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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはスニチニブとして1日1回50mgを4週間連日経口投与し、その後2週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
通常、成人にはスニチニブとして1日1回37.5mgを経口投与する。なお、患者の状態により、適宜増減するが、1日1回50mgまで増量できる。
副作用
グレード2
グレード3
グレード4
血液系
同一投与量を継続
副作用がグレード2以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は休薬前と同一投与量で投与を再開できる。
副作用がグレード2以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は休薬前の投与量を1レベル下げて投与を再開する。
非血液系(心臓系を除く)
副作用がグレード1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は主治医の判断により休薬前と同一投与量又は投与量を1レベル下げて投与を再開する。
副作用がグレード1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は休薬前の投与量を1レベル下げて投与を再開する。もしくは主治医の判断で投与を中止する。
心臓系・左室駆出率低下・心室性不整脈
副作用がグレード1以下に回復するまで休薬する。回復後は休薬前の投与量を1レベル下げて投与を再開する。
副作用がグレード1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は休薬前の投与量を1レベル下げて投与を再開する。
投与を中止する。
ただし、以下の副作用が発現した場合は、同一用量での投与の継続が可能である。
〈イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉
〈膵神経内分泌腫瘍〉
慎重に経過観察を行い、副作用発現に注意すること。本剤に対する忍容性がないおそれがある。
骨髄抑制が増悪するおそれがある。,
高血圧が悪化するおそれがある。,
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。QT間隔延長が悪化もしくは再発するおそれがある。
Torsade de pointesを含む心室性不整脈が起こるおそれがある。
心疾患が悪化もしくは再発するおそれがある。,,,
脳血管障害が悪化もしくは再発するおそれがある。
肺塞栓症が悪化もしくは再発するおそれがある。
生命を脅かす重症の喀血又は肺出血が起こるおそれがある。,
脳出血又はてんかん様発作があらわれるおそれがある。
投与開始前に適切な処置を行うこと。症状が悪化するおそれがある。,
これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット及びウサギ)で、胚・胎児死亡及び奇形の発生が報告されている1)。,
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において、スニチニブ又はその代謝物が乳汁中へ移行することが報告されている2)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
注意して投与すること。一般に高齢者では、生理機能が低下していることが多い。
CYP3A4阻害剤
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度が上昇する可能性があるので、これらの薬剤等については可能な限り他の類薬に変更する、又は当該薬剤を休薬する等を考慮し、併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤の用量を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
これらの薬剤等がCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
CYP3A4誘導剤
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が低下する可能性があり、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。これらの薬剤等については可能な限り他の類薬に変更する、又は当該薬剤を休薬する等を考慮し、併用は可能な限り避けること。
これらの薬剤等がCYP3A4の代謝活性を誘導するため、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。
抗不整脈薬
汎血球減少(0.1%)、血小板減少(26.4%)、白血球減少(19.6%)、好中球減少(27.3%)、貧血(22.2%)があらわれることがある。,
