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コミナティ筋注シリンジ12歳以上用

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)
3.製法の概要及び組成・性状
3.1製法の概要
3.2組成
3.3製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する者に関する注意
9.1接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
9.2腎機能障害を有する者
9.3肝機能障害を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副反応
11.1重大な副反応
11.2その他の副反応
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2**,*中和抗体産生能
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

コミナティ筋注シリンジ12歳以上用

添付文書番号

631341DG1028_1_05

企業コード

672212

作成又は改訂年月

**2025年8月改訂(第3版)
2024年8月改訂

日本標準商品分類番号

876313

薬効分類名

ウイルスワクチン類

承認等

コミナティ筋注シリンジ12歳以上用

販売名コード

YJコード

631341DG1028

販売名英語表記

COMIRNATY intramuscular injection syringe for over 12 years old

販売名ひらがな

こみなてぃきんちゅうシリンジ12さいいじょうよう

承認番号等

承認番号

30600AMX00138

販売開始年月

2024年9月

貯法・有効期間

貯法

2~8℃

有効期間

12ヵ月

基準名

生物学的製剤基準

コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン

一般的名称

コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

  1. 2.1 明らかな発熱を呈している者
  2. 2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  3. 2.3 本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある者,,
  4. 2.4 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

**,*SARS-CoV-2のスパイクタンパク質のアミノ酸配列をコードするDNAを鋳型として転写したRNAを精製し、脂質成分と混合する。
抗原として用いる株(抗原株)は下表のとおり。

3.2 組成

コミナティ筋注シリンジ12歳以上用

有効成分  *SARS-CoV-2のスパイクタンパク質をコードするmRNA
容量  0.3mL
含量  0.030mg(RNA総量として)
添加剤  [(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル]ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカン酸エステル) 0.43mg
2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド 0.05mg
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン 0.09mg
コレステロール 0.19mg
精製白糖 31mg
トロメタモール 0.06mg
トロメタモール塩酸塩 0.4mg

3.3 製剤の性状

コミナティ筋注シリンジ12歳以上用

pH6.9~7.9
浸透圧比約1.2(生理食塩液に対する比)
性状本品は白濁した液である。

4. 効能又は効果

SARS-CoV-2による感染症の予防

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤の予防効果の持続期間は確立していない。

6. 用法及び用量

1回0.3mLを筋肉内に接種する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 接種対象者

    12歳以上の者

  2. 7.2 接種時期

    通常、前回のSARS-CoV-2ワクチンの接種から少なくとも3ヵ月経過した後に接種することができる。

  3. 7.3 接種回数

    過去にSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のない者には、およそ4週間の間隔をおいて2回目接種を行うことができる。

  4. 7.4 同時接種

    医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
  2. 8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察によって健康状態を調べること。
  3. 8.3 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
  4. 8.4 ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるため、接種前に過敏症の既往歴等に関する問診を十分に行い、接種後一定時間、被接種者の状態を観察することが望ましい。また、本剤接種後にショック、アナフィラキシーが認められた被接種者に対しては、以降の本剤の接種を行わないこと。,,
  5. 8.5 ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後一定時間は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。
  6. 8.6 心筋炎、心膜炎があらわれることがあるため、被接種者又はその保護者に対しては、心筋炎、心膜炎が疑われる症状(胸痛、動悸、むくみ、呼吸困難、頻呼吸等)が認められた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。,,
  7. 8.7 コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に、ギラン・バレー症候群が報告されている。被接種者又はその保護者に対しては、ギラン・バレー症候群が疑われる症状(四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射の減弱ないし消失等)が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。
  8. 8.8 本剤と他のSARS-CoV-2に対するワクチンの互換性に関するデータはない。

9. 特定の背景を有する者に関する注意

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

  • 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
    1. 9.1.1 抗凝固療法を受けている者、血小板減少症又は凝固障害を有する者

      本剤接種後に出血又は挫傷があらわれることがある。

    2. 9.1.2 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者

      本剤に対する免疫応答が低下する可能性がある。

    3. 9.1.3 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
    4. 9.1.4 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
    5. 9.1.5 過去に痙攣の既往のある者
    6. 9.1.6 本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者

      ,,

9.2 腎機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.3 肝機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。

9.6 授乳婦

予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明である。

9.7 小児等

12歳未満を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

接種にあたっては、問診等を慎重に行い、被接種者の健康状態を十分に観察すること。一般に、生理機能が低下している。

11. 副反応

次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副反応

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)

    ,,

  2. 11.1.2 心筋炎、心膜炎(頻度不明)

    ,,

11.2 その他の副反応

5%以上

1%~5%未満

1%未満

頻度不明

局所症状(注射部位)

疼痛(85.6%)a)、腫脹(10.3%)a)、発赤・紅斑a)

そう痒感、熱感、内出血、浮腫

精神神経系

頭痛(59.4%)a)

