他(頻度不明)
膀胱炎、倦怠感、耳下腺炎、結膜炎、低蛋白血症、血清アルブミン減少、関節痛、動悸、胸部圧迫感、浮腫、悪寒

◇CMF療法

(1) 過敏症注1)(5%未満)
発熱

(2) 過敏症注1)(頻度不明)
発疹、蕁麻疹、そう痒

(3) 血液(頻度不明)
出血、低ガンマグロブリン血症、好酸球増多、リンパ節腫脹

(4) 肝臓(5〜50%未満)
ALT(GPT)、AST(GOT)、LDHの上昇

(5) 肝臓(5%未満)
Al-Pの上昇

(6) 肝臓(頻度不明)
黄疸、脂肪肝

(7) 腎臓(頻度不明)
血尿、BUN、クレアチニンの上昇、蛋白尿

(8) 消化器(50%以上)
嘔気・嘔吐、食欲不振

(9) 消化器(5〜50%未満)
口内炎、下痢

(10) 消化器(頻度不明)
消化管潰瘍・出血、腹痛、メレナ、イレウス、舌炎、口唇腫脹

(11) 皮膚(5〜50%未満)
脱毛

(12) 皮膚(頻度不明)
光線過敏症注2)、紅斑、色素沈着、色素脱出、皮下斑状出血、ざ瘡、結節、皮膚潰瘍

(13) 精神神経系(頻度不明)
頭痛、眠気、目のかすみ、項部緊張、背部痛、しびれ感、味覚異常、意識障害、めまい、錯感覚

(14) 呼吸器(頻度不明)
咳嗽、呼吸困難

(15) 生殖器(頻度不明)
無精子症、卵巣機能不全、月経不全、流産

(16) その他(5〜50%未満)
低蛋白血症

(17) その他(5%未満)
膀胱炎、倦怠感

(18) その他(頻度不明)
耳下腺炎、結膜炎、血清アルブミン減少、関節痛、動悸、胸部圧迫感、浮腫、悪寒

注1:投与を中止すること。

注2:投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

高齢者では腎機能等生理機能が低下していることが多く、メトトレキサートの排泄遅延により副作用があらわれやすいので、腎機能検査値に十分注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[催奇形性を疑う症例報告があり、また、動物実験(マウス、ラット及びウサギ)で催奇形作用が報告されている。]

2.
母乳中への移行が報告されているので、授乳中の婦人には投与しないこと。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児(1歳未満)に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

臨床検査結果に及ぼす影響

トリメトプリム(スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤)を併用した場合、2水素葉酸還元酵素(dihydrofolate reductase:DHFR)を用いたメトトレキサート濃度の測定で見かけ上高値を呈することがあるので注意すること。

過量投与

徴候・症状
外国で過量投与時に報告された主な症状は血液障害及び消化管障害であった。また、重篤な副作用を発現し、致命的な経過をたどった症例が報告されている。
また、髄腔内への過量投与の主な症状は、頭痛、悪心・嘔吐、痙攣、急性中毒性脳症等の中枢神経症状であり、また頭蓋内圧上昇による小脳ヘルニアを起こし、致命的な経過をたどった症例も報告されている。

処置
過量投与したときは、すみやかに本剤の拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与するとともに、本剤の排泄を促進するために水分補給と尿のアルカリ化を行うこと。本剤とホリナートカルシウムの投与間隔が長いほど、ホリナートカルシウムの効果が低下することがある。[「その他の注意」の項参照]
また、髄腔内へ過量投与した場合には、ホリナートカルシウムの投与、尿のアルカリ化に加え、必要により、支持療法等の適切な処置を行うこと。

適用上の注意

1. 投与時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため下記の点に注意すること。

(1)
筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。
なお、特に同一部位への反復注射は行わないこと。
また、新生児、低出生体重児、乳児、小児には特に注意すること。

(2)
神経走行部位を避けるよう注意すること。

(3)
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。

2. 調製方法
調製した注射液は速やかに使用し、残液は廃棄すること。
なお、調製にあたっては細菌汚染に注意すること。

その他の注意

1.
本剤を長期使用した患者あるいは本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、悪性リンパ腫、急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)等の二次発癌が発生したとの報告がある。

2.
免疫機能が抑制された患者にワクチンを接種した場合、抗体反応の欠如が報告されている。

3. メトトレキサート通常療法
メトトレキサート通常療法で副作用が発現した場合には、適切な処置を行いながら、本剤の拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)をロイコボリンとして、通常、成人1回6〜12mgを6時間間隔で4回筋肉内注射する。あるいはロイコボリンとして、通常、成人1回10mgを6時間間隔で4回経口投与する。なお、過剰投与した場合には、投与した本剤と同量のロイコボリンを投与する。