好中球減少の有無にかかわらず肺炎、敗血症、壊死性筋膜炎等の重篤な感染症(頻度不明)があらわれることがあり、死亡例も報告されている。
管理できない重症の高血圧が認められた場合は、休薬すること。,
大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある3)。
鼻出血(14.4%)、皮下出血(4.0%)、口腔内出血(3.1%)、性器出血(1.3%)、喀血(1.2%)、結膜出血(1.0%)、腫瘍出血(1.1%)、消化管出血(4.5%)、脳出血(0.3%)があらわれることがある。,
腫瘍の急激な壊死・縮小をきたし、消化管穿孔(0.2%)又は消化管瘻(頻度不明)があらわれることがある。また、消化管穿孔については、腫瘍の急激な壊死・縮小を伴わず発現した例も報告されている。
,
心不全の症状が認められた場合は、投与を中止すること。左室駆出率が50%未満でかつベースラインから20%を超えて低下した場合は、休薬又は減量すること。,,,
破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板数、血清FDP値、血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
てんかん様発作及びRPLSに一致する徴候や症状(高血圧(伴わない例もある)、頭痛、覚醒低下、精神機能変化、及び皮質盲を含めた視力消失など)が認められた場合は、本剤の投与を中止し、高血圧管理を含め、適切な処置を行うこと。
腹痛等の膵炎を示唆する臨床症状や膵酵素上昇が持続する場合には画像診断等を行い、本剤の投与中止を含めて適切な措置を行うこと。
甲状腺機能低下症(14.4%)、甲状腺機能亢進症(0.3%)があらわれることがある。本剤投与中に甲状腺機能障害を示唆する症状が認められた場合は、甲状腺機能の検査を行うこと。なお、まれに甲状腺機能亢進に引き続き、甲状腺機能低下を認める症例が報告されている。,
肝不全(0.1%)、AST、ALT、γ-GTP上昇を伴う肝機能障害(10.0%)、血中ビリルビンの増加(4.6%)、黄疸(0.9%)があらわれることがある。
無石胆嚢炎を含む急性胆嚢炎があらわれることがある。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には、投与を中止すること。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
10%以上
1%以上~10%未満
1%未満
頻度不明
感染症
上気道炎、ウイルス感染、真菌感染、毛包炎
尿路感染、蜂巣炎、麦粒腫、爪囲炎、肺炎、耳部感染、気管支炎、歯瘻、感染性腸炎
口腔感染
血液
リンパ球数減少
好酸球数増加、単球数減少、血中エリスロポエチン増加
内分泌
TSH増加
TSH減少、エストラジオール増加、甲状腺炎、遊離T3減少
代謝
食欲不振(37.4)
リパーゼ増加、高アミラーゼ血症、脱水、低アルブミン血症、低リン酸血症、高尿酸血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、低蛋白血症、低ナトリウム血症、高血糖、高カリウム血症、低血糖症、高カルシウム血症
低マグネシウム血症、高ナトリウム血症、低クロール血症、高コレステロール血症、高脂血症、高リン酸塩血症、アルカローシス、テタニー、血中トリグリセリド増加、糖尿病悪化、グリコヘモグロビン増加、血中アミラーゼ減少
精神系
不眠症、抑うつ気分
不安
神経系
味覚異常(37.5)、頭痛(17.1)
めまい、ニューロパシー、味覚消失、しびれ感、記憶障害、振戦
平衡障害、意識消失、回転性めまい、傾眠、認知障害、思考力低下
錯感覚、知覚過敏、嗜眠
眼
流涙増加、結膜炎、霧視、視覚障害
眼乾燥、眼脂、眼瞼炎、光視症、睫毛変色、黄斑浮腫、深径覚の変化、白内障、涙腺刺激症状、眼の異物感
眼球浮腫
耳
耳鳴、耳介腫脹
心血管系
ほてり
徐脈、動悸、心筋梗塞、心嚢液貯留、頻脈、心筋症、心房細動、上室性不整脈
呼吸器
呼吸困難、鼻炎、咳嗽、発声障害、胸水、鼻乾燥、鼻痛
しゃっくり、湿性咳嗽、低酸素症、鼻浮腫、一酸化炭素拡散能減少、努力呼気量減少、肺水腫
消化器
下痢(55.5)、悪心(46.8)、口内炎(39.5)、嘔吐(29.0)、消化不良(26.9)、腹痛(16.2)、便秘(13.0)、舌炎(11.5)
口内乾燥、逆流性食道炎、肛門直腸障害[肛門炎、肛門潰瘍等]、口唇炎、歯肉炎、腹部膨満、腹部不快感、痔核、嚥下障害、胃炎、腹水、おくび、口唇乾燥、口のしびれ感、歯周炎
胃腸炎、変色便、胃腸障害、口腔内浮腫、痔瘻、歯痛、唾液分泌低下、歯肉萎縮、胃酸過多、齲歯
鼓腸、消化管潰瘍、食道炎
肝胆道系
脂肪肝
皮膚
皮膚変色(32.4)、手足症候群(31.2)、発疹(26.5)、毛髪変色(17.2)、皮膚乾燥(15.6)、顔面浮腫(13.8)、紅斑(10.5)、脱毛症(10.4)
皮膚剥脱、そう痒症、水疱、皮膚炎、ざ瘡、爪の異常、過角化、多汗症、湿疹、爪変色、皮膚障害、紫斑、皮膚疼痛、蕁麻疹