浮動性めまい、嗜眠、不眠症、顔面麻痺、易刺激性、傾眠

錯感覚、感覚鈍麻

消化器

下痢(14.8%)a)

嘔吐a)

悪心、食欲減退

栄養補給障害

呼吸器

口腔咽頭痛、鼻閉、咳嗽

筋・骨格系

筋肉痛(39.1%)a)、関節痛(25.3%)a)

四肢痛、背部痛

皮膚

多汗症、発疹、寝汗、蕁麻疹

紅斑性皮疹

血液

リンパ節症

免疫系

過敏症(発疹、そう痒症、紅斑、蕁麻疹、血管性浮腫、顔面腫脹等)

その他

疲労(66.0%)a)、悪寒(36.0%)a)、発熱(16.8%)a)

疼痛

倦怠感、無力症、インフルエンザ様症状、腋窩痛

a)臨床試験において電子日誌により収集した副反応の発現割合
注)国内外の臨床試験(コミナティ筋注(起源株)のC4591001試験及びC4591005試験、コミナティRTU筋注(起源株/オミクロン株BA.1)のC4591031試験、並びにコミナティRTU筋注(起源株/オミクロン株BA.4-5)のC4591044試験)で収集した各回接種における事象の発現割合をそれぞれ算出し、各回で共通して発現の認められた事象についてはより高い発現割合の値を記載した。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤接種時の注意

  1. 14.1.1 本剤は0.3mLの1用量プレフィルドシリンジである。
  2. 14.1.2 使用前に室温に戻すこと。使用前であれば、8~30℃で12時間まで保存できる。 直射日光及び紫外線が当たらないようにすること。
  3. 14.1.3 先端キャップを外した後は、直ちに使用すること。速やかに使用できない場合、2~30℃で保存し、4時間以内に使用すること。
  4. 14.1.4 微粒子や変色がないことを目視で確認し、異常が認められる場合は使用しないこと。
  5. 14.1.5 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。
  6. 14.1.6 通常、三角筋に筋肉内接種すること。静脈内、皮内、皮下への接種は行わないこと。
  7. 14.1.7 組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
    1. (1) 針長は筋肉内接種に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。
    2. (2) 神経走行部位を避けること。
    3. (3) 注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流がみられた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 海外において、コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に心筋炎、心膜炎が報告されている。過去にSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のない者に対する2回目までの接種において報告された症例の多くは若年男性であり、特に2回目接種後数日以内に発現している。また、大多数の症例で、入院による安静臥床により症状が改善している1),
  2. 15.1.2 接種開始後の国内副反応疑い報告における心筋炎、心膜炎の報告率と、国内の医療情報データベースを用いて算出した一般集団から推測される心筋炎、心膜炎の発現率とを比較したところ、過去にSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のない者に対するコミナティ筋注(起源株)2回接種後の若年男性で頻度が高いことが示唆された2),
  3. 15.1.3 海外において、皮膚充填剤との関連性は不明であるが、皮膚充填剤注入歴のある被接種者において、コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に、皮膚充填剤注入部位周辺の腫脹(特に顔面腫脹)が報告されている。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 海外第Ⅱ/Ⅲ相試験(C4591044試験)(コミナティRTU筋注(起源株/オミクロン株BA.4-5))

    コミナティ筋注(起源株)30µgを3回接種済みで、3回目接種から5~12ヵ月経過した12歳以上の者を対象に、コミナティRTU筋注(起源株/オミクロン株BA.4-5)(以下、コミナティRTU筋注(BA.4-5))30µgを1回接種(4回目接種)したときの免疫原性及び安全性を検討することを目的として、12~17歳の年齢層は非盲検非対照試験、18~55歳及び55歳超の年齢層は無作為化評価者盲検並行群間比較試験として実施した。
    本試験におけるSARS-CoV-2感染歴がない18~55歳の参加者32例及び55歳超の参加者40例を対象に、コミナティRTU筋注(BA.4-5)接種後1ヵ月のSARS-CoV-2血清中和抗体価を評価した結果、表1のとおりコミナティRTU筋注(BA.4-5)群における18~55歳及び55歳超の参加者の接種後1ヵ月時のBA.4-5及び参照株に対する血清中和抗体価は、接種前に比べて上昇した3)

    表1 18~55歳及び55歳超の参加者のSARS-CoV-2血清中和抗体価(50%中和抗体価)

    コミナティRTU筋注(BA.4-5)30µg

    18~55歳

    55歳超

    測定
    対象株

    測定
    時期

    測定
    例数

    GMT
    [両側95%信頼区間]a)

    測定
    例数

    GMT
    [両側95%信頼区間]a)

    BA.4-5

    接種前

    32

    54.5
    [41.3, 71.9]

    40

    76.0
    [54.7, 105.7]

    接種後
    1ヵ月

    32

    1029.6
    [702.6, 1508.9]

    40

    1668.1
    [1089.6, 2553.7]

    参照株

    接種前

    32

    455.3
    [286.2, 724.2]

