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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌
通常、成人にはダコミチニブとして1日1回45mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
減量段階
投与量
通常投与量
45mg/日
1段階減量
30mg/日
2段階減量
15mg/日
副作用
程度注)
処置
間質性肺疾患(ILD)
全Grade
投与を中止する。
下痢
Grade2の場合
Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後、同一用量又は1段階減量して投与を再開できる。
Grade3又は4の場合
Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後、1段階減量して投与を再開できる。
皮膚毒性(発疹、紅斑及び剥離を伴う皮膚の症状)
上記以外の副作用
Grade2以下に回復するまで休薬し、回復後、1段階減量して投与を再開できる。
注)GradeはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる。
間質性肺疾患が増悪し、死亡に至る可能性がある。,,,
*血中濃度が上昇するおそれがある。
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び最終投与後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。やむを得ず投与する場合は、本剤投与による胎児へのリスクについて患者に十分説明すること。
授乳しないことが望ましい。ヒト乳汁中への移行は不明であるが、本剤はBCRPの基質であるため、乳汁移行の可能性がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に生理機能が低下していることが多い。
CYP2D6基質
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、患者の状態を注意深く観察すること。
本剤のCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害され、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
胃内pHに影響を及ぼす薬剤
本剤の血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。
これらの薬剤が胃内pHをあげるため、本剤の吸収が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
間質性肺疾患(間質性肺炎、肺臓炎)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。,,,
重度の下痢に伴って脱水症状をきたし、急性腎障害に至った症例も報告されているので、患者の状態を十分に観察し、止瀉薬(ロペラミド等)の投与、補液等の適切な処置を行うとともに、本剤の休薬、減量又は投与中止を考慮すること。
ざ瘡様皮膚炎(13.7%)、爪囲炎(7.5%)等があらわれることがある。なお、必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること。
ALT、AST、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
10%以上
10%未満1%以上
1%未満
頻度不明
胃腸障害
口内炎(口腔内潰瘍形成、アフタ性潰瘍等)(59.5%)、悪心(12.8%)、下痢(85%)
口唇炎、口内乾燥、口腔内出血、舌痛、舌炎、嚥下障害、嘔吐、腹痛、胃腸炎、便秘、痔核
口唇痛、歯肉潰瘍、嚥下痛、消化不良、痔出血
一般・全身障害及び投与部位の状態
無力症、疲労、倦怠感、発熱、胸痛、粘膜の炎症、浮腫(末梢性浮腫、眼瞼浮腫等)
疼痛、炎症
眼障害
結膜炎(16.7%)
霧視、眼乾燥、眼の炎症(眼瞼等)、角膜炎、白内障
眼痛、眼脂
感染症及び寄生虫症
膿疱性皮疹、毛包炎、口角口唇炎、真菌感染症(口腔、皮膚等)、ウイルス感染、鼻咽頭炎、肺炎、感染症(尿路、気管支、皮膚等)
蜂巣炎、副鼻腔炎、膀胱炎
胆道系障害
胆石症
筋骨格系及び結合組織障害
四肢痛、背部痛、関節痛、筋骨格痛、筋痙縮
筋肉痛、筋骨格系胸痛
血液及びリンパ系障害
