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処方箋医薬品注)
潰瘍性大腸炎
通常、成人には1回1~2個を1日2回、朝排便後と就寝前に、肛門内に挿入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
急性発作が起こるおそれがある。
溶血が起こるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。本剤の動物実験では催奇形作用は認められていないが、他のサルファ剤(スルファメトピラジン等)では催奇形作用が認められている。また、本剤の代謝物の胎盤通過により新生児に高ビリルビン血症を起こすことがある。
授乳を避けさせること。母乳中に移行し、乳児に血便又は血性下痢があらわれたとの報告がある。
投与しないこと。高ビリルビン血症を起こすことがある。
臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
スルホンアミド系経口糖尿病用剤
スルホニルウレア系経口糖尿病用剤
低血糖を発症するおそれがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意すること。
代謝抑制又は蛋白結合の置換により、作用が増強される。
クマリン系抗凝血剤
併用薬の血中濃度が上昇し、プロトロンビン時間が延長するおそれがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意すること。
併用薬の代謝が抑制される。
葉酸
葉酸の吸収が低下し、大赤血球症、汎血球減少を来す葉酸欠乏症を起こすおそれがあるので、葉酸欠乏症が疑われる場合は、葉酸を補給すること。
機序不明
ジゴキシン
ジゴキシンの吸収が低下するおそれがある。
アザチオプリンメルカプトプリン
白血球減少等の骨髄抑制があらわれるおそれがある。
本剤はこれらの薬剤の代謝酵素であるチオプリンメチルトランスフェラーゼを阻害するとの報告がある。
初期症状として発疹、発熱、感冒様症状がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、肝腫、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う重篤な過敏症状が遅発性にあらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、これらの症状は、薬剤を中止しても再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
発熱、咳嗽、喀痰、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線検査、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
意識障害、痙攣等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
頸部(項部)硬直、発熱、頭痛、悪心、嘔吐あるいは意識混濁等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
呼吸困難、胸部痛、胸水等があらわれた場合には投与を中止し、速やかに心電図検査、胸部X線検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
AST、ALTの著しい上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがある。また、肝不全、劇症肝炎に至るおそれがある。
発疹、血圧低下、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%未満
頻度不明
血液
白血球減少、顆粒球減少
異型リンパ球出現、免疫グロブリン減少、好酸球増多
肝臓
AST・ALTの上昇
腎臓
尿路結石、腫脹、浮腫、糖尿、蛋白尿、BUN上昇、血尿
皮膚
脱毛
消化器
下痢・下腹痛等の直腸刺激、悪心
口内炎、口唇炎、舌炎、膵炎、口渇、嘔吐、胃不快感、腹痛、食欲不振、腹部膨満感、胸やけ、便秘、口腔咽頭痛
肛門
刺激感
過敏症
発疹、そう痒感
光線過敏症、血清病、紅斑、顔面潮紅、蕁麻疹
精神神経系
めまい
頭痛、末梢神経炎、うとうと状態、耳鳴、抑うつ
その他
発熱
精子数及び精子運動性の可逆的な減少a)、倦怠感、胸痛、筋肉痛、関節痛、心悸亢進、味覚異常、嗅覚異常
本剤投与中の患者において、ALT、AST、CK-MB、GLDH、血中アンモニア、血中チロキシン及び血中グルコース等の測定値がみかけ上増加又は減少することがあるため、これらの検査結果の解釈は慎重に行うこと。サラゾスルファピリジン並びに代謝物5-アミノサリチル酸及びスルファピリジンは、NAD(H)又はNADP(H)を使用した340nm付近の紫外線吸光度測定に干渉する可能性があり、検査方法により検査結果に及ぼす影響が異なることが報告されている。
悪心・嘔吐、胃腸障害、腹痛、精神神経系症状(傾眠、痙攣等)
症状に応じて、催吐、胃洗浄、寫下、尿のアルカリ化、強制利尿(腎機能が正常な場合)、血液透析等を行う。
本剤をプラスチックコンテナより取り出した後は、速やかに使用するよう指導すること。
本剤の成分により皮膚、爪及び尿・汗等の体液が黄色~黄赤色に着色することがある。また、ソフトコンタクトレンズが着色することがある。
動物実験(ラット)で甲状腺腫及び甲状腺機能異常を起こすことが報告されている。
ラットにカルボキシル14C-サラゾスルファピリジンを坐剤直腸内投与又は経口投与して血中濃度を調べた。坐剤投与では投与2~3時間で最高血中濃度を示し以後減少したが、経口投与の場合は投与後7時間経って最高血中濃度を示し、以後漸減した。両者の最高血中濃度は坐剤投与の場合、経口投与の約2倍の濃度が示された1)。