    40

    881.9
    [601.6, 1292.7]

    接種後
    1ヵ月

    32

    6431.7
    [4542.9, 9106.0]

    40

    8386.3
    [6235.4, 11279.2]

    GMT:幾何平均抗体価
    a)抗体価が定量下限(LLOQ)未満の場合、解析には0.5×LLOQの値が用いられた

    316例(12~17歳:107例、18~55歳:103例、55歳超:106例)を対象にコミナティRTU筋注(BA.4-5)接種後の安全性を評価した。治験薬接種後7日間、電子日誌により副反応の発現状況を評価し、主な副反応の発現状況(事象全体及びGrade 3以上)は表2のとおりであった。注射部位疼痛は接種当日~翌日(中央値)に発現し、持続期間は1~2日(中央値)であった。その他の全身性の事象は接種翌日(中央値)に発現し、持続期間は1~2日(中央値)であった3)

    表2 主な副反応の発現状況

    発現例数(発現割合[%])

    12~17歳

    18~55歳

    55歳超

    コミナティRTU筋注
    (BA.4-5)

    コミナティRTU筋注
    (BA.4-5)

    コミナティRTU筋注
    (BA.4-5)

    接種
    回数

    評価
    例数a)

    事象
    全体

    Grade 3以上b)

    評価
    例数a)

    事象
    全体

    Grade 3以上b)

    評価
    例数a)

    事象
    全体

    Grade 3以上b)

    注射部位
    疼痛

    4

    107

    75
    (70.1)

    1
    (0.9)

    102

    81
    (79.4)

    0
    (-)

    105

    59
    (56.2)

    0
    (-)

    疲労

    4

    107

    72
    (67.3)

    0
    (-)

    102

    64
    (62.7)

    2
    (2.0)

    105

    41
    (39.0)

    1
    (1.0)

    頭痛

    4

    107

    54
    (50.5)

    0
    (-)

    102

    45
    (44.1)

    0
    (-)

    105

    31
    (29.5)

    0
    (-)

    筋肉痛

    4

    107

    28
    (26.2)

    0
    (-)

    102

    32
    (31.4)

    0
    (-)

    105

    21
    (20.0)

    0
    (-)

    悪寒

    4

    107

    25
    (23.4)

    0
    (-)

    102

    15
    (14.7)

    0
    (-)

    105

    13
    (12.4)

    0
    (-)

    関節痛

    4

    107

    13
    (12.1)

    0
    (-)

    102

    17
    (16.7)

    0
    (-)

    105

    12
    (11.4)

    0
    (-)

    発熱c)

    4

    107

    10
    (9.3)

    1
    (0.9)

    102

    5
    (4.9)

    0
    (-)

    105

    8
    (7.6)

    0
    (-)

    a)電子日誌により評価した例数
    b)重症度が「高度(日常活動を妨げる)」以上として報告された事象
    c)38.0℃以上。38.9℃を超えた場合に、重症度が高度(Grade 3)以上とした

  2. 17.1.2 海外第Ⅲ相試験(C4591031試験)サブ試験E(コミナティRTU筋注(起源株/オミクロン株BA.1))

    本試験参加の5~12ヵ月前にコミナティ筋注(起源株)30µgの3回接種を受けた55歳を超える参加者を対象に、コミナティRTU筋注(起源株/オミクロン株BA.1)(以下、コミナティRTU筋注(BA.1))30µgを1回接種(SARS-CoV-2ワクチンとして4回目接種)したときの免疫原性及び安全性を検討することを目的として、無作為化試験を実施した。
    コミナティRTU筋注(BA.1)接種群のSARS-CoV-2感染歴がない178例及びコミナティ筋注(起源株)接種群のSARS-CoV-2感染歴がない163例を対象に、接種後1ヵ月のSARS-CoV-2オミクロン株BA.1血清中和抗体価及び抗体応答率を評価した結果、表3及び表4のとおりコミナティRTU筋注(BA.1)接種群のコミナティ筋注(起源株)接種群に対する優越性及び非劣性がそれぞれ示された。

    表3 コミナティRTU筋注(BA.1)接種群のコミナティ筋注(起源株)接種群に対するSARS-CoV-2オミクロン株BA.1血清中和抗体価(50%中和抗体価)の幾何平均比

    コミナティRTU筋注(BA.1)接種群

    コミナティ筋注(起源株)接種群

    GMR
    [両側95%信頼区間]b)

    測定例数

    GMT[両側95%信頼
    区間]a)
    (接種後1ヵ月)

    測定例数

    GMT[両側95%信頼
    区間]a)
    (接種後1ヵ月)

    178

    711.0
    [588.3, 859.2]

    163

    455.8
    [365.9, 567.6]

    1.56
    [1.17, 2.08]

    GMR:幾何平均比、GMT:幾何平均抗体価
    a)抗体価が定量下限(LLOQ)未満の場合、解析には0.5×LLOQの値が用いられた
    b)優越性基準:GMR(コミナティRTU筋注(BA.1)/コミナティ筋注(起源株))の両側95%信頼区間下限>1