皮膚色素脱失、毛髪色素脱失、皮下結節、皮膚びらん、硬結、被角血管腫、爪甲脱落症
皮膚病変、壊疽性膿皮症
筋骨格系
筋骨格痛(19.0)
関節痛、筋痛、筋痙縮、筋力低下、骨痛
関節腫脹、筋硬直、関節炎、鼡径部痛、筋緊張
腎臓
血中クレアチニン増加、着色尿、蛋白尿、血尿、BUN増加、頻尿、排尿困難
腎機能障害、血中クレアチン増加、血中クレアチニン減少、水腎症、膿尿
生殖器
性器潰瘍、月経過多、不規則月経、月経遅延
その他
疲労(54.6)、粘膜炎(19.9)、浮腫(16.3)、無力症(15.5)
体重減少、発熱、LDH増加、悪寒、CK増加、ALP増加、倦怠感、胸痛、疼痛、体重増加、熱感
胸部不快感、CRP増加、創合併症、口渇、創傷治癒遅延、粘膜乾燥、握力低下、異常感、血管拡張、PO2低下、血胸、血中二酸化炭素増加
過敏症
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤投与後に顎骨壊死が発現したとの報告があり、多くはビスホスホネート系製剤を投与中あるいは投与経験がある患者であった。また、本剤を含む血管新生阻害薬とビスホスホネート系製剤を併用時に顎骨壊死の発現が増加する可能性が報告されている。
健康成人男性12例に本剤50mgを単回経口投与した時、スニチニブは緩徐に吸収され、最高血漿中濃度(Cmax)到達時間(tmax)は7.5時間(中央値)であった。スニチニブ及び活性代謝物(N-脱エチル体)のCmax(平均値)はそれぞれ33.4ng/mL及び7.32ng/mLであり、血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC0-∞)はそれぞれ1396ng·h/mL及び692ng·h/mLであった。また、スニチニブ及びN-脱エチル体の消失半減期(平均値)はそれぞれ49.5時間及び75.3時間であった7)。
消化管間質腫瘍患者9例に本剤25mg注)又は50mgを1日1回反復経口投与したとき、投与1日目及び28日目におけるスニチニブ及びN-脱エチル体のCmax及びAUC0-24のいずれも用量にほぼ比例して増加した。スニチニブ及びN-脱エチル体の血漿中濃度はそれぞれ投与7~14日目及び14~21日目までに定常状態に達し、28日目におけるAUC0-24はそれぞれ初回投与の約4倍及び11倍であった8)。
投与日
投与量(mg)
スニチニブ
N-脱エチル体
Cmax(ng/mL)
AUC0-24(ng・h/mL)
tmaxa)(h)
1日目
25(3例)50(6例)
12.1±4.922.8±6.4
199±89374±69
6(4,8)7(6,24)
1.96±1.274.13±0.93
30.9±20.670.0±14.4
6(4,8)9(6,24)
28日目
39.5±25.069.3±18.9
858±6001406±364
10(6,10)6(1,24)
15.2±10.238.8±16.0
324±223772±358
4(2,8)2.5(0,48)
a)中央値(範囲)
膵神経内分泌腫瘍患者に本剤37.5mgを1日1回反復経口投与したとき、投与13~16日目におけるスニチニブ及びN-脱エチル体の血漿中トラフ濃度(10例、平均値±標準偏差)はそれぞれ53.9±17.6ng/mL及び23.7±7.0ng/mLであった9)。
健康成人16例に空腹時あるいは食後に本剤50mgを単回経口投与したとき、スニチニブの薬物動態に対する食事の影響はみられなかった10)(外国人データ)。
In vitroにおけるスニチニブ及びN-脱エチル体(100~4000ng/mL)のヒト血漿蛋白結合率はそれぞれ約95%及び90%であった。
In vitroの試験において、本剤は主にCYP3A4によってN-脱エチル体に代謝され、N-脱エチル体も主にCYP3A4により代謝されることが示唆されている。日本人消化管間質腫瘍患者に本剤25mg注)及び50mgを反復投与したとき、N-脱エチル体のAUC0-24値はスニチニブの48.5%であった8),11)。
健康成人男性6例に[14C]-標識スニチニブ50mgを単回経口投与したとき、投与後21日目までに投与放射能の61%が糞中、16%が尿中に排泄された。また、血漿、尿及び糞中にスニチニブ及びN-脱エチル体が主な成分として検出された12)(外国人データ)。
本剤50mgを重度腎機能障害(クレアチニンクリアランス<30mL/min)あるいは血液透析を要する末期腎不全被験者(各8例)に単回投与したとき、重度腎機能障害被験者では、スニチニブ及びN-脱エチル体のCmax及びAUC0-∞は、健康被験者(8例、クレアチニンクリアランス>80mL/min)とほぼ同様であった。末期腎不全被験者では、血液透析によりスニチニブ及びN-脱エチル体が除去されることはほとんどなかったが、健康被験者と比べ、スニチニブのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ38%及び47%低下、N-脱エチル体はそれぞれ30%及び31%低下した13)(外国人データ)。
投与群
AUC0-∞(ng・h/mL)
tmaxb)(h)
