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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)
*通常、成人にはエルラナタマブ(遺伝子組換え)として、1日目に12mg、4日目に32mgを1回皮下投与する。8日目以降は1回76mgを1週間間隔で皮下投与する。なお、24週間以上投与し、奏効が認められている場合は、投与間隔を2週間間隔とすること。2週間間隔で24週間以上投与した場合は、投与間隔を4週間間隔とすることができる。
副作用
重症度注)
処置
サイトカイン放出症候群(CRS)
Grade1、2又は3(初発)
回復するまで本剤を休薬する。
Grade3(再発)又はGrade4
本剤の投与を中止する。
免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)
血液学的毒性
好中球数が500/μL未満
500/μL以上に回復するまで本剤を休薬する。
発熱性好中球減少症
好中球数が1,000/μL以上に回復し発熱が治まるまで本剤を休薬する。
ヘモグロビンが8g/dL未満
8g/dL以上に回復するまで本剤を休薬する。
血小板数が25,000/μL未満血小板数が25,000/μL~50,000/μLの間で出血がある
25,000/μL以上に回復し出血が治まるまで本剤を休薬する。
その他の非血液学的毒性
Grade3又は4
注)CRS及びICANSのGradeはASTCT 20191)に準じ、その他の非血液学的毒性のGradeはNCI-CTCAE Version 5.0に準じる。
休薬直前の用量
休薬期間
再開時の用量
12mg
2週間(14日)以内の休薬
4日目の投与量(32mg)で投与する注)。
2週間(14日)を超える休薬
1日目の投与量(12mg)で投与する注)。
32mg
8日目の投与量(76mg)で投与する注)。
2週間を超え、4週間以内(15日から28日まで)の休薬
32mgで投与する注)。忍容性が認められた場合には1週間後に76mgを投与する注)。
4週間(28日)を超える休薬
76mg
12週間(84日)以内の休薬
76mgで投与する。
12週間(84日)を超える休薬
注)本剤投与開始の約1時間前に前投与(解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤及び抗ヒスタミン剤)を行うこと。
血球減少により感染症が悪化するおそれがある。,
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。ヒトIgGは胎盤通過性があることが知られており、本剤の作用機序から、本剤の妊娠中の曝露により、B細胞リンパ球減少症及び発育遅延等、胎児に有害な影響を及ぼす可能性がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
*治療域の狭いCYP基質
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤の投与開始から32mg投与の14日後まで、並びにサイトカイン放出症候群発現時及び発現後一定期間は、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤の投与によりサイトカインが放出され、CYPが抑制されることにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
生ワクチン又は弱毒生ワクチン
接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う。
本剤のBリンパ球傷害作用により発病するおそれがある。
異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するCRS管理ガイダンス等に従い、本剤の投与中止、副腎皮質ホルモン剤、トシリズマブ(遺伝子組換え)の投与等の適切な処置を行うこと。,,,,
末梢性ニューロパチー(10.4%)、頭痛(9.3%)、ICANS(3.3%)、錯乱状態(2.7%)、ギラン・バレー症候群(0.5%)、浮動性めまい(0.5%)、意識レベルの低下(頻度不明)、失神(頻度不明)等の神経学的事象があらわれることがある。異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するICANS管理ガイダンス等に従い、本剤の投与中止、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。,,,,
上気道感染(18.6%)、サイトメガロウイルス感染(7.1%)、肺炎(7.1%)、尿路感染(4.4%)、敗血症(3.8%)、敗血症性ショック(0.5%)、ニューモシスチス・イロベチイ肺炎(1.6%)等の感染症があらわれることがある。,
死亡に至った症例も報告されているので、本剤の投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知機能障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、構音障害、失語等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
好中球減少症(36.6%)、貧血(26.8%)、リンパ球減少症(24.0%)、血小板減少症(19.7%)、白血球減少症(13.1%)、発熱性好中球減少症(2.2%)等があらわれることがある。
異常が認められた場合には適切な処置(免疫グロブリン補充療法を定期的に行う等)を行うとともに、感染症の兆候等に対する観察を十分に行うこと。