    表4 コミナティRTU筋注(BA.1)接種群のコミナティ筋注(起源株)接種群に対するSARS-CoV-2オミクロン株BA.1血清中和抗体応答率の差

    コミナティRTU筋注(BA.1)接種群

    コミナティ筋注(起源株)接種群

    差(%)
    [両側95%信頼区間]b)

    測定例数

    na)(抗体応答率[%])
    [両側95%信頼区間]
    (接種後1ヵ月)

    測定例数

    na)(抗体応答率[%])
    [両側95%信頼区間]
    (接種後1ヵ月)

    169

    121(71.6)
    [64.2, 78.3]

    149

    85(57.0)
    [48.7, 65.1]

    14.6
    [4.0, 24.9]

    a)抗体価がベースライン値(ベースライン値が定量下限(LLOQ)未満の場合はLLOQ値)から4倍以上上昇した治験参加者数
    b)非劣性マージン:抗体応答率の差(コミナティRTU筋注(BA.1) - コミナティ筋注(起源株))の両側95%信頼区間下限>-5%

    305例を対象にコミナティRTU筋注(BA.1)接種後の安全性を評価した。治験薬接種後7日間、電子日誌により副反応の発現状況を評価した。主な副反応の発現状況(事象全体及びGrade 3以上)は表5のとおりであった。注射部位疼痛は接種翌日(中央値)に発現し、持続期間は2日(中央値)であった。その他の全身性の事象は接種翌日(中央値)に発現し、持続期間は1~2日(中央値)であった4)

    表5 主な副反応の発現状況

    発現例数(発現割合[%])

    コミナティRTU筋注(BA.1)接種群

    コミナティ筋注(起源株)接種群

    接種
    回数a)

    評価
    例数b)

    事象全体

    Grade 3
    以上c)

    評価
    例数b)

    事象全体

    Grade 3
    以上c)

    注射部位疼痛

    1

    301

    175(58.1)

    1(0.3)

    298

    179(60.1)

    1(0.3)

    疲労

    1

    301

    148(49.2)

    5(1.7)

    298

    135(45.3)

    1(0.3)

    頭痛

    1

    301

    101(33.6)

    1(0.3)

    298

    79(26.5)

    1(0.3)

    筋肉痛

    1

    301

    67(22.3)

    0(-)

    298

    59(19.8)

    0(-)

    悪寒

    1

    301

    39(13.0)

    0(-)

    298

    49(16.4)

    0(-)

    関節痛

    1

    301

    34(11.3)

    0(-)

    298

    27(9.1)

    0(-)

    発熱d)

    1

    301

    15(5.0)

    4(1.3)

    298

    11(3.7)

    0(-)

    a)SARS-CoV-2ワクチンとして4回目接種
    b)電子日誌により評価した例数
    c)重症度が「高度(日常活動を妨げる)」以上として報告された事象
    d)38.0℃以上。38.9℃を超えた場合に、重症度が高度(Grade 3)以上とした

  3. 17.1.3 海外第Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ相試験(C4591001試験)第Ⅱ/Ⅲ相パート(コミナティ筋注(起源株))

    SARS-CoV-2ワクチン未接種の12歳以上の健康な参加者を対象に、コミナティ筋注(起源株)30µgを19~23日間隔で2回接種したときの有効性及び安全性を検討することを目的として、プラセボ対照無作為化多施設共同試験を実施した。さらに、本試験でコミナティ筋注(起源株)30µgを2回接種済みの18~55歳の参加者にコミナティ筋注(起源株)30µgを1回接種したときの免疫原性及び安全性も検討した。

    1. (1) 16歳以上の参加者

      36523例(コミナティ筋注(起源株)接種群:18198例、プラセボ接種群:18325例)を対象に、1つ目の主要有効性評価項目である「SARS-CoV-2感染歴がない参加者での2回目接種後7日以降のSARS-CoV-2による感染症に対するコミナティ筋注(起源株)の有効性[ワクチン有効性1(VE1)]」を評価した。40137例(コミナティ筋注(起源株)接種群:19965例、プラセボ接種群:20172例)を対象に、2つ目の主要有効性評価項目である「SARS-CoV-2感染歴の有無を問わない参加者での2回目接種後7日以降のSARS-CoV-2による感染症に対するコミナティ筋注(起源株)の有効性(VE2)」を評価した。解析結果は表6のとおりであった5)

      表6 SARS-CoV-2による感染症に対する有効性

      解析対象例数

      SARS-CoV-2
      による感染症
      確定例数

      ワクチン有効性
      [95%信用区間](%)

      VE1a)

      コミナティ筋注(起源株)接種群

      18198

      8

      95.0[90.3, 97.6]

      プラセボ接種群

      18325

      162

      VE2a)

      コミナティ筋注(起源株)接種群

      19965

      9

      94.6[89.9, 97.3]

