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日本薬局方
フルコナゾールカプセル
処方箋医薬品注)
成人
通常、成人にはフルコナゾールとして50~100mgを1日1回経口投与する。
通常、成人にはフルコナゾールとして50~200mgを1日1回経口投与する。なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として400mgまで増量できる。
成人には、フルコナゾールとして400mgを1日1回経口投与する。
通常、成人にはフルコナゾールとして150mgを1回経口投与する。
小児
通常、小児にはフルコナゾールとして3mg/kgを1日1回経口投与する。
通常、小児にはフルコナゾールとして3~6mg/kgを1日1回経口投与する。なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として12mg/kgまで増量できる。
小児には、フルコナゾールとして12mg/kgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。ただし、1日量として400mgを超えないこと。
新生児
生後14日までの新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を72時間毎に投与する。生後15日以降の新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を48時間毎に投与する。
腎機能障害患者に投与する場合は、下表に示すクレアチニン・クリアランス値を参考に用量を調節する1)。,
クレアチニン・クリアランス(mL/min)
用量の目安
>50≦50(透析患者を除く)透析患者
通常用量半量透析終了後に通常用量
,
心室頻拍(torsade de pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等があらわれることがある。,
投与前にクレアチニン・クリアランス試験を行い、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。血中フルコナゾール濃度が持続する。
肝機能障害を悪化させることがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。催奇形性を疑う症例報告がある2),3),4)。
授乳しないことが望ましい。母乳中への移行が認められている5)。
新生児においては、投与間隔に留意すること。腎機能が未熟なため血中濃度半減期が延長する。
用量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中フルコナゾール濃度が持続するおそれがある。,,
トリアゾラム(ハルシオン等)
トリアゾラムの代謝遅滞による血中濃度の上昇、作用の増強及び作用時間延長の報告がある7)。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン配合錠)ジヒドロエルゴタミン
アゾール系抗真菌剤等のCYP3A4を阻害する薬剤とエルゴタミンとの併用により、エルゴタミンの血中濃度が上昇し、血管攣縮等の副作用を起こすおそれがある。
キニジン(キニジン硫酸塩)
**ピモジド
これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、QT延長、torsade de pointesを発現するおそれがある。
アスナプレビル(スンベプラ)ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル(ジメンシー配合錠)
これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、肝胆道系の副作用が発現し、また重症化するおそれがある。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
アゼルニジピン(カルブロック)オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン(レザルタス配合錠)
イトラコナゾールとの併用によりアゼルニジピンのAUCが上昇することが報告されている。
本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ロミタピド(ジャクスタピッド)
ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。
ブロナンセリン(ロナセン)ルラシドン(ラツーダ)
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。
ワルファリン
プロトロンビン時間の延長8)、著しいINR上昇及び出血傾向(挫傷、鼻出血、消化管出血、血尿、下血等)の報告がある。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
フェニトインイブプロフェンフルルビプロフェン
これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある9),10),11),12)。
セレコキシブ
セレコキシブの血中濃度が上昇することがある。本剤を使用中の患者にはセレコキシブの投与を低用量から開始すること。
ロサルタン
ロサルタンの血中濃度上昇、及び活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度減少の報告がある13)。