AUC0-∞(ng·h/mL)
健康被験者(8例)
26.1±6.5
1917± 535
7(6,12)
5.7±1.3
770±106
6(6,12)
重度腎機能障害(8例)
24.6±9.7
1815±1093
8(6,12)
4.7±1.7
629±262
6(4,12)
末期腎不全(8例)
16.1±3.1
1012± 288
4.1±1.2
535±117
6(4,36)
b)中央値(範囲)
本剤50mgを軽度及び中等度(Child-Pugh分類A及びB)の肝機能障害を有する被験者(各8例)に単回投与したとき、スニチニブ及びN-脱エチル体のCmax及びAUC0-∞は、健康被験者(7例)とほぼ同様であった14)(外国人データ)。
健康成人男性26例に、本剤10mg注)をケトコナゾール(錠剤及び注射剤は国内未承認)(400mg、1日1回7日間投与)と併用投与したとき、単独投与時と比べ、スニチニブのCmax及びAUC0-∞がそれぞれ59%及び74%増加したが、N-脱エチル体はそれぞれ29%及び12%減少した。スニチニブとN-脱エチル体の両者を合わせたCmax及びAUC0-∞はそれぞれ49%及び51%増加した15)(外国人データ)。
日本人及び外国人健康成人男性25例に本剤50mgをリファンピシン(600mg、1日1回17日間投与)と併用投与したとき、単独投与時と比べ、スニチニブのCmax及びAUC0-∞がそれぞれ56%及び78%低下したが、N-脱エチル体はそれぞれ137%及び27%上昇した。スニチニブとN-脱エチル体の両者を合わせたCmax及びAUC0-∞はそれぞれ23%及び46%低下した7)。注)本剤の承認された用量は、消化管間質腫瘍及び腎細胞癌では1回50mg、膵神経内分泌腫瘍では1回37.5mgである。
イマチニブメシル酸塩の治療歴を有する消化管間質腫瘍患者(30例)を対象として、本剤50mg/日を4週間連日投与2週間休薬スケジュール(4/2スケジュール)で投与した結果、4例(13.3%)が部分奏効、8例(26.7%)が4コース(22週)以上持続する病状安定化であり、これを合わせたクリニカルベネフィット率は40.0%であった8)。
投与量
50mg(30例)
奏効率注1) (95%信頼区間)クリニカルベネフィット率注2) (95%信頼区間)
13.3%(4例)(3.8-30.7)40.0%(12例)(22.7-59.4)
完全奏効(CR)部分奏効(PR)病状安定化(SD)≧4コース(22週)
0%13.3%(4例)26.7%(8例)
注1)RECISTによるCR+PRの症例の占める割合注2)RECISTによるCR+PR+4コース(22週)以上持続するSDの症例の占める割合
本剤を投与された30例全例において副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、血小板減少27例(90.0%)、好中球減少27例(90.0%)、白血球減少26例(86.7%)、手足症候群26例(86.7%)、皮膚変色21例(70.0%)、疲労20例(66.7%)、食欲不振20例(66.7%)、下痢19例(63.3%)、ヘモグロビン減少18例(60.0%)、口内炎18例(60.0%)等であった。
イマチニブメシル酸塩の治療に抵抗性又は不忍容の消化管間質腫瘍患者を対象として、本剤50mg/日を4/2スケジュールで投与された55例中5例(9.1%)が部分奏効、28例(50.9%)が22週以上持続する病状安定化であり、クリニカルベネフィット率は60.0%であった。無増悪期間中央値は34.0週(95%信頼区間:22.0-46.0)であった16)。本剤を投与された55例のうち、54例(98%)に副作用が認められた。主な副作用は、疲労37例(67%)、下痢31例(56%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群27例(49%)、口内炎23例(42%)、高血圧21例(38%)、悪心20例(36%)、皮膚変色15例(27%)、嘔吐15例(27%)、CK増加13例(24%)、味覚障害12例(22%)等であった。
イマチニブメシル酸塩の治療に抵抗性又は不忍容の消化管間質腫瘍患者を対象として、本剤50mg/日を4/2スケジュールで投与した結果、第Ⅲ相試験(スニチニブ群207例、プラセボ群105例)における無増悪期間中央値はスニチニブ群で27.3週、プラセボ群で6.4週であった。奏効率は、それぞれ6.8%(14/207)(95%信頼区間:3.7-11.1)、0%(0/105)であった17)。(2005年1月時点の中間解析結果)
スニチニブ群(207例)
プラセボ群(105例)
p-値注)
ハザード比
無増悪期間中央値(週)(95%信頼区間)
27.3(16.0-32.1)
6.4(4.4-10.0)
<0.001
0.329(0.233-0.466)
注)ログランク検定
本剤投与群で安全性評価対象202例のうち、168例(83%)に副作用が認められた。主な副作用は、疲労68例(34%)、下痢59例(29%)、皮膚変色50例(25%)、悪心48例(24%)、食欲不振38例(19%)、味覚異常36例(18%)、口内炎31例(15%)、嘔吐31例(15%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群28例(14%)、発疹26例(13%)等であった。