異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。
10%以上
2%以上10%未満
2%未満
*皮膚
発疹、皮膚乾燥
皮膚剥脱、紅斑、そう痒症、多汗症
手足症候群、皮膚病変
*消化器
下痢、悪心
嘔吐、便秘
胃食道逆流性疾患、口内乾燥、腹痛、口内炎
*代謝・栄養障害
食欲減退
低カリウム血症、低マグネシウム血症
低アルブミン血症、低ナトリウム血症、低リン血症、高カルシウム血症、腫瘍崩壊症候群、鉄欠乏
*精神・神経系
味覚異常、平衡障害
錯感覚、失神寸前の状態、不眠症
*呼吸器
呼吸困難、咳嗽、湿性咳嗽、口腔咽頭痛、鼻閉
低酸素症、気管支拡張症、急性呼吸不全、上気道咳症候群、鼻漏、慢性気管支炎
*筋骨格系
関節痛、骨痛、筋肉痛、筋痙縮
四肢痛、背部痛、関節炎
*肝臓
ALT増加
AST増加、ALP増加、GGT増加、LDH増加
血中ビリルビン増加
*循環器
洞性頻脈
低血圧、頻脈
眼
視覚障害
ドライアイ、眼充血
腎臓
急性腎障害、血中クレアチニン増加
*その他
注射部位反応(37.7%)、疲労、無力症
発熱、悪寒、体重減少、浮腫、C-反応性蛋白増加、倦怠感
全身健康状態悪化、インフルエンザ様疾患、SARS-CoV-2検査陽性、サイトメガロウイルス検査陽性、眼球浮腫、顔面浮腫
臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている2)。
日本人再発又は難治性の多発性骨髄腫患者4例に、1日目に本剤600μg/kg注)、8日目に本剤1,000μg/kg注)を皮下投与したときの可溶性B細胞成熟抗原(sBCMA)非結合型エルラナタマブ並びに総エルラナタマブ[sBCMA非結合型及びsBCMA結合型]の薬物動態パラメータを下表に示す3)。注)本剤の承認された用法及び用量は、下記のとおりである。通常、成人にはエルラナタマブ(遺伝子組換え)として、1日目に12mg、4日目に32mgを1回皮下投与する。8日目以降は1回76mgを1週間間隔で皮下投与する。なお、24週間以上投与し、奏効が認められている場合は、投与間隔を2週間間隔とすること。2週間間隔で24週間以上投与した場合は、投与間隔を4週間間隔とすることができる。
測定対象
投与量(μg/kg)
薬物動態パラメータ
AUCtau(μg・day/mL)
Cmax(μg/mL)
Tmaxa)(day)
非結合型エルラナタマブ
600
4.04(33)
0.853(39)
7.00(2.96-8.00)
1000
5.83, 15.1b)
2.10(91)
5.99(2.99-8.97)
総エルラナタマブ
21.2(42)
4.38(33)
43.1, 47.3b)
8.85(39)
2.98(2.08-5.98)
幾何平均値(%幾何変動係数)a)中央値(最小値-最大値)b)個別値(2例)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者(日本人を含む)に、1サイクルを28日とし、第1サイクルの第1日目及び第4日目にそれぞれ本剤12及び32mgを皮下投与、第1サイクルの第8日目以降は76mgを1週間に1回皮下投与したときの第7サイクル(定常状態)における非結合型エルラナタマブ及び総エルラナタマブのトラフ濃度を下表に示す4)。
例数
トラフ濃度(μg/mL)
38
33.8(60)
35.6(55)
幾何平均値(%幾何変動係数)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者321例(日本人を含む)のデータを用いて、母集団薬物動態解析を実施した。第1日目及び第4日目にそれぞれ本剤12及び32mgを皮下投与、第8日目以降は76mgを1週間に1回24週目まで皮下投与し、その後2週間に1回24週間皮下投与し、さらに4週間に1回皮下投与したときの、定常状態における非結合型エルラナタマブの薬物動態パラメータの推定値を下表に示す5)。また、母集団薬物動態解析に基づき、非結合型エルラナタマブの半減期の幾何平均値は22日と推定された6)。
週
薬物動態パラメータa)
Cavgb)(μg/mL)
Ctrough(μg/mL)
24週目
32.0(46)
33.0(46)
30.5(48)
48週目
17.7(53)
19.5(51)
15.1(60)
72週目
8.8(58)
11.5(54)
5.9(78)
幾何平均値(%幾何変動係数)a)奏効が認められた患者における結果b)平均血清中濃度
母集団薬物動態解析に基づき、皮下投与時のエルラナタマブの絶対的バイオアベイラビリティの平均値は56.2%と推定された7)。
免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤のそれぞれ少なくとも1剤による前治療歴を有する(ただし、前治療のレジメン数を問わない)再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注1)187例(日本人患者12例を含む)を対象として、本剤の有効性及び安全性を検討する非盲検非対照第Ⅱ相試験を実施した。本試験では、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とした治療による治療歴のない患者をコホートA(日本人患者12例を含む123例)、BCMAを標的とした抗体薬物複合体又はキメラ抗原受容体T細胞療法による治療歴のある患者をコホートB(64例)にそれぞれ組み入れた。用法・用量は、1サイクルを28日間とし、第1サイクルの第1日目及び第4日目にそれぞれ本剤12及び32mgを皮下投与注2)、第1サイクルの第8日目以降は76mgを1週間に1回皮下投与し、疾患進行又は投与中止基準に該当するまで投与を継続した。