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毒薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病
通常、成人にはイノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)として1日目は0.8mg/m2(体表面積)、8及び15日目は0.5mg/m2(体表面積)を1日1回、1時間以上かけて点滴静脈内投与した後、休薬する。1サイクル目は21~28日間、2サイクル目以降は28日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。投与サイクル数は造血幹細胞移植の施行予定を考慮して決定する。なお、患者の状態により適宜減量する。
投与サイクル数の増加に応じてHSCT施行後のVOD/SOSの発現リスクが高まるおそれがあるので、本剤の効果が得られる最小限のサイクル数とすること。治療上やむを得ないと判断される場合を除き、3サイクル終了までに投与を中止すること。,,,,,,,
6サイクルまで投与を繰り返すことができる。ただし、3サイクル終了までに本剤の効果が得られない場合には、投与を中止すること。
本剤による治療開始前
処置
好中球絶対数1,000/μL以上
2サイクル目以降のサイクル開始時に好中球絶対数の減少が認められた場合は、好中球絶対数が1,000/μL以上になるまで休薬する。
血小板数50,000/μL注)以上
2サイクル目以降のサイクル開始時に血小板数の減少が認められた場合は、血小板数が50,000/μL以上になるまで休薬する。
好中球絶対数1,000/μL未満又は血小板数50,000/μL注)未満
2サイクル目以降のサイクル開始時に好中球絶対数又は血小板数の減少が認められた場合は、以下のいずれかになるまで休薬する。なお、直近の骨髄検査に基づき病態の安定又は改善が認められ、かつ好中球絶対数及び血小板数の減少が、本剤による副作用ではなく、原疾患によるものであると判断できる場合には、以下によらず本剤の投与を開始できる。
注)次サイクル開始の判断に用いる血小板数は、輸血の影響を受けない値を用いること。
副作用
VOD/SOS又は他の重篤な肝障害
投与を中止する。
総ビリルビン値が施設基準値上限の1.5倍超又はAST/ALTが施設基準値上限の2.5倍超注1)
投与前の総ビリルビン値が施設基準値上限の1.5倍以下又はAST/ALTが施設基準値上限の2.5倍以下に回復するまで休薬する。
infusion reaction
点滴投与を中断し、副腎皮質ステロイド、抗ヒスタミン剤の投与等の適切な処置を行う。重症度に応じ、投与を再開できる。重篤なinfusion reactionの場合は、投与を中止する。
グレード2注2)以上の非血液毒性
投与前に、グレード1又は本剤による治療開始前のグレードになるまで休薬する。
注1)ジルベール症候群又は溶血による場合は除く。注2)グレードはCTCAE version 3.0に準じる。
副作用による休薬期間
用量調節
7日未満
同一サイクル内で、次回の投与を延期する。(投与間隔は6日間以上あけること)
7日以上
同一サイクル内で、次回の投与を行わない。
14日以上
初回発現:次サイクルの各投与量を25%減量する。1サイクルの各投与量を25%減量した後の発現:次の1サイクルあたりの投与回数を2回にする。1サイクルの投与回数を2回とした後の発現:投与を中止する。
28日超
投与中止を考慮する。
VOD/SOSの発現リスクが高くなるおそれがある。,,,,,,,
骨髄抑制により感染症が増悪するおそれがある。,,
本剤による治療前に、ヒドロキシカルバミド、副腎皮質ステロイド、ビンクリスチン等を投与し、末梢血芽球数を10,000/μL以下にすることが望ましい。
肝疾患が増悪する又はVOD/SOSの発現リスクが高くなるおそれがある。,,,,,
妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性は、本剤投与中及び最終投与後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット)において、臨床曝露量の1.0倍の曝露量で胚・胎児毒性(胚・胎児の死亡、上腕骨肥厚、肩甲骨奇形及び尺骨奇形)が認められ、1.4倍の曝露量で胚吸収率の高値が認められている。また、マウスにおいて遺伝毒性が認められている1)。
授乳しないことが望ましい。本剤又はその代謝物の母乳中への移行は不明である。なお、ヒトIgGは母乳中へ移行することが知られている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を確認しながら慎重に投与すること。高齢者ではHSCT施行後のVOD/SOSの発現リスクが高くなるおそれがある。,,,,,,,
VOD/SOS(2.4%)、γ-GTP増加(12.8%)、AST増加(10.4%)、高ビリルビン血症(10.4%)、ALT増加(8.5%)、血中アルカリホスファターゼ増加(5.5%)等があらわれることがある。,,,,,
好中球減少(39.0%)、血小板減少(34.8%)、白血球減少(24.4%)、貧血(22.6%)、発熱性好中球減少症(14.0%)、リンパ球減少(12.8%)、汎血球減少症(0.6%)等があらわれることがある。,
肺炎(2.4%)、敗血症(1.8%)、敗血症性ショック(1.2%)等があらわれることがある。
鼻出血(3.7%)、消化管出血(1.2%)等があらわれることがある。
発熱、発疹、悪寒、低血圧等を含むinfusion reaction(17.1%)があらわれることがある。多くの場合は、初回投与時に発現が認められたが、2回目以降の投与時にも認められている。異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置(副腎皮質ステロイド、抗ヒスタミン剤の投与等)を行うこと。
膵炎(頻度不明)、リパーゼ増加(6.1%)、アミラーゼ増加(2.4%)等があらわれることがある。
5%以上
2~5%未満
消化器
悪心、嘔吐、下痢、腹痛
便秘
代謝
食欲減退
低カリウム血症、低アルブミン血症、高尿酸血症
精神・神経
不眠症、味覚異常