      プラセボ接種群

      20172

      169

      a)VE1及びVE2の2回目接種後の追跡期間(中央値)はそれぞれ57日と55日であった。また、VE1及びVE2の解析には接種間隔19~42日間の参加者が含まれ、その内訳はVE1とVE2でそれぞれ19~23日間の参加者は96.5%(35248例)と96.3%(38665例)、24~42日間の参加者は3.5%(1275例)と3.7%(1472例)であった6)

      16歳以上の43448例(コミナティ筋注(起源株)接種群:21720例、プラセボ接種群:21728例)を対象にコミナティ筋注(起源株)接種後の安全性を評価した。一部の参加者(解析対象例数:1回目接種後8183例、2回目接種後7507例)で治験薬接種後7日間、電子日誌により副反応の発現状況を評価した。主な副反応の発現状況(事象全体及びGrade 3以上)は表7のとおりであった5)。注射部位疼痛は接種当日(中央値)に発現し、持続期間は2日(中央値)であった。その他の全身性の事象は接種翌日(中央値)に発現し、持続期間は1日(中央値)であった6)

      表7 主な副反応の発現状況

      発現例数(発現割合[%])

      コミナティ筋注(起源株)接種群

      プラセボ接種群

      接種回数

      評価
      例数a)

      事象全体

      Grade 3
      以上b)

      評価
      例数a)

      事象全体

      Grade 3
      以上b)

      注射部位疼痛

      1

      4093

      3186(77.8)

      28(0.7)

      4090

      488(11.9)

      2(0.0)

      2

      3758

      2730(72.6)

      33(0.9)

      3749

      372(9.9)

      0(-)

      疲労

      1

      4093

      1700(41.5)

      35(0.9)

      4090

      1172(28.7)

      14(0.3)

      2

      3758

      2086(55.5)

      143(3.8)

      3749

      756(20.2)

      16(0.4)

      頭痛

      1

      4093

      1413(34.5)

      25(0.6)

      4090

      1100(26.9)

      22(0.5)

      2

      3758

      1732(46.1)

      76(2.0)

      3749

      735(19.6)

      19(0.5)

      筋肉痛

      1

      4093

      738(18.0)

      14(0.3)

      4090

      398(9.7)

      5(0.1)

      2

      3758

      1260(33.5)

      63(1.7)

      3749

      260(6.9)

      4(0.1)

      悪寒

      1

      4093

      434(10.6)

      9(0.2)

      4090

      203(5.0)

      3(0.1)

      2

      3758

      1114(29.6)

      62(1.6)

      3749

      125(3.3)

      0(-)

      関節痛

      1

      4093

      406(9.9)

      7(0.2)

      4090

      247(6.0)

      1(0.0)

      2

      3758

      772(20.5)

      27(0.7)

      3749

      170(4.5)

      5(0.1)

      発熱c)

      1

      4093

      111(2.7)

      8(0.2)

      4090

      27(0.7)

      7(0.2)

      2

      3758

      512(13.6)

      32(0.9)

      3749

      14(0.4)

      3(0.1)

      a)電子日誌により評価した例数
      b)重症度が「高度(日常活動を妨げる)」以上として報告された事象
      c)38.0℃以上。38.9℃を超えた場合に、重症度が高度(Grade 3)以上とした

    2. (2) 12~15歳の参加者

      12~15歳の参加者における有効性を追加で評価した。1983例(コミナティ筋注(起源株)接種群:1005例、プラセボ接種群:978例)を対象に「SARS-CoV-2感染歴がない参加者での2回目接種後7日以降のSARS-CoV-2による感染症に対するコミナティ筋注(起源株)の有効性[ワクチン有効性1(VE1)]」を、2229例(コミナティ筋注(起源株)接種群:1119例、プラセボ接種群:1110例)を対象に「SARS-CoV-2感染歴の有無を問わない参加者での2回目接種後7日以降のSARS-CoV-2による感染症に対するコミナティ筋注(起源株)の有効性(VE2)」を評価した。解析結果は表8のとおりであった。

      表8 SARS-CoV-2による感染症に対する有効性

      解析対象例数

      SARS-CoV-2
      による感染症
      確定例数

      ワクチン有効性
      [95%信頼区間](%)

      VE1a)

      コミナティ筋注(起源株)接種群

      1005

      0

      100.0[75.3, 100.0]

      プラセボ接種群

      978

      16

      VE2a)

      コミナティ筋注(起源株)接種群

      1119

      0

      100.0[78.1, 100.0]

      プラセボ接種群

      1110

      18

      a)VE1及びVE2の2回目接種後の追跡期間(中央値)はいずれも62日であった。また、VE1及びVE2の解析には接種間隔19~38日間の参加者が含まれ、その内訳はVE1とVE2でそれぞれ19~23日間の参加者は95.9%(1902例)と95.8%(2136例)、24~38日間の参加者は4.1%(81例)と4.2%(93例)であった