腎細胞癌患者(未治療患者群25例、既治療患者群26例)を対象として、本剤50mg/日を4/2スケジュールで投与した結果、未治療患者群の奏効例は12例(48.0%)、既治療患者群の奏効例は12例(46.2%)であった。組織分類では淡明細胞癌が96.1%(49/51)であった18)。
未治療患者群(25例)
既治療患者群(26例)
奏効率注) (95%信頼区間)
48.0%(12例)(27.8-68.7)
46.2%(12例)(26.6-66.6)
完全奏効(CR)部分奏効(PR)
4.0%(1例)44.0%(11例)
0%46.2%(12例)
注)RECISTによるCR+PRの症例の占める割合
本剤を投与された51例全例において副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、血小板減少47例(92.2%)、白血球減少43例(84.3%)、好中球減少40例(78.4%)、皮膚変色37例(72.5%)、LDH増加36例(70.6%)、リンパ球数減少35例(68.6%)、リパーゼ増加32例(62.7%)、食欲不振31例(60.8%)、AST増加31例(60.8%)、疲労30例(58.8%)等であった。
腎細胞癌患者(既治療患者群106例)を対象として、本剤50mg/日を4/2スケジュールで投与した結果、奏効率は25.5%(27/106)であり、無増悪期間中央値は34.0週(95%信頼区間:24.1-36.0)であった。組織分類では淡明細胞癌が91.5%(97/106)であった19)。(2005年1月時点の中間解析結果)本剤を投与された106例のうち、105例(99%)に副作用が認められた。主な副作用は、疲労53例(50%)、味覚異常50例(47%)、下痢49例(46%)、悪心47例(44%)、口内炎41例(39%)、消化不良39例(37%)、食欲不振33例(31%)、皮膚変色31例(29%)、嘔吐28例(26%)、発疹25例(24%)等であった。
腎細胞癌患者(既治療患者群63例)を対象として、本剤50mg/日を4/2スケジュールで投与した結果、奏効率は36.5%(23/63)であり、無増悪期間中央値は37.7週(95%信頼区間:24.0-46.4)であった。組織分類では淡明細胞癌が87.3%(55/63)であった20)。本剤を投与された63例のうち、61例(97%)に副作用が認められた。主な副作用は、疲労45例(71%)、悪心37例(59%)、下痢34例(54%)、口内炎29例(46%)、消化不良29例(46%)、嘔吐24例(38%)、皮膚変色23例(37%)、味覚障害21例(33%)、便秘18例(29%)、駆出率異常16例(25%)であった。
腎細胞癌患者(未治療患者群)を対象として、本剤(50mg/日、4/2スケジュール)又はインターフェロン アルファ-2a(6週間を1サイクルとして週3回間歇皮下投与、1週目3MU、2週目6MU、3週目以降9MU)を投与した第Ⅲ相無作為化比較試験の結果、無増悪生存期間中央値はスニチニブ群で47.3週(95%信頼区間:42.6-50.7)、インターフェロン アルファ-2a群で22.0週(95%信頼区間:16.4-24.0)であった。奏効率はそれぞれ27.5%(103/375)及び5.3%(20/375)であった。組織分類では淡明細胞癌がそれぞれ89.1%(334/375)及び90.4%(339/375)であった21)。(2005年11月時点の中間解析結果)
スニチニブ群(375例)
インターフェロン アルファ-2a群(375例)
無増悪生存期間中央値(週)(95%信頼区間)
47.3(42.6-50.7)
22.0(16.4-24.0)
<0.001
0.415(0.320-0.539)
本剤を投与された375例のうち、357例(95.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢199例(53.1%)、疲労191例(50.9%)、悪心166例(44.3%)、味覚異常158例(42.1%)、消化不良96例(25.6%)、食欲不振96例(25.6%)、口内炎94例(25.1%)、嘔吐90例(24%)、高血圧89例(23.7%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群76例(20.3%)等であった。
根治切除不能な進行再発・転移高分化型膵神経内分泌腫瘍(12例)を対象として、本剤37.5mg/日を連日投与した結果、5例(41.7%)が部分奏効、4例(33.3%)が24週以上持続する病状安定化であり、これを合わせたクリニカルベネフィット率は75.0%であった9)。
37.5mg(12例)
41.7%(5例)(15.2-72.3)75.0%(9例)(42.8-94.5)
完全奏効(CR)部分奏効(PR)病状安定化(SD)≧24週