また、76mgの週1回投与を少なくとも6サイクル実施し、部分奏効以上の奏効が2ヵ月以上持続している場合、投与間隔を2週間に1回に変更した。また、2週間間隔投与を少なくとも6サイクル実施した場合、投与間隔を4週間に1回に変更することとした注3、4)。主要評価項目とされた中央判定注5)による奏効率(%)(部分奏効以上の最良総合効果を示した患者の割合)は、コホートAで61.0(95%信頼区間:51.8, 69.6)(75/123例)、コホートBで29.7(95%信頼区間:18.9, 42.4)(19/64例)であった(データカットオフ日:2022年6月17日)8)。本剤が投与された183例注6)(日本人患者12例を含む)中167例(91.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、サイトカイン放出症候群106例(57.9%)、注射部位反応69例(37.7%)、好中球減少症67例(36.6%)、貧血49例(26.8%)、リンパ球減少症44例(24.0%)、血小板減少症36例(19.7%)、上気道感染34例(18.6%)、疲労32例(17.5%)、下痢29例(15.8%)、食欲減退28例(15.3%)等であった(データカットオフ日:2024年3月26日)。,注1)免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤のそれぞれ少なくとも1剤に対して難治性を示し、かつ直近の治療に対して再発又は難治性の患者が対象とされた。注2)最初に組み入れられたコホートAの4例は、第1日目に本剤44mgが投与され、第1サイクルの第8日目以降から76mgが週に1回投与された。注3)主要評価項目の最終解析後に治験実施計画書を改訂(2023年3月22日)注4)投与間隔の変更は、2週間間隔投与を6サイクル実施した後のいずれの時点でも可能とした。注5)国際骨髄腫ワーキンググループの効果判定規準に従った判定注6)本剤44mgの投与後に76mgの週1回投与を受けたコホートAの4例を除く。
エルラナタマブは、B細胞成熟抗原(BCMA)及びCD3に対するヒト化免疫グロブリン(Ig)G2二重特異性モノクローナル抗体である。エルラナタマブは、T細胞の細胞膜上に発現するCD3と骨髄腫細胞の細胞膜上に発現するBCMAの両者に結合することによりT細胞を活性化し、BCMA陽性の腫瘍細胞を傷害すると考えられる。
エルラナタマブは、ヒトCD3陽性T細胞の存在下において、BCMAを発現するヒト多発性骨髄腫由来細胞株(MM.1S、OPM2、MOLP8等)に対して増殖抑制作用を示した(in vitro)9)。エルラナタマブは、ヒト多発性骨髄腫由来細胞株(MM.1S、OPM2及びMOLP8)を尾静脈内に移植し、ヒトT細胞を腹腔内移植したインターロイキン2受容体γ鎖の完全欠損を有する非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo)10)。
エルラナタマブ(遺伝子組換え)Elranatamab(Genetical Recombination)(JAN)
抗BCMA-H鎖 C2144H3310N570O662S19抗CD3ε-H鎖 C2194H3390N602O669S18抗BCMA-L鎖 C1041H1614N280O336S6抗CD3ε-L鎖 C1061H1654N286O343S6
エルラナタマブは、B細胞成熟抗原(BCMA)及びCD3ε鎖に対する遺伝子組換え二重特異性モノクローナル抗体であり、抗BCMA抗体はヒトIgG2に由来し、抗CD3ε抗体の相補性決定部はマウス抗体に、その他はヒトIgG2に由来する。抗BCMA-H鎖の6つのアミノ酸残基が置換(C218E,P223E,D259A,A324S,P325S,L362E)されている。また、抗CD3ε-H鎖の7つのアミノ酸残基が置換(C224R,E226R,P229R,D265A,A330S,P331S,K409R)されている。エルラナタマブは、CHO細胞により産生される。エルラナタマブは、441個のアミノ酸残基からなる抗BCMA-H鎖(γ2鎖)1本、447個のアミノ酸残基からなる抗CD3ε-H鎖(γ2鎖)1本、215個のアミノ酸残基からなる抗BCMA-L鎖(κ鎖)1本及び219個のアミノ酸残基からなる抗CD3ε-L鎖(κ鎖)1本で構成される糖タンパク質(分子量:約149,000)である。
1.1mL[1バイアル]
1.9mL[1バイアル]
1) Lee D. W, et al.:Biol Blood Marrow Transplant. 2019;25:625-638.
2) 免疫原性(2024年3月26日承認、CTD2.7.2.4.1)
3) 国内第Ⅰ相試験(C1071002試験)(2024年3月26日承認、CTD2.7.2.2.2.3.1)
4) 社内資料:国際共同第Ⅱ相試験(C1071003試験)
5) 社内資料:母集団薬物動態解析
6) 消失(2024年3月26日承認、CTD2.7.2.3.2.4)
7) 吸収(2024年3月26日承認、CTD2.7.2.3.2.1)
8) 国際共同第Ⅱ相試験(C1071003試験)(2024年3月26日承認、CTD2.7.3.2.1)
9) 効力を裏付ける試験(in vitro)(2024年3月26日承認、CTD2.6.2.2.1)
10) 効力を裏付ける試験(in vivo)(2024年3月26日承認、CTD2.6.2.2.2)
ファイザー株式会社
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