皮膚
そう痒症
その他
疲労、頭痛、発熱
無力症
再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病患者に本剤を1サイクル28日(初回サイクルのみ21日)とし、1日目は0.8mg/m2、8及び15日目は0.5mg/m2で点滴静注したとき、162例の薬物動態解析対象集団(日本人患者13例)の血清中濃度を以下に示す5)。
サイクル
第1日目の投与量(mg/m2)
測定日(日)
濃度注1,注2)(ng/mL)
n
投与前
投与終了時
1
0.8
-
128
211(110)
8
151
6.84(276)
126
194(117)
15
147
21.3(168)
117
170(46)
2
27
11.5(145)
231(43)
24
46.8(79)
0
NA
0.5
94
38.2(134)
80
222(56)
91
65.9(75)
4
78.2, 109
330
164, 190
42
58.2(49)
34
316(119)
36
89.3(35)
注1)平均値(%変動係数)(n=1又は2の場合は個別値)、-:測定せず、NA:データなし注2)濃度は1.8mg/m2投与(1サイクルを21~28日間として0.8mg/m2、0.5mg/m2及び0.5mg/m2を分割投与)したときの実測値であり、観測値が定量下限(1ng/mL)未満の場合は0ng/mLとして計算した。
母集団薬物動態解析により推定された、再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病患者234例(日本人13例及び外国人221例)の定常状態(4サイクル目)における総分布容積は約12Lであった。in vitro試験では、N-アセチル-γ-カリケアマイシン ジメチルヒドラジド(DMH)のヒト血漿蛋白に対する結合率は約97%である。in vitro試験では、N-アセチル-γ-カリケアマイシンDMHは、P-糖タンパク質の基質であることが示されている6),7),8)。
in vitro試験では、N-アセチル-γ-カリケアマイシンDMHは主に非酵素的な還元で代謝されると考えられる。N-アセチル-γ-カリケアマイシンDMHはヒト血清中にはほとんど検出されない。再発又は難治性のCD22陽性の低悪性度非ホジキンリンパ腫患者に本剤1.8mg/m2を1時間かけて静脈内投与注)した後の尿中には、N-アセチル-γ-カリケアマイシンDMH、N-アセチル-ε-カリケアマイシン、脱グリコシル化カリケアマイシンの四糖部分、N-アセチル-ε-カリケアマイシンの一酸化体及びN-アセチル-ε-カリケアマイシンの還元体が検出された9),10)。注)本剤の承認用法・用量は「1日目は0.8mg/m2(体表面積)、8及び15日目は0.5mg/m2(体表面積)を1日1回、1時間以上かけて点滴静脈内投与した後、休薬する。」である。
母集団薬物動態解析により推定された、再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病患者234例(日本人13例及び外国人221例)の定常状態(4サイクル目)におけるクリアランスは0.0333L/hrであり、終末相の半減期は12.3日であった6)。
1又は2レジメンの化学療法歴がある再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病患者注1)を対象として、本剤群又は対照(化学療法注2))群に無作為化し、有効性及び安全性を検討することを目的とした、無作為化、非盲検、国際共同第Ⅲ相試験を実施した。主要評価項目であるCR又はCRiを達成した患者の割合(CR+CRi率)注3)の解析の結果は下表のとおりであり、対照群に対する本剤群の優越性が示された11)。注1) フィラデルフィア染色体陽性の場合は、前治療歴としてイマチニブメシル酸塩を除く少なくとも1つのチロシンキナーゼ阻害剤に治療抵抗性又は不耐容である患者が組入れ対象とされた。また、末梢血芽球数が10,000/μL以下の患者が組入れ対象とされた。注2)「フルダラビン+シタラビン+顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)(FLAG)」、「シタラビン+ミトキサントロン」又は「高用量シタラビン(HIDAC)」から選択注3) 以下の条件をすべて満たすことをCRとした。また、CRのうち血小板数又は好中球絶対数の回復(血小板数100,000/μL以上又は好中球絶対数1,000/μL以上)を伴わない場合をCRiとした。
本剤群(109例)
対照群(109例)
CR又はCRiを達成した被験者数CR+CRi率%(95%信頼区間)
88/109例80.7(72.1, 87.7)
32/109例29.4(21.0, 38.8)
p値注4)
p<0.0001
注4)x2検定(有意水準片側0.0125)
また、全生存期間(中央値[95%信頼区間])の最終解析時の結果は本剤群で7.7[6.0, 9.2]ヵ月、対照群で6.7[4.9, 8.3]ヵ月であり、対照群に対する本剤群の優越性は示されなかった11)(ハザード比0.770[97.5%信頼区間:0.578, 1.026]、[層別log-rank検定p=0.0203(有意水準片側0.0104)]、2016年3月8日データカットオフ)。本剤が投与された164例中(日本人13例を含む)140例(85.4%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、好中球減少64例(39.0%)、血小板減少57例(34.8%)、白血球減少40例(24.4%)、貧血37例(22.6%)、infusion reaction 28例(17.1%)、悪心25例(15.2%)、発熱性好中球減少症23例(14.0%)、疲労23例(14.0%)、リンパ球減少21例(12.8%)、γ-GTP増加21例(12.8%)、AST増加17例(10.4%)、高ビリルビン血症17例(10.4%)等であった。
本剤は、CD22抗原を発現した白血病細胞に結合し細胞内に取り込まれた後に、加水分解を受けて生じたN-アセチル-γ-カリケアマイシン ジメチルヒドラジドのジスルフィド結合が還元的に開裂され活性体となり、DNA二本鎖を切断することにより腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられる12),13)。