貧血、白血球減少症、好中球減少症、リンパ球減少、血小板減少、白血球数増加、血小板数増加
好中球数増加、好酸球数増加、リンパ節症
血管障害
高血圧
低血圧
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
呼吸困難、咳嗽、鼻乾燥、鼻粘膜障害(炎症、潰瘍等)、鼻漏、鼻出血
頻呼吸、アレルギー性鼻炎、喉頭痛、発声障害、喀血
傷害、中毒及び処置合併症
四肢損傷
神経系障害
浮動性めまい、頭痛、味覚異常、錯感覚
口の感覚鈍麻、神経痛
腎及び尿路障害
有痛性排尿困難、急性腎障害、尿中血陽性
生殖系及び乳房障害
不規則月経
精神障害
不眠症
代謝及び栄養障害
食欲減退(25.1%)
低蛋白血症、低アルブミン血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、脱水、テタニー
低マグネシウム血症、血中クロール増加、高血糖
皮膚及び皮下組織障害
爪囲炎(61.7%)、ざ瘡様皮膚炎(48.9%)、皮膚炎(10.6%)、皮膚乾燥(29.5%)、そう痒症(全身性、眼等)(19.8%)、発疹・斑状丘疹状皮疹・紅斑性皮疹等(36.1%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(14.5%)、脱毛症(20.3%)
爪の障害(剥離、脱落等)、皮膚疼痛、ざ瘡、脂漏性皮膚炎、皮膚病変、皮膚毒性、皮膚剥脱、皮膚亀裂、皮膚潰瘍、紅斑、多毛症
過敏性血管炎、間擦疹、褥瘡性潰瘍
多形紅斑、爪床の障害(出血、炎症等)
臨床検査
体重減少(10.6%)
血中クレアチニン増加、血中乳酸脱水素酵素増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中尿酸増加、血中アルカリホスファターゼ増加
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人進行固形癌患者計13例に本剤15、30注)及び45mgを単回投与したとき、投与後6~24時間(中央値)でCmaxに達した。本剤の消失半減期は61~98時間(算術平均値)であり、Cmax及びAUCは概ね用量に比例して増加した4) 。
投与量(mg)
N
Cmax(ng/mL)
AUCinf(ng・h/mL)
Tmax(h)
t1/2(h)
15注)
3
7.74(31)
646.9(24)
24.0(6.0-24.0)
61.1(15.4)
30注)
11.1(55)
765, 1210a)
8.0(8.0-24.0)
66.9, 129a)
45
7
17.6(71)
1543(29)
6.0(4.0-24.0)
80.0(12.3)
N:例数、Cmax:最高血漿中濃度、AUCinf:0時間から無限大時間までの血漿中濃度‐時間曲線下面積、Tmax:最高血漿中濃度到達時間、t1/2:終末相の消失半減期Tmaxは中央値(最小値-最大値)、t1/2は算術平均値(標準偏差)それ以外は幾何平均値(算術変動係数%)a)N=2
日本人進行固形癌患者計11例に本剤15、30注)及び45mgを1日1回反復投与したときの第1サイクル14日(定常状態時)の血漿中濃度推移と薬物動態パラメータを以下に示す4)。
Cmin(ng/mL)
AUCtau(ng・h/mL)
15a),注)
2
29.5, 34.4
21.9, 27.7
627, 799
6.0, 24.0
63.5(19)
46.9(18)
1333(21)
4.0(0.0-8.0)
6
79.5(21)
63.6(20)
1768(20)
8.0(4.0-8.0)
N:例数、Cmax:最高血漿中濃度、AUCtau:投与間隔tauの血漿中濃度‐時間曲線下面積、Tmax:最高血漿中濃度到達時間、Cmin:最低血漿中濃度Tmaxは中央値(最小値-最大値)それ以外は幾何平均値(算術変動係数%)a)N=2
健康成人14例に本剤45mgを単回経口投与したときの、本剤20mg単回静脈内投与注)に対する絶対的バイオアベイラビリティは80%であった5)(外国人データ)。健康成人24例に本剤45mgを高脂肪食後に単回経口投与したとき、空腹時投与と比較してAUCinfが14%、Cmaxが24%増加した6)(外国人データ)。
健康成人14例に本剤20mgを単回静脈内投与注)したときの分布容積の平均値は1889Lであった5)(外国人データ)。ダコミチニブのヒト血漿蛋白結合率は、検討した薬物濃度範囲で変化せず、98%であった7)(in vitro試験)。