      2つの年齢群から無作為に抽出したSARS-CoV-2感染歴がない360例(12~15歳群:190例、16~25歳群:170例)を対象に、副次免疫原性評価項目としてコミナティ筋注(起源株)2回目接種後1ヵ月のSARS-CoV-2血清中和抗体価を評価した結果、表9のとおり12~15歳群の16~25歳群に対する非劣性が示された。

      表9 12~15歳群の16~25歳群に対するSARS-CoV-2血清中和抗体価(50%中和抗体価)の幾何平均比

      12~15歳群

      16~25歳群

      GMR[両側95%
      信頼区間]b)

      測定例数

      GMT[両側95%信頼
      区間]a)
      (2回目接種後1ヵ月)

      測定例数

      GMT[両側95%信頼
      区間]a)
      (2回目接種後1ヵ月)

      190

      1239.5
      [1095.5, 1402.5]

      170

      705.1
      [621.4, 800.2]

      1.76
      [1.47, 2.10]

      GMR:幾何平均比、GMT:幾何平均抗体価
      a)抗体価が定量下限(LLOQ)未満の場合、解析には0.5×LLOQの値が用いられた
      b)非劣性マージン:GMR(12~15歳/16~25歳)の両側95%信頼区間下限>0.67

      12~15歳の2260例(コミナティ筋注(起源株)接種群:1131例、プラセボ接種群:1129例)を対象にコミナティ筋注(起源株)接種後の安全性を評価した。治験薬接種後7日間、電子日誌により副反応の発現状況を評価した。主な副反応の発現状況(事象全体及びGrade 3以上)は表10のとおりであった。注射部位疼痛は接種当日(中央値)に発現し、持続期間は2日(中央値)であった。その他の全身性の事象は2~3日(中央値)に発現し、持続期間は1~2日(中央値)であった6)

      表10 主な副反応の発現状況

      発現例数(発現割合[%])

      コミナティ筋注(起源株)接種群

      プラセボ接種群

      接種回数

      評価
      例数a)

      事象全体

      Grade 3
      以上b)

      評価
      例数a)

      事象全体

      Grade 3
      以上b)

      注射部位疼痛

      1

      1127

      971(86.2)

      11(1.0)

      1127

      263(23.3)

      0(0.0)

      2

      1097

      866(78.9)

      7(0.6)

      1078

      193(17.9)

      0(0.0)

      疲労

      1

      1127

      677(60.1)

      15(1.3)

      1127

      457(40.6)

      8(0.7)

      2

      1097

      726(66.2)

      26(2.4)

      1078

      264(24.5)

      4(0.4)

      頭痛

      1

      1127

      623(55.3)

      11(1.0)

      1127

      396(35.1)

      9(0.8)

      2

      1097

      708(64.5)

      22(2.0)

      1078

      263(24.4)

      1(0.1)

      筋肉痛

      1

      1127

      272(24.1)

      2(0.2)

      1127

      148(13.1)

      0(0.0)

      2

      1097

      355(32.4)

      6(0.5)

      1078

      90(8.3)

      2(0.2)

      悪寒

      1

      1127

      311(27.6)

      5(0.4)

      1127

      109(9.7)

      2(0.2)

      2

      1097

      455(41.5)

      20(1.8)

      1078

      73(6.8)

      0(0.0)

      関節痛

      1

      1127

      109(9.7)

      1(0.1)

      1127

      77(6.8)

      0(0.0)

      2

      1097

      173(15.8)

      4(0.4)

      1078

      51(4.7)

      0(0.0)

      発熱c)

      1

      1127

      114(10.1)

      11(1.0)

      1127

      12(1.1)

      2(0.2)

      2

      1097

      215(19.6)

      25(2.3)

      1078

      7(0.6)

      1(0.1)

      a)電子日誌により評価した例数
      b)重症度が「高度(日常活動を妨げる)」以上として報告された事象
      c)38.0℃以上。38.9℃を超えた場合に、重症度が高度(Grade 3)以上とした

    3. (3) フォローアップ解析(12歳以上の参加者、2021年3月13日データカットオフ)

      42094例(コミナティ筋注(起源株)接種群:20998例、プラセボ接種群:21096例)及び44486例(コミナティ筋注(起源株)接種群:22166例、プラセボ接種群:22320例)を対象にそれぞれVE1及びVE2のフォローアップ解析を行った。解析結果は表11のとおりであった6)

      表11 SARS-CoV-2による感染症に対する有効性(2021年3月13日データカットオフ)

      解析対象例数

      SARS-CoV-2
      による感染症
      確定例数

      ワクチン有効性
      [95%信頼区間](%)

      VE1a)

      コミナティ筋注(起源株)接種群

      20998

      77

      91.3[89.0, 93.2]

      プラセボ接種群

      21096

      850

      VE2a)

      コミナティ筋注(起源株)接種群

      22166

      81

      91.1[88.8, 93.0]