CD22陽性の急性リンパ性白血病細胞由来Reh、RS4;11及びSUP-B15細胞株に対して増殖抑制作用を示した14)。
Reh細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した。また、Reh細胞株を静脈内移植した重症複合型免疫不全(SCID)マウスにおいて、がんの進展による後肢麻痺発症の抑制を示した15)。
イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)(Inotuzumab Ozogamicin (Genetical Recombination))[JAN]
イノツズマブ オゾガマイシンは、抗体薬物複合体(分子量:約159,000)であり、遺伝子組換えモノクローナル抗体(分子量:約149,000)の平均6個のLys残基に、オゾガマイシン(メチル{(1R,4Z,8S,13E)-8-(4,6-ジデオキシ-4-{[(4-S-{4-[(6-デオキシ-3-O-メチル-α-L-マンノピラノシル)オキシ]-3-ヨード-5,6-ジメトキシ-2-メチルベンゾイル}-4-スルファニル-β-D-リボ-ヘキソピラノシル)オキシ]アミノ}-2-O-[2,4-ジデオキシ-4-(N-エチルアセトアミド)-3-O-メチル-α-L-トレオ-ペントピラノシル]-β-D-グルコピラノシルオキシ)-13-[2-({4-[2-(1-{[4-(4-アミノ-4-オキソブチル)オキシ]フェニル}エチリデン)ヒドラジニル]-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル}ジスルファニル)エチリデン]-1-ヒドロキシ-11-オキソビシクロ[7.3.1]トリデカ-4,9-ジエン-2,6-ジイン-10-イル}カルバミン酸(C73H97IN6O25S3;分子量:1,681.68))が結合している。抗体部分は、ヒト化モノクローナル抗体で、マウス抗ヒトCD22抗体の相補性決定部及びヒトIgG4のフレームワーク部及び定常部からなり、チャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される。タンパク質部分は、448個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ4鎖)2本及び219個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質である。
本剤は光の影響を受けやすいため、本剤の包装を開封後も、バイアルを箱に入れて保存すること。
1バイアル
1) 社内資料:生殖発生毒性試験(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.6.6.4.1.2、2.6.6.9.5)[L20171116033]
2) 社内資料:反復投与毒性試験(雌雄生殖器への影響)(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.6.6.9.3、2.6.6.9.4)[L20171116031]
3) 社内資料:遺伝毒性試験(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.6.6.4.)[L20171116035]
4) 社内資料:反復投与毒性試験(前腫瘍性/腫瘍性病変)(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.6.6.9.8)[L20171116032]
5) 社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(B1931022試験)(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.7.2.3.9)[L20171116016]
6) 社内資料:母集団薬物動態解析(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.7.2.3.5)[L20171116017]
7) 社内資料:タンパク結合率に関する試験(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.6.4.4.2)[L20171116018]
8) 社内資料:トランスポーターに関する試験(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.6.4.4.4)[L20171116020]
9) 社内資料:代謝経路に関する試験(in vitro)(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.6.4.5.3)[L20171116023]
10) 社内資料:代謝経路に関する試験(in vivo)(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.6.4.5)[L20171116024]
11) Kantarjian H.M. et al.:N Engl J Med. 2016 ; 375(8):740-753
12) 社内資料:作用機序に関する試験(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.6.2.1)[L20171116027]
13) Shor, B. et al.:Mol Immunol. 2015 ; 67(2 Pt A):107-116
14) 社内資料:薬効薬理試験(in vitro)(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.6.2.2.1)[L20171116028]
15) 社内資料:薬効薬理試験(in vivo)(承認年月日:2018.1.19、CTD 2.6.2.2.2)[L20171116029]
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