ダコミチニブのヒトでの主要な代謝経路は酸化的代謝及びグルタチオン抱合である。健康成人6例に14Cで標識した本剤45mgを単回経口投与したとき、血漿中では主に未変化体及びO-脱メチル体が検出された(血漿中総放射能の39及び16%)。糞中では主に未変化体、O-脱メチル体、システイン抱合体及び一酸化体が検出された(投与放射能の20、20、9.5及び5.1%)8)(外国人データ)。In vitro試験において、O-脱メチル体の生成には主としてCYP2D6が関与し、他の微量な酸化代謝物の生成にはCYP3A4が関与していることが示唆された9)。
健康成人6例に14Cで標識した本剤45mgを単回経口投与したとき、投与後552時間までに投与放射能の82%が回収され、投与放射能の79%が糞中に、3%が尿中に排泄された。未変化体の尿中排泄率は投与量の1%未満であった8)(外国人データ)。
軽度(Child-Pugh分類A;N=8)及び中等度(Child-Pugh分類B;N=9)の肝機能障害を有する被験者に、本剤30mg注)を単回投与したとき、正常な肝機能を有する被験者(N=8)と比較して、軽度肝機能障害群での曝露量は同様であり、中等度肝機能障害群では、AUCinf及びCmaxはそれぞれ15%及び20%減少した10)。また、重度(Child-Pugh分類C;N=8)の肝機能障害を有する被験者に、本剤30mg注)を単回投与したとき、正常な肝機能を有する被験者(N=8)と比較してAUCinfは同様であり、Cmaxは31%増加した11)(外国人データ)。
健康成人14例を対象にCYP2D6の基質であるデキストロメトルファン30mg(単回投与)を本剤45mg(単回投与)と併用したとき、デキストロメトルファン単剤投与時と比べて、デキストロメトルファンのAUClast及びCmaxはそれぞれ、855%及び874%増加した12)(外国人データ)。
健康成人24例を対象にラベプラゾール40mg(反復投与)と本剤45mg(単回投与)を併用したとき、ダコミチニブのAUC96及びCmaxは、本剤単剤投与時と比べて、それぞれ39%及び51%低下した6)(外国人データ)。
健康成人14例を対象にCYP2D6の強い阻害薬であるパロキセチン30mg(反復投与)と本剤45mg(単回投与)を併用投与したとき、ダコミチニブのAUCinf及びCmaxは、本剤単剤投与時と比べて、それぞれ37%及び10%増加した15)(外国人データ)。
進行固形癌患者8例において制酸薬(水酸化アルミニウム/水酸化マグネシウム経口懸濁液;400mg/5mL)(単回投与)と本剤45mg(単回投与)を併用したとき、本剤単剤投与時と比べて、ダコミチニブのAUCinfは5%増加し、Cmaxは12%低下した16)(外国人データ)。注)本剤の承認用法・用量は1日1回45mgを経口投与する。
化学療法歴のないEGFR遺伝子の活性型変異注1)陽性注2)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌注3)患者を対象に、本剤の有効性及び安全性をゲフィチニブと比較することを目的とした非盲検無作為化国際共同第Ⅲ相試験が実施された。452例(日本人81例)を本剤群227例(日本人40例)及びゲフィチニブ群225例(日本人41例)に無作為に割り付け、本剤45mg又はゲフィチニブ250mgを1日1回経口投与した。主要評価項目である独立画像中央判定委員会評価による無増悪生存期間の中央値は、本剤群で14.7ヵ月(95%信頼区間:11.1, 16.6)、ゲフィチニブ群で9.2ヵ月(95%信頼区間:9.1, 11.0)であり、ゲフィチニブ群に比べて本剤群で統計的に有意な無増悪生存期間の延長が認められた(ハザード比[95%信頼区間]:0.589[0.469, 0.739]、p値<0.0001:層別ログランク検定)(2016年7月29日データカットオフ)17)。
注1)EGFR遺伝子の活性型変異であるエクソン19の欠失(Ex19del)又はエクソン21の変異(L858R)が腫瘍組織検体で確認された患者が組み入れられた。注2)therascreen EGFR変異検出キットRGQ「キアゲン」等が使用された。注3)非小細胞肺癌のうち、腺癌又は腺癌の特殊型の組織型の癌が確認された患者が組み入れられた。また、脳転移のある患者は除外された。本剤が投与された227例(日本人患者40例を含む)中220例(96.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢193例(85.0%)、爪囲炎140例(61.7%)、口内炎(口腔内潰瘍形成、アフタ性潰瘍等)135例(59.5%)、ざ瘡様皮膚炎111例(48.9%)、発疹・斑状丘疹状皮疹・紅斑性皮疹等82例(36.1%)等であった17)。