      プラセボ接種群

      22320

      873

      a)VE1及びVE2の2回目接種後の追跡期間(中央値)はいずれも118日であった。また、VE1及びVE2の解析には接種間隔19~42日間の参加者が含まれ、その内訳はVE1とVE2でそれぞれ19~23日間の参加者は96.2%(40515例)と96.1%(42739例)、24~42日間の参加者は3.8%(1579例)と3.9%(1747例)であった6)

    4. (4) 追加免疫(コミナティ筋注(起源株)3回目接種)

      本試験でコミナティ筋注(起源株)30µgを2回接種済みの18~55歳の参加者306例に、2回目接種から5~7ヵ月後にコミナティ筋注(起源株)30µgを1回接種したときの安全性及び免疫原性を検討した。
      SARS-CoV-2感染歴がない210例を対象に、コミナティ筋注(起源株)3回目接種後1ヵ月のSARS-CoV-2血清中和抗体価を評価した結果、表12のとおりコミナティ筋注(起源株)2回目接種後1ヵ月のSARS-CoV-2血清中和抗体価に対する非劣性が示された。

      表12 3回目接種後1ヵ月の2回目接種後1ヵ月に対するSARS-CoV-2血清中和抗体価(50%中和抗体価)の幾何平均比

      測定例数

      GMT[両側95%信頼区間]a)

      GMR[両側97.5%信頼区間]b)

      3回目接種後1ヵ月

      2回目接種後1ヵ月

      210

      2476.4[2210.1,2774.9]

      753.7[658.2,863.1]

      3.29[2.76,3.91]

      GMR:幾何平均比、GMT:幾何平均抗体価
      a)抗体価が定量下限(LLOQ)未満の場合、解析には0.5×LLOQの値が用いられた
      b)非劣性の成功基準:GMR(3回目接種後1ヵ月/2回目接種後1ヵ月)の両側97.5%信頼区間下限>0.67及びGMR点推定値≥0.8

      18~55歳の参加者306例を対象にコミナティ筋注(起源株)3回目接種後の安全性を評価した。治験薬接種後7日間、電子日誌により副反応の発現状況を評価した。主な副反応の発現状況(事象全体及びGrade 3以上)は表13のとおりであった。注射部位疼痛は接種当日(中央値)に発現し、持続期間は2日(中央値)であった。その他のリンパ節症を除く全身性の事象は接種翌日(中央値)に発現し、持続期間は1~2日(中央値)であった。リンパ節症は接種当日~4日目に発現し、大部分が5日以内に回復した7)

      表13 主な副反応の発現状況(コミナティ筋注(起源株)3回目接種後)

      発現例数(発現割合[%])

      コミナティ筋注(起源株)接種群

      接種回数

      評価例数a)

      事象全体

      Grade 3以上b)

      注射部位疼痛

      3

      289

      240(83.0)

      1(0.3)

      疲労

      3

      289

      184(63.7)

      13(4.5)

      頭痛

      3

      289

      140(48.4)

      3(1.0)

      筋肉痛

      3

      289

      113(39.1)

      4(1.4)

      悪寒

      3

      289

      84(29.1)

      3(1.0)

      関節痛

      3

      289

      73(25.3)

      1(0.3)

      発熱c)

      3

      289

      25(8.7)

      1(0.3)

      リンパ節症d)

      3

      306

      16(5.2)

      1(0.3)

      a)電子日誌により評価した例数(リンパ節症を除く)
      b)重症度が「高度(日常活動を妨げる)」以上として報告された事象
      c)38.0℃以上。38.9℃を超えた場合に、重症度が高度(Grade 3)以上とした
      d)「重度(試験参加者の通常の機能を顕著に妨げる)」以上の場合に、重症度が高度(Grade 3)以上とした

  4. 17.1.4 国内第I/Ⅱ相試験(C4591005試験)(参考:コミナティ筋注(起源株))

    SARS-CoV-2ワクチン未接種の20歳以上85歳以下の日本人健康成人を対象に、コミナティ筋注(起源株)30µgを19~23日間隔で2回接種したときの安全性、忍容性及び免疫原性を検討することを目的として、プラセボ対照試験を実施した。
    156例(コミナティ筋注(起源株)接種群:116例、プラセボ接種群:40例)を対象に免疫原性を評価し、2回目接種後1ヵ月のSARS-CoV-2血清中和抗体価は表14のとおりであった。

    表14 2回目接種後1ヵ月のSARS-CoV-2血清中和抗体価(50%中和抗体価)

    測定例数

    GMT[両側95%信頼
    区間]a)
    (2回目接種後1ヵ月)

    GMFR[両側95%信頼
    区間]a)
    (2回目接種後1ヵ月/
    1回目接種前)

    コミナティ筋注
    (起源株)接種群

    全年齢

    116

    524.5[459.7, 598.4]

    51.5[45.2, 58.7]

    20~64歳

    94

    570.7[497.6, 654.5]