4. CMF療法、M-VAC療法
CMF療法、M-VAC療法で本剤によると思われる副作用が発現した場合には、適切な処置を行いながら、本剤の拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)をロイコボリンとして、通常、成人1回6〜12mgを6時間間隔で4回筋肉内注射する。あるいはロイコボリンとして、通常、成人1回10mgを6時間間隔で4回経口投与する。なお、過剰投与した場合には、投与した本剤と同量のロイコボリンを投与する。

薬物動態

◇メトトレキサート通常療法2)

(参考)
腎機能が正常な悪性腫瘍患者延べ98例にメトトレキサートの5、10、25、50mgを単回静脈内投与した。投与後のメトトレキサートの血中濃度は、投与1〜2時間後をピークに徐々に減少し、投与24時間後で、いずれの投与量でも5.5×10-8mol/L以下になった。また、同時に測定した尿中排泄率は、投与後4時間で平均65%、24時間で平均90%あるいはそれ以上であった(米国)。

臨床成績

◇メトトレキサート通常療法

白血病
急性白血病、特に小児の急性白血病の寛解維持療法において、他の抗悪性腫瘍剤との併用により有用性が認められている。また、本剤に感受性の髄膜白血病に髄腔内単独投与又は放射線頭蓋照射との組合せにより、有用性が認められている3,4)

絨毛性疾患
非転移性のみならず、転移性の絨毛性疾患に有用性が認められている5,6)

◇CMF療法
国内延べ26施設で完全例61例について行われた臨床試験成績の概要は、以下のとおりである。
進行・再発乳癌の患者に対し、通常、シクロホスファミドを連日14日間65mg/m2経口投与し、メトトレキサート及びフルオロウラシルはいずれも第1日目及び第8日目にそれぞれ40mg/m2、500mg/m2静脈内投与する。
これを1クールとして4週ごとに繰り返し行ったときの奏効率は36.1%(有効以上22例)である7)
(進行・再発乳癌患者における臨床効果の判定基準による)

薬効薬理

メトトレキサートは、葉酸を核酸合成に必要な活性型葉酸に還元させる酵素dihydrofolate reductase(DHFR)の働きを阻止し、チミジル酸合成及びプリン合成系を阻害して、細胞増殖を抑制する8〜10)

◇メトトレキサート通常療法
正常細胞や感受性の高い癌細胞には、能動的に取り込まれ、殺細胞作用を示す8)

◇CMF療法
各種抗癌剤の抗腫瘍効果をSRC法(Subrenal capsule assay)で検討した結果、シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシルの3剤併用の腫瘍増殖抑制率は、各単剤の腫瘍増殖抑制率を上回り68%まで上昇すると予測される11)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
メトトレキサート(Methotrexate)

化学名
N-{4-[(2,4-Diaminopteridin-6-ylmethyl)(methyl)amino]benzoyl}-L-glutamic acid

構造式

分子式
C20H22N8O5

分子量
454.44

性状
本品は黄褐色の結晶性の粉末である。本品はピリジンに溶けにくく、水、アセトニトリル、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は希水酸化ナトリウム試液又は希炭酸ナトリウム試液に溶ける。
本品は光によって徐々に変化する。

包装

注射用メソトレキセート5mg:1バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
社内資料:CMF療法副作用集計 [L70010000057]

2)
Zurek, W. Z. et al.:J Am Coll Surg 126(1):331, 1968 [L70010000047]

3)
伊勢 泰:内科 50(5):823, 1982 [L70010000115]

4)
藤本 孟男:癌と化学療法 8(12):1849, 1981 [L70010000084]

5)
可世木 成明ほか:産婦人科の実際 31(7):1213, 1982 [L70010000095]

6)
高見沢 裕吉ほか:産婦人科治療 45(2):193, 1982 [L70010000094]

7)
野村 雍夫ほか:癌と化学療法 21(12):1949, 1994 [L70010000085]

8)
Bleyer, W. A.:Cancer 41(1):36, 1978 [L70010000009]

9)
Djerassi, Isaac. et al.:Clin Pediatr(Phila)(1962-)5(8):502, 1966 [L70010000018]

10)
Jaffe, N. et al.:Cancer 31(6):1367, 1973 [L70010000010]

11)
Bogden, A. E. et al.:Cancer 48(1):10, 1981 [L70010000101]

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