本剤はロサルタンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用により活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度が減少することがある。
HMG-CoA還元酵素阻害薬
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある14),15),16)。
本剤はフルバスタチンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりフルバスタチンの血中濃度が上昇することがある。
カルバマゼピン
カルバマゼピンの血中濃度が上昇し、悪心・嘔吐、めまい、複視等が発現したとの報告がある17),18)。
ミダゾラムエプレレノンメサドン
これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある19),20)。
カルシウム拮抗薬
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬
エリスロマイシン
これらの薬剤の血中濃度上昇のおそれがある21)。
タクロリムス22)、シクロスポリン23)
これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある。また、併用により腎障害の報告がある。
リファブチン
リファブチンのAUC上昇の報告があり、リファブチンの作用が増強するおそれがある24)。
リトナビル
*ニルマトレルビル・リトナビル
リトナビルのAUC上昇の報告がある。
ニルマトレルビル・リトナビルの血中濃度上昇のおそれがある。
*オキシコドン
オキシコドンのAUC上昇の報告がある。
トルバプタン
トルバプタンの血中濃度上昇の報告があり、トルバプタンの作用が増強するおそれがある。やむを得ず併用する際は、トルバプタンを減量あるいは低用量から開始すること。
イブルチニブ
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。やむを得ず併用する際は、これらの薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ラロトレクチニブ
レンボレキサント
レンボレキサントの血中濃度上昇の報告があり、傾眠等の副作用が増強されるおそれがある。本剤とレンボレキサントの併用にあたっては、患者の状態を慎重に観察した上で、レンボレキサント投与の可否を判断すること。なお、併用する際はレンボレキサントを1日1回2.5㎎とすること。
**バレメトスタット
バレメトスタットの副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察すること。
フェンタニル
フェンタニルの血中濃度上昇のおそれがある25)。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。
リバーロキサバン
リバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある。
テオフィリン
テオフィリンの血中濃度上昇の報告がある。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
経口避妊薬
エチニルエストラジオール26)、レボノルゲストレルの血中濃度上昇の報告がある。
スルホニル尿素系血糖降下薬
スルホニル尿素系血糖降下薬の血中濃度上昇の報告がある27)。また、併用により低血糖の報告がある。
ナテグリニド
ナテグリニドのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある28)。
トレチノイン
中枢神経系の副作用が発現するおそれがある29)。
ジアゼパム
ジアゼパムのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある30)。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
トファシチニブ
トファシチニブのAUCが79%、Cmaxが27%増加したとの報告がある。
シクロホスファミド
ビリルビンの上昇、クレアチニンの上昇の報告がある31)。
本剤はシクロホスファミドの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C9を阻害するので、併用によりシクロホスファミドの血中濃度が上昇することがある。
アブロシチニブ
アブロシチニブの作用が増強するおそれがある。可能な限り本剤を他の類薬に変更する、又は本剤を休薬する等を考慮すること。
本剤はアブロシチニブの代謝酵素であるCYP2C19を阻害するので、併用によりアブロシチニブの血中濃度が上昇することがある。
アミトリプチリンノルトリプチリン
これらの薬剤の作用が増強するおそれがある32),33),34),35)。
本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ジドブジン
ジドブジンの血中濃度上昇の報告がある36)。
リファンピシン
本剤の血中濃度の低下及び血中濃度半減期の減少の報告がある37)。
リファンピシンは代謝酵素であるチトクロームP450を誘導する。その結果、本剤の肝代謝が増加すると考えられる。
三酸化二ヒ素
QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある。