0%41.7%(5例)33.3%(4例)
注1)RECISTによるCR+PRの症例の占める割合注2)RECISTによるCR+PR+24週以上持続するSDの症例の占める割合
本剤を投与された12例全例において副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、下痢9例(75.0%)、高血圧8例(66.7%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群8例(66.7%)、頭痛6例(50.0%)、味覚異常5例(41.7%)、発熱5例(41.7%)、悪心4例(33.3%)、疲労4例(33.3%)、好中球数減少4例(33.3%)等であった。
根治切除不能な進行再発・転移高分化型膵神経内分泌腫瘍患者における第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ比較試験において、本剤37.5mg/日を連日投与した。本試験(スニチニブ群86例、プラセボ群85例)は、事前に計画された中間解析に必要なイベント数に到達する前に早期中止され、試験中止時における無増悪生存期間中央値はスニチニブ群で11.4ヵ月(95%信頼区間:7.4-19.8)、プラセボ群で5.5ヵ月(95%信頼区間:3.6-7.4)、ハザード比は0.418(95%信頼区間:0.263-0.662)であった22)。
本剤を投与された83例において発現した主な副作用は、下痢44例(53.0%)、悪心32例(38.6%)、無力症26例(31.3%)、疲労24例(28.9%)、毛髪変色24例(28.9%)、好中球減少症24例(28.9%)、嘔吐21例(25.3%)、高血圧19例(22.9%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群19例(22.9%)、口内炎18例(21.7%)等であった。
進行固形癌患者24例の評価可能例を対象にQT間隔延長の検討を行った。薬物血漿中濃度が治療域の場合、QTcF平均値のベースラインからの最大変化は、9.6msec(90%信頼区間の上限15.1msec)であった。薬物血漿中濃度が治療域の約2倍の場合、QTcF平均値のベースラインからの最大変化は、15.4msec(90%信頼区間の上限22.4msec)であった。陽性対照として投与したモキシフロキサシン(400mg)のQTcF平均値のベースラインからの最大変化は5.6msecであった。グレード2(CTCAE version 3.0)を超えるQTc間隔の延長は認められず、不整脈が認められた患者はなかった23)(外国人データ)。
In vitroの試験において、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR-α及びPDGFR-β)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-1、VEGFR-2及びVEGFR-3)、幹細胞因子受容体(KIT)、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、コロニー刺激因子-1受容体(CSF-1R)及びグリア細胞由来神経栄養因子受容体(RET)の受容体チロシンキナーゼ活性を阻害した。また、in vivoの腫瘍においてもPDGFR-β、VEGFR-2、KIT及びFLT3のリン酸化を阻害した24)。
ヒト腫瘍異種移植、マウス同系白血病、トランスジェニックマウス、及び化学発癌の各げっ歯類腫瘍モデルにおいて腫瘍増殖阻害、腫瘍の退縮の効果を示した24)。
In vitroにおいて、VEGFによる血管内皮細胞の増殖及び内皮細胞による血管発芽を阻害した。また、ヒト腫瘍異種移植ヌードマウス及びヒト新生児包皮を移植したSCIDマウスにおいて、移植部位における血管新生を阻害した24)。
In vitroの試験において、無細胞系又は細胞系におけるVEGFR-2、PDGFR-β及びKITのリン酸化に対する本剤及び主要代謝物(N-脱エチル体)のKi値又はIC50値はそれぞれ3~13nmol/L及び2~20nmol/L、VEGFR-2、PDGFR-α又はPDGFR-βを発現した細胞の増殖に対するIC50値はそれぞれ4~69nmol/L及び20~100nmol/Lであった24)。
スニチニブリンゴ酸塩(Sunitinib Malate)
N-[2-(Diethylamino)ethyl]-5-[(Z)-(5-fluoro-2-oxo-1,2-dihydro-3H-indol-3-ylidene)methyl]-2,4-dimethyl-1H-pyrrole-3-carboxamide mono[(2S)-2-hydroxysuccinate]
C22H27FN4O2・C4H6O5
532.56
スニチニブリンゴ酸塩は黄色~だいだい色の粉末である。ジメチルスルホキシドにやや溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けにくく、水又はメタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