ラットにカルボキシル14C-サラゾスルファピリジンを坐剤直腸内投与又は経口投与して吸収を調べた。Two compartment open modelを用いた吸収量の推定によると、坐剤投与では経口投与の約2倍量の吸収がみられた1)。
ラットにカルボキシル14C-サラゾスルファピリジンを坐剤直腸内投与又は経口投与して分布を調べた。坐剤投与、経口投与を問わず、回腸、結腸、直腸に多く分布がみられ、次いで肝に比較的多い分布がみられた。腎にも少量の分布がみられたが、肺、脾、心筋、膵、脳その他の臓器にはほとんど認められなかった1)。
ラットにカルボキシル14C-サラゾスルファピリジンを坐剤直腸内投与又は経口投与して代謝を調べた1)。薄層クロマトグラフィーによる検索の結果、サラゾスルファピリジンの主代謝産物は、サリチル酸部分に由来するアセチルアミノサリチル酸と、スルファピリジン部分に由来するアセチル・スルファピリジン・グルクロナイド及びスルファピリジン・グルクロナイドであった。
ラットにカルボキシル14C-サラゾスルファピリジンを坐剤直腸内投与又は経口投与して排泄を調べた。尿中へは全投与量の10%前後が排泄され、残余は糞中に排泄された。胆汁排泄量はわずかであった。なお尿での主代謝産物は直腸内投与、経口投与にかかわらず5-アセチルアミノサリチル酸が90%を占めた1)。
全国11施設で潰瘍性大腸炎と診断された患者56例を対象にした群間比較試験を実施した。本剤1回1個を1日2回、朝排便後と就寝前に直腸内に挿入し以後症状をみながら漸減した注1)。臨床症状、内視鏡所見を総合判定した結果、効果判定の対象となった18例注2)中、著効6例、有効9例(有効率83%)であった。副作用調査の対象となった19例中2例に副作用が認められ、腹痛、腹部不快感、挿入時肛門部不快感(各1件)であった2)。注1:本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人には1回1~2個を1日2回、朝排便後と就寝前に、肛門内に挿入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」である。注2:効果判定除外例数は含まない。
全国28医療施設において潰瘍性大腸炎と診断された患者230例を対象とし、本剤1~2個を1日2回、排便後と就寝前に肛門より挿入して経過を観察した注1)。臨床症状、内視鏡所見の判定基準による効果判定が可能であった132例注2)中、著効36例、有効68例(有効率78.8%)であった。副作用調査の対象となった227例中14例(6.2%)に副作用が認められ、局所刺激感(5例)、皮膚・顔面掻痒感(2例)、悪心(2例)、異物感(1例)、背部粟粒大発疹(1例)、白血球減少(1例)、めまい(1例)、肝障害(1例)であった3)。注1:本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人には1回1~2個を1日2回、朝排便後と就寝前に、肛門内に挿入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」である。注2:効果判定除外例数は含まない。
潰瘍性大腸炎はその病因がいまだに不明で、サラゾピリンの作用機序についても明快な結論は得られていない。
投与されたサラゾスルファピリジンの約3分の1は小腸でそのままの形で吸収されるが、大部分は大腸に運ばれ、そこで腸内細菌の作用をうけて5-アミノサリチル酸とスルファピリジンに分解・吸収される。その治療活性部分は5-アミノサリチル酸であることが明らかにされている。5-アミノサリチル酸は組織学的に変化の認められる粘膜上皮下の結合組織に対して特異な親和力を示し、この5-アミノサリチル酸の抗炎症作用により効果をあらわすのであろうと推定されている4),5),6),7),8),9),10),11)。
サラゾスルファピリジン(Salazosulfapyridine)
2-Hydroxy-5-[4-(pyridin-2-ylsulfamoyl)phenylazo]benzoic acid
C18H14N4O5S
398.39
黄色~黄褐色の微細な粉末で、におい及び味はない。ピリジンにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、水、クロロホルム又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
240~249℃(分解)
夏期の高温時には、坐剤が融けて型くずれすることがあるので直射日光のあたらない涼しい所(できれば冷蔵庫)に保存すること。
100個[10個(プラスチックコンテナ)×10]
1) 小野 泰蔵ほか:基礎と臨床.1983;17(8):2553-2567
2) 松永 藤雄ほか:基礎と臨床.1980;14(9):2486-2496
3) 松永 藤雄ほか:薬理と治療.1979;7(2):523-535
4) 吉田 豊ほか:日本臨床.1977;35(5):1872-1876
5) Schroder H,et al.:Clin Pharmacol Ther.1972;13(4):539-551
6) Campbell D E S.:Z Gastroenterol.1981;19(Suppl.):15-20
7) Azad Khan A K,et al.:Lancet.1977;310(8044):892-895
8) Van Hees P A M,et al.:Lancet.1978;311(8058):277
9) Helander S.:Acta Physiol Scand.1945;10(Suppl.29):11-16
10) Hanngren A,et al.:Acta Med Scand.1963;173(fasc.1):61-72
11) Hanngren A,et al.:Acta Med Scand.1963;173(fasc.4):391-399
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