本剤及び三酸化二ヒ素は、いずれもQT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすことがある。
ショック、アナフィラキシー(血管浮腫、顔面浮腫、そう痒等)を起こすことがある。,
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること38)。
無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少、白血球減少、貧血等の重篤な血液障害があらわれることがある。
急性腎障害等の重篤な腎障害が報告されている。
黄疸、肝炎、胆汁うっ滞性肝炎、肝壊死、肝不全等の肝障害が報告されており、これらの症例のうち死亡に至った例も報告されている。これらの発症と1日投与量、治療期間、患者の性別・年齢との関連性は明らかではない。本剤による肝障害は通常、投与中止により回復している。,
錯乱、見当識障害等の意識障害があらわれることがある。
痙攣等の神経障害があらわれることがある。
異常が認められた場合には投与を中止し、電解質補正等の適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎(初期症状:発熱、腹痛、頻回の下痢)があらわれることがある。
1%以上
0.1~1%未満
頻度不明
肝臓
AST、ALTの上昇
Al-P、LDH、ビリルビンの上昇
黄疸
皮膚
発疹
剥脱性皮膚炎
消化器
悪心、しゃっくり、食欲不振、下痢、腹部不快感、腹痛
口渇、嘔吐、消化不良、鼓腸放屁
精神・神経系
頭痛、手指のこわばり
めまい、傾眠、振戦
腎臓
BUN、クレアチニンの上昇、乏尿
代謝異常
低カリウム血症
高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高血糖
血液
好酸球増多、好中球減少
その他
浮腫、発熱、倦怠感
熱感、脱毛、味覚倒錯、副腎機能不全
3時間の血液透析により、約50%が血清より除去される。フルコナゾールは、大部分が腎から排泄される。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健常成人に本剤50mg、100mg又は400mgを単回経口投与した場合の平均血漿中濃度の推移は図に示したとおりで、用量に比例した血漿中濃度が得られ、最高血漿中濃度(Cmax)はそれぞれ0.92、1.88及び7.95μg/mLであった。最高血漿中濃度到達時間(Tmax)は、空腹時投与で1.4~1.7時間であり、血漿中濃度半減期はいずれの用量でも約30時間であった。本剤は消化管からの吸収に優れ、AUCは静脈内投与時の場合と近似していた。また、成人患者2例に本剤400mgを1日1回31日間経口投与したときの血清中濃度は投与5日目まで経日的に上昇し、初回投与時の約3倍に達したが、以降は定常状態となることが認められている41),42),43)。
小児患者にフルコナゾールを2~8mg/kgを経口(ドライシロップ)又は静脈内(静注液)投与したところ、小児におけるクリアランスは、成人のクリアランスの約2倍高い値であった44)(外国人データ)。
年齢(症例数)
用量a)
半減期(時間)
AUC0-∞(μg・h/mL)
早産児生後24時間以内(n=4~11)b)
反復静注6mg/kg(3日間隔)
73.6(1日目)53.2(7日目)46.6(13日目)
271(1日目)490(7日目)360(13日目)
11日~11ヵ月(n=9)
単回静注3mg/kg
23
110
9ヵ月~13歳(n=14)
単回経口2mg/kg
25.0c)
94.7
単回経口8mg/kg
19.5
363
5~15歳(n=4)
反復静注2mg/kg
17.4d)
67.4d)
5~15歳(n=5)
反復静注4mg/kg
15.2d)
139d)
5~15歳(n=7)
反復静注8mg/kg
17.6d)
197d)
平均年齢7歳(n=11)
反復経口3mg/kg
15.5e)
41.6e)
a)剤型:静注は静注液、経口はドライシロップb)半減期(1日目:n=7、7日目:n=9、13日目:n=4)AUC0-72(1日目:n=11、7日目:n=10、13日目:n=4)c)n=16d)最終投与日の値e)1日目の値
本剤の経口投与により患者の喀痰中、肺組織中、髄液中及び腟分泌物中への良好な移行が認められた。髄液中のフルコナゾール濃度は血漿中濃度の60~80%であった。本剤を単回経口投与したとき、投与後24~168時間までの腟分泌物中のフルコナゾール濃度は血漿中濃度の67~92%であった45),46),47),48)。
フルコナゾールのヒト血漿蛋白に対する結合率は、類似化合物に比較して低く、約10%であった49)。
本剤100mgをヒトに経口投与した場合、尿中代謝物として1、2、4-トリアゾールがわずかに認められた。投与量の約77%がフルコナゾール未変化体として尿中に排泄された50)。
健常成人に本剤50、100、400mgを単回経口投与したときの尿中フルコナゾール最高濃度は、それぞれ12.4、38.7、83.2μg/mL(投与後8時間以内)に達した。また、投与5日目までの未変化体の尿中排泄率はいずれの用量においても約70%であった41),42)。
開発時の臨床試験ではフルコナゾールを各種深在性真菌症に経口投与し、優れた臨床効果が得られた。
菌種
疾患名
有効例/症例
カンジダ属
カンジダ血症カンジダ肺・気管支炎カンジダ尿症カンジダ食道・消化管炎その他
4/42/27/712/121/1
合計
26/26(100.0%)
クリプトコッカス属
クリプトコッカス髄膜炎肺クリプトコッカス症
2/36/9
8/12(66.7%)
(有効例=著効+有効)