    55.8[48.7, 63.9]

    65~85歳

    22

    365.6[254.6, 525.0]

    36.6[25.5, 52.5]

    プラセボ接種群

    全年齢

    40

    10.6[9.8, 11.4]

    1.1[1.0, 1.1]

    GMFR:幾何平均上昇倍率、GMT:幾何平均抗体価
    a)抗体価が定量下限(LLOQ)未満の場合、解析には0.5×LLOQの値が用いられた

    160例(コミナティ筋注(起源株)接種群:119例、プラセボ接種群:41例)を対象にコミナティ筋注(起源株)接種後の安全性を評価した。治験薬接種後7日間は電子日誌により副反応が収集され、主な副反応の発現状況(事象全体及びGrade 3以上)は表15のとおりであった。注射部位疼痛は接種当日から翌日(中央値)の間に発現し、持続期間は2日(中央値)であった。その他の全身性の事象は接種翌日(中央値)に発現し、持続期間は1日(中央値)であった8)

    表15 主な副反応の発現状況

    発現例数(発現割合[%])

    コミナティ筋注(起源株)
    接種群

    プラセボ接種群

    接種回数

    事象全体

    Grade 3
    以上a)

    事象全体

    Grade 3
    以上a)

    注射部位疼痛

    1

    103(86.6)

    2(1.7)

    1(2.4)

    0(-)

    2

    92(79.3)

    2(1.7)

    0(-)

    0(-)

    疲労

    1

    48(40.3)

    1(0.8)

    4(9.8)

    0(-)

    2

    70(60.3)

    4(3.4)

    1(2.4)

    0(-)

    頭痛

    1

    39(32.8)

    1(0.8)

    6(14.6)

    0(-)

    2

    51(44.0)

    2(1.7)

    5(12.2)

    0(-)

    筋肉痛

    1

    17(14.3)

    0(-)

    1(2.4)

    0(-)

    2

    19(16.4)

    0(-)

    0(-)

    0(-)

    悪寒

    1

    30(25.2)

    1(0.8)

    2(4.9)

    0(-)

    2

    53(45.7)

    2(1.7)

    1(2.4)

    0(-)

    関節痛

    1

    17(14.3)

    1(0.8)

    2(4.9)

    0(-)

    2

    29(25.0)

    1(0.9)

    0(-)

    0(-)

    発熱b)

    1

    17(14.3)

    0(-)

    0(-)

    0(-)

    2

    38(32.8)

    1(0.9)

    0(-)

    0(-)

    a)重症度が「高度(日常活動を妨げる)」以上として報告された事象
    b)37.5℃以上。38.9℃を超えた場合に、重症度が高度(Grade 3)以上とした

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤に含有される修飾ウリジンメッセンジャーRNA(mRNA)は脂質ナノ粒子に封入されており、それにより非複製性であるmRNAが宿主細胞に取り込まれ、mRNAにコードされるSARS-CoV-2のスパイクタンパク質が一過性に発現する。本剤接種によりスパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防に寄与すると考えられている。

18.2 **,*中和抗体産生能

1価(オミクロン株LP.8.1)製剤を21日間隔で2回投与したマウスにおいて、最終投与の1ヵ月後にオミクロン株(LP.8.1)に対する中和抗体の産生が認められた。また、1価(起源株)製剤を21日間隔で2回投与し、その1ヵ月後に2価(起源株/オミクロン株BA.4-5)製剤を、さらにその4ヵ月後に1価(オミクロン株LP.8.1)製剤をそれぞれ1回投与したマウスにおいても、最終投与1ヵ月後にオミクロン株(LP.8.1)に対する中和抗体の産生が認められた9)

21. 承認条件

  1. 21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 21.2 現時点での知見が限られていることから、製造販売後、副作用情報等の本剤の安全性に関するデータを、あらかじめ定めた計画に基づき早期に収集するとともに、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。その際、国が実施する健康調査等により得られた情報についても適切に反映すること。
  3. 21.3 現在国内外で実施中又は計画中の臨床試験の成績が得られた際には、速やかに当該成績を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出するとともに、本剤の有効性及び安全性に係る最新の情報を、医療従事者及び被接種者が容易に入手可能となるよう必要な措置を講じること。また、国が行う本剤の有効性及び安全性に係る情報の発信について、適切に協力すること。
  4. 21.4 本剤の接種に際し、本剤の有効性及び安全性については今後も情報が集積されることを踏まえ、あらかじめ被接種者又は代諾者に最新の有効性及び安全性に関する情報が文書をもって説明され、予診票等で文書による同意を得てから接種されるよう、医師に対して適切に説明すること。

22. 包装

**シリンジ0.3mL:1本、5本

24. 文献請求先及び問い合わせ先

ファイザー株式会社
Pfizer Connect/メディカル・インフォメーション

〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7

TEL 0120-664-467

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

ファイザー株式会社

東京都渋谷区代々木3-22-7

26.2 技術提携

BIONTECH

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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