2.7(pH7.4、1-オクタノール/水)
56カプセル[14カプセル(PTP)×4]
1) 社内資料:胚・胎児発生に関する試験(承認年月日:2008.4.16、CTD2.6.6.6)[L20080218001]
2) 社内資料:排泄の検討(ラット)(承認年月日:2008.4.16、CTD2.6.4.6)[L20080218002]
3) *NDBを用いた調査結果の概要(VEGF/VEGFR阻害作用を有する薬剤の動脈解離に関するリスク評価):https://www.pmda.go.jp/files/000266521.pdf
4) 社内資料:反復投与毒性試験(承認年月日:2008.4.16、CTD2.6.6.3)[L20080218003]
5) 社内資料:6ヵ月がん原性試験(マウス)(承認年月日:2012.8.10、CTD2.6.6.5)[L20100521002]
6) 社内資料:2年間がん原性試験(ラット)(承認年月日:2012.8.10、CTD2.6.6.5)[L20110614040]
7) 社内資料:健康成人における薬物動態(単回投与)(承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.2.2.2.1)[L20080218004]
8) 社内資料:国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(消化管間質腫瘍) (承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.2.2.2.4、2.7.6)[L20080218005]
9) 社内資料:国内第Ⅱ相試験(膵神経内分泌腫瘍)(承認年月日:2012.8.10、CTD2.7.2.2.1、2.7.6)[L20120217025]
10) 社内資料:健康成人における薬物動態(食事の影響)(承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.3A、2.7.1.2)[L20080218006]
11) 社内資料:代謝物の検討(承認年月日:2008.4.16、CTD2.6.4.5)[L20080218007]
12) 社内資料:健康成人における薬物動態(承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.2.2.2.1.2)[L20080218009]
13) Khosravan, R. et al.:J Clin Pharmacol. 2010;50(4):472-481[L20090930096]
14) 社内資料:肝機能障害者における薬物動態(承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.2.2.2.6)[L20080218011]
15) 社内資料:ケトコナゾールとの薬物相互作用 (承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.2.2.2.7)[L20080218010]
16) 社内資料:外国第Ⅰ/Ⅱ相試験(消化管間質腫瘍)(承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.3A.2、2.7.6)[L20080218015]
17) 社内資料:外国第Ⅲ相試験(消化管間質腫瘍)(承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.6)[L20080218016]
18) 社内資料:国内第Ⅱ相試験(腎細胞癌)(承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.6)[L20080218014]
19) 社内資料:外国第Ⅱ相試験(腎細胞癌)(承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.6)[L20080218018]
20) 社内資料:外国第Ⅱ相試験(腎細胞癌)(承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.6)[L20080218017]
21) 社内資料:外国第Ⅲ相試験(腎細胞癌)(承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.6)[L20080218019]
22) Raymond, E. et al.:New Engl J Med. 2011;364(6):501-513[L20110221093]
23) 社内資料:固形がん患者におけるQT間隔に対する影響 (承認年月日:2008.4.16、CTD2.7.4.4.2.2.4)[L20080218013]
24) 社内資料:薬効薬理試験(承認年月日:2008.4.16、CTD2.6.2.2)[L20080218020]
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