開発時の深在性真菌症に対する臨床試験における真菌学的効果は、Candida属では、C.albicans18株、C.tropicalis4株は全例消失し、Candida属全体の消失率は95.7%(22/23)であった。Cryptococcus neoformans5株は全て消失した47),51),52),53)。
骨髄移植患者357例を対象に無作為化二重盲検比較臨床試験において、フルコナゾール(カプセル又は静注液)として400mgを1日1回経口又は静脈内投与した群では予防不成功注)は58.7%(105/179例)、プラセボ投与群では予防不成功は69.5%(123/177例)であった。副作用の発現頻度は、フルコナゾール群で17.3%(31/179例)、プラセボ群で16.9%(30/178例)であり、フルコナゾール群で認められた主な副作用は、悪心7.3%(13/179例)、発疹5.0%(9/179例)、下痢4.5%(8/179例)、嘔吐4.5%(8/179例)であった54)。注)予防不成功:全身性感染確定(proven)及び全身性感染疑い(suspected)を予防投与の不成功とした。
カンジダ属に起因する腟炎及び外陰腟炎患者を対象に本剤150mgを単回経口投与した国内臨床試験において、第28日の総合評価における有効率は74.7%(74/99例)であった。真菌学的効果については、ベースラインの真菌培養で同定されたCandida属104株のうち、第28日に消失したのはC.albicansで84/100株、C.glabrataで1/1株、C.parapsilosisで2/2株、Candida sppで0/1株であり、Candida属に対する消失率は85.9%(85/99例)であった。
臨床効果
真菌学的効果
総合評価
改善率(%)
治癒率(%)
消失率(%)
有効率(%)
第28日
95.9
81.6
85.9
74.7
臨床効果(改善率):治癒と改善の合計例数/治癒と改善と無効の合計例数×100臨床効果(治癒率):治癒の例数/治癒と改善と無効の合計例数×100消失率:消失の例数/消失と存続の合計例数×100有効率:有効(臨床効果「治癒」かつ真菌学的効果「消失」)の例数/有効と無効の合計例数×100
副作用又は臨床検査値異常が7.6%(12/157例)に認められた。主なものは、下痢1.9%(3/157例)、悪心1.9%(3/157例)であった48)。
*フルコナゾールは真菌細胞の14-α-ラノステロールの脱メチル化に関与するチトクロームP450を阻害し、膜成分のエルゴステロール生合成を抑制することにより抗真菌作用を示す。また、真菌の酵母型発育相及び菌糸型発育相のいずれに対しても発育抑制を示す。フルコナゾールのエルゴステロール生合成阻害作用は真菌に選択的で、ラット肝細胞でのステロール生合成に対する影響は少ない55)。
菌種(株数)
MIC(μg/mL)
範囲
50%
90%
Candida albicans(333)Candida glabrata(107)Candida tropicalis(46)Candida parapsilosis(27)Candida krusei(14)Cryptococcus neoformans(3)
≦0.031〜160.25〜>640.5〜>640.25〜432〜>644
0.25164164-
13282>64-
MIC測定は、0.165M MOPS及び10N NaOHにてpH7.0に調整したRPIMI1640培地を用いた微量液体希釈法による。
フルコナゾール(Fluconazole)
2-(2,4-Difluorophenyl)-1,3-bis(1H-1,2,4-triazol-1-yl)propan-2-ol
C13H12F2N6O
306.27
フルコナゾールは、白色~微黄白色の結晶性の粉末である。エタノール(99.5)にやや溶けやすく、水に溶けにくい。希塩酸に溶ける。
137~141℃
FLCZ
50カプセル[10カプセル(PTP)×5]
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49) 社内資料:蛋白結合率[L20031105195]
50) 社内資料:代謝経路[L20031105193]
51) 李 永浩ほか.:Jpn J Antibiot. 1989;42(1):138-143
52) 荒井 祥二朗ほか.:Jpn J Antibiot. 1989;42(1):165-170
53) 仁藤 博.:Jpn J Antibiot. 1989;42(1):171-178
54) 社内資料:骨髄移植患者を対象とした感染症予防の比較試験[L20110929252]
55) 森田 達也ほか.:真菌と真菌症. 1986;27(3):190-197
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57) *Berkow, E. L. et al.:Infect Drug Resist. 2017;10:237-245
58) *Calvo, B. et al.:J Infect. 2016;73(4):369-374
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60) 山口 英世ほか.:日本臨床微生物学雑誌. 2009;19(3):128-141
61) 川崎 賢二ほか.:Jpn J Antibiot. 1991;44(5):552-561
62) Troke, P. F. et al.:J Antimicrob Chemother. 1987;19(5):663-670
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