本剤は、活性型変異(Ex19del及びL858R)を有するEGFR等のチロシンキナーゼ活性を阻害することにより、腫瘍の増殖を抑制すると考えられる18)。
本剤は、in vitro試験において、野生型EGFRを有するヒト非小細胞肺癌由来NCI-H125細胞株、EGFR活性型変異(Ex19del)を有するヒト非小細胞肺癌由来HCC827及びHCC4006細胞株、並びにEGFR活性型変異(L858R)を有するヒト非小細胞肺癌由来NCI-H1975細胞株の増殖を抑制した。本剤は、in vivo試験において、NCI-H125及びNCI-H1975細胞株をそれぞれ皮下移植した重症複合型免疫不全(SCID)マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した18)。
ダコミチニブ水和物(Dacomitinib Hydrate)(JAN)
(2E)-N-{4-[(3-Chloro-4-fluorophenyl)amino]-7-methoxy-quinazolin-6-yl}-4-(piperidin-1-yl)but-2-enamide monohydrate
C24H25ClFN5O2・H2O
487.95
本品は白色~微黄色の粉末である。
4.2(pH7.4、1-オクタノール/水)
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
30錠[10錠(PTP)×3]
10錠[10錠(PTP)×1]
1) 社内資料:ラットを用いた胚・胎児発生試験(2019年1月8日承認、CTD 2.6.6.6.2)[L20181214006]
2) 社内資料:ラットを用いた6ヵ月間経口投与毒性試験(2019年1月8日承認、CTD 2.6.6.3.2.2)[L20181214007]
3) 社内資料:遺伝毒性(2019年1月8日承認、CTD 2.6.6.4)[L20181214008]
4) 社内資料:日本人第Ⅰ相試験(2019年1月8日承認、CTD 2.7.2.2.2.5.4)[L20181206041]
5) 社内資料:絶対バイオアベイラビリティ試験(2019年1月8日承認、CTD 2.7.1.2.1.3)[L20181206038]
6) 社内資料:食事の影響及びラベプラゾールとの薬物相互作用試験(2019年1月8日承認、CTD 2.7.1.2.1.1)[L20181206035]
7) 社内資料:In vitro血漿タンパク結合(2019年1月8日承認、CTD 2.6.4.4.4)[L20181214009]
8) 社内資料:マスバランス試験(2019年1月8日承認、CTD 2.7.2.2.2.1.1)[L20181206021]
9) 社内資料:代謝に関与するCYP分子種(2019年1月8日承認、CTD 2.6.4.5.2.2)[L20181214010]
10) 社内資料:肝機能障害の影響検討試験(2019年1月8日承認、CTD 2.7.2.2.2.4.1)[L20181206028]
11) *Piscitelli J, et al.:Clin Drug Investig. 2022;42:221-235
12) 社内資料:デキストロメトルファンとの薬物相互作用試験(2019年1月8日承認、CTD 2.7.2.2.2.3.3)[L20181206018]
13) 社内資料:UGT阻害(2019年1月8日承認、CTD 2.6.4.7.2)[L20181214011]
14) 社内資料:トランスポーター阻害(2019年1月8日承認、CTD 2.6.4.7.4.1、2.6.4.7.4.3)[L20181214012]
15) 社内資料:パロキセチンとの薬物相互作用試験(2019年1月8日承認、CTD 2.7.2.2.2.3.2)[L20181206019]
16) 社内資料:制酸剤との薬物相互作用試験(2019年1月8日承認、CTD 2.7.2.2.2.5.1)[L20181206036]
17) 社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(非小細胞肺癌)(2019年1月8日承認、CTD 2.7.6.13)[L20181206032]
18) 社内資料:抗腫瘍効果及び作用機序に関する試験(in vitro及びin vivo)(2019年1月8日承認、CTD 2.6.2.2.1、2.6.2.2.2)[L